就労移行支援で就職できなかった?解決法とおすすめの就職先を紹介

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就労移行支援事業所は、転職するためのスキルを身につけながら転職活動の支援を受けられる支援事業所です。

しかし「就労移行支援を利用しても就職できなかった」という声があるのも事実です。

今回は就労移行支援を利用したのに就職できなかった人の原因について解説します。

就労移行支援とは

まずは、就労移行支援事業所がどんな施設なのかについて解説します。

就労移行支援を利用する目的

就労移行支援は、障害や難病があり、そのうえで就労の意欲がある人のために運営されている就労支援施設です。

就労移行支援が提供しているプログラムは、下記の4つです。

こちらの4つのプログラムを通して、就職するためのスキルを身につけたり、就職後のサポートを受けたりしながら、長期的な就労を目指すことが就労移行支援を利用する目的です。

上記のプログラムについては、こちらの記事「就労移行支援事業所ではどんなサポートが受けられるの?1つずつ解説!」にて具体的に解説しています。

就労移行支援で学べること

就労移行支援では、実務で役立つスキルを事業所が設定したカリキュラムに沿って学べます。

【学べるスキルの例】

未経験の人を対象としているため、上記の内容について基本的なレベルから、実務でも活用できる内容まで学ぶことができます。

また就労移行支援では、全ての事業所共通で、ビジネスマナーやグループワークなど、社会人として企業で働くために必要な基本的なことも学べます。

就労移行支援で学べるスキルについては、こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。

就労移行支援の利用期間

就労移行支援には、利用期限が定められています。

就労移行支援は、原則最大で2年間が利用上限とされています。またこの上限は「通算」で計算されるので、たとえば過去の転職活動で利用していたり、事業所を変更したりした場合でも、就労移行支援に通えるのは通算で2年間までとされています。

しかし、場合によっては1年間の延長が可能です。

2年間利用しても就職ができず、そのうえで居住地域の審査会から許可が出た場合のみ、1年間の利用延長が認められます。

就労移行支援の利用期間については、こちらの記事「就労移行支援の利用料金はいくら?対象者や利用期間など、利用条件を解説!」にて詳しく解説しています。

就労移行支援の利用方法

就労移行支援を利用するためには、下記の5つの手順を踏む必要があります。

そして、上記の手順3の申請手続きのためには、下記のものが必要になります。

就労移行支援の利用方法については、こちらの記事「就労移行支援事業所に通い始めよう!利用登録・契約の方法は?」にて詳しく解説しています。

就労移行支援を利用しても就職できない?

実際に就労移行支援を利用しても就職できなかった、という人は少なくありません。その理由について、具体的に解説します。

就労移行支援の実態

平成30年度の調査によると、就労移行支援から一般就労に移行できた(就職できた)人は約53%とされています。

つまり、半数以上の人が就職できているということですが、それは裏を返すと半分近くの人が就労移行支援を利用しても就職できていないということでもあります。

しかし、平成21年度と比較すると、10%程度就職率は上がっているため、今後も就職率は改善していく可能性は高いでしょう。

就労移行支援を利用しても就職できなかった理由

就労移行支援を利用しても就職できなかった原因について、考えられるものを具体的に解説します。

安定して通所できなかった

就労移行支援は、慣れるまで少ない日数や短時間からの通所ができます。

しかし、就職を目指す場合には、週4〜5日の通所ができる状態を目指す必要があります。

理由としては、就労移行支援に毎日通うこと自体が、企業に対して障害が安定していることをアピールすることにつながるためです。

また、就労移行支援の通所期間は、原則で2年間が上限とされているため、少ない日数しか通っていないとカリキュラムを十分にこなせず、就職の準備が不十分な状態で終わってしまうことも理由の1つです。

【選考の難易度が高い求人例】

就労移行支援では、Excelなどの事務スキルやプログラミングなど、実務で役立つスキルが学べますが、求人によっては「3年以上の実務経験」というように、一定の実務経験が求められる場合があります。

しかし、就労移行支援での活動は実務とはみなされないため、実務経験が必要な求人に応募しても採用される確率は低くなります。

また、給料が良い求人や有名企業の求人は他の求職者からの人気も高く、倍率も上がるため、選考を勝ち抜くには、業務経験や応募職種における適性の高さが必須になります。

就職活動の準備が不十分だった

企業の選考では他の候補者の経験や業務スキルと比較されるため、ただなんとなく就労移行支援に通い、経験や業務スキルが積みあがらないままではなかなか選考を勝ち抜くことができません。

自分の障害への理解が不足していたり、企業研究が不十分だったり、選考を受ける準備ができていないと判断されると採用担当者からのイメージは悪くなり、不採用につながります。

助成金目当ての就労移行支援事業所に通所していた

就労移行支援事業所は、病気や障害のある入所者の人数に応じて国から助成金が交付されます。

そのため就労移行支援事業所の中には、この助成金目当てで通所者を募るばかりで支援内容の質があまり良くないところがあります。

このような、「粗悪な」就労移行支援事業所に通ってしまった場合、いたずらに2年間の期限一杯まで通所させてしまい、無為に助成金の支給を受け続けるといったケースもあります。

そのような就労移行支援事業所は、そもそも入所者の就職を成功させるための積極的な支援をしないため、就職に繋がりにくくなってしまいます。

就職に結びつく!重要なポイント4つ

就労移行支援を利用し、就職するために大切なポイントを4つ解説します。

働きたい職種に沿った業務スキルを学ぶ

就労移行支援では、ビジネスマナーの習得や就職活動のサポートはどの事業所でも一律で行なっています。それ以外のカリキュラムは事業所ごとに違います。

そのため、事務職であればExcel関数やピボットテーブル、プログラマーであればPHPのように、自分が就きたい仕事に役立つ業務スキルを学べる事業所を選ぶ必要があります。

また、求人を選ぶ時もなんとなく選ぶのではなく、学んだスキルが実務で活かせる求人を選ぶことで、就労移行支援で学んだことを選考でアピールできます。

プログラミングは企業からの需要が伸び続けており、プログラマーとして就職したあと、経験を積むことで年収も上がりやすいのでおすすめです。

   【就労移行支援で学べるプログラミング言語】

未経験からエンジニアになる方法については、こちらの記事「障害者のためのプログラミング訓練を活用してエンジニアになる方法」にて詳しく解説しています。

優良な就労移行支援事業所に通所する

先ほども解説したように、就労移行支援事業所の中には悪徳な事業所もあるため、就職につなげるためには、優良な事業所を選ぶことが大切です。

優良な事業所を探す際には、その事業所の就職実績やサポートの質を確認しましょう。

就職実績が豊富な事業所であれば、もちろん自分が利用した時に就職できる可能性も高まります。

またサポートの質が高い事業所であれば、利用者一人一人に合った支援を提供してくれます。

選考対策を十分に行う

就職するためには、書類選考と面接に合格しないといけません。そのため、自己分析や企業研究、面接練習など、選考に合格するための準備をしておく必要があります。

特に障害者枠で就職するためには、自分の障害を理解し、それを企業に伝えられないと採用は難しくなります。

【障害理解のポイント】

特に面接では上記のポイントをしっかりと説明し、雇用主としてどのような配慮が必要か、業務に必要な時間を確保できるかなど、面接官の懸念を1つずつ潰していくことが重要です。

主治医や周りの人にも協力してもらいながら、上記の内容を中心に自分の障害理解を深めることは、就職を成功させるために必要なことです。

就労移行支援以外のサービスを利用する

就職を成功させるためには、就労移行支援以外の就労支援機関やサービスを積極的に活用しましょう。

代表的なものとして、ハローワークと転職エージェントがあります。

料金 運営方法 サポート体制 求人の数 求人の質 拠点
ハローワーク 無料 税金で運営 担当者ごとにばらつきあり 多い 玉石混交 全国各地
転職エージェント 無料 企業から紹介料を得て運営 専門の転職コンサルタントが手厚くサポート 少ない(ハローワークと比較すると) 選ばれた求人のみ掲載 エージェントによる ※Web会議や電話で相談できる場合もある

転職エージェントなら、専任のコンサルタントが選考対策も無料で実施してくれます。

また転職エージェントでは、自分に合ったおすすめの業務スキル(Excelなどの業務アプリケーションや、プログラミング言語)を提案してくれるので、自分だけで自分に合った仕事を探すよりも、適職に出会える可能性が一気に高くなります。を探しやすくなります。

適職の求人は、自分の適性に向いているため内定も獲得しやすく、適職に出会えるかどうかで就職活動の良し悪しが決まることも多いため、転職エージェントは積極的に利用しましょう。

障害者専門の転職・就職エージェントである「障害者雇用バンク」では、上記のサポートはもちろん、就職活動全般のサポートを無料で実施しています。就職や就職活動にお悩みの人はぜひご相談ください。

転職先のハードルを下げる

なかなか転職活動がうまくいかない、という場合は、一般企業への就職を目指すのではなく、転職先のハードルを下げることも検討しましょう。

【転職先のハードルを下げる際の候補】

特例子会社は、障害者雇用に特化した大手企業の子会社で、障害者向けサテライトオフィスは、所属している企業のオフィスではなく、別の企業が運営する障害に関する専門知識が常駐するスタッフがいるオフィスで就労する雇用方式です。

どちらも障害に対する手厚い配慮を受けながら、困ったことがあった場合にすぐ相談できる環境で働けます。

特例子会社や障害者向けサテライトオフィスは、一般企業と比較すると、業務難易度や給与が低い代わりに、就職の難易度も下がります。

また一般企業であっても、正社員ではなく契約社員やパート勤務の求人の方が、就職できる可能性は高まります。

どうしても正社員での就職が決まらない場合は、上記のような就職先も検討しましょう。

特例子会社や障害者向けサテライトオフィスについては、こちらの記事「特例子会社で働くメリット・デメリットと実際の求人例を紹介」「障害者向けサテライトオフィスとは?働き方やメリット・デメリットを解説!」にてそれぞれ詳しく解説しています。

就労移行支援を利用している人におすすめの就職先(求人)

りそなビジネスサービス

【求人情報】

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業務内容は、基本的な事務作業となっており、就労移行支援で事務関連のスキルを身につけていれば、十分に活躍できる内容です。

事務職の実務経験については、あくまで歓迎条件となっているので、選考対策を行い、想定されている業務を担当できるだけのスキルがあることが伝えられれば問題ありません。

興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。

SHIFT

【求人情報】

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こちらはSHIFTが募集している、テストエンジニアの求人です。

社内で開発したソフトウェアやアプリのテスト業務と、必要に応じて簡単な所務業務を兼任する形になります。

応募資格にExcelのスキルが求められることになっていますが、自力で学習し、身につけられるレベルです。そのため、就労移行支援では、プログラミング関連のスキルを集中して学べます。

エンジニアとしてのキャリアをスタートさせたい人におすすめの求人です

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リクルートオフィスサポート

【求人情報】

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こちらは、リクルートグループの特例子会社である、リクルートオフィスサポートの事務職求人です。

業務内容は基本的な事務作業となっているので、就労移行支援のカリキュラムに取り組んでいれば対応可能です。

また応募のハードルも低く、中途採用であってもOJT研修を受けられるため、就労経験が少ない方でも就職が狙えます。

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