高次脳機能障害の人に向いてる仕事・おすすめ求人3選

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高次脳機能障害は、脳梗塞や交通事故などによって脳がダメージを受けてしまうことで、記憶力をはじめとした様々な症状が出てしまう障害です。

本記事では、高次脳機能障害の人におすすめの仕事について、具体例を挙げながら解説します。

高次脳機能障害とは

まず最初に、高次脳機能障害の概要を解説します。

高次脳機能障害の概要

高次脳機能障害とは、脳梗塞やくも膜下出血、もやもや病といった脳血管障害、交通事故などによる脳外傷、心肺停止による脳への低酸素脳症などが原因で、脳がダメージを受けたことで発症する後天的な障害です。

代表的な症状には「記憶力の低下」が挙げられます。他にも、集中力の低下、遂行能力の低下、失語症など、人によって様々な症状が現れます。

後天的な障害のため、これまでできていたことが急にできなくなってしまうことで、日常生活に大きな影響を及ぼす傾向があります。

また、障害があることが周りから見てわからないため、周りから理解をされにくい障害でもあります。

出典:千葉県千葉リハビリテーションセンター

高次脳機能障害の症状

高次脳機能障害の症状はいくつかの種類があり、どれを発症するかは人によって異なります。

記憶障害

記憶障害は、高次脳機能障害の代表的な症状です。

高次脳機能障害による記憶障害は、発症後に新しく何かを覚えることが覚えられなくなってしまうという特徴があります。

【症状の例】

また、人によっては発症前の記憶にも影響が出る場合もあります。

注意障害

高次脳機能障害を発症することで、脳が持つ注意機能に症状が出る場合があります。

【症状の例】

遂行機能障害

遂行機能障害とは、目的を持って何かを段取りよく達成しようとすることができなくなってしまう症状のことを指します。

【症状の例】

社会的行動障害

社会的行動障害とは、感情がコントロールできなくなったり、状況に適した行動ができなくなったり、自分の欲求を抑えられなくなることによって、社会生活に大きな影響が出てしまう症状です。

上記の通り、他人とのコミュニケーションに大きな影響が出る症状です。

その他の症状

高次脳機能障害には、上記以外にも複数の症状があります。

【症状の例】

出典:東北医学薬科大学病院

高次脳機能障害の治療方法

高次脳機能障害は、現時点で手術や内服治療などによる治療方法は確立されていません。

そのため、高次脳機能障害を発症した場合は、治療ではなくリハビリテーションが中心になります。

高次脳機能障害のリハビリテーションでは、社会生活への復帰が大きな目標となります。これを達成するために、症状の状態に合わせたリハビリプログラムが設定されて、順次実施される形になります。

具体的には、注意障害がある場合は注意手順訓練、記憶障害がある場合は反復訓練、社会行動障害がある場合は、行動療法(模倣行動の訓練)など、リハビリの内容は様々です。

リハビリでは作業療法士や看護師、言語聴覚士など、多くの専門家のサポートが必要になります。

リハビリの期間は人によって異なり、症状の改善状況などを踏まえて判断されます。リハビリの終了後は、本人や家族の希望に合わせて、社会生活の復帰に対する支援が継続的に行われます。

出典:高次脳機能障害情報・支援センター 鶴巻温泉病

高次脳機能障害が仕事に与える影響

高次脳機能障害は、日常生活だけでなく仕事に対しても大きな影響が出ることが考えられる障害です。業務に対する影響と、職場での人間関係に関する影響について解説します。

業務に対する影響

記憶障害や注意障害がある場合、業務の手順を覚えることができなかったり、慣れている作業でもケアレスミスをしてしまったり、集中力が落ちることで作業効率が落ちてしまったりなど、様々な影響が出る可能性があります。

また遂行機能障害があることで、自分で考えて業務を進めることがうまくできなくなってしまうため、周りから都度具体的な指示を受けるなどのサポートが必要になります。

人間関係に対する影響

社会的行動障害は、社内の人間や顧客、取引先の人間に対しても自分の感情をコントロールできなくなってしまうため、社内外問わずコミュニケーション上のトラブルを起こしてしまう可能性があります。

また、人との距離感がわからなくなったり、言葉がうまく出なくなったりするため、日常的なコミュニケーションもうまく取れなくなり、職場で孤立してしまう可能性もあります。

高次脳機能障害の人に向いてる仕事

高次脳機能障害の人におすすめの仕事は、明確なマニュアルがあり、社外の人とのコミュニケーションが不要な仕事です。具体的には、一般事務・データ入力・軽作業・清掃業務などが挙げられます。

ケアレスミス防止のために、作業内容をダブルチェックしてもらえる環境や、常に具体的な指示を得られる環境も重要になります。

【向いている仕事の例】

事務職やデータ入力は、定型業務が多く、また複数名で業務を進めることが多いため、周りからダブルチェックなどのサポートを受けながら働きやすい職種です。 清掃業は、オフィスビルや店舗などの清掃を担当する業務で、基本的に担当する場所や作業手順が決まっています。さらに、他人とコミュニケーションを取る場面も少ないため、コミュニケーションに不安がある方に特におすすめです。

軽作業は、荷物の仕分けや梱包、商品の整理、管理などを担当する職種です。こちらも清掃と同様に、作業内容が決まっており、個人で作業を進めることができるため、高次脳機能障害の人に向いている仕事です。

上記の仕事をする場合は、特に周りからの障害理解と、適切なサポートが必要不可欠になります。そのため、職種だけで選ぶのではなく、障害への理解が得られ、サポートを受けられる職場を選ぶようにしましょう。

【働きやすい仕事環境の例】

高次脳機能障害の人におすすめの求人例

大塚商会

【求人情報】

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こちらは大塚商会の営業事務の求人です。

業務内容は営業部のサポートで、見積書や注文書などといった書類作成が中心になります。

給与も安定しており、かつ周りからダブルチェックなどのサポートも受けやすい業務内容となっているため、高次脳機能障害の人も安心して働けます。

興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。

ビショップ

【求人情報】

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こちらは、アパレルブランドの店舗でのバックヤード業務を担当する求人です。

業務内容は、バックヤードでの軽作業となっており、入荷商品のチェックや整理といった単純作業です。

パート雇用で時給制になっているため、社会復帰後に初めて就労する人や少しずつ就労に慣れていきたい人におすすめの求人です。

興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。

ラクスみらい

【求人情報】

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ラスクみらいは、株式会社ラスクを親会社にもつ特例子会社です。

業務内容は、データ入力や集計、宅配業者や社内郵便の対応など、比較的簡単なものが設定されています。

応募条件も、1年以上の事務経験とハードルが低く設定されており、特例子会社(=障害者の雇用促進を目的として設立された会社)であるため、徹底した配慮を受けながら働けます。

興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。

特例子会社については、こちらの記事「特例子会社で働くメリット・デメリットと実際の求人例を紹介」にて詳しく解説しています。

高次脳機能障害の人は障害者雇用で働ける?

障害者雇用で働くためには、障害者手帳の取得が必須となります。

高次脳機能障害によって障害者手帳を取得する場合は、高次脳機能障害によって発症している症状が障害と認定される必要があります。そのため、人によって手帳が取得できる場合とできない場合、そして取得できる場合も手帳の種類が異なります。

【取得できる障害者手帳の例】

障害者手帳を取得する場合は、主治医の診断書が必要になるため、手帳の取得を希望する際は、まず主治医への相談をするようにしましょう。

高次脳機能障害で障害年金を受け取れた事例

高次脳機能障害を発症すると、障害者手帳の取得だけでなく障害年金の受給対象となる場合があります。

障害年金の認定基準

高次脳機能障害によって障害年金の受給対象は、障害の原因となる病気や事故の受傷から1年半以上経過した時点で、障害があること。

そして、その障害によって日常生活や社会生活が生じる場合に障害年金の受給対象となります。

障害の程度 障害の状態
1級 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため常時の援助が必要なもの
2級 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため常時の援助が必要なもの
3級
  • 1 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの
  • 2 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの

出典:東京中央障害年金・中村事務所

高次脳機能障害で障害年金を受け取れた事例

高次脳機能障害によって、障害年金の受給対象になった事例を紹介します。

事例1:障害厚生年金3級と認定されたケース・受給額:年額125万円

こちらは、心原性脳梗塞が原因で高次脳機能障害を発症した方の事例です。具体的な症状としては、右方麻痺および失語症という状況でした。

発症後リハビリを行い職場復帰をしましたが、その後脳梗塞を再発。それにより、 再度、職場に復帰した際には業務内容が変更され、郵便物の発送や事務用品の発注などの業務に携わるようになりました。

フルタイムでの就労はできていたものの、通勤は家族による駅までの送迎が必須であることや、思ったことを言葉に出しづらい、なかなか行動できない、すぐに怒り出すなど高次脳機能障害の症状が現れ、生活全般に家族のサポートが必要となりました。

症状によって日常生活に大きな影響が出ていたことで、厚生年金3級と認定され、年額125万円の障害年金を受け取ることができました。

出典:東京中央障害年金・中村事務所

事例2:障害基礎年金2級に認定されたケース・受給額:約78万円(遡及分160万円)

こちらは、交通事故によって高次脳機能障害を発症した学生の事例です。

事故から1年ほど経ってから復学したものの、授業中に寝てしまう、授業内容が理解できない、身体のバランスが取れない、忘れ物が多い、声掛けしないと行動が起こせないなど、事故前にはなかった状態が現れました。

家族によるサポートが日常的に必要となり、日常生活に大きな影響が出ていたことで、障害基礎年金2級と認定され、約78万円を受給。さらに、遡及分160万円も受け取ることができました。

出典:東京中央障害年金・中村事務所

高次脳機能障害の人が向いてる仕事に転職する方法

最後に、高次脳機能障害の人が向いてる仕事に転職する方法を解説します。

就労移行支援を利用する

就労移行支援は、高次脳機能障害のような障害や、難病を持っている人を対象とした就労支援事業所です。

選考サポートなど、転職活動の具体的なサポートや、PCスキルやビジネスマナーなど、企業での一般就労で働く上で活用できる実践的なスキルを学べます。

【就労移行支援で学べるスキルの例】

学べるスキルは事業所ごとに異なるため、自分の希望に合ったスキルが学べる事業所を選びましょう。

すぐに転職することが不安な人や、未経験の職種に転職したい人におすすめの転職方法です。

就労移行支援については、こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。

また私たち障害者雇用バンクでは、就労移行支援事業所「エラビバ就労支援」を運営しています。関東で就労移行支援事業所をお探しの場合は、ぜひ無料見学にお越しください。

転職エージェント・ハローワークを利用する

短期間での転職を希望する場合は、ハローワークや転職エージェントの利用がおすすめです。ハローワークと転職エージェントは、どちらも求人の紹介や選考対策など、転職活動全般のサポートを受けることができます。

ハローワークと転職エージェントの大きな違いとして、求人の内容が挙げられます。

ハローワークは、企業側が無料で求人が掲載できるため、多数の求人が掲載されています。

それに対して転職エージェントは、エージェント側が精査した求人のみが掲載されています。

そのため、転職エージェントはキャリアアップにつながる求人や一般雇用と同額レベルの給与が受け取れるような質の高い求人が掲載されています。また、特例子会社や未経験でも応募可能な求人も掲載されているため、自分の体調やキャリアプランに合わせて求人を選ぶことができます。

料金 運営方法 サポート体制 求人の数 求人の質 拠点
ハローワーク 無料 税金で運営 担当者ごとにばらつきあり 多い 玉石混交 全国各地
転職エージェント 無料 企業から紹介料を得て運営 専門の転職コンサルタントが手厚くサポート 少ない(ハローワークと比較すると) 選ばれた求人のみ掲載 エージェントによる ※Web会議や電話で相談できる場合もある

障害者枠で選考を受ける場合、転職エージェントのサポートを受けることで、

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