【ASD】向いてる仕事と実際の求人を徹底解説

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ASD(自閉症スペクトラム)は、発達障害の一種で大人になってから自覚する方が多い障害です。

ASDの障害特性は、日常生活だけでなく仕事にも影響を及ぼします。しかし自分の障害を理解し、向いてる仕事を選ぶことで、能力を生かし活躍することももちろん可能です。

本記事では、ASDの障害特性や向いてる仕事について詳しく解説します。

ASD(自閉症スペクトラム)とは?

まずはASD(自閉症スペクトラム)の概要について解説します。

ASDは発達障害の一種

ASDは発達障害の1種で、発達障害にはほかにADHDとLDがあります。

またASDは自閉症スペクトラムとも呼ばれ、脳の働きの違いによって発生する障害です。そのため、教育方法や育て方など、後天的な理由で発症することはありません。

ASDは、幼少期にはっきりとした障害特性が現れない場合もあり、大人になってから自覚する方も少なくありません。

またADHDについてはこちらの記事「【ADHD】向いてる仕事と実際の求人を紹介」にて詳しく解説しています。

参考:NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター

ASDの障害特性について、パターン別に解説します。

対人関係に関する特性

1つ目は、対人関係に関わる障害特性です。

ASDの方は、場の空気を読んだり暗黙の了解を理解すること、また会話のキャッチボールなどを苦手としています。

【例】

  • 自分が興味あることだけを一方的に話してしまう
  • 他人が気にしていることを悪気なく指摘してしまう

そのため他人とのコミュニケーションがうまくいかず、集団の中で孤立してしまうことも少なくありません。

こだわりに関する特性

次にこだわりに関する特性についてです。

ASDの方は行動や物事に対するこだわりを強く持つ傾向があります。

【例】

  • 毎日同じ道順、同じ時間の電車に乗って出勤する
  • 会社としてのやり方ではなく、自分が正しいと思うやり方を優先する

そのため、上司の指示を無視してしまったり、周りの人の影響を考えずに行動してしまったりします。また想定外の出来事が起きた際の臨機応変な対応も苦手な方も少なくありません。

その他の特性

対人関係やこだわり以外にも、感覚過敏や過集中の特性を持つ人もいます。

【例】

  • 大きな音が苦手で外を歩くときはヘッドフォンをつける
  • 周りの人が止めるまで作業を続けてしまう

感覚過敏は聴覚以外にも特性が現れる場合があり、洋服のタグを過剰に気にしてしまう方もいます。また過集中の特性が強い場合、自分の体力の限界を超えても作業を続けてしまうため、体調にも悪影響が出ます。

ASDが仕事に与える影響

まず簡単に、ASDの障害特性の仕事における強みと弱みを紹介します。

【仕事におけるADHD特性の強みと弱み】

強み弱み
・得意分野に関して高い集中力を発揮する
・細部まで丁寧な作業ができる
・視覚的に情報を処理することが得意/td>
・曖昧な指示を理解できない
・コミュニケーションが上手にとれない
・臨機応変な対応が苦手
・自分のやり方にこだわり、人の指示を無視してしまう
・騒がしい場所での作業が難しい

その場の空気を読んだ言動が苦手なため、複数人の作業に影響がでたり、場合によっては仕事中に衝突してしまうこともあります。また自分が正しいと思っていることや、決めた手順を曲げることがなかなかできず、仮に上司からの指示であってもそれを無視して自分のやり方を優先してしまうこともあります。

そのため、チームで作業することを特に苦手と感じる人が多くいます。

また想定外の事態への対応が苦手だったり、過集中の傾向があったりするため、自分一人で作業しているときに緊急で追加の作業を頼まれ場合にパニックになってしまったり、頑張りすぎて体調を崩してしまう可能性もあります。

ASDの方に向いてる仕事とは?

続いて、ASDの方に向いてる仕事について具体的に解説します。

ASDの方に向いてる仕事の特徴

ASDの方は明確なルールや作業マニュアルが整っている環境であれば、集中力を活かして業務に取り組めます。

ルーティン業務についても、一度習得することができれば安定的に成果を残せます。

また専門性が高い仕事や自分の興味関心を活かせる仕事も、こだわりをもちクオリティを追求できるため向いてる仕事と言えます。しかしこだわりを優先しすぎてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

ASDの方に向いてる仕事

具体的にASDの方に向いてる仕事例を解説します。

経理事務

経理事務は、数字と向き合う仕事です。1つ数字を間違えると、業務に大きな影響が出ることもありますが、経理に関する数字は正しい処理ができている限り、ズレや曖昧さが生まれません。

その上経理職は、毎年同じ業務を繰り返すため、定型業務に高い集中力を発揮するASDの障害特性とマッチしています。

また経理事務以外の事務職も、マニュアルの完備や周りの人のサポートがあれば、ASDの方に向いてる仕事と言えます。

プログラマー

プログラマーの主な仕事は、エンジニアが作成した仕様書通りのプログラムを作成することです。

プログラミングは、正しいプログラムが書けているかぎり、イレギュラーなことは起きず作業は必ず完成します。

また一日中プログラムと向き合う仕事でもあるため、高い集中力をもつASDの方に向いてる仕事です。

プログラマーになるためには、プログラミングの知識が必要なため、未経験の場合は職業訓練校などを活用しましょう。これについてはこちらの記事「障害者のためのプログラミング訓練を活用してエンジニアになる方法」にて詳しく解説しています。

Webデザイナー

ASDの方の中には、視覚情報の処理が得意な方が多くいます。

そのため、その強みを活かしたデザインの仕事も向いています。その中でも特にWebデザイナーは求人数が多く、またフリーランスとして活動することもできる仕事なため、専門性を高め手に職をつけたい方にもおすすめです。

しかしフリーランスとして活動する場合は、デザイン以外の事務処理作業も自分で行わなければいけないため注意が必要です。

またWebデザイナーもプログラマーと同様に、知識や経験が必要な仕事なので、未経験から目指す場合は、就労移行支援や職業訓練校を活用しましょう。就労移行支援についてはこちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。

コーダー

コーダーは、Webデザイナーが作成したデザインをWeb上で閲覧できるようにコーディングする仕事です。Webデザイナーがコーディングまで担当することが多いですが、コーディングのみを行う働き方もあります。

業務内容としてはプログラマーと近く、集中力と正確性が必要な仕事です。

またコーダーとして経験を重ねてからWebデザイナーとしてキャリアアップすることもできます。

データアナリスト

データアナリストは、情報の収集やデータの分析をする仕事です。

データアナリストは、1日中パソコンと向き合い作業することが多い仕事なため、集中力が求められます。ASDの方の特性とマッチしているため、向いてる仕事と言えます。

またこちらの記事では、実際にデータアナリストとして活躍されている方が紹介されています。

ゲームテスター

ゲームテスターは、新しく開発されたゲームに不具合がないかを調査する仕事です。

こちらもデータアナリストと同様に、集中力が必要不可欠な仕事です。また、業務としてゲームに触れられる仕事なため、ゲームに興味がある人にとっては、特におすすめの仕事です。

カメラマン

視覚情報の処理能力を活かして、カメラマンとして活躍している人もいます。

またカメラマンは自分の興味がある被写体を、自分の専門分野とすることもできるため、結婚式や動物、インタビューカメラマンなど、自分の興味を追求できます。

しかし人を被写体として選ぶ場合は、ある程度のコミュニケーション能力も必要になります。

テクニカルライター

テクニカルライターは、特定分野の技術に関する文章を執筆するライターです。

家電製品の説明書や、技術者に向けた専門書の執筆が主な仕事です。

インタビューライターのように、コミュニケーション能力や独創的な文章力は不要かつ、専門知識が活かせる仕事です。

軽作業

データ入力やピッキングなど、決められた作業を行う仕事です。

作業内容が単純で、毎日同じ作業をするためイレギュラーが起きにくく、取り組む難易度が低い点が特徴です。

また作業に対する集中力や、丁寧さが重要な仕事でもあるため、ASDの方に向いてる仕事と言えます。

ASDの方に向いてる仕事の実際の求人

続いて、ASDの方に向いてる仕事の求人を紹介します。

大塚商会(事務)

【求人情報】

  • 職種:一般事務(障害者枠)
  • 雇用形態:正社員
  • 業務内容:パソコンでの資料作成、伝票整理など障害特性に合わせた業務を担当
  • 給与・年収:経験・年齢などを考慮のうえ、会社規定により決定(例:400万円/25歳)
  • 勤務地:東京本社もしくは各事業所に配属
  • 応募資格:高校卒業以上(経験者優遇)

詳細はこちら

こちらは大塚商会の求人です。事務職の募集で、自分の障害特性や経歴に合わせて向いてる業務を担当できます。

また給与が比較的高い点もこちらの求人のメリットです。大塚商会についてはこちらの記事『「成果を正当に評価する会社なんです」——大塚商会・土谷知子さんに聞く、障害の有無に関係ない評価制度』にて詳しくお話を伺っています。

興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。

博報堂DYアイオー(プログラマー)

【求人情報】

  • 職種:マクロ開発プログラマー(障害者枠)
  • 雇用形態:正社員
  • 業務内容:マクロ開発プログラマー
  • 給与・年収:216,000円〜256,000円
  • 勤務地:東京本社
  • 応募資格
    ・Excelマクロ開発経験あるいは他のプログラミングに携わった経験が1年以上ある方
    ・Word・Excel:基礎操作ができる方
    ・ビジネスメールでやり取りができる方

詳細はこちら

博報堂DYアイオーは、博報堂グループの特例子会社です。

こちらはプログラマー未経験者は応募ができない求人ですが、その分条件もよくプログラマーとしてのキャリアアップが目指せる求人です。

また特例子会社なので、一般企業の障害者枠以上に障害に対する配慮を受けながら働けます。

興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。

楽天ソシオビジネス(webデザイナー)

【求人情報】

  • 職種:web制作(障害者枠)
  • 雇用形態:契約社員
  • 業務内容:Webページ制作や定期更新、画像編集・バナー作成など
  • 給与・年収:213,000円〜300,000円
  • 勤務地:東京本社
  • 応募資格
    ・実務経験3年以上
    ・頻出言語(HTML、CSS、jQueryなど)への造詣
    ・Adobe系画像編集ソフト中級以上のスキル 
    ・ネットワーク(FTP、仮想環境など)の基礎知識
    ・Office系ソフト中級以上のスキル(マクロ尚可)

詳細はこちら

楽天ソシオビジネスは、楽天グループの特例子会社です。こちらはWeb制作業務の求人で、博報堂DYアイオーの求人と同様に、応募条件が高く設定されています。

そのため、未経験の方では採用が難しいですが、Webデザインの経験が豊富な方におすすめの募集となっています。

また楽天ソシオビジネスは、Webデザイン以外にも、事務職など他の職種も積極的に募集を行っているため、Webデザイン以外の仕事を希望する方はこちらからご確認ください。

アートフリーク

【求人情報】

  • 職種:空間デザイナー(障害者枠)
  • 雇用形態:正社員
  • 業務内容:クライアントの要望ヒヤリング(オリエンテーション)、Vectorworksを使用してのブース等のレイアウト・デザイン、ブース等の基本設計
  • 勤務地:東京本社
  • 給与・年収:246万円~350万円
  • 応募資格
    ・VectorCADスキル/illustrator/Photoshopスキル
    ・Adobe系画像編集ソフト中級以上のスキル 
    ・Office系ソフト中級以上のスキル(マクロ尚可)

詳細はこちら

こちらは展示会などのブースの設計やデザインをする仕事で、視覚情報の処理能力を活かした業務を担当できます。

上記に記載がある応募資格以外にも、築施工管理技師や建築士の資格を持っているとより採用されやすくなります。

興味がある方はぜひこちらから応募してみてください

障害者向けサテライトオフィス求人

【求人情報】

  • 職種:所属企業ごとに決定(障害者雇用)
  • 雇用形態:正社員/契約社員/パート
  • 業務内容:所属企業ごとに決定
  • 勤務地:東京都新宿区
  • 給与・年収:210万円~264万円
  • 応募資格:出社が可能な方

詳細はこちら

サテライトオフィスとは、在籍する企業のオフィスではなく、ジョブコーチが常駐する別のオフィスで業務を行う働き方です。

サテライトオフィスは複数の企業が同じオフィスを利用しているため、その中から自分に合った求人を選び、応募する形になります。

障害者向けサテライトオフィスでは、ハードルの低い業務から担当できたり、自分の作業に集中できる環境を用意してもらえたりなど、障害特性に合わせて働けます。

興味がある方はぜひこちらからご応募してみてください。

ASDは障害者雇用の対象

ASDを含む発達障害は、働く上で職場の理解が必要です。もちろん一般雇用で働くことも可能ですが、適切な配慮を受けながら働ける障害者雇用がおすすめです。

しかし障害者雇用で働くためには、障害者手帳を取得しなければいけません。

ASDは大人になってから特性を自覚する人が多い障害のため、ASDの障害特性で悩んでいるけど手帳を取得していないという方も一定数います。

障害者手帳を取得するためには、医者の診断が必要なので、もし働きにくさなどを感じている場合は、一度受診してみましょう。 障害者雇用についてはこちらの記事『「障害者枠はデメリットしかないからやめとけ」は嘘!障害者雇用のメリットを徹底解説』にて詳しく解説しています。

ASDの方が向いてる仕事に転職するためには

最後に向いてる仕事に転職する方法について解説します。

webデザイナーなど専門職への転職は就労移行支援を利用する

webデザインやプログラミングなど、専門的なスキルが必要な仕事に転職したい場合や、向いてる仕事がわからないという場合は、就労移行支援がおすすめです。

就労移行支援では、働く上で必要なスキルを身につけたり、自分の障害理解を深めることができます。

明確にやりたい仕事がある場合は、知識やスキルの習得のために、向いてる仕事を探したい場合は、障害理解を深めながら自分にできること・できないことを把握するために就労移行支援を活用しましょう。

就労移行支援についてはこちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。

障害理解のある職場を探す

自分の障害を理解してくれるかどうかは、転職先を選ぶ基準として重要な項目です。

長期的に働くためには、仕事内容や給与だけで仕事を選ぶのではなく、職場環境まで確認する必要があります。

職場に障害理解があることで、仕事の効率も上がり、働く際のストレスも軽減できます。反対に理解がない場合、短期退職や二次障害につながることもあるため、仕事内容だけでなく職場環境についても職場を選ぶ基準のひとつにしましょう。

また自分の障害を理解してもらうためには、自分自身が障害について深く理解し、職場に説明しなければいけません。そのため、転職活動を始める時点で、主治医や家族などの協力を得ながら、自分の障害についての理解を深め、得意なことや苦手なこと、できることやできないことを整理し、面接の際に伝えるようにしましょう。

障害者雇用専門の転職エージェントを活用する

障害者雇用専門の転職エージェントには、下記のメリットがあります。

  • 求人の紹介
  • 面接や書類の作成サポート
  • 入社後の定着支援

特に求人の紹介については、エージェントにしかない非公開求人の紹介をしてもらえるため、選択肢が格段に広がります。

また転職活動全般のサポートを受けられるため、自分一人での転職活動と比べ内定率が高くなります。そして入社後の定着支援があるため、困ったことがあればすぐに相談が可能です。

向いてる仕事、そして理解のある職場に入社し、長期的に働くためには必ず利用するべきサービスです。

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