難聴でも働ける仕事は?聴覚障害者におすすめの求人を紹介

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難聴とも呼ばれる聴覚障害。しかし一言に聴覚障害と言っても、症状は人それぞれ異なり、もちろん仕事に与える影響や向いてる仕事も違います。

今回は、聴覚障害について、症状の分類や、仕事を選ぶときの注意点、転職活動を成功させるためのポイントなどについて解説します。

聴覚障害とは?

まずは聴覚障害の概要について解説します。

聴覚障害の種類

聴覚障害には、

上記2種類と、どちらの特性も含む混合性難聴があります。

伝音難聴

伝音難聴は、外耳もしくは中耳のどちらかに異常が出ることで発生する症状です。

機能障害が原因なため、手術や投薬治療で聴力が改善することもあり、また補聴器を活用することで周囲の音を聞き取ることができます。

出典:いぶき耳鼻咽頭科公式サイト

感音難聴

感音難聴は、内耳や蝸牛神経、脳の障害が原因となり発症する症状です。

特徴としては、次の点が挙げられます。

突発性難聴や加齢性難聴もこの感音難聴に含まれ、また先天的にも発症する可能性があります。

感音難聴は、補聴器を活用しても聴力を完全に補う事が困難であると言われています。

出典:いぶき耳鼻咽頭科公式サイト

聴覚障害の程度の違い

聴覚障害の症状は、聞こえ方によって、軽度から重度まで、4段階で分類されます。

伝音難聴の場合は、大半の人が軽度もしくは中等度に分類されますが、感音難聴や混合性難聴の場合は、軽度から重度まで、人によって聞こえ方に大きな違いが生まれます。

また以下の表は、各程度の具体的な聴力と、該当する障害等級についてまとめたものです。記載されている具体例は、実際に聴覚障害を持つ人が聞き取ることができる最低ラインとされている音です。

難聴の程度具体例/該当する聴力障害等級
軽度・紙に文字を書く音/30dB
・小声での会話/40dB
聴覚障害とは認定されない
中等度・エアコンの室外機/50dB
・普通の声での会話/60dB
認定されない、もしくは6級
高度・近くで聞く蝉の鳴き声/70dB
・救急車のサイレン/80dB
6級もしくは4級
重度・電車が通過している高架下/100dB
・車のクラクション/110dB
3級以上

上記に記載している障害等級はあくまでおおよその目安です。聴覚障害は、症状が片耳か両耳かどうかでも等級の基準が変化するため、詳細は主治医に確認するようにしましょう。

聴覚障害が仕事に与える影響

続いて、聴覚障害が仕事をするにあたってどんな影響を与えるのかについて解説します。

口頭でのコミュニケーションが取りづらい

複数人で仕事をすると、コミュニケーションの大半が口頭になります。

しかし聴覚障害があると、どうしても聞き取り能力にハンデがあるため、コミュニケーションに影響が出ます。

一対一の会話ができる人であっても、複数人での会議や早口な人との会話では、十分に聞き取れないこともあります。 また他人の発言を文字に起こしてくれるアプリもありますが、どうしてもタイムラグが出たり、複数人の場合、誰の発言かがわかりづらいため、中等度以上の聴覚障害におけるコミュニケーションは、テキストでのコミュニケーションが基本となります。

できる仕事に制限が生まれる

聴覚障害があると、就職が難しい職種があったり、担当できない業務が発生します。

【聴覚障害があると対応が難しい業務】

聴覚障害の症状は人それぞれなので、できる仕事、できない仕事は人によって異なりますが、聴覚障害の程度によっては自分がやりたいと思っている仕事ができない可能性があるため、仕事を選ぶ時は「どんな業務ができて、どんな業務ができないのか」を整理必要があります。

通勤時に注意が必要になる

周囲の音を正確に聞き取ることができないと、通勤中など社外にいる時に注意が必要になります。

通勤ラッシュ時の駅のホームや構内は急いでいる人が多いため、後ろから急に人がくることがありますが、駅構内は騒がしいこともあり、聴覚障害により気づかずぶつかってしまうこともあります。軽くぶつかるだけであれば大きな問題にはなりませんが、それにより相手とトラブルになることもあり、またホームでぶつかってしまった場合は転落してしまう危険性もあります。

また電車の遅延が発生したときのアナウンスを聞き逃してしまったり、一般道の交差点で信号が青の時に救急車やパトカーなどの緊急車両が走行してきてもサイレンに気づかずに渡ろうとしてしまったりなど、聴覚からの情報が制限されることで起こり得る危険に対して、常に注意を払っておく必要があります。

聴覚障害者におすすめの仕事

聴覚障害者におすすめの仕事には、

など、主にデスクワーク系の職種が該当します。

障害の程度によっても差がありますが、デスクワーク系の職種であれば、口頭でのコミュニケーションが必ずしも必須ではないケースもあるため、その場合は聴覚障害によるハンデが仕事に影響しにくくなります。

もちろん本来であれば電話対応や、会議の参加などが必要とされている職種もありますが、障害者雇用であればそういった点については配慮を求めることができるため、安心して働けます。

おすすめの在宅ワークの求人については、こちらの記事「」にて

障害者におすすめの在宅ワーク求人を紹介!必要なスキルも解説

症状の重さによって働ける仕事が変わる

障害の程度によって、できる仕事や働き方には違いがあります。

軽度聴覚障害におすすめの仕事

補聴器を使うことで日常会話や電話対応などができるのであれば、基本的には大抵の仕事は対応可能です。

しかし大きな音がする環境での仕事は会話相手の発言が聞こえにくく、聴覚にも負担がかかるので向いていません。

また肉体労働や運転が必要な仕事については、主治医への相談し許可をとってからの就労がおすすめです。

中度以上の聴覚障害者におすすめの仕事

口頭でのコミュニケーションが不要な仕事であれば就労が可能です。

具体的には、先ほども記載した事務職やプログラマーなどのデスクワークが中心の職種です。

反対に、営業職や接客業など、口頭でのコミュニケーションが必須の職種の場合は、円滑に業務をこなすことは難しいでしょう。

前述の事務職やプログラマーは、スキルや実務経験があるほど採用されやすくなります。もしそういった点に自信がない場合は、就労移行支援職業訓練校を活用しましょう。

聴覚障害者が働きやすい環境

聴覚障害者が仕事選びをする上では、職種だけでなく、働きやすい職場を選ぶことも大切です。

障害理解があり、また聴覚障害者の採用実績がある会社であれば安心して就業できます。

また、働きやすい環境を作るためには、配慮事項を自分で伝えることも必要です。

【職場に求める配慮事項の例】

入社前に必要な配慮事項を伝え、一緒に働く人に求める配慮を事前に把握してもらうようにしましょう。

聴覚障害者におすすめの求人

聴覚障害者におすすめの求人情報を4つ紹介します。

大塚商会

【求人情報】

こちらは大塚商会の人事関連職の求人です。

人材開発部にて、人事データの集計や加工など、人事部の業務をサポートするポジションになります。

人事関連の職種は、人事職の経験が求められることが多いのですが、こちらの求人ではPCの基本的なスキルがあれば応募対象になるため、人事の仕事に興味がある方におすすめです。

株式会社大塚商会の求人はこちらからご覧ください。

キヤノン

【求人情報】

こちらはキヤノンの事務職の求人です。

記載されている各部署の中から適性を考えた上で配属が決定し、業務内容も人それぞれ異なります。

こちらは応募資格がないことと、給与の幅が広いことが特徴です。スキルや経験が少ない人でも、給与は下がりますが応募が可能です。

反対に専門的なスキルや、実務経験が豊富な方の場合は、一般枠と同程度の給与も見込めます。

キヤノン株式会社の求人はこちらからご覧ください。

マイナビパートナーズ

【求人情報】

こちらはマイナビパートナーズのクリエイティブ職です。

求人の原稿ライティングや、名刺の作成など、クリエイティブな業務と、在庫管理やファイリングなどの総務関連の業務をそれぞれ担当します。

マイナビパートナーズは特例子会社に該当するため、より徹底した配慮を受けながら働けます。

特例子会社については、こちらの記事「特例子会社で働くメリット・デメリットと実際の求人例を紹介」にて詳しく解説しています。

株式会社マイナビパートナーズの求人はこちらからご覧ください。

SHIFT

【求人情報】

こちらは株式会社SHIFTの業務改善サポートの求人です。

社内で働く人の業務を効率化するための社内ツールやシステムの開発をサポートすることが主な業務です。また場合によって、庶務業務も兼任となるため、幅広い業務が経験できます。

また開発エンジニアの経験があることが応募条件に含まれているため、応募の難易度は他求人より高くなっていますが、その分給与も高額を見込めます。

株式会社SHIFTの求人はこちらからご覧ください。

障害者手帳なしでも就職できる?

難聴であるものの障害者手帳を取得できない場合は、一般枠での就労となります。「難聴だと一般枠での仕事は難しいんじゃないかな…」と不安に思う方もいるかもしれませんが、ご自身の症状に対する理解と、適切な職場を選ぶことができれば問題なく就労できます。

実際にこちらの方は、障害者手帳を取得できなかった中等度(50dB~60dB)の難聴ですが、ご自身の症状について企業に正しく説明したり、自分にできる仕事を正確に把握したりすることで、複数の企業の一般枠で働いてきたそうです。

このように自分の症状を深く理解し、自分にできることとできないことを把握できれば、それを基準に仕事を探したり、企業側に説明し適切な配慮を求めたりできます。

また就職後に職場の配慮を得るためには、病気や障害に理解のある企業を選ぶ必要もあります。面接時に難聴について伝え、配慮が必要かどうか確認しましょう。

「面接で企業側にに難聴を伝えると採用されないのでは?」と思うかもしれませんが、職場での配慮が全く必要ない人以外は、障害者手帳がなくても難聴があることを事前に伝えることをおすすめします。

【障害者手帳がなくても難聴があることを事前に伝えておくメリット】

上記にあるように、面接段階で難聴があることを事前に伝えておくことが、結果的に自分の働きやすい環境を作ることに繋がります。難聴が理由で採用を見送られる可能性もありますが、それは、企業側が適切な配慮を提供できないと判断したためですので、落ち込む必要はありません。

「障害のせいで不採用になった」のではなく、「企業側に障害への配慮体制がなかっため、採用したくても体制の問題で採用できなかった」と解釈すると良いでしょう。

仮に、難聴者への配慮体制がない会社に難聴を隠して入社しても長く働くことは難しいため、一般枠での就職を考えている場合でも、企業側には面接段階で事前に難聴について伝えるようにしましょう。

聴覚障害者の転職を成功に導く4つのポイント

最後に、理想の転職を叶えるためのポイントを4つ解説します。

障害者枠で転職する

障害者手帳を所有している場合は、障害者枠での就職をおすすめします。

前述の通り、一般枠でも理解のある職場であれば、十分に就労は可能ですが、障害者枠の方がより適切な配慮を受けながら働けます。

また、障害者枠は障害者専用の雇用枠なので、応募倍率も一般枠の求人と比べて低くなります。

障害者枠は一般枠より平均給与が低い、選べる職種が少ないなどといったデメリットもありますが、スキルや経験を積んだり、好条件の求人を選んだりすることでこれらの課題は解決が見込めます。

障害者枠については、こちらの記事「障害者枠と一般枠の求人を比較!メリット・デメリットも解説」にて詳しく解説しています。

スキルに自信がない場合は就労移行支援を利用する

転職活動は、企業にアピールできるスキルや経験があると効率的に進められます。

【転職活動に役立つスキル】

転職活動をする際に、「業務に必要なスキルを持っているかどうか」が必須条件であるケースが多いため、もし現時点でスキル、経験どちらにも自信がない場合は、選考を受ける段階で一定のスキルを身につけることで、自信をもって選考を受けることができます。

上記のスキルは独学でも身につけることは可能ではありますが、効率は良くありません。そのため、就労移行支援の活用がおすすめです。

就労移行支援は、障害者や難病の方を対象とした就労支援施設で、上記のようなスキルや働く上で必要なビジネスマナーなどを学べます。またそれだけではなく、転職活動の支援も受けられます。

就労移行支援については、こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。

自分に合った働き方を選ぶ

せっかく転職してもすぐに退職、とならないように転職活動は、入社後のことまで考えて行わなければいけません。

そのためには、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。 働き方の選択肢は、先ほど解説した障害者枠や一般枠だけではありません。

障害者には、障害者枠や一般枠以外にも次のような働き方の選択肢があります。

それぞれメリットやデメリットがあるため、その中からより自分に合った働き方を選びましょう。

転職エージェントを利用する

転職活動をサポートするサービスや支援施設は複数あります。先ほど紹介した就労移行支援もその1つです。

しかし就労移行支援を利用するためには、複雑な手続きが必要になったり利用条件が定められていたりと、誰でもすぐに利用できるわけではありません。

そのため、気軽に手厚いサポートを受けたい場合は、障害者雇用専門の転職エージェントを利用しましょう。

【転職エージェントのメリット】

求人情報は、ハローワークやネットで探すこともできますが、転職エージェントを利用すると自分の経歴や障害特性に合った求人を紹介してもらえたり、非公開の求人を紹介してもらえたりします。

また書類の添削や面接練習など、選考を突破するためのサポートも受けられます。

そのうえで、自分からは聞きづらいことや面接前に把握しておきたい企業の情報なども、エージェント経由で確認できます。

インターネットから簡単に登録が可能で、利用料も無料なため、転職活動をスタートするタイミングでまずは登録してみましょう。

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