障害者向けの作業所とは?就労継続支援から一般就労を目指す方法や作業内容を解説
「働きたいけど会社で働くのはまだ不安だな…」 「安心して働ける場所で業務経験を積みたい!」 こんな気持ちがある方におすすめなのが、本記事で解説する就労継続支援事業所です。 就労継続支援事業所は、障害などが理由となり、企業での一般就労が難しい方を対象とした作業所です。似た施設に就労移行支援事業所がありますが、就労移行支援は就職・転職活動の支援を主な目的としており、働く場所を提供する就労継続支援事業所とは目的に違いがあります。 今回は就労継続支援のサービス内容や活用方法を徹底解説します。適切に活用し、一般就労を目指していきましょう!
就労継続支援事業所とは?
まずは就労継続支援事業所が、どういった施設なのか解説します。
障害に負担をかけずに就労できる作業所
就労継続支援事業所は、障害を持っていることなどが理由で、企業での一般就労が難しい方が就労するための作業所です。 作業内容は簡単な事務作業や軽作業、調理など、作業所ごとで多岐に渡ります。もちろん給与・工賃を受け取ることができ、障害者年金などを含めることで、一般就労に近い金額を受け取ることも可能な場合もあります。 また就労継続支援には、A型作業所とB型作業所の2種類があり、作業所ごとにいくつかの違いがございます。
就労継続支援A型(A型作業所)は雇用契約を結ぶ
就労継続支援A型とB型の違いについて、下記の図をご覧ください。
A型作業所 | B型作業所 | |
雇用契約 | 結ぶ | 結ばない |
給与 | 時給(最低賃金保証) | 工賃(最低賃金保証無し) |
労働時間 | 週15時間前後から | 週1時間から可能 |
大きな違いはこの3点になります。最も大きな違いは、雇用契約の点です。A型の場合は、雇用形態を結ぶため、最低賃金が保証され、また一定時間以上勤務することで、各種社会保障の対象にもなります。 それに対しB型は雇用形態を結ばないため、最低賃金が保証されることはなく、自分が行った作業量に対応した工賃が支給される形となります。ただ、その分労働時間に制約がなく、ご自身の体調や状況に合わせて、柔軟な勤務が可能となります。 このようにそれぞれにメリットがあるため、ご自身により向いている作業所を選ぶことが可能です。
就労継続支援事業所はA型とB型どちらがおすすめ?
就労継続支援A型とB型、どちらを選ぶか迷った時は、自分が1週間で働ける時間を基準にすることがおすすめです。 先ほどの表にもあるように、A型作業所の場合は週3日以上、1日あたり4時間〜6時間程度の勤務が基本となります。もちろん場合によっては勤務時間を調整することは可能ですが、B型作業所と比べて勤務時間は長くなる傾向があります。そのため、一般就労を見越して働くことに慣れておきたい方や、最低賃金以上の給与が欲しい方が対象となります。 それに対しB型作業所は、雇用契約を結んでおらず、自分が行った作業量に対して工賃が支払われるため、週1日、1時間からの勤務が可能となります。そのため、週に何日も出勤したり、1日に何時間も勤務することが難しい方には、まずB型作業所の利用がおすすめです。 ご自身の体調や、目指すものに応じて、どちらの作業所を利用するか決めるようにしましょう。
一般就労へのロードマップ
就労継続支援事業所には、契約期限がありません。そのため、基本的に何年間でも継続して勤務することが可能です。ですが、一般就労と比べると、給与面や身に付くスキルはどうしても少なくなってしまいます。 そのため、就労継続支援事業所は、企業での一般就労を最終目標にした計画的な利用がおすすめです。 それでは、就労継続支援B型から、企業での一般就労を目指すための順序を解説します。
一般就労への第一歩は就労継続支援B型(B型作業所)
まずB型作業所を利用する場合、お金を稼ぐことより、社会生活に慣れることを目的にしましょう。お金はもちろん大事ですが、働くことに慣れていない状態でたくさんの工賃を受け取ろうと無理すると、体調を崩してしてしまいやすくなります。 なのでまずは、短時間勤務からはじめて、働くことに体や気持ちを慣らしていきましょう。 そしてご自身の体調や状況に合わせて徐々に勤務時間を伸ばしていき、安定して週に複数日通えるようになったら、次のステップです。
就労継続支援A型(A型作業所)で週20時間勤務を目指す
A型作業所の利用を開始したら、安定して週20時間以上勤務することを目標にしていきましょう。この週20時間は、企業での時短勤務を想定した時間になります。 企業の中には時短勤務制度を導入している企業は多数あり、そして時短勤務は週20時間から30時間の勤務が一般的になります。そのため、A型作業所で、安定して週20時間以上勤められるようになれば、一般就労をする自信にも繋がりますし、企業側も採用しやすくなります。 そしてここまで達成できたら、一般就労に向けた最終ステップに進めます。
就労移行支援事業所から転職サポートを受ける
A型作業所から一気に企業へ就職することも可能ではありますが、就労移行支援事業所の利用をおすすめします。 就労移行支援事業所では、ExcelやWordのような実践的なスキルや、ビジネスマナーなど、働く上で必要なスキルを学ぶことができます。 さらに、企業紹介や面接練習などの転職活動の直接的な支援や、入社後のサポートまで受けることができます。 そのため、就労移行支援事業所を経由することで、安心した状態で一般就労を始めることができます。就労継続支援事業所については、 こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』で詳しく解説しておりますので、是非ご覧ください。
障害者向けサテライトオフィスも選択肢の1つに
就労継続支援に近い環境で一般就労をしたい方には、障害者向けサテライトオフィスでの就労がおすすめです。 サテライトオフィスでは、企業の社員として、支援員が常駐する特別なオフィスで働くことができます。そのため、体調が優れなかったり、何か相談したいことがあった場合に、支援員から迅速なサポートを受けられます。 サテライトオフィスについてはこちらの記事「障害者向けサテライトオフィスとは?働き方やメリット・デメリットを解説!」にて詳しく解説しております。
常に焦りは禁物!
一般就労を目指す上で避けていただきたいのが、早く就職したいと思い焦って行動することです。「一般就労」という目標が見えていると、多少無理をしてでも次のステップに進もうとしてしまう方がいらっしゃいます。 しかし無理をした結果体調を崩してしまい、働けなくなってしまうことも十分に考えられます。 そうならないために、常に急がば回れの考えを持って、無理のない範囲で着実に一般就労を目指していきましょう。
就労継続支援事業所の活用方法
それでは、ここからは就労継続支援事業所についてより詳しくご説明いたします。
作業内容は作業所ごとに違う
就労継続支援事業所で働く場合作業内容は作業所ごとに異なります。 【作業内容実例】
- データ入力
- 清掃
- ピッキング作業
- 調理
- 部品加工
- 農作業
他にもプログラミングやwebデザインなど、専門性の高い作業に取り組める作業所などもありますので、自分が得意なことや向いている作業に取り組める場所を選びましょう。
工賃はA型作業所に比べて少ない
A型作業所では働いた時間に対しての給与、B型作業所では行った作業に対する工賃が支払われるようになっています。 どちらも個人差はありますが、それぞれの平均額としては、A型作業所の場合78,975円、B型作業所の場合16,369円となっています。 こちらは令和元年度のデータとなっており、前年度よりも増加しています。もちろん一般企業と比べると低くなっていますが、今後もこの平均額は増加していく見込みです。
参考文献:厚生労働省 令和元年度の工賃(賃金)の実績について
就労継続支援A型・B型の対象者は?
次に就労継続支援A型・B型それぞれを利用できる対象者の条件について説明します。 まずA型作業所については、原則18歳から65歳までの障害または障害に準ずる症状をお持ちの方で、下記条件に当てはまる方が対象になります。
- 就労移行支援を利用したが、就職できなかった方
- 特別支援学校を卒業したが、就職できなかった方
- 企業での就業経験があり、かつ現在就労していない方
以上が条件になります。 B型作業所の場合は、年齢制限がなくなり、下記の条件に当てはまる方が対象となります。
- 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難になった方
- 50歳に達している方
- 障害基礎年金一級受給している方
- 上記に該当せず、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面に関わる課題等の把握が行われている方
市区町村ごとに細かな条件が異なる場合もございますので、ご自身が利用できるかどうかについては、お近くの役所にお問い合わせください。
参考文献:厚生労働省 障害者の就労支援について
体調が安定してなくても利用できる?
記事の前半でも記載したように、B型作業所は勤務時間を細かく選ぶことが可能です。また勤務当日に体調が悪くなってしまった場合でも、気軽に休むことができます。 そのため、体調が安定していない状態であっても、B型作業所であれば安心してご利用いただけます。
就労継続支援事業所を利用するためには?
就労継続支援事業所を利用するためには、いくつかご自身で対応が必要なことがございます。利用開始するために必要なステップを順を追って説明します。
通いたい作業所を探す
まずはご自身が通いたい作業所を見つけましょう。作業所を探す方法は主に下記の3つです。
- 役所の福祉窓口やハローワークで探す
- 病院から紹介を受ける
- 就職エージェントで探す
インターネットなどを活用してご自身で探すことも可能ですが、ハローワークや役所、就職エージェントであれば、多くの情報が集まっていて、また希望条件に沿って紹介を受けることが可能な場合もございますので、そういったサービスは積極的に活用しましょう。
施設見学や作業体験ができる場合も
就労継続支援事業所では、申込み前に作業所の見学や作業体験を実施している作業所もございます。実際に足を運び作業所の雰囲気を見たり作業を体験することで、入所後のギャップを減らすことができます。 気になる作業所が見学や体験の受け入れをしている場合、必ず活用しましょう。
入所手続きの手順
最後に入所手続きの手順について解説します。
- 1.事務所を見つけて応募する
- 2.市区町村窓口で利用申請をする
- 3.認定調査
- 4.「サービス等利用計画案」の提出
- 5.暫定支給の決定(A型のみ)
- 6.「個別支援計画」の作成
- 7.支給決定と受給者証の交付
手順が少し多くなっていますので、可能であればご家族や役所の担当者からの協力を受けることをおすすめします。 またそれぞれの手順の詳細については、こちらの記事『「就労継続支援」とは?A型・B型の違いと手続き方法を解説!』
一般就労を目指すなら就労移行支援事業所
最後に就労移行支援事業所について、就労継続支援との違いを踏まえて、詳しく解説いたします。
就労移行支援事業所とは?
先ほども簡単に説明をしましたが、就労移行支援事業所は一般就労する上で必要なスキルを身に付けるためのサービスで、職業訓練校に近いサービスとなっています。 就労継続支援事業所のように作業(業務)を行うわけではないため給与は受け取れませんが、その分より専門的かつ実践的なスキルを身に付けることができます。 学べる内容は下記のようなものが一般的になっています。
- 一般事務に必要なPC作業
- プログラミング
- 軽作業
- グループディスカッション
- ビジネスマナー
また就労移行支援事業所は、就労継続支援事業所とは異なり、2年間の利用制限があり、1つの施設に続けて通えるのは2年間までとなっています。そのため計画的な利用が大切になります。
スキルが身に付くだけでなく転職活動の支援も!
就労移行支援事業所は、転職活動の直接的な支援や、入社後の定着支援も行っております。まず転職活動の支援については、求人の紹介や面接対策など、内定を獲得するまで二人三脚のサポートを受けることができます。 定着支援については、定期的な面談を通して、働く上で発生する悩みや不安を解消してくれるため、安心して企業で就労することが可能です。
日本最大級の障害者向け求人サイト
「障害者雇用バンク」
数多くある障害者の転職サイトのなかでも、日本最大級の障害者向け求人情報を提供する「障害者雇用バンク」は業界初「人材紹介の求人情報データベースとハローワークの求人データベースの両方の情報の提供」障害者の転職をトータルで支援します。
より積極的に募集される障害者求人情報と、公的機関であるハローワークの求人情報を一つのサイトでまとめて検索することができるだけでなく、カウンセラーとのWeb面談などのサービスも。在宅のままスマートフォン1台で、自分に合った仕事探しが可能です。
無料登録は3分程度で手軽にできるので、まずは登録するところから始めてみてはいかがでしょうか?