常用就職支度手当とは?障害者が受け取れる条件と支給額の計算方法・申請の流れを解説

失業保険を受け取りながら就職活動を続けていると、支給残日数は少しずつ減っていきます。残りが所定給付日数の3分の1を切ると、早期の再就職を支援する再就職手当の対象から外れるため、もう受け取れる手当はないと考える人は少なくありません。
ただし、障害のある人のうち、雇用保険上の『就職困難者』に該当する人は、支給残日数が3分の1未満になってからの就職でも、一定の要件を満たせば常用就職支度手当を受け取ることができます。
この記事では、常用就職支度手当の対象になる人と支給要件、支給額の計算方法とシミュレーション、申請の流れを解説します。
常用就職支度手当は、失業保険の残りが3分の1未満になってからの就職で受け取れる
常用就職支度手当は、障害のある人など就職が困難な人が、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満になってから再就職したときに受け取れる手当です。
再就職手当は支給残日数が3分の1以上必要ですが、常用就職支度手当は残りが3分の1未満でも、1日以上残っていれば対象になります。ただし、ハローワークや職業紹介事業者の紹介で就職すること、1年以上の雇用が見込まれることなど、ほかの支給要件も満たす必要があります。
支給額は、次の式を基本に計算します。
基本手当日額×90日×40%(所定給付日数270日未満で、支給残日数が90日未満の場合は残日数。45日未満の場合は45日)
支給残日数が45日を下回っても45日分として計算されるため、一定額を受け取れる仕組みです。
基本手当の受給資格者で、それぞれの支給要件を満たす場合、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上なら再就職手当、3分の1未満なら常用就職支度手当の対象になります。
出典:ハローワーク「就職促進給付」
再就職手当との違いと、どちらが支給されるか
再就職手当と常用就職支度手当は、対象になる人、支給残日数の条件、就職経路の条件が異なります。2つの違いは次のとおりです。
| 常用就職支度手当 | 再就職手当 | |
| 対象になる人 | 障害のある人など就職が困難な人 | 基本手当の受給資格がある人 |
| 支給残日数 | 所定給付日数の3分の1未満(1日以上あること) | 所定給付日数の3分の1以上 |
| 給付率 | 40% | 70%または60% |
| 計算に使う日数 | 90日、支給残日数、45日のいずれか | 支給残日数 |
| 就職経路 | ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介に限る | 給付制限がある場合を除き制限はない |
| 雇用の見込み | 1年以上引き続き雇用されることが確実 | 1年を超えて勤務することが確実 |
基本手当の受給資格者は、それぞれの支給要件を満たす場合、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上なら再就職手当、3分の1未満なら常用就職支度手当の対象になります。同じ就職について両方を受け取ることはできません。
再就職手当の給付率は、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上あれば70%、3分の1以上あれば60%で、常用就職支度手当の40%より高く設定されています。支給残日数を多く残して就職できる場合は再就職手当のほうが金額は大きくなりますが、3分の1を下回ると再就職手当の対象から外れるため、この段階で受け取れるのが常用就職支度手当です。
障害のある人の再就職手当の条件や計算方法については、こちらの記事「障害者の再就職手当は一般より高額!70万円以上もらえるケースと条件・計算方法を解説」で詳しく解説しています。
出典:ハローワーク「就職促進給付」・ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」
常用就職支度手当の対象になるのはどんな人か
常用就職支度手当の対象になるのは、基本手当の受給資格がある人、高年齢受給資格者、特例受給資格者、日雇い受給資格者のうち、次のいずれかに当てはまる人です。
- 障害のある人など常用就職が困難な人
- 労働施策総合推進法に基づく再就職援助計画の対象者(就職日において45歳以上)
- 高年齢者雇用安定法に基づく求職活動支援書の対象者
障害のある人のうち、雇用保険上の『就職困難者』に該当する人は、この『常用就職が困難な人』に当たります。障害者手帳を持っている場合だけでなく、手帳がなくても就職困難者として扱われる場合があります。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・ハローワーク「就職促進給付」・厚生労働省「再就職援助計画と大量離職届・大量離職通知書」
障害のある人のうち、雇用保険上の『就職困難者』に該当する人が対象
雇用保険では、身体障害、知的障害、精神障害などにより就職が困難な人を『就職困難者』として扱い、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかを持っている場合が該当します。就職困難者に該当すると、所定給付日数が一般の離職者より長くなるうえ、常用就職支度手当の対象にもなります。
言いかえると、障害があることだけで対象になるのではなく、雇用保険の手続きのなかで就職困難者として扱われていることが前提になります。
ハローワークには、障害について専門的な知識を持つ担当者が相談に応じる窓口があり、障害者を対象とした求人の情報提供や、応募時に配慮してほしい内容を企業へ説明する支援を受けられます。障害があるため長期にわたり職業生活に相当の制限を受ける人や、職業生活を営むことが著しく困難な人が支援の対象で、手帳の有無は問いません。
就職困難者として扱われるかどうかは雇用保険の受給手続きの際に判断されるため、求職の申込みの段階で障害の状況を伝え、手帳を持っている場合は持参しましょう。
出典:ハローワーク旭川「障害のある求職者のみなさまへ」・ハローワーク「基本手当の所定給付日数」
障害者手帳がなくても就職困難者に該当するケースがある
雇用保険では、障害者手帳を持っていなくても、一定の条件を満たせば就職困難者として扱われるケースがあります。
たとえば、精神障害者保健福祉手帳を持っていない人でも、統合失調症、そううつ病(そう病・うつ病を含む)、てんかんと医師から診断され、主治医の診断書や意見書などで確認できる場合は、雇用保険上の就職困難者に該当することがあります。
一方、発達障害や指定難病などがある人は、手帳がなくてもハローワークの障害者専門窓口を利用できます。ただし、専門窓口を利用できることと、雇用保険上の就職困難者に該当することは別です。
常用就職支度手当の対象になるかは、雇用保険の受給手続きの際にハローワークが確認します。手帳を持っていない場合は、主治医の診断書や意見書などの提出を求められることがあるため、受給手続きの前にハローワークへ相談しておきましょう。
出典:ハローワーク名古屋中「障害をお持ちの求職者の方へ」・ハローワーク旭川「障害のある求職者のみなさまへ」
就職困難者の所定給付日数は150日から360日
就職困難者の所定給付日数は、離職時の年齢と雇用保険の被保険者であった期間によって150日・300日・360日のいずれかになります。
常用就職支度手当は、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満になってから対象になるため、自分の所定給付日数によって対象になるタイミングも変わります。
| 離職時の年齢 | 被保険者であった期間 | 所定給付日数 | 常用就職支度手当の対象になる支給残日数 |
| 45歳未満 | 1年未満 | 150日 | 49日以下 |
| 45歳未満 | 1年以上 | 300日 | 99日以下 |
| 45歳以上65歳未満 | 1年未満 | 150日 | 49日以下 |
| 45歳以上65歳未満 | 1年以上 | 360日 | 119日以下 |
たとえば、所定給付日数が300日の人は、支給残日数が100日ではまだ3分の1以上あるため対象外ですが、99日以下になると常用就職支度手当の対象になる可能性があります。
自分の所定給付日数は、雇用保険受給資格者証(マイナンバーカードを活用した失業認定を選択している場合は、雇用保険受給資格通知)で確認できます。就職日によって支給残日数が変わるため、応募や就職が決まった段階でハローワークにも確認しておきましょう。
出典:ハローワーク「基本手当の所定給付日数」
常用就職支度手当の支給要件|1つでも満たさないと対象外
対象者に当たる人が常用就職支度手当を受け取るには、次の要件をすべて満たす必要があります。前提として、所定給付日数または延長給付の支給が終了する前に、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介により安定した職業に就いたことが求められます。
1つでも満たさない場合は支給されないため、就職先を決める前に、応募の方法や契約の条件が要件に合うかを確認しておきましょう。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」
支給残日数が所定給付日数の3分の1未満で、1日以上残っていること
就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、支給残日数が所定給付日数の3分の1未満であり、かつ1日以上残っていることが必要です。所定給付日数をすべて使い切ってから就職した場合は対象になりません。
支給残日数は、就職日の前日までに失業の認定を受けた後の残りの日数を指し、失業の認定を受けるたびに減っていきます。自分の所定給付日数と基本手当日額は、受給資格者証または受給資格通知で確認できます。
何日残っているかは認定を受けた回数によって変わるため、就職日を決める前にハローワークで確認しましょう。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・ハローワーク「就職促進給付」
ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職したこと
就職経路は、ハローワークまたは、厚生労働大臣の許可・届出のある職業紹介事業者から『紹介』を受けた就職であることが必要です。転職エージェントを利用する場合も、その事業者が職業紹介を行い、紹介を受けて応募した求人であることを確認しましょう。
求人サイトから自分で応募した場合や、知人の紹介で就職した場合は対象になりません。再就職手当は給付制限がある場合を除いて就職経路を問われないため、この点が2つの手当の大きな違いになります。
障害のある人は、ハローワークの障害者専門の窓口で障害者を対象とした求人の紹介を受けられます。気になる求人を見つけた段階で、ハローワークや職業紹介事業者を通して応募できるかを確認しておきましょう。
ハローワークでの障害者求人の探し方については、こちらの記事「ハローワークの障害者求人を紹介!良い求人に出会うコツは?」で詳しく解説しています。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・ハローワーク旭川「障害のある求職者のみなさまへ」
1年以上引き続き雇用され、雇用保険の被保険者になること
常用就職支度手当を受け取るには、就職先が次の2つの条件を満たしている必要があります。
- 就職した時点で、1年以上引き続き雇用されることが確実と認められること
- 原則として、雇用保険の被保険者になること
雇用保険の被保険者になる条件は、原則として次の2つです。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用見込みがある
パートやアルバイトでも、この条件を満たせば雇用保険の被保険者になります。
ただし、雇用保険に加入できても、1年以上働くことが見込まれなければ常用就職支度手当の対象にはなりません。有期契約で就職する場合は、契約期間だけでなく、更新の有無や更新後も1年以上働ける見込みがあるかを労働条件通知書で確認しましょう。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・厚生労働省「Q&A~事業主の皆様へ~」
待期と給付制限の期間が経過した後に、離職前と別の事業主に就職したこと
常用就職支度手当を受け取るには、求職の申込み後に設けられる7日間の待期期間が終了した後に就職することが必要です。また、自己都合退職などで給付制限を受ける場合は、原則としてその期間が終了した後に就職する必要があります。
令和7年4月1日以降に離職した場合、自己都合退職による給付制限は原則1か月です。ただし、過去5年間に正当な理由のない自己都合退職による受給資格決定が2回以上ある場合などは、3か月になることがあります。
一方、離職期間中や離職前1年以内に、就職の促進につながる所定の教育訓練等を自ら受けた場合は、給付制限が解除される制度があります。この場合は、通常の給付制限期間が終わるのを待たずに基本手当を受給できるため、該当する人はハローワークで確認しましょう。
また、離職前と同じ事業主に再び雇用された場合は、常用就職支度手当の対象になりません。就職日が待期や給付制限の要件を満たしているかも含め、就職が決まった段階でハローワークに確認しておくと安心です。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・群馬労働局「給付制限期間が短縮又は解除されます」・厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」
就職日前3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受けていないこと
就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないことが必要です。過去に受け取っている場合は、前回の就職日から3年が経過するまで再び受け取ることはできません。
短期間で転職を繰り返している場合は、前回どちらかの手当を受け取った時期を確認しておきましょう。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」
支給に関する調査の時点で再就職先を離職していないこと
支給申請書を提出した後、ハローワークが常用就職支度手当の支給に関する調査を行う際に、再就職先の事業所を離職していないことが必要です。申請の時点で在籍していても、調査の時点で退職していると支給されません。
調査は再就職先の事業所に対して行われるため、在籍の状況が確認されます。再就職手当にはない要件のため、申請後すぐに退職を考えている場合は注意が必要です。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」
常用就職支度手当はいくらもらえるか
計算式は所定給付日数と支給残日数で決まる
支給額は、所定給付日数と、就職日の前日における支給残日数に応じて決まります。
| 所定給付日数 | 支給残日数 | 支給額 |
| 270日以上 | 問わない | 基本手当日額×90×40% |
| 270日未満 | 90日以上 | 基本手当日額×90×40% |
| 270日未満 | 45日以上90日未満 | 基本手当日額×支給残日数×40% |
| 270日未満 | 45日未満(1日以上) | 基本手当日額×45×40% |
就職困難者の所定給付日数は150日、300日、360日のいずれかになります。300日と360日は270日以上に当たるため、支給残日数にかかわらず90日分で計算されます。
所定給付日数150日の場合は、対象になる支給残日数が49日以下になるため、45日以上か45日未満かで計算式が分かれます。支給残日数が45日を下回っても45日分として計算されるため、就職が遅くなっても支給額がそれ以上減ることはありません。なお、1円未満の端数は切り捨てになります。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・ハローワーク「就職促進給付」
計算に使う基本手当日額には上限がある
常用就職支度手当の計算に使う基本手当日額には上限があり、上限を超える場合は上限額で計算します。この上限額は令和8年8月1日に引き上げられており、毎年8月1日に改定されることがあります。
| 年齢 | 基本手当日額の上限額 |
| 59歳以下 | 6,745円 |
| 60歳以上65歳未満 | 5,454円 |
基本手当日額は、離職した日の直前6か月に毎月決まって支払われた賃金の合計を180で割った賃金日額の、およそ50%から80%(60歳以上65歳未満は45%から80%)で、賃金が低い人ほど高い率が適用されます。自分の基本手当日額は、受給資格者証または受給資格通知に記載されています。
出典:ハローワーク「就職促進給付」・厚生労働省「令和8年8月1日からの基本手当日額等の適用について」・ハローワーク「基本手当について」
支給額のシミュレーション
所定給付日数と支給残日数、基本手当日額を当てはめると、支給額は次のようになります。
| ケース | 所定給付日数 | 支給残日数 | 基本手当日額 | 計算に使う日数 | 計算式 | 支給額 |
| ① 45歳未満・被保険者期間1年以上 | 300日 | 80日 | 5,000円 | 90日 | 5,000円×90日×40% | 180,000円 |
| ② 被保険者期間1年未満 | 150日 | 45日 | 5,000円 | 45日 | 5,000円×45日×40% | 90,000円 |
| ③ 被保険者期間1年未満 | 150日 | 20日 | 5,000円 | 45日 | 5,000円×45日×40% | 90,000円 |
所定給付日数300日・支給残日数80日の場合
45歳未満で被保険者であった期間が1年以上ある就職困難者の場合、所定給付日数は300日になります。支給残日数80日は3分の1に当たる100日を下回るため、常用就職支度手当の対象になります。
所定給付日数が270日以上のため、支給残日数にかかわらず90日分で計算します。基本手当日額が5,000円の場合は5,000円×90×40%で180,000円、上限額の6,745円の場合は6,745円×90×40%で242,820円です。
所定給付日数150日・支給残日数45日の場合
被保険者であった期間が1年未満の就職困難者の場合、所定給付日数は150日になります。支給残日数45日は3分の1に当たる50日を下回るため、常用就職支度手当の対象になります。
所定給付日数が270日未満で、支給残日数が45日以上90日未満に当たるため、支給残日数の45日分で計算します。基本手当日額が5,000円の場合は5,000円×45×40%で90,000円です。
所定給付日数150日・支給残日数20日の場合
支給残日数が45日を下回るため、45日分として計算します。基本手当日額が5,000円の場合は5,000円×45×40%で90,000円となり、支給残日数が20日まで減っていても支給額は変わりません。
支給残日数が1日でも残っていれば対象になるため、残りが少ないことを理由に申請をあきらめる必要はありません。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・厚生労働省「令和8年8月1日からの基本手当日額等の適用について」
常用就職支度手当の申請方法
申請は原則、就職日の翌日から1か月以内
常用就職支度手当は、原則として就職日の翌日から1か月以内に申請します。
期限内の申請が基本ですが、申請期間を過ぎた場合でも2年の時効の範囲内で申請できることがあるため、過ぎてしまった場合も諦めずハローワークへ確認しましょう。
提出先は、住所または居所を管轄するハローワークです。要件を満たしていても自動的に振り込まれることはないため、就職が決まった段階で申請の予定を立てておきましょう。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・厚生労働省「申請期限が過ぎたことにより給付を受けられなかった方へ」
申請に必要な書類と提出方法
提出するものは次の2点で、申請書はハローワークで受け取ります。マイナンバーカードを活用した失業認定の手続きを選んでいる場合は、受給資格者証ではなく雇用保険受給資格通知が交付されています。
- 常用就職支度手当支給申請書
- 受給資格者証
提出方法は次の3つから選べるため、就職後で来所の時間が取りにくい場合や、体調により来所が難しい場合でも申請できます。
- 本人がハローワークの窓口へ持参する
- 代理人が持参する(委任状が必要)
- 郵送する
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・京都労働局「マイナンバーカードで失業認定手続ができるようになります」
【求人3選】1年以上の雇用を目指せる障害者雇用の求人
常用就職支度手当は、1年以上引き続いて雇用されることが確実と認められる職業に就き、かつハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職した場合に支給されます。どの求人にどう応募するかによって対象になるかどうかが変わるため、求人を探す段階から、この2つの要件を満たせる条件かどうかを確認しておくことが大切です。
ここでは、雇用期間の定めがなく長く働き続けやすい障害者雇用の求人を3つ紹介します。求人を選ぶときは、次のポイントを確認しましょう。
- 雇用形態や契約期間が、1年以上続けて働ける条件になっているか
- 障害への配慮の内容が、求人票に具体的に書かれているか
- 勤務時間や通勤の負担が、今の体調に合う範囲におさまっているか
※求人情報は2026年9月時点の内容です。募集状況や雇用条件は変更される可能性があるため、応募前に最新情報をご確認ください。
トプコン
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まとめ:常用就職支度手当は支給残日数が少なくなってからでも受け取れる
常用就職支度手当は、障害のある人など就職が困難な人が、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満になってから就職した場合に支給されます。
支給額は「基本手当日額×40%×計算日数」で決まり、所定給付日数が270日以上の場合は90日分、270日未満の場合は支給残日数に応じて90日分・残日数分・45日分のいずれかで計算されます。支給残日数が45日を下回っても、45日分として計算されます。
受け取るには、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であることや、1年以上引き続き雇用されることが確実であることなど、すべての要件を満たす必要があります。特に就職経路の要件は再就職手当にはないため、応募の前に、ハローワークや転職エージェントを通した応募になるかを確認しておきましょう。
申請は原則として就職日の翌日から1か月以内です。期限を過ぎた場合でも、2年の時効の範囲内で申請できることがあるため、ハローワークへ確認しましょう。
常用就職支度手当に関するよくある質問
パートやアルバイト、派遣社員でも対象になりますか?
雇用形態そのものによる制限はなく、原則として1週間の所定労働時間が20時間以上で31日以上の雇用見込みがあれば雇用保険の被保険者となるため、パートやアルバイトでも要件を満たす場合があります。ただし、1年以上引き続いて雇用されることが雇入れの当初から確実と認められる必要があるため、短期の契約で更新の見込みがない場合は対象になりません。
派遣社員も契約期間と更新の見込みによって判断が変わるため、事前にハローワークへ確認しましょう。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・厚生労働省「Q&A~事業主の皆様へ~」
常用就職支度手当を受け取った後に就業促進定着手当ももらえますか?
就業促進定着手当は、再就職手当の支給を受けた人が、引き続き再就職先に6か月以上雇用され、かつ再就職先で6か月の間に支払われた賃金の1日分の額が離職前の賃金日額より低い場合に支給されます。
常用就職支度手当を受け取った場合は再就職手当を受け取っていないため、就業促進定着手当の対象にはなりません。再就職後に賃金が下がった場合でも差額の補填を受けられない点に注意しましょう。
出典:ハローワーク「就職促進給付」
手当を受け取ったことは再就職先に知られますか?
常用就職支度手当を申請することは、再就職先に知られます。支給申請書には、雇用期間や労働時間などについて再就職先の事業主による証明が必要だからです。
ただし、常用就職支度手当は支給要件を満たした人が利用できる雇用保険の制度であり、会社に申請を隠して進めるものではありません。手続きの進め方や会社への伝え方に不安がある場合は、申請前にハローワークへ相談しておくと安心です。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・佐賀労働局「受給資格者のしおり」・厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」
受け取った後にすぐ退職した場合、返還は必要ですか?
支給決定後に退職したという理由だけで、直ちに返還が必要になるとは限りません。
一方、ハローワークが支給可否を調査している時点ですでに離職している場合は、原則として支給されません(やむを得ない離職として扱われるケースを除く)。また、虚偽申告などの不正受給があれば返還の対象になります。
退職を考えている場合は、支給時期や状況によって扱いが変わるため、事前にハローワークへ確認しましょう。
出典:ハローワーク札幌圏「常用就職支度手当の支給は」・厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」・ハローワーク「不正受給の典型例」
