身体障害者手帳2級で受けられるサービスは?手当・割引・税制優遇をまとめて紹介

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身体障害者手帳2級は、1級に次ぐ重度の等級で、視覚・聴覚・肢体・免疫・肝臓機能など、障害種別ごとの認定基準に該当する場合に交付されます。

税制上は1級とともに「特別障害者」に該当し、3級以下より手厚い控除を受けられるほか、自治体によって医療費助成や手当などの対象になることがあります。

この記事では、身体障害者手帳2級で受けられるサービスを中心に、等級の基準や具体的な障害の例についてわかりやすく解説します。

身体障害者手帳とは

身体障害者手帳は、身体障害者福祉法にもとづいて都道府県知事などが交付する公的な手帳で、一定以上で永続する身体上の障害がある人が対象となります。

障害の程度は、重度の側から1級から6級までの等級に区分されます。7級の障害は単独では交付の対象になりませんが、7級に該当する障害が2つ以上重複する場合は、6級として認定されます。

2級は1級に次ぐ重度の等級で、税制上は1級とともに特別障害者に該当します。3級以下と比べて、控除額や支援の対象範囲が広がる場合があります。

手帳を取得すると、障害者雇用枠での就労のほか、税控除、医療費助成、公共交通機関の割引、各種手当の受給など、さまざまな支援制度を利用できるようになります。

なお、手帳に有効期限はありませんが、障害の程度に変化が予想される場合は、再認定の期日が指定されることがあります。

身体障害者手帳の審査や取得の流れについては、こちらの記事「身体障害者手帳の審査は厳しい?審査基準や取得手順を解説」で、7級の扱いについては、こちらの記事「障害者手帳7級のメリットはある?重複で6級になる条件と具体例を解説」で詳しく解説しています。

また、手帳の更新や再認定については、こちらの記事「障害者手帳の更新は何年ごと?種類別の年数と必要なものを解説!」で詳しく解説しています。

出典:厚生労働省「身体障害者手帳の概要」・東京都心身障害者福祉センター「身体障害者手帳について

【一覧】身体障害者手帳2級で受けられる主なサービス・メリット

身体障害者手帳2級を取得すると、就労・金銭面・生活支援の各分野で、幅広いサービスや優遇を受けられます。

1級・2級は税制上の特別障害者に該当するため、3級以下よりも大きな控除を受けられるほか、重度障害者を対象とした手当や在宅サービスの対象になる場合があります。

なお、身体障害者手帳2級で利用できる制度には、

があり、2級を持っていれば一律にすべて利用できるわけではない点に注意しましょう。

【主なサービス・メリット】

2級で利用できる主なサービスと3級以下との違いは、以下の表のとおりです。

分類 主なサービス 備考 3級以下との違い
就労 障害者雇用枠の応募、合理的配慮 全等級で利用可能 特になし
就労支援 就労移行支援、就労継続支援、ハローワーク障害者窓口 職場定着支援も受けられる 特になし
税制 特別障害者控除(所得税40万円・住民税30万円)、相続税の税額控除(85歳までの年数×20万円) 同居特別障害者はさらに控除額が大きい 3級以下は障害者控除(所得税27万円・住民税26万円、相続税は年数×10万円)
医療 心身障害者医療費助成(東京都のマル障など) 所得制限あり。自治体により内容が異なる 東京都の場合、3級は内部障害のみ対象
手当 自治体独自の障害者手当、国の特別障害者手当 所得制限や年齢の条件あり 港区の心身障害者福祉手当は1級・2級が月額15,500円、3級は月額7,750円
生活支援 補装具・日常生活用具の費用助成、巡回入浴、居宅生活支援など 自治体により対象や内容が異なる 巡回入浴や居宅生活支援など、1級・2級のみが対象のサービスがある
割引・減免 公共交通機関・レジャー施設の割引、NHK受信料の免除 地域差あり 第1種に該当すれば介護者も割引対象。NHK受信料は世帯主が1級・2級で半額免除
通信 携帯料金の割引 主要キャリア対応 特になし

1級で受けられるサービスについては、こちらの記事「障害者手帳1級ならではのメリットとは?受けられるサービス・税制優遇・どんな人が対象かを解説」で、3級で受けられるサービスについては、こちらの記事「身体障害者手帳3級で受けられるサービスを紹介!等級の基準や具体例も解説」で詳しく解説しています。

障害者雇用での就労が可能になる

身体障害者手帳を取得することで、障害者雇用枠での就労が可能になります。

障害者雇用では、企業側に合理的配慮の提供が義務付けられているため、一般雇用で働く場合と比較して、安定した長期的な就労につながりやすくなります。

障害があることを前提に採用されるため、必要な配慮を企業と相談しながら働きやすい点が特徴です。業務内容や勤務時間、職場環境などについて、障害の特性に応じた調整を受けられます。

【合理的配慮の例】

どのような配慮を受けられるかは、企業のルールや障害の内容、程度によって異なります。在宅勤務や勤務時間の調整は実施していない企業もあるため、必要な配慮がある場合は選考の段階で確認しておきましょう。

また、障害者雇用では、障害があることを前提に採用選考が行われるため、障害そのものを理由に不利になることはありません。必要な配慮を受けながら力を発揮できるか、仕事内容に合った能力や適性があるかを見てもらえます。

障害を開示して働くかどうかの選び方については、こちらの記事「障害者手帳を持つ人の就職はオープン・クローズどっち?障害者雇用枠のメリット・デメリットと選び方」で詳しく解説しています。

出典:厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮

就労支援サービスを利用できる

身体障害者手帳を取得することで、さまざまな就労支援サービスを利用しやすくなります。

【就労支援サービスの例】

就労移行支援事業所は、実務に役立つ実践的なスキルを学びながら、就職先を探すことができる支援サービスです。

就労継続支援事業所は、一般企業で働くことが難しい人が、支援を受けながら働くためのサービスです。A型では事業所と雇用契約を結んで給与を受け取り、B型では雇用契約を結ばず、作業に応じた工賃を受け取ります。

ハローワークの障害者雇用窓口や障害者雇用専門の転職エージェントでは、それぞれ障害者枠での転職や就職活動全般の支援を受けられます。

税控除などの金銭的メリットが受けられる

身体障害者手帳1級・2級は税制上の特別障害者に該当し、3級以下の一般障害者よりも大きな控除を受けられます。

【税控除の内容】

・一般障害者(身体障害者手帳3級~6級)…27万円控除
・特別障害者(身体障害者手帳1級・2級)…40万円控除

・一般障害者(身体障害者手帳3級~6級)…26万円控除
・特別障害者(身体障害者手帳1級・2級)…30万円控除

特別障害者である同一生計配偶者や扶養親族と同居している場合は、
・所得税…75万円控除
・住民税…53万円控除

85歳になるまでの年数1年につき、
・一般障害者…10万円
・特別障害者(身体障害者手帳1級・2級)…20万円
を相続税額から差し引けます。

また、住んでいる自治体によっては、障害者手当の対象になる場合があります。港区の心身障害者福祉手当では、身体障害者手帳1級・2級が月額15,500円、3級が月額7,750円と、等級によって支給額が異なります。

著しく重度の障害があり、日常生活で常時特別の介護を必要とする20歳以上の人は、国の特別障害者手当(月額30,450円)を受給できます。特別障害者手当は身体障害者手帳の等級とは別の基準で判定されるため、手帳2級を持っていることだけで受給できるわけではありませんが、障害の状態が要件を満たしていれば対象になります。

いずれも所得制限や年齢などの条件があり、内容は自治体によって異なるため、役所の窓口で確認しましょう。

身体障害者手帳による手当については、こちらの記事「身体障害者手帳3級/4級の具体例・取得メリット・手当を解説」で詳しく解説しています。

出典:国税庁「障害者控除」・国税庁「障害者の税額控除」・港区「所得税・住民税の障害者控除」・港区「心身障害者福祉手当(区の制度)」・港区「特別障害者手当(国の制度)

自治体によって医療費助成の対象になる

多くの自治体には、重度の障害がある人を対象とした医療費助成制度があり、身体障害者手帳2級は対象になる場合が多くなっています。

東京都の心身障害者医療費助成制度(マル障)では、身体障害者手帳1級・2級の人が対象になります。心臓・じん臓・呼吸器などの内部障害については、3級も含まれます。

医療保険の対象となる医療費・薬剤費について、自己負担額から一部負担金を差し引いた額が助成されます。住民税非課税の場合は、入院時の食事療養・生活療養標準負担額のみの負担で受診できます。

ただし、所得制限があるほか、65歳以上になってはじめて対象の等級に該当した場合は申請できないなどの条件があります。制度の名称や内容も自治体によって異なるため、住んでいる市区町村の窓口で確認しましょう。

出典:東京都福祉局「心身障害者医療費助成制度(マル障)

生活の支援が受けられる

身体障害者手帳2級を取得すると、日常生活を支える自治体のサービスを利用できる場合があります。

1級・2級のみを対象とするサービスもあり、3級以下と比べて支援の範囲が広くなっています。

【生活支援の例(東京都港区の場合)】

看護師を含む専門スタッフが巡回入浴車で自宅を訪問し、原則週2回の入浴介助を行います。

たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な人が、登録事業者の訪問介護を利用できます。

ひとり暮らしなどの人を対象に、緊急ボタンや熱感知器で事業者へ通報できる機器を設置します。

寝具の乾燥が困難な人を対象に、自宅を訪問して寝具の乾燥消毒を毎月行います。

車椅子や補聴器などの補装具、入浴補助用具などの費用が助成されます。

手すりの設置や段差の解消など、住宅を障害に合わせて改修する費用が助成されます。

支援の内容や対象になる等級は、障害種別や自治体によって異なるため、詳細は市区町村の福祉課で確認しましょう。

出典:港区「肢体不自由 2級の人が受けられるサービス」・港区「巡回入浴サービス」・港区「重度身体障害者(児)居宅生活支援」・港区「救急通報システム」・港区「寝具乾燥消毒

公共交通機関・公共料金・レジャー施設等の割引

JRなどの運賃減額では、手帳の等級・障害種別によって第1種・第2種の区分が定められており、2級は多くの障害種別で、割引範囲の広い第1種に該当します。なお、一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの、一上肢の機能を全廃したものによる2級は第2種となります。

第1種に該当すると、本人だけでなく介護者の運賃も割引の対象になります。

【公共交通機関での割引例】※2026年8月時点

第1種の人が介護者と一緒に利用する場合、普通乗車券・定期券・回数券などが本人、介護者とも50%割引になります。距離の制限はありません。単独で利用する場合は、片道100kmを超える区間の普通乗車券が50%割引になります。

※私鉄は各事業者が独自に割引を設定しており、手帳の等級・自治体によって内容が異なります

JRの障害者割引が適用される場合、新幹線や特急でも乗車券(運賃)は50%割引になります。ただし、特急料金・グリーン料金は割引の対象外です。

都内を運行する一般路線バスの都内区間は、乗車券が50%割引、定期券が30%割引になります。第1種の人と同乗する介護者も割引の対象です。

都内在住で手帳を持つ人は、都営地下鉄・都バス・都電などの無料パスの交付対象になります。第1種の人の介護者は50%割引(都バスの定期券は30%割引)です。

手帳の提示で、メーター表示額の10%割引を受けられます。港区では、下肢・体幹機能障害または視覚障害1~3級などの人にタクシー利用券を給付しており、自動車燃料費助成(年間52,000円まで)との選択制になっています。

手帳を持つ12歳以上の人と、同一区間を利用する介護者1人が割引運賃の対象です。割引率や対象路線は航空会社によって異なるため、予約時に確認しましょう。

【その他の割引・減免の例】

【半額免除】
身体障害者手帳1級または2級の人が世帯主かつ受信契約者である場合は、NHK受信料が半額免除になります。視覚障害・聴覚障害の場合は等級を問わず、身体障害者手帳を持つ人が世帯主かつ受信契約者であれば対象です。

【全額免除】
身体障害者手帳を持つ人がいる世帯で、世帯全員が住民税非課税の場合は全額免除になります。

基本使用料や各種サービス料金が割引になります。申込手続きや割引率は、各携帯電話会社によって異なります。

区立駐車場・自転車等駐車場料金の免除、区民保養施設の利用料金の減額など、施設や自治体によって内容が異なります。

有料道路では、障害者割引の事前申請を行うことで、通行料金が半額になります。身体障害者本人が運転する場合は身体障害者手帳を持つ人が対象で、介護者が運転する場合は、手帳に「第1種」と記載される重度の身体障害者が同乗していることが条件です。

障害の種類と等級、自動車の所有者と運転者の条件を満たす場合に減免されます。2級では、視覚障害、聴覚障害、上肢不自由、下肢不自由、体幹不自由、乳幼児期以前の非進行性脳病変による運動機能障害が対象で、障害種別によって条件が異なります。

割引の内容や対象は事業者・自治体によって異なるため、利用前に確認しましょう。

出典:港区「JR運賃、私鉄運賃」・港区「身体障害者障害程度等級表」・港区「民営バス(身体障害者手帳、愛の手帳をお持ちの人)」・港区「都営交通の無料パスと割引」・港区「タクシー運賃」・港区「タクシー利用券の給付」・港区「自動車燃料費助成」・港区「航空旅客運賃」・港区「NHK受信料」・港区「携帯電話使用料など」・港区「有料道路通行料金」・港区「自動車税などの減免

生活や仕事に支障がある場合は「障害年金」の申請も検討

障害によって日常生活や就労に支障が出ている場合、障害年金を受給できる場合があります。

障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金があり、初診日に加入していた年金制度によって、請求できる年金が決まります。障害年金の等級は、障害基礎年金が1級・2級、障害厚生年金が1級から3級で、身体障害者手帳とは別の基準で認定されます。

身体障害者手帳2級を持っていても障害年金2級に認定されるとは限らず、反対に手帳の等級が低くても、年金では高い等級に認定される場合があります。

身体障害者手帳と障害年金の違いは、以下の表のとおりです。

項目 身体障害者手帳 障害年金
目的 身体に障害のある方の社会生活・日常生活を支援するための福祉制度 障害による生活・就労への制限を補うための公的年金制度
等級 1級~6級(※7級は単独では交付対象外) 障害基礎年金:1級・2級 障害厚生年金:1級~3級
審査基準 視覚・聴覚・肢体・内部障害などの身体機能の障害の程度 日常生活および労働への制限の程度
審査 医師の診断書+自治体による審査 医師の診断書+日本年金機構による審査

【障害年金の等級の目安】

令和8年4月分からの障害年金の年金額は、以下の表のとおりです。

種類 年金額(年額)
障害基礎年金1級 1,059,125円
障害基礎年金2級 847,300円
障害厚生年金1級 報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金額
障害厚生年金2級 報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額
障害厚生年金3級 報酬比例の年金額(最低保障635,500円)
子の加算額(2人まで) 1人につき243,800円
子の加算額(3人目以降) 1人につき81,300円
配偶者の加給年金額 243,800円

障害基礎年金の額と子の加算額は、昭和31年4月2日以後生まれの場合の金額です。障害厚生年金1級・2級は、障害基礎年金に上乗せして支給されます。

障害年金に上乗せされる給付金については、こちらの記事「障害年金生活者支援給付金とは?受給条件や給付額を解説」で詳しく解説しています。

出典:日本年金機構「障害年金」・日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」・日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額

脳性麻痺による左半身の麻痺で障害基礎年金2級を受給できた事例

脳性麻痺による左半身の麻痺で身体障害者手帳2級を取得し、障害基礎年金2級の受給対象となった人の事例を紹介します。

本事例の方は、脳性麻痺による左半身の麻痺があり、日常生活の動作に介助が必要な場面がありました。歩行が不安定で、10メートル歩くだけでも転倒の危険から中断せざるを得ず、階段の昇降では手すりを使ってもつまずくことがある状態でした。

仕事は、障害への理解がある職場で簡単な事務作業に就いていました。ただし、左手で細かい作業ができないため、電話応対やメモ取り、マウス操作、キーボード入力をすべて右手で行う必要があり、事務作業にも負担を感じていました。衣服の着脱や靴紐を結ぶ動作も左手では行えず、左半身をかばうことで右足や腰にも大きな負担がかかっていました。

これらの状態から、日常生活と就業のどちらにも他者の介助が必要と判断され、2019年3月の請求で障害基礎年金2級に認定されました。その結果、年額約78万円を受給(2019年度)することができました。

出典:障害年金支援センター静岡「障害年金の受給事例:脳性麻痺

身体障害者手帳を取得する手順

身体障害者手帳の申請には、指定医(身体障害者福祉法第15条の指定を受けた医師)が作成した診断書・意見書が必要になります。

診断書・意見書の用紙や交付申請書は、市区町村の障害福祉担当窓口で入手できます。申請時は、診断書・意見書とあわせて次のものを準備しましょう。

準備物は市区町村によって異なる場合があるため、事前に窓口で確認しておくとスムーズです。

【障害者手帳の取得手順】

現在の症状や生活での困りごとを具体的に伝え、手帳の申請が可能かを確認したうえで、指定医に所定の診断書・意見書を作成してもらいます。

診断書・意見書を受け取ったら、市区町村の障害福祉担当窓口に、申請書類とともに提出します。

提出された書類をもとに、専門機関で障害の程度が審査され、等級が認定されます。

審査が完了すると交付の通知が届き、窓口で手帳を受け取ります。

窓口への申請から交付までは、通常1か月程度かかります(東京都の場合)。診断書の内容の確認や審査の状況によってはさらに日数がかかることもあるため、余裕をもって手続きを進めましょう。

出典:東京都心身障害者福祉センター「身体障害者手帳について

身体障害者手帳2級に該当する障害の程度

2級の認定基準があるのは、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由(上肢・下肢・体幹、乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害)、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害、肝臓機能障害です。

平衡機能障害、音声機能・言語機能・そしゃく機能障害、心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう又は直腸・小腸の機能障害には2級の設定がないため、これらの障害で2級と認定されることはありません。

出典:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表」・厚生労働省「身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)について

視覚障害

視覚障害で2級に該当するのは、次のいずれかに当てはまる場合です。

数値は医療機関で測定された矯正視力・視野にもとづいて判断され、本人の自覚症状だけで決まるものではありません。

(例)矯正してもほとんど視力が出ず、文字の読み書きや単独での外出が極めて難しく、移動には白杖や介助が必要になることが多い状態など。

視力の障害と手帳の取得については、こちらの記事「視力障害で障害者手帳を取得するデメリットはほぼゼロ!メリット・等級・申請手順を解説」で、弱視や緑内障の場合については、こちらの記事「弱視・緑内障で障害者手帳を取得するための条件・申請手順・メリットを解説」で詳しく解説しています。

聴覚障害

聴覚障害で2級に該当するのは、両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの(両耳全ろう)です。

(例)補聴器を使っても音声がほとんど聞き取れず、日常のやり取りに常に筆談や手話が必要な状態など。

肢体不自由(上肢)

上肢の障害で2級に該当するのは、次のいずれかに当てはまる場合です。

(例)両腕とも、物を持ち上げる、つかむといった動作が大きく制限されている、または片腕を上腕の半分以上で失っており、日常生活の多くの場面で助けが必要な状態など。

上肢障害については、こちらの記事「手が不自由でもできる仕事は?上肢障害者におすすめの求人」で詳しく解説しています。

肢体不自由(下肢)

下肢の障害で2級に該当するのは、次のいずれかに当てはまる場合です。

(例)両脚とも立つ、歩くといった機能が大きく低下し、屋内外の移動に車椅子や補助装具が欠かせない状態など。

下肢障害については、こちらの記事「足が悪くてもできる仕事・下肢障害者おすすめの求人を紹介」で詳しく解説しています。

肢体不自由(体幹)

体幹の障害で2級に該当するのは、次のいずれかに当てはまる場合です。

(例)支えなしで座り続けることや立ち上がることが難しく、移動や姿勢の保持に常に車椅子や介助が必要な状態など。

半身不随による肢体不自由の等級については、こちらの記事「半身不随の障害等級は何級?2〜4級が多い理由と認定基準を解説」で詳しく解説しています。

乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害

脳性麻痺など、乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害では、上肢機能と移動機能に分けて認定されます。

2級に該当するのは、次のいずれかに当てはまる場合です。

(例)意図しない動きや失調のために、食事や着替えなどの動作を自分で行うことが極めて難しい、または屋内の移動にも介助や補助具が欠かせない状態など。

ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害(13歳以上)

13歳以上で2級に該当するのは、ヒト免疫不全ウイルスに感染していて、次のいずれかに当てはまる場合です。

【特定の項目】

(例)日和見感染(※1)を繰り返して入退院が続き、強い倦怠感や体調の波により、日常生活の多くの場面で制限を受けている状態など。

(※1)…健康な人には感染症を起こさないような弱い病原体によって、免疫力が低下した人が感染すること

肝臓機能障害

肝臓機能障害で2級に該当するのは、次のいずれにも当てはまる場合です。

Child-Pugh分類は、肝性脳症や腹水の程度、検査値を点数化して肝機能の重症度を判断する医学的指標です。

(例)肝硬変などの進行により腹水や黄疸、強い倦怠感が続き、食事制限や安静、頻回の通院が必要な状態など。

肝臓機能障害と手帳の等級については、こちらの記事「肝硬変で障害者手帳を取得すると何級?等級の基準や手帳の取得手順を解説」で、自己免疫性肝炎については、こちらの記事「自己免疫性肝炎で障害者手帳を取得するための条件・申請手順・メリットを解説」で詳しく解説しています。

身体障害者手帳2級の人が仕事を選ぶときのポイント

身体障害者手帳2級は該当する障害の幅が広く、障害の種類によって仕事で影響が出る場面は大きく異なります。自身の障害特性と必要な配慮を整理したうえで、仕事や働き方を選ぶことが大切です。

共通するポイントは、移動や通勤、体力面の負担をどう減らすかと、必要な配慮を継続して受けられる職場環境かどうかの2点です。

身体障害のある方に向いてる仕事の全体像については、こちらの記事「身体障害者でも働ける仕事とは?おすすめ求人や仕事の探し方を紹介」で詳しく解説しています。

通勤や体力の負担が少ない事務系のデスクワーク(下肢・体幹機能障害や内部障害の場合など)

下肢や体幹の機能障害、肝臓機能障害や免疫機能障害のように、移動や体力面に負担がかかる障害の場合は、一般事務やデータ入力、経理などのデスクワークが選択肢になります。座ったまま取り組める業務が中心のため、立ち仕事や移動の多い業務と比べて身体への負担を抑えやすくなります。

一方で、視覚障害や上肢障害の場合は、画面の閲覧や書類作成、キーボード操作そのものに負担がかかるため、デスクワークであれば負担が少ないとは限りません。画面読み上げソフトや音声入力の導入、業務量の調整といった配慮を受けられるかどうかまで確認しておきましょう。

いずれの場合も、業務支援ツールの導入や座席配置の調整といった合理的配慮と組み合わせることで、障害の内容に応じた無理のない働き方をしやすくなります。障害者雇用の求人のなかでも募集が多い職種のため、選択肢を確保しやすい点も特徴です。

障害別の向いてる職種については、こちらの記事「障害者でもできる仕事一覧!身体・精神・知的障害別に向いている職種を解説」で詳しく解説しています。

在宅勤務など通勤の負担を減らせる働き方

在宅勤務が可能な求人であれば、通勤に伴う移動の負担や体調面の不安を大きく減らせるため、移動に制約がある人や通院が多い人に向いています。

ITエンジニアやWebデザイン、事務系の業務では、在宅勤務が可能な障害者雇用求人もあります。

週数日のみ出社するハイブリッド型など、体調に合わせて働き方を調整できる企業を選ぶことも選択肢になります。

特例子会社や就労継続支援など配慮体制が整った環境

特例子会社は、障害のある人が働きやすいよう、設備やサポート体制を整えている会社です。障害への理解を前提とした職場環境で、必要な配慮を受けながら働けるため、身体障害者手帳2級の人にとっても有力な選択肢になります。

一般企業でのフルタイム勤務が難しい場合は、就労継続支援A型・B型を利用して、体調に合わせて働きながら就労経験を積む方法もあります。

まずは配慮体制の手厚い環境で経験を積み、その経験を土台に、障害者雇用枠での就職やキャリアアップを目指せます。

特例子会社については、こちらの記事「特例子会社と障害者雇用枠の違い・おすすめ求人3選をそれぞれ紹介!」で、働くうえでの注意点については、こちらの記事「特例子会社が厳しい・きついと言われる理由!その実態と合わない人の特徴も解説」で詳しく解説しています。

身体障害者手帳2級を取得した人におすすめの求人例

身体障害者手帳2級を取得している場合、障害の種類や程度によって、仕事に影響が出やすいポイントは異なります。そのため、就職・転職の際は、自身の障害特性に合った業務内容や働き方を選ぶことが重要です。

ここでは、身体障害者手帳2級の方でも働きやすい、実際の求人を3つ紹介します。求人を選ぶときは、次のポイントを確認しましょう。

※求人情報は2026年8月時点の内容です。募集状況や雇用条件は変更される可能性があるため、応募前に最新情報をご確認ください。

NECネクサソリューションズ

【求人情報】

こちらは、NECネクサソリューションズ株式会社が募集している、セールスサポート職の求人です。

営業事務や事業推進のサポートが中心で、各種申請や受理の業務、受注・売上の計上業務、契約の管理や帳票作成など、業務の多くが在宅で対応できると明記されています。出社が必要なのは、契約書の押印や郵送物の対応などに限られます。

通勤の負担を抑えながら働きたい人や、事務職としての経験を活かしてNECグループで長く働きたい人に向いた求人です。応募資格はOfficeツールのスキルのみのため、事務職の経験を積み始めた段階でも応募を検討できます。

NECネクサソリューションズ株式会社の求人は、こちらからご覧ください。

アスクル

【求人情報】

こちらは、アスクル株式会社が募集している、カスタマーサービスとオペレーションを担当する部署のアシスタント業務の求人です。

受注管理や問い合わせ対応を行う部署で、システムを使ったデータの確認・補正や、部内のデータとりまとめ、庶務業務を担当します。担当業務は経験や適性に応じて決まるため、障害の特性や体調も踏まえて、自分に合った業務内容を相談しやすい点が特徴です。

在宅勤務との併用が可能なため、通勤の負担を減らしながら働きたい人におすすめの求人です。業務システムの使用経験は問われず、入社後に習得できる点もメリットです。

アスクル株式会社の求人は、こちらからご覧ください。

パーソルダイバース

【求人情報】

こちらは、パーソルダイバース株式会社が募集している、事務スタッフの求人です。

パーソルダイバースは特例子会社であり、障害のある社員が働くことを前提とした受け入れ体制が整えられています。求人でも、フォロー体制が充実していること、時短勤務を相談できること、社内研修でスキルアップを目指せること、定着率が高いことが挙げられています。

業務はPCを使った入力業務が中心で、PC操作の実務経験は問われません。体調に合わせて勤務時間を相談しながら、事務職としての経験を積んでいきたい人に向いた求人です。

パーソルダイバース株式会社の求人は、こちらからご覧ください。

身体障害者手帳2級を取得した人の転職/就職には転職エージェントがおすすめ

身体障害者手帳2級を持つ人が転職や就職を希望する場合は、障害者雇用専門の転職エージェントの活用がおすすめです。

転職エージェントでは、障害の内容や必要な配慮に応じて就業可能な求人の紹介を受けられるほか、選考書類の作成や面接対策など、転職や就職活動全般のサポートを無料で受けられます。そのため、一人で活動するよりも効率的に内定獲得を目指せます。

障害者専門のエージェントである障害者雇用バンクは、キャリアアップ重視のハイクラス求人と、特例子会社などの応募ハードルが低い求人のどちらも多数保有しています。そのため、障害の内容や希望する働き方に沿った求人の紹介を受けられます。

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まとめ:身体障害者手帳2級は重度の障害として幅広い支援の対象になる

身体障害者手帳2級は1級に次ぐ重度の等級で、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害、肝臓機能障害に認定基準があります。

税制上は1級とともに特別障害者に該当し、所得税40万円・住民税30万円の控除に加えて、相続税の税額控除も3級以下の2倍になります。

東京都の心身障害者医療費助成(マル障)は1級・2級が対象になり、巡回入浴や居宅生活支援のように、1級・2級のみを対象とするサービスもあります。内容は自治体によって異なるため、住んでいる市区町村の窓口で確認しましょう。

交通機関の割引では、2級は多くの障害種別で第1種に該当し、本人だけでなく介護者の運賃も割引の対象になります。

手帳の等級と障害年金の等級は連動しないため、生活や就労への影響が大きい場合は、手帳の等級にかかわらず障害年金の申請も検討しましょう。

働き方は、通勤や体力の負担を減らせるかと、必要な配慮を継続して受けられるかの2点で選ぶことが大切です。判断に迷う場合は、障害者雇用専門の転職エージェントに相談する方法もあります。

身体障害者手帳2級に関するよくある質問

身体障害者手帳2級と1級で受けられるサービスに違いはある?

税制上はどちらも特別障害者に該当し、所得税・住民税・相続税の控除額は同じです。東京都の心身障害者医療費助成や、港区の心身障害者福祉手当(月額15,500円)も、1級・2級で同じ扱いになります。

一方で、東京都の重度心身障害者手当(月額60,000円)のように、手帳の等級ではなく、両上肢および両下肢の機能が失われているかといった状態を別に判定して支給を決める制度もあります。

手帳の等級だけで判断できない制度があるため、利用できるかどうかは市区町村の福祉課で確認しましょう。

出典:港区「心身障害者福祉手当(区の制度)」・港区「重度心身障害者手当(都の制度)

身体障害者手帳2級を持っていれば障害年金2級を受給できる?

身体障害者手帳と障害年金は別の制度で、審査基準も審査する機関も異なるため、手帳が2級でも障害年金2級に認定されるとは限りません。

障害年金は、日常生活や労働がどの程度制限されているかで判断されます。初診日に加入していた年金制度や、保険料の納付状況も要件になります。

反対に、手帳の等級が低くても障害年金に認定される場合があるため、生活や就労への影響が大きい場合は申請を検討しましょう。

出典:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」・日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額

引っ越すと受けられるサービスは変わる?

手帳そのものは全国で有効です。税控除など全国共通の制度は基本的に変わりませんが、自治体独自の医療費助成・手当・生活支援や、地域の交通事業者・施設の割引は転居先で条件が変わる場合があります。

転居したときは、新しい居住地の障害福祉担当窓口に届け出たうえで、利用できる制度を確認しましょう。

出典:東京都心身障害者福祉センター「身体障害者手帳について

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