就労移行支援が「意味ない」「合わない」と思った時に確認すべき3点

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「就労移行支援に通ってるけど、なかなか就職できないしもしかして意味ないのでは?」と不安に感じている人はいませんか?

今回は、なかなか就職できない場合、通所を続けるべきか別の転職方法を選ぶべきかについて解説しました。

就労移行支援とは?

就労移行支援の概要について解説します。

就労移行支援の概要

就労移行支援は、障害や難病を持った人を対象とした、就労支援施設です。

各事業所が設定したカリキュラムをもとに、社会人として必要になるビジネスマナーや、PC操作、プログラミングなどの実務で役立つスキルを学んだり、面接対策や企業見学などの就職活動の支援を受けることができます。

就労移行支援の通所期間は最大で2年間とされており、この期間内に就職することを目指して利用します。

就労移行支援については、こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。

また、私たち障害者雇用バンクでは、就労移行支援事業所「エラビバ就労支援」を運営しています。関東で就労移行支援事業所をお探しの場合は、ぜひ無料見学にお越しください。

「一般形」と「特化型」2つのタイプの就労移行支援事業所

令和2年時点で全国に3,301箇所の就労移行支援事業所が運営されています。

この3,300を超える事業所は、ビジネスマナーやPC操作などの社会人として必要な能力を身につけるための訓練を行う「一般型」と、プログラミングやWebデザインなど特定の職種に特化した訓練を行う「特化型」の2つのタイプに分けられます。

また特化型の中には、発達障害の人専門など、特定の障害を持った人に特化した事業所もあります。

さらに、企業の職場と近い環境での訓練が多い事業所や、コミュニケーション力をつけるためのグループ実習が多い事業所など、事業所によって様々な特徴があります。

就労移行支援事業所では、申し込み前に見学や体験ができるため、なんとなくで選ぶのではなく、実際に見学してみて自分に合った事業所を選ぶようにしましょう。

「就労移行支援は意味ない」と言われることがある理由

「就労移行支援は意味ない」と言われることがある理由について、それぞれ解説します。

確実に就職できるとは限らない

就労移行支援は、就職を目指すための施設ですが、利用しても確実に就職できるわけではありません。

調査によると、令和元年の就労移行支援利用者の就職率は54.7%となっており、半数近くが就職できていません。

就職できなかった理由としては、通所日数が不足していることや、粗悪な事業所をを選んでしまっていたことなどが考えられます。

このように2年間通ったのに結果的に就職できなかったり、通っている途中で生活費が不足し、通所をやめてしまったりする人もいるため、結果的に就労移行支援に通った意味がなかったと感じてしまう人もいます。

就職するまで時間がかかることが多い

就労移行支援の通所期間は最大で2年間とされています。

もちろん、2年以内に就職することも可能ですが、通所期間が短いほど学べることが少なくなるため、就職するための難易度も高くなります。

上記でも解説したように2年間通っても就職できるとは限らないため、仮に2年かけて通所したにも関わらず就職できなかった場合に、時間の無駄だったと感じてしまう人もいるようです。

高度なスキルは身につかない・実務経験にはカウントされない

就労移行支援では、ビジネスマナーといった社会人の基礎知識に加えて、事務スキル(Word・Excel)やプログラミングといった、実務に役立つスキルを学べます。

しかし、あくまで未経験者向けの基本的な内容が中心となるため企業が求める条件に届かないこともあります。特に経験者の場合は、レベルが低いと感じることもあるかもしれません。

また、求人の中には「実務経験2年以上」など、企業での実務経験を応募条件にしているものも少なくありませんが、就労移行支援に通所していた期間は、実務期間とは認められないため、例えば2年間就労移行支援で実務を学んでいたとしても、「実務経験2年以上」が応募条件になっている求人の応募条件を満たすことはできません。

支援員の質にバラつきがある

就労移行支援には、仕事探しや就職活動のサポートや、就職後の定着支援を行ってくれる支援員が常駐しています。

しかしその支援員の質にはバラつきがあり、中には相談しても親身になってくれなかったり、雑な対応をしたりするような支援員もいます。

そのため、就労移行支援そのものは良いシステムであるにも関わらず、たまたま担当の支援員の質が極端に低かったり、自分との相性が合わなかった場合、「意味ない」「合わない」と感じてしまうケースがあります。 

その場合は、担当の支援員を変えてもらえないか、事業所に相談してみましょう。支援員の数が少ないなどの理由で変更が難しい場合は、事業所を変えることを検討しましょう。

粗悪な事業所もある

支援員だけでなく、事業所自体が粗悪で、質が低い場合もあります。

就労移行支援事業所は、通所人数に応じた助成金が国から支払われます。そのため、その助成金のみを目的としているような事業所も少なからずあります。

こういった事業所に通所してしまうと、適切なサポートが受けられず、就職できる可能性が低くなってしまいます。

就労移行支援事業所の変更は可能ではありますが、変更した場合でも通所期間は引き継がれます。そのため、半年通ってから次の事業所に移った場合、最大で1年半しか通うことができなくなるため、その点は注意しましょう。

就労移行支援が合わない人の特徴

就労移行支援への通所が向いていない人の特徴

すぐに就職したい人

就労移行支援はある程度の時間をかけて就職することを前提にしているので、すぐに就職したい人には合いません。

少しでも早く就職したいという場合は、ハローワークや転職エージェントといった、就職支援サービスの支援を受けることをおすすめします。

ただし、その場合は就労移行支援で身に着けられる業務スキルがゼロの状態で就職活動をすることになりますので、その分選考の難易度が高くなる可能性があることも頭に入れておく必要があります。

希望職種のスキルや経験がすでにある人

就労移行支援に通う一番のメリットは、実務に役立つスキルが学べることです。

しかし学べる内容はあくまで基本的なレベルまでとされているため、すでに希望職種のスキルや実務経験がある人の場合、業務スキル取得の観点では通うメリットがほとんどありません。

希望職種における実務経験がすでにある人の場合、就労移行支援に通ってもすでに持っている業務スキルを磨くことが難しいため、経験者向けの優良求人が豊富な転職エージェントの利用がおすすめです。

体調が不安定で就職活動をする余裕がない人

就労移行支援は、短時間からの利用も可能ではあるものの、就職を目指す場合は週4〜5日の通所を目指す必要があります。

また、就労移行支援に通いながら就職活動も並行して行う必要があるため、体調が不安定な場合、満足にそれらを行えなくなってしまいます。

体調に不安がある場合は、体調が安定するまで療養するか、一般就労が難しい障害者を対象とした就労支援施設である「就労継続支援」の利用がおすすめです。

就労継続支援については、こちらの記事「就労継続支援A型とは?手取り額やB型との違い・仕事内容を徹底解説!」にて詳しく解説しています。

就労移行支援のメリット

続いて、就労移行支援に通うメリットについて解説します。

選考に通りやすくなる

自分1人での就職活動に比べて、就労移行支援を利用すると選考に通る可能性が高くなります。

【選考に通りやすくなる理由】

就労移行支援と他の就労支援サービスとの一番の違いは、事務職で活用するOfficeソフト(ExcelやWord)やプログラミング、Webデザインなど、実践的なスキルが学べる点です。

またそれだけでなく、就職活動のアドバイスを受けながら面接を進めたり、自分の希望に合った求人を紹介してもらえたりなど、自分1人で就職活動をするよりも内定を獲得できる確率が高くなります。

収入の大幅増加を目指せる

また、就労移行支援に通うことで、年収を上げられる可能性が高くなります。

例えば、プログラマー職に就きたい場合、プログラミングの知識やスキルがない状態での就職は難しいですが、就労移行支援でプログラミングを学ぶことで、実務未経験からでもプログラマーとして就職できる可能性が高くなります。

プログラマーの求人は、軽作業やデータ入力の求人と比較すると給与が高く、初任給で月給20万を超える求人も少なくありません。

【就労移行支援で学ぶことができるプログラミング言語】

事務職の場合は、データ入力などの経験が不要な業務をしながら実務経験を積めますが、プログラマーやWebデザイナーなどの専門職を目指す場合は、就労移行支援の活用がおすすめです。

スクールに通う費用がかからない(無料で専門的なスキルを学べる)

就労移行支援以外にも、民間のスクールに通い、プログラミングやWebデザインなどの専門的な業務スキルを身に着ける方法もあります。

しかし民間のスクールは、月額で10万円以上することが多く、優良スクールの場合は20万〜60万円することもあります。また場合によっては入会料金や教材費も別途でかかることもあります。

それに対し、就労移行支援は利用料金がかかることもありますが、9割以上の人が無料で利用できています。このように民間のスクールに通うより、お金をかけずに専門的なスキルを学ぶことができます。

また前述の通り、専門的なスキルを学ぶことで一般雇用と変わらない程度の初任給(20万前後)で就職できたり、将来的には600万円以上の年収を目指せたりできるようにもなります。

出典:WorkshipMAGAZINE

就労移行支援が「意味ない」「合わない」と思った時に確認すべき3点

今就労移行支援に通っていて、もし合わないと感じている場合は、下記の3つのポイントに自分が該当しているかを確認することで、通所を続けるかどうかを判断することができます。

希望職種は専門的な知識やスキルが必要か?

中途採用での就職を目指す場合、単純作業以外の求人では該当職種の業務スキルを持っていることが重視されます。

事務職であれば未経験でも応募できる求人は多少ありますが、プログラマーやWebデザイナーといった専門職ではほとんどの場合で実務スキルが求められます。

また事務職でも、高度なExcel関数やピボットテーブルが扱えることで給与が高くなったり、就職先の選択肢が広がります。

そのため、現時点で就職に有利になる特定の業務スキルがない場合は、就労移行支援に通うことで就職できる確率が高くなります。

就職に向けて生活リズムを整えたいか?

就労移行支援は、実務スキルを身につけるだけでなく、継続して通所することが企業で働くための予行演習になるというメリットがあります。

継続して就労移行支援に通所することで、朝起きて通勤し作業する、という流れに慣れることができます。一般就労をする場合は、毎日安定して通勤できることが重要視されるため、その予行演習を就労移行支援に通うことで行えます。

また、就職活動中だけでなく、就業後の定着支援を受けることができるため、安心して長く働きたい方にはメリットの大きいシステムであると言えます。

通所中の生活費を用意できるか?

就労移行支援の通所自体には、大抵の場合お金はかかりませんが、通所中の生活費は自分で用意する必要があります。

そのため、生活費が不十分になってくると、就労移行支援の通所に集中できなくなってしまいます。

就労移行支援の通所を継続するためには、生活費の確保が必要不可欠になるため、生活費を賄えるかどうかを確認しておきましょう。

【生活費を賄う方法】

通所中に生活費を賄う方法については、こちらの記事「就労移行支援でお金がなくても生活費を得る!失業保険や給付金を紹介」にて解説しています。

1つも該当しない場合は転職エージェントの利用がおすすめ

これまで見てきた以下の3つにご自身が1つも該当しない場合、就労移行支援ならではのメリットを享受できなくなるため、就労移行支援への通所が向いていない可能性があります。

上記に該当がない場合は、転職エージェントを活用するなど、別の手段で就職活動を行いましょう。

転職エージェントでは、就労移行支援のように特定の業務スキルを学ぶことはできませんが、徹底した就職活動のサポートを受けることができます。

また、転職エージェントでは全てのサービスを無料で受けることができ、利用条件や利用期間も定められていません。

利用登録も数分で完了できるため、就労移行支援の通所を辞めた場合は、まずは転職エージェントへの登録をおすすめします。

就労移行支援を活用して就職するコツ

最後に、就労移行支援を活用して就職するコツを解説します。

就労移行支援の体験受講をしてみる

就労移行支援を選ぶ際は、必ず見学、体験を行いましょう。

体験受講を行うことで、支援員や事業所の雰囲気を自分の目で確認できます。記事前半でも解説したように、事業所や支援員の質には、事業所ごとに差があります。

自分に合わない事業所を選んでしまうと、せっかく通所しても望む結果は出づらくなってしまうため、体験受講では支援員とコミュニケーションを積極的にとり、自分に合った事業所かどうかを確認してから申し込みましょう。

働きたい職種に沿った業務スキルを学ぶ

通う事業所を選ぶときは、必ず自分が働きたい職種に沿った業務スキルが学べる事業所を選択しましょう。

事業所で学べるスキルは、各事業所が設定したカリキュラムによって異なります。

特にプログラミングやWebデザインといった専門職系のスキルが学べる事業所は、事務スキルを学べる事業所と比較すると少ないため、場合によっては「特化型」の事業所を選ぶこともおすすめです。

プログラミングは企業からの需要が伸び続けているため、求人数も年々増えています。またキャリアアップも目指しやすい職種です。年収アップを重視して就職活動をする場合は、プログラミングの学習がおすすめです。

 【就労移行支援で学べるプログラミング言語】

未経験からプログラマーとして就職する方法については、こちらの記事「障害者のためのプログラミング訓練を活用してエンジニアになる方法」にて詳しく解説しています。

選考対策を十分に行う

選考に通過するためには、ただ就労移行支援に通いカリキュラムをこなすだけでは不十分です。

自己分析や企業研究、面接練習などを行い、選考に突破する確率を少しでもあげるようにしましょう。

特に、障害者雇用での就職を希望する場合、自分の障害理解が重要になります。

【障害理解のポイント】

上記の内容を、自分で考えたり、主治医や周りの人に相談したりして、障害理解を深め、面接でわかりやすく伝えられるようにしておきましょう。

そうすることで、採用する側の障害に対する懸念を解消できるため、選考に通りやすくなります。

自分一人で自己分析・企業研究・面接対策をするのが難しい場合は、転職エージェントを利用しましょう。

転職エージェントは、応募先企業の実際の雰囲気や社風などの情報や、応募職種の詳細な仕事内容などの情報も豊富に持っているため、企業研究に必要な時間を一気に減らすことができます。

また、プロのキャリアカウンセラーが自己分析や応募書類のサポートをしてくれたり、面接対策も丁寧に実施してくれるため、就職活動に必要な多くの時間を削減しながら、内定を獲得する可能性を大幅に引き上げることができます。

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