【特性別】発達障害の方に向いている仕事を解説。転職成功のポイントも紹介!
発達障害をお持ちの方の中には、就職したものの仕事上で戸惑うことが多かったり、転職を考えているものの自分に向いてる仕事がわからず動き出せない…といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか? 今回はそんな発達障害者の不安や悩みに焦点を当て、それらを解決するための方法を解説します。 こちらの記事を参考に、自分に合った仕事や職場を探してみてください!
発達障害3つのタイプ
まず、発達障害について3つの特性別に解説します。
ADHD
ADHDは日本語では「注意欠如・多動症」と言われます。 特性例としては、
- ケアレスミスをしてしまう
- 物を無くすことが多い
- じっとしていることが苦手
- 約束に遅刻したり、忘れてしまう
といったことが挙げられます。 ADHDの人は集中力を持続させるのが苦手な傾向があり、それが1つの原因となって上記のような特性があらわれます。 上記以外にも、マルチタスクや優先順位をつけるのが苦手という症状もあり、これらの症状から、社会人になってから障害に気づく人も多くいます。
ASD
ASDは「自閉スペクトラム症」と呼ばれ、主な特性としては、
- 場の空気を読むことができない
- 暗黙の了解や曖昧な表現が理解できない
- 自分ルールにこだわってしまう
- 感覚過敏
上記の内容が挙げられます。 特にコミュニケーションの点で強く症状が出る傾向があり、大多数の方が人間関係に悩みやトラブルを抱えています。
LD
LDは学習障害と呼ばれ、知的な発達に遅れがないにもかかわらず、特定の分野の習得が同世代に追いつかない状態を指します。 特定の分野とは、
- 計算
- 漢字を書く、覚える
- 文章を読む、書く
などです。 この特性は幼少期から見られる傾向がありますが、「勉強が足りていない」などと誤認されやすい特性であるため、障害の発見が遅くなることもあります。
発達障害の方が向いてる仕事(特性別)
発達障害者が就いている職種は多い順に下記のようになります。 <発達障害の方が就いている職種>
- 販売職:39.1%
- 事務職:29.2%
- 専門職・技術職:12%
- サービス職:10.5%
- 運搬・清掃・梱包など:5.5%
半数以上が販売職、もしくは事務職で働いています。またエンジニアのような専門的な仕事をしている人も1割を超えています。 他の障害種別と比較すると、身体障害では事務職、精神障害ではサービス職が最も多く、障害特性ごとに適正が異なっていることがわかります。 それでは、発達障害をさらに分類し、それぞれの特性ごとにどんな仕事が向いてるのかに就いて解説します。
ADHD
ADHDはケアレスミスやマルチタスクが苦手といった特性があるため、業務スピードが早い仕事に適性がありません。 その点、ダブルチェックや業務を1つ1つ進められる環境が整った職場であれば、事務職全般をおすすめします。ADHDを含む発達障害の特性は、個人の努力だけの解決は難しいですが、周りから適切なサポートを受けることで業務上の難しさや負担を軽減できます。 特に事務職は、業務スピードの調整や周りからのサポートを受けやすい職種なので、ADHDの方に向いてる仕事と言えます
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ASD
ASDはコミュニケーションに関する特性が多いため、接客業や営業職はおすすめできません。 しかし、こだわりが強く得意分野に関する集中力が高いという特性もあるため、エンジニアや研究職のような専門的な仕事に向いてるとされています。
こちらの記事「障害者のためのプログラミング訓練を活用してエンジニアになる方法」では、プログラマーとして転職する方法について解説しています。特にプログラミング未経験からプログラマーとして転職したい方におすすめの内容です。 また、決まった作業を繰り返すことが得意な方も多いため、ルーティン業務中心の事務職や工場のライン作業に適性がある場合もあります。
LD
文章や漢字の読み書きや計算は職種によっては必要不可欠な要素になります。そのため、LDの特性を持つ場合、ADHDのように周りのサポートがあったとしても、毎日その仕事を行うことは簡単ではありません。 LDの特性がある場合は、まず自分が苦手な分野を避けることが大切です。その上で自分に向いてる仕事を選びましょう。 向いてる仕事の例としては、デザイナーやカメラマンが挙げられます。 デザイナーやカメラマンは、物事を視覚的な情報で把握することが基本になります。また、デザイン技術や撮影技術は、障害特性に関係なく、指導や経験で身につけられます。 また、Excelや電卓を活用して計算作業をしたり、コピーペーストで対応できる入力作業など、苦手な作業をツールで対応したり省略できる場合であれば、事務職で働くことも十分可能です。
発達障害の特性を踏まえた仕事の選び方
自分の障害特性を理解した上で、特性に適した仕事を選ぶことが重要です。 発達障害をお持ちの場合は、苦手な業務やストレスになる環境を基準にした仕事の選び方をおすすめします。 まず、自分が苦手な業務やストレスになる環境を把握し、それを避けることができる、もしくは解消できる業務、環境を選びましょう。 例えば、
- ケアレスミスをしてしまう→ダブルチェックをしてもらえる
- 騒がしい環境がストレスになる→耳栓の使用許可
- コミュニケーションが苦手→作業系の業務
- 口頭の指示が理解できない→マニュアルが完備されている職場
などです。 このように自分の苦手分野を避けられる仕事、もしくはフォローしてもらえる職場環境で働くためには、入社する前にこれらが叶うかどうかを確認する必要があります。 その方法としては、
- 求人票を読み込む
- 転職エージェントに相談する
- 面接の逆質問で確認する
これらが挙げられます。 まずは、応募する前に求人票を読み込みましょう。特に業務内容について、自分が苦手な業務が含まれていないか十分に確認しましょう。 しかし、求人票でわかる情報には限りがあるため、可能な限り転職エージェントを利用して、わからない部分について相談しましょう。転職エージェント経由であれば、応募前の時点でも配慮してもらえる内容や職場環境の詳細を確認することができます。 転職エージェントを利用していない場合や、自分で直接確認をしたい場合は、面接が業務内容について確認できるチャンスです。 どの企業の面接であっても、「何か聞きたいことはありませんか?」という逆質問の機会があります。その際に、不明点や不安な点を解消できるように逆質問を事前に用意しておくと安心です。 入社してから困らないように、応募前や選考中に、自分に適した職場か徹底的に確認しておきましょう。
発達障害者の転職成功ポイント
転職を成功させるためには、自分の力だけで転職活動するのではなく、転職エージェントや就労移行支援を活用しましょう。 それぞれの特徴やメリットについて解説します。
転職エージェント
転職エージェントは、転職活動全般のサポートを行うサービスです。転職エージェントで受けられるサービス例はこちらです。
- 障害特性に合った求人の紹介
- 面接対策
- 履歴書や職務経歴書など書類作成のアドバイス
この中でも「求人の紹介」が最も重要です。 自分の希望条件や障害特性などの情報から、適した求人を紹介してもらえます。そのため、自分で探すよりも効率的に求人を見つけることができます。 また、企業の求人の中には非公開求人が多数存在します。非公開求人は、会社側が公開を制限している求人で、その企業と契約した転職エージェントからの紹介以外では基本的に応募することができない求人です。 このように、転職エージェントを活用することで、自力よりも遥かに効率的に転職活動を行えます。
就労移行支援
就労移行支援は、法律に基づく就労支援サービスです。 就職を目指す障害者を対象に、就職に必要なスキル習得や転職活動のサポートを受けられます。 就労移行支援で学べることは、
- Excel WordなどのPCスキル
- プログラミング
- webデザイン
- ビジネスマナー
- Excel WordなどのPCスキル
などです。 また、転職した後の定着支援も徹底しており、職場で困ったことがあった場合に、会社との間に入って問題の解決に尽力してもらえるメリットもあります。 就労移行支援についてはこちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。 また、就労移行支援を活用してITエンジニアを目指したい場合は、「障害者のためのプログラミング訓練を活用してエンジニアになる方法」にて詳しく解説しています。
発達障害者の働き方
最後に障害者雇用で働く場合の選択肢と、入った会社に長く勤めるためのコツについて解説します。
働き方の選択肢はたくさんある
一般企業の障害者雇用で働く以外にも、いくつかの選択肢があります。
特例子会社
特例子会社は、一定規模以上の会社が障害者雇用を促進することを目的に設立された子会社です。 【特例子会社例】
- マイナビグループ:マイナビパートナーズ
- 楽天グループ:楽天ソシオビジネス
- 博報堂グループ:博報堂DYアイオー
特例子会社の特徴としては、一般企業以上に障害に対する配慮を受けられる点です。 障害者を雇用することを前提として設立されているため、バリアフリー環境はもちろん、業務内容の調整や時差出勤、在宅勤務の対応など、各会社ごとに細かな違いはありますが、障害者が働きやすい環境作りを最優先としています。 特例子会社についてはこちらの記事「特例子会社で働くメリット・デメリットと実際の求人例を紹介」にて詳しく解説しています。
サテライトオフィス
障害者向けサテライトオフィスも、設立目的は特例子会社と同様です。 サテライトオフィスの特徴としては、所属する会社のオフィスではなく、別の会社が管理するオフィスで就労する点です。 一般企業でも、障害者雇用で入社した場合は障害に対する配慮は受けられますが、障害に関する知識や障害者雇用の経験については会社や担当者ごとに異なります。 その点、サテライトオフィスでは障害に関する専門知識を持ったスタッフが複数名常駐しており、業務内容や体調面などで困ったことがあった際にすぐ相談、対応してもらえる環境が整っています。 サテライトオフィスについてはこちらの記事「障害者向けサテライトオフィスとは?働き方やメリット・デメリットを解説!」にて詳しく解説しています。
就労継続支援
就労継続支援施設は、障害者が企業で働くのが困難な場合、体調に合わせた環境で就労できる作業所です。 就労継続支援には、雇用契約を結ぶA型と結ばないB型の2種類があり、B型の方がより重度な障害者を対象としています。 これまでに紹介した中でも、最も融通が利いた働き方ができます。 就労継続支援についてはこちらの記事「障害者向けの作業所とは?就労継続支援から一般就労を目指す方法や作業内容を解説」にて詳しく解説しています。
短期退職せず仕事を続けるコツ
せっかく転職できても短期間で退職してはもったいないですよね。そうならないために、長期就労するために重要なポイントを解説します。
自分の特性に合った職場で働く
まず第一に、自分の障害特性に合った職場を選ぶことが大切です。 そのためには、記事前半で解説した内容を活用し、適性がない業務やストレスになる環境を避けられる会社への転職を目指しましょう。 苦手な業務やストレスになる環境で無理をすることで、うつなどの二次障害を引き起こす可能性があるため、体調を安定させ長期的に働くためには、職場選びに注力しましょう。
業務は常に書き出しておく
発達障害にはたくさんの特性がありますが、大半の方が頭の中での情報処理を苦手と感じているかと思います。 そのため、自分が担当する業務を書き出し、常に目で見て確認できる状態にしておきましょう。
- 担当している業務
- 業務の優先順位
- 業務の期限
これらの情報を一目でわかる状態にしておきましょう。また、書き出した内容を上司に確認してもらうことでミスや認識のズレが防げます。
周りに特性を説明しておく
発達障害者が安心して働くためには、周りのサポートが必要不可欠です。そのため、直属の上司だけでなく普段一緒に働くメンバーに、
- 自分の特性
- 苦手なこと
- 必要なサポート
これらの情報を自分から共有しましょう。 事前に把握しておいてもらうことで、実際にサポートが必要になった際にも安心して周りを頼れるようになります。
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