就労継続支援A型とは?手取り額やB型との違い・仕事内容を徹底解説!

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就労継続支援A型は、「働きたいけど一般就労はまだ不安」という方におすすめの福祉サービスです。

障害者が利用することを前提としているため、体調に不安があったり、スキルに自信がない方でも安心してご利用いただけます。

しかし「給料が低く生活ができない」という声もありますが、それは本当なのでしょうか?

本記事では、就労継続支援A型の実態について徹底解説します!

就労継続支援A型とは?

まずは就労継続支援A型がどんなところなのか解説します。

就労継続支援A型はどんな事業所?

就労継続支援A型は、一般就労が難しい障害者を対象とした就労支援施設です。

事業所ごとに設定された業務を行い、働いた時間に応じた給与を受け取ります。就労継続支援A型では雇用契約を結ぶため、最低賃金が保証されている点も特徴です。また一般企業と比較して、障害に対する配慮が徹底していて、体調に不安がある方でも安心して就労できます。

2020年時点で、日本国内に2,600以上の事業所があり、46,000人以上の方が利用しています。

就労継続支援A型は、事業所で就労すること自体を1つの目的としていますが、就労継続支援A型から一般就労を目指すことも可能です。就労継続支援A型から一般就労を目指す手順についてはこちらの記事「障害者向けの作業所とは?就労継続支援から一般就労を目指す方法や作業内容を解説」にて詳しく解説しています。

就労継続支援A型とB型の違い

就労継続支援事業所にはA型とB型、2種類の事業所があります。

それぞれの違いは下記の通りです。

【A型とB型の違い】

A型B型
雇用契約結ぶ結ばない
利用料金所得により自己負担の場合あり所得により自己負担の場合あり
賃金作業量に対する工賃働いた時間に対する給料
平均賃金79,625円/月・899円/時給15,776円/月・222円/時給
対象年齢年齢上限なし原則65歳未満
利用期間規定なし規定なし

A型事業所とB型事業所を比較した際、A型事業所のメリットは、

こちらの2点です。 A型事業所は雇用契約を結ぶため、最低賃金が保証されます。そのため、一般的なアルバイトと同額程度の給与を受け取れます。 また、A型事業所では事務作業やプログラミングなど、より一般就労に近い業務を経験できます。B型事業所の業務は、軽作業や簡単な入力作業が中心となります。

就労継続支援A型の働き方

続いて、就労継続支援A型の働き方について解説します。

就労継続支援A型の仕事内容

就労継続支援A型は、事業所ごとに作業内容が決められており、幅広い業種、職種の業務を経験できます。

事務作業

ExcelやWordといったOfficeソフトを活用した、書類作成や伝票整理などの事務作業を行います。それ以外にも、請求書や見積書の作成を担当する場合もあります。

また書類作成以外にも、ファイリングや書類管理など、一般企業の事務職と同様の事務作業全般を経験できます。もちろんいきなり難しい業務を任されることはなく、データ入力などの簡単な作業から担当することになります。

事務職は、障害者の一般就労で最も求人数が多いため、就労継続支援A型の中でも一般就労に繋がりやすい職種と言えます。

webデザイナー

就労継続支援A型では、webデザイナーも人気の職種です。

企業のサイトや広告バナー、ECサイトなどの作成を担当します。こちらも事務作業と同様に、まずはPhotoshopやllustratorなどのデザインソフトの操作方法から丁寧な指導を受けられます。

一般就労の場合、未経験でwebデザイナーになることは難しいですが、就労継続支援A型では未経験で入所する方も多くいらっしゃいます。

未経験からwebデザイナーを目指したい方は、まず就労継続支援A型で経験と実績を重ねていきましょう。

プログラミング

就労継続支援A型では、プログラミング業務を経験できる事業所もあります。

プログラマーは、システムエンジニア(SE)が作成した設計書をもとにプログラムを作成することが主な業務です。またプログラマーとして経験を重ねることで、webエンジニアやシステムエンジニアへのキャリアアップが可能になります。

現在、ITエンジニアは人材が不足していることもあり、障害者雇用の中でも比較的給与額が高く、年収で300万〜500万円ほどが相場です。

プログラマーもwebデザイナーと同様に、未経験からの一般就労は難しいですが、就労継続支援A型や職業訓練校でスキルを身につけることで、プログラマーとしての就職も現実的になります。

職業訓練校を活用してプログラマーを目指す手順については、こちらの記事「障害者のためのプログラミング訓練を活用してエンジニアになる方法」にて詳しく解説しています。

接客

就労継続支援A型では、事業所内以外での業務もあります。 また接客業と一口に言っても、もちろん事業所ごとに現場は異なります。

【接客業の例】

接客業を経験することで、コミュニケーション能力も培われるため、苦手意識がある方の訓練としてもおすすめです。

軽作業

デスクワークが苦手な方や、単純作業系の業務を希望される方には、軽作業系の業務がおすすめです。 【軽作業の例】

軽作業のメリットは、未経験でも簡単に作業を覚えられる点です。基本的に就労継続支援 A型事業所の業務は、未経験から就労できます。 ですが、事務作業やプログラミングは、軽作業と比べ覚えることが多く、就労に慣れていないと負担に感じてしまうこともあります。 軽作業であれば、単純作業が大半で、また臨機応変な対応も不要なため、どんな方でも安心して就労できます。

清掃

清掃を仕事として取り入れている事業所もあります。

清掃業は、単純作業が得意な方や体を動かす仕事をしたい方におすすめで、オフィスビルや公園の清掃が中心となります。

軽作業と同様に、業務内容がシンプルで自分の作業に集中できるため、まず働くことに慣れたい人が多く就業しています。

飲食店のキッチン業務

就労継続支援A型では、飲食店のキッチン業務を担当できる場合もあります。

調理作業全てを担当することはありませんが、食材の下準備や盛り付け、キッチンの清掃や場合によっては接客なども、飲食店の業務を幅広く経験できます。

もちろん一般的な飲食店とは違い、作業スピードや高度な調理技術を求められることはないため、飲食業に興味はあるけど自信がないという方におすすめの職種です。

洗車作業

就労継続支援A型事業所の中には、洗車業務を実施している事業所もあります。

自宅や会社など、希望に合わせた場所での洗車サービスで、実際にそこに訪問し洗車業務を行います。

軽作業と近い仕事ですが、お客様と直接接することもできるため、軽作業と接客業どちらにも興味がある方に合った業務です。

農作業

就労継続支援B型でも多くの事業所が実施していますが、A型事業所でも選択可能な事業所があります。

農作物の種植えや収穫、選定業務を行います。場合によっては、収穫した農作物の加工まで担当している事業所もあります。

外で作業することが好きな人や、農業関係の仕事を目指している方におすすめです。

労働時間は調整できる

就労継続支援A型に通所する場合、労働時間はご自身の状況に合わせて調整が可能です。

一般就労だと1日8時間・週40時間(週5日)の労働が基本ですが、就労継続支援A型の場合は、1日4時間程度・週15時間程度からの就労が可能です。

もちろん週5日働くことが難しい場合は、1日6時間、週3日勤務などでも働くこともできるため、体調が安定していない方や、まずは短時間の就労から慣らしていきたい方でも、無理なく就労が可能です。

就労継続支援A型の給料・手取り額

就労継続支援A型の給料事情について、詳しく解説します。

給料は最低賃金保証の時給制

まず前提として、雇用契約を結ぶため、最低賃金が保証されます。

最低賃金は都道府県ごとに設定されており、2021年時点で、東京都が1,041円、大阪府が992円、福岡県が870円となっています。やはり都市部が高い傾向にあります。

また平均給与も徐々に増加してきており、2020年の調査では、

となっています。 こちらのデータは全国平均なので、各地域の最低賃金ごとに多少増減します。

最低賃金が保証されているため、働く時間次第では一般的なアルバイトと同額程度の給与を受け取ることも可能です。

就労継続支援A型の手取り額

就労継続支援A型では、雇用契約を結ぶため、働いた時間分の給与から保険料などを差し引いたものが手取り額となります。

額面手取り
40,000円38,800円
80,000円79,760円
120,000円119,640円

時給1,000円の事業所で月80時間働いた場合、まず額面が80,000円になります。雇用保険料は額面の0.3%とされています。そしてそこから雇用保険料の240円が引かれた79,760円が手取り額になります。

年間所得が103万円以上になると、所得税の対象になるため、雇用保険料に加えて所得税が差し引かれ、額面と手取り額の差が大きくなりますが、大半の方が対象外になるため、年間所得が103万円を超えない限りは所得税について考える必要はなく、雇用保険料のみが差し引かれる形となります。

就労継続支援A型では生活できない?

「就労継続支援A型の給料だけでは生活できない」という声をよく聞きます。確かに一般就労と同等の給与を受け取ることはできません。

そのため多くの方は、障害年金や生活保護を活用しながら、就労継続支援A型を利用しています。

障害年金とは、条件を満たす障害者を対象とした年金制度で、障害の程度によって1級と2級に分類されます。こちらは厚生年金のように高齢者を対象とした制度ではなく、原則申請時に20歳以上64歳以下であることが受給条件に含まれます。

先ほどの例と同様に、時給1,000円の事業所で月80時間働いた場合、年間の手取り額が957,600円です。そこに障害年金2級の年間学777,800円を足すと、1,735,400円となります。

またこれら以外にも、障害の内容や等級ごとにそれぞれ受け取れる補助金があります。 【補助金例】

自分が対象となる補助金がわからない場合は、役所の窓口に相談しましょう。

就労継続支援A型はどんな人に向いてる?

就労継続支援A型がどんな人に向いている事業所なのか解説します。

就労継続支援A型の対象者

就労継続支援A型は、下記の条件に該当する方が対象者です。

また上記の条件以外に年齢制限もあり、基本的に18歳以上65歳未満の方が利用可能です。ですが、65歳以上の方でも条件を満たすことで通所できる場合もあるので、希望する場合は通所中の事業所に相談しましょう。

就労継続支援A型が向いてる人

就労継続支援A型は、「現時点で一般就労は難しいけど働きたい人」に向いてる事業所です。

働きたいと思っていても、体調が不安定だったり障害理解が不十分な状態の場合、企業での一般就労は簡単ではありません。

ですが就労継続支援A型では、障害に対する配慮が徹底していたり、労働時間も調整できるため、自分の状況に合わせて安心して就労できます。また継続して長期的に利用することも可能です。

また就労継続支援A型で、働く感覚を掴み経験を積むことは、企業での一般就労に繋がります。就労継続支援事業所を活用して一般就労を目指す方法は、こちらの記事「障害者向けの作業所とは?就労継続支援から一般就労を目指す方法や作業内容を解説」にて詳しく解説しています。

障害種別は関係ない

就労継続支援A型は、身体障害者、精神障害者、発達障害者、知的障害者、すべての障害種別が対象です。

バリアフリー設備が整っている事業所も多く、身体障害者も安心して通所できます。

また複数の障害を併発している場合でも、もちろん対象となります。一般就労を目指す第一歩として、ぜひ就労継続支援A型の利用を検討してみてください。

就労継続支援A型の利用料金

人によっては就労継続支援A型の通所に、利用料がかかる場合があります。

まず前提として、就労継続支援A型の利用料は、9割が国の負担、1割が自己負担です。さらにこの1割の自己負担額にも上限が定められています(以下表を参照)。 現在就労継続支援を利用してる約8割の方が無料で通所しています。

区分世帯の収入状況負担上限額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯(注1)0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満)※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)。9,300円
一般2上記以外37,200円

※注1:3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります
※注2:収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
※注3:入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります

生活保護を受け取ってる方や、市町村税が非課税の方は、就労継続支援を無料で利用できます。

就労継続支援A型を利用するための手続き

就労継続支援A型に通うためには、必要な手続きがあります。

就労継続支援A型に通う手順

就労継続支援A型に通う一連の手順はこちらです。

【申し込み手順】

このようにやるべきことが多く、通所を決めてから実際に通所できるまで、1〜2ヶ月ほどかかるのが一般的です。

就労継続支援に通う手順については、こちらの記事『「就労継続支援」とは?A型・B型の違いと手続き方法を解説!』にて詳しく解説しています。

事業所の探し方

上記でも解説したように、役所での手続きに入る前に、自分が通いたい事業所を見つけなければいけません。

事業所の選び方は、

の3つの方法があります。

障害者雇用バンクでは、地域ごとに事業所を一括検索できます。またその事業所の特徴や公式サイトも掲載されているので、気軽に事業所探しができます。

またネット検索で探す場合は、「就労継続支援A型 世田谷区」や「就労継続支援A型 軽作業」のように、住んでる地域や希望の職種と合わせて検索しましょう。

自分に合った事業所の選び方

どんな事業所が自分に合っているかわからない人もいらっしゃるのではないでしょうか。

自分に合った事業所を選ぶ基準は下記の3つです。

業務内容と地域については、事業所を探す時点で確認しましょう。

そして就労継続支援A型では、大半の場合申し込み前に体験や見学ができるので、事業所の雰囲気については、自分の目で直接確認しましょう。

就労継続支援A型の事業所例

最後に就労継続支援A型の事業所をいくつか紹介します。

ヒューマングロー

こちらの事業所は、幅広い業務内容や医師との連携による健康サポートが特徴です。

【業務内容】

また就労移行支援も運営しているため、就労継続支援A型から一般就労を目指す方におすすめの事業所です。

詳細はこちら

ココピアワークス

こちらの事業所は、web関連の職種に特化した就労継続支援です。

【業務内容】

他にもプログラミングなど、web関連の業務をできる事業所はありますが、ここまで幅広くかつ専門的な業務ができる事業所は多くありません。

web関連の人材は、現在多くの会社で求められている状況なので、こちらの事業所で経験を積むことで、転職時の選択肢を広げることが可能です。

詳細はこちら

Be Happiness

こちらは、A型とB型併設型の事業所です。

【業務内容】

体を動かす業務が中心となっています。

基本的にB型は、A型事業所に通所する人よりも障害が重い状態の方が対象です。そのため、A型以上に障害に対するサポートが徹底されています。

こちらの事業所は、同敷地内にA型とB型が併設されているため、より安心して通所することが可能です。

詳細はこちら

ぐろーあっぷ

こちらは関西圏に複数の事業所を展開しています。

【業務内容】

こちらの事業所では、交通費や皆勤手当の支給、スキルアップ支援など、一般企業の福利厚生と似たような制度を導入しています。

他の事業所以上に、一般就労を目指しやすい環境が整っています。

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