シェーグレン症候群の人に向いてる仕事・実際の求人おすすめ3選
シェーグレン症候群は、目や口の渇き、またそれ以外にもさまざまな身体的な症状が現れる難病です。 今回は、シェーグレン症候群の人に向いてる仕事やおすすめの求人について解説します。
シェーグレン症候群とは
まずは、シェーグレン症候群について解説します。
シェーグレン症候群の症状
シェーグレン症候群は、涙や唾液を生成する臓器を中心に炎症を起こす全身性の自己免疫疾患で、指定難病に該当する病気です。 発症原因はまだ特定されていませんが、40代〜60代の女性が発症しやすいとされています。主な症状としては、以下の通りです。
- 目の乾燥
- 口腔の乾燥
- 膣乾燥
また発症者の約50%の人が、下記のような全身性の症状を発症します。
- 全身の倦怠感
- 関節痛
- 皮疹
- 光線過敏症
- 間質性肺炎
- 神経障害
- 腎障害
- 筋症状
- 血液検査異常
さらに少数ですが、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスといった膠原病や血液疾患合併症を引き起こすことがあります。 出典:日本リウマチ学会・千葉大学病院
シェーグレン症候群の診察・治療法
シェーグレン症候群は、血液検査で自己抗体を測定し、涙や唾液の分泌量を調べることで診断されます。また、自覚症状がなく、偶然シェーグレン症候群であることが発覚するケースもあります。 現時点では、完治させる治療法は確立されていないため、目の乾燥に対しては点眼薬や局所治療、口腔乾燥に対しては内服薬やうがい薬の使用といったように、症状に対する対処療法が行われます。 また、脳や神経、関節などに症状がある場合は、重症度に応じてステロイドや免疫抑制薬が使用されることもあります。
シェーグレン症候群が仕事に与える影響
シェーグレン症候群の代表的な症状である目の乾燥や口腔の乾燥の症状がある場合、長時間パソコンを見ることで目が過剰に疲れてしまったり、冷暖房が効いているオフィスだと乾燥の症状が悪化してしまったりする可能性があります。 それ以外でも、倦怠感の症状が強いと、仕事に集中できなくなってしまったり、関節痛や筋症状があると、重い荷物を持ったり肉体労働ができなくなってしまったりします。 シェーグレン症候群の症状を安定させるためには、規則正しい生活を送ることやストレスを避けることが求められるため、不規則な勤務時間の仕事や、クレーム対応や責任が重い仕事のような強いストレスがかかる仕事は避けるべきです。
シェーグレン症候群の人に向いてる仕事
シェーグレン症候群の人に向いてる仕事としては、身体への負担が少ないデスクワークが挙げられます。 【職種例】
- 一般事務
- プログラマー・SE
- Webデザイナー
- 動画編集
- データ入力
しかし、目の乾燥の症状が強い場合は、長時間のパソコン作業が大きな負担になるので、定期的な休憩が必要です。 乾燥の症状が強く、倦怠感や関節痛といった症状がない場合は、デスクワークよりも接客業や営業職のようにパソコンを使用する時間が短い仕事の方が向いてる場合もあります。
シェーグレン症候群の人が働きやすい環境
シェーグレン症候群の人が働くためには、まず病気への理解がある職場を選ぶことが必要不可欠です。 全ての症状が他人から見てわからないものなので、理解がない職場だと、身体的な負担がかかることや、冷暖房による乾燥の影響などに対して、配慮をもらえません。 そのため、障害者雇用の実績が豊富だったり、離職率が低かったりするような会社で働くことがおすすめです。 また、在宅勤務での就労も1つの選択肢です。オフィスだと、自分の体調に合わせて座席や冷暖房の稼働を調整できないケースもあります。自宅であれば自分にとって最適な環境を自分で用意できるため、病気への負担を軽減できます。
シェーグレン症候群の人におすすめ求人3選
三井E&S
【求人情報】
- 職種:一般事務(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:各種書類ファイリング、郵便物の配布・発送、データ入力
- 給与・年収:180,000円〜250,000円
- 勤務地:東京本社
- 応募資格:事務職経験があり、Word、Excelが使える方
詳細はこちら こちらは三井グループである、三井E&Sの一般事務の求人です。 業務内容は、書類のファイリングやデータ入力など、業務内容が簡単なものとなっています。そのため、事務職経験が少ない方であっても、実務経験があれば応募可能です。 また、月給の最低ラインが18万円となっており、給与も安定しています。 興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。
リンクレア
【求人情報】
- 職種:エンジニア(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:顧客より受注した情報システム開発における要件定義・設計・製造・テスト業務、社内業務システムの保守・メンテナンス業務
- 給与・年収:240,000円〜370,000円
- 勤務地:東京本社・在宅勤務可能
- 応募資格 ・オープン系言語によるシステム開発経験2年以上 ・EXCEL:集計可能 ・WORD :ビジネス文書作成
詳細はこちら こちらは、リンクレアが募集しているエンジニアの求人です。 情報システム開発における要件定義や設計、テスト業務や、社内システムの保守、メンテナンス業務など、経験に応じてエンジニアとしてさまざまな業務を担当できます。 また、在宅勤務の相談もできるため、オフィスではなく自宅での就労を希望する人にもおすすめです。 興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。
東京海上アセットマネジメント
【求人情報】
- 職種:経理(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:経理関連システムへの入力、チェック業務・伝票起票から残高確認までの決算業務など
- 給与・年収:180,000円〜270,000円
- 勤務地:東京本社
- 応募資格 ・日商簿記3級の資格をお持ちの方 ・同部署のメンバーと円滑にコミュニケーションをとれる方 ・未経験業務も覚えようとする学習意欲のある方 ・Excel初級~中級レベル(業務で頻繁に活用します)
詳細はこちら こちらは、東京海上アセットマネジメントが募集している経理職の求人です。 応募条件に日商簿記3級があるため、少し応募ハードルが高くなっていますが、その分転職時点での給与上限も高く設定されています。 経理職としてのキャリアアップを目指している人におすすめの求人です。 興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。
シェーグレン症候群の人は障害者雇用で働ける?
障害者雇用で働くためには、障害者手帳の取得が必須です。 シェーグレン症候群自体は障害ではなく難病であるため、シェーグレン症候群そのものに対して障害者手帳が発行されることはありませんが、症状が重く、日常生活や社会生活に大きな支障が出ていると判断された場合には障害者手帳を取得できる可能性があります。 例えば、関節に症状があり歩行や手、腕を動かすことに影響が出ている場合は肢体不自由として、腎機能の症状が強い場合は、腎機能障害として手帳が取得できる可能性があります。 障害者雇用では、障害や病気に対する配慮を受けながら働けるため、障害者雇用での就労を希望する場合は、主治医に手帳の取得について相談しましょう。
シェーグレン症候群で障害年金を受け取れた事例
シェーグレン症候群を発症することで、障害年金を受給できるケースがあります。 過去の実例について紹介します。
事例1. 障害厚生年金3級に認められたケース(30代・女性)
こちらは、シェーグレン症候群とエリテマトーデスを併発したことで、障害年金を受給できることになったケースです。 こちらの方は突発的に髪の毛が抜けるようになり、その症状が現れてから2年後に倦怠感や口が渇いたりするといった症状も出るようになりました。 その後、倦怠感の症状が強くなり、外出が難しい日も出てきたことで、仕事を続けることができなくなり、退職することとなりました。 検査により、シェーグレン症候群とエリテマトーデスを発症していることが判明。 結果として、日常生活や社会生活に大きな支障が出ているとの判断により、障害厚生年金3級と認定され、年額約58万円の支給が決定しました。 出典:大阪障害年金サポートセンター
事例2. 障害基礎年金2級と認められたケース(女性)
こちらは、シェーグレン症候群の症状により、障害基礎年金2級と認定されたケースです。 目や口などの乾燥や倦怠感といった症状だけでなく、重度の関節の痛みの症状があり、痛みから動けなくなることも頻発していたため、肢体不自由2級として身体障害と認定されました。 結果として、障害基礎年金2級と認定され、年金を受給できることになりました。 出典:京都障害年金相談センター
シェーグレン症候群の人が向いてる仕事に転職する方法
最後に、シェーグレン症候群の人が、向いてる仕事に転職する方法を解説します。
就労移行支援を利用する
就労移行支援は、難病や障害を持った人を対象とした就労支援施設です。 求人の紹介や選考サポートといった直接的な転職活動の支援が受けられるだけでなく、一般就労に役立つスキルが学べます。 【就労移行支援で学べるスキルの例】
- プログラミング
- Excel word
- 軽作業
- CAD設計
- グラフィックデザイン(IllustratorやPhotoshop)
- グループワーク
- ビジネスマナー
学べるスキルは上記の通り様々で事業所ごとに異なります。そのため、自分が学びたいスキルに合った事業所を選びましょう。 就労移行支援については、こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。
転職エージェント・ハローワークを利用する
転職活動をする上では、ハローワークや転職エージェントを利用することもおすすめです。 ハローワークや転職エージェントは、どちらも無料で転職活動全般のサポートが受けられます。 ハローワークと転職エージェントの違いとしては、求人の内容が挙げられます。 ハローワークは、企業側が無料で求人を掲載できるため、非常に多くの求人が掲載されています。しかし、求人の質にはばらつきがあります。 ハローワークについては、こちらの記事「ハローワークの障害者求人を紹介!良い求人に出会うコツは?」にて詳しく解説しています。 それに対して転職エージェントは、エージェント側が精査した求人のみを掲載しているため、求人の数はハローワークより少ないです。しかし、その分給与が高かったりキャリアアップにつながったりするような、質の高い求人のみが掲載されています。
料金 | 運営方法 | サポート体制 | 求人の数 | 求人の質 | 拠点 | |
ハローワーク | 無料 | 税金で運営 | 担当者ごとにばらつきあり | 多い | 玉石混交 | 全国各地 |
転職エージェント | 無料 | 企業から紹介料を得て運営 | 専門の転職コンサルタントが手厚くサポート | 少ない(ハローワークと比較すると) | 選ばれた求人のみ掲載 | エージェントによる ※Web会議や電話で相談できる場合もある |
障害者枠で選考を受ける場合、転職エージェントのサポートを受けることで、
- 企業側へどのように伝えると好印象を与えられるかを教えてくれる
- 面接後にキャリアアドバイザーからあなたの良さを企業側にプッシュしてくれる
- 入社決定後、企業側への障害や病気の説明をしてくれる
ハローワークや転職エージェントは、無料で全てのサービスを利用でき、複雑な手続きも不要なため、おすすめの転職方法です。
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