視覚障害者に向いてる仕事とは?注意点とおすすめ求人も紹介

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視力や視野など、視覚に異常が現れる視覚障害。生きていく上で様々な場面で影響があります。

中でも仕事に関しては、できる仕事が限られてしまったり、後天的に視覚障害を持った場合は、転職を余儀なくされたりすることも。

今回は、視覚障害者の方に向けて、仕事選びや転職活動をスムーズに行うための方法などについて解説します。

視覚障害とは?

まずは視覚障害の障害特性について解説します。

また下記で紹介する特性の中で、全盲以外の症状は全てロービジョン(弱視)に該当します。視覚障害者の大半が、ロービジョンに該当するとされています。

視力障害

視力障害は、

上記の2種類があります。

全盲については、視力が全く無く、また光を感じることができない状態です。全盲の場合は、一律で視覚障害1級に該当します。

また極端な低視力については、メガネなどによる矯正が全く効かない、または矯正しても視力が十分に上がらない症状を指します。障害等級は見え方によって、1~6級に振り分けられます。

視野障害

視野障害は、視野(目で見ている範囲)に欠損が生じる障害です。

見え方は、視野の中央が欠けている、左半分が欠けている、まだらにかけているなど、人によって異なります。

障害等級は、症状によって2〜5級に振り分けられます。

色覚障害

色覚障害は、色覚異常や色盲とも呼ばれます。

景色が健常な視覚で見る異なる色で見えてしまう障害です。

色覚障害には、赤を見る機能に異常がある1型、緑を見る機能に異常がある2型、青を見る機能に異常がある3型に分類され、それぞれで見え方に違いがあります。

しかし色覚障害は、身体障害とは認定されないため、障害者手帳は取得できません。

光覚障害

光覚障害は、光の感じ方に異常が出る症状です。

暗いところから明るいところに行った時にうまく見えなくなってしまう明順転、またその逆の暗順転と呼ばれる症状があります。

他にも光を異常に強く感じてしまう症状もあり、その場合は遮光眼鏡などで光を制限する必要があります。

また光覚障害も、身体障害とは認定されません。

視覚障害者に向いてる仕事

続いて、視覚障害者に向いてる仕事について解説します。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センターの2019年3月の調査によると、実際に視覚障害者が従事している職業は以下のグラフのような比率になりました。

<視覚障害者が従事している職業(2019年)>

視覚障害者 仕事 職業

出典:視覚障害者の雇用等の実状及びモデル事例の把握に関する調査研究

もっとも従事者が多い仕事は、国家資格の取得が必要になる、あん摩マッサージ指圧師です。ついで、ビル清掃業、事務関連職となります。事務職ではなく、専門職であるあん摩マッサージ指圧師の従事者が全体の3割を超えるのは、視覚障害ならではの状況です。

専門性の高い仕事

就労する視覚障害者のうち30%以上の人が、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の資格を取得し、あん摩マッサージ指圧師やヘルスキーパーとして活躍しています。特に全盲の方に多い職種です。

ヘルスキーパーとは、病院や鍼灸院などの医療関係の施設ではなく、企業であん摩マッサージ指圧師として働いている人のことです。医療施設の場合は、訪問してきた患者相手に施術を行いますが、ヘルスキーパーは、その企業で働く社員に対して行います。

あん摩マッサージ指圧師やヘルスキーパー、鍼灸師は国家資格を取得する必要がありますが、夜間学校などを活用することで社会人になってからも資格を取得できるので、後天的に視覚障害を持った人でも目指せる仕事です。

事務職関連の仕事

デスクワークが中心の事務職も視覚障害者におすすめの仕事です。

障害の状態次第ではありますが、一般的なデスクワークであれば、基本的に対応可能です。

拡大鏡や読み上げソフトなど、業務をサポートしてくれる機能や製品もあるので、積極的に活用しましょう。

また事務職以外のデスクワークも、必要なスキルがあれば可能です。例えばこちらの動画で紹介されている方は全盲ながらエンジニアとして活躍しています。

技術を活かした仕事

技術や知識を活かし、その人ならではの仕事で活躍している方もいます。

たとえば、インタビューや会議などの音声データを文字に起こすブラインドライターと呼ばれる仕事や、名刺に点字を刻印する仕事などさまざまです。

このように、自分の技術や長所をそのまま仕事にしてしまうという選択肢もあります。

視覚障害者が仕事を選ぶときの注意点

視覚障害者が仕事を選ぶときは、職種以外にも注意するべきポイントがあります。

通勤方法の確認

ヘルスキーパーとして働く場合は出社が必須になります。またデスクワークでもリモート勤務ができるとは限らないため、通勤に関しては事前に確認が必要です。

通勤ラッシュを避けたり、夜盲症の症状がある人は明るい時間に帰れるように勤務時間を調整したりなど、通勤時に危険な状態になることは避けましょう。

また盲導犬のサポートを受けている場合は、職場に受け入れ態勢があるかも重要なポイントです。こちらの企業のように、盲導犬と一緒に勤務できる会社に入社することで、安心して、通勤、勤務が可能になります。

障害理解がある職場を選ぶ

視覚障害に限らず、障害者が働く場合は職場の正しい理解が必要です。

入社前に、障害者雇用の離職率や採用実績(幅広い障害種別の社員がいるか、視覚障害者の採用実績があるか)について確認しましょう。

もし自分での確認が難しい場合は、転職エージェントやハローワークの担当者に確認を依頼することも可能です。

視覚障害者におすすめの求人

視覚障害者におすすめの求人を紹介します。

大塚商会

【求人情報】

大塚商会の事務職求人です。障害特性や、適正によって、各事業部での事務作業を担当します。

東京都内以外にも支社があるため、都内への通勤ができない方でも就業できます。また大塚商会は、給与が障害者枠の求人の中では比較的高い点も特徴です。

大塚商会についてはこちらの記事『「成果を正当に評価する会社なんです」——大塚商会・土谷知子さんに聞く、障害の有無に関係ない評価制度』にて詳しくお話を伺っています。

株式会社大塚商会の求人はこちらからご覧ください。

博報堂DYアイオー(プログラマー)

【求人情報】

博報堂DYアイオーは、博報堂グループの特例子会社です。特例子会社は、障害者の雇用機会を増やすために設立された子会社なので、視覚障害の症状に合わせて適切な配慮を受けられます。

こちらは経験者限定の募集なので、応募ハードルは高めですが、条件もよくかつプログラマーとしてのキャリアアップが目指せる求人です。

博報堂DYアイ・オーの求人はこちらからご覧ください。

セントスタッフ株式会社

【求人情報】

こちらは、ヘルスキーパーの求人です。

施術以外の業務を振り分けられますが、障害が理由でできない業務はもちろん配慮してもらえます。

前述の通り国家資格が必要な仕事ですが、その分給与も安定しています。

セントスタッフの求人はこちらからご覧ください。

視覚障害者が転職するためには

最後に、視覚障害者が転職するために大切なポイントについて解説します。

専門的なスキルを身につける

あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師のような国家資格だけでなく、プログラミングやOfficeのスキルも転職活動が有利になる大切なポイントです。

視覚障害があると物理的にできない仕事があることは事実ですが、会社に貢献できるスキルがあれば、転職は十分に可能です。

そのために就労移行支援職業訓練校に通うという手段もありますので、自分が目指したいキャリアから逆算して、すぐに転職するか、一旦スキルを身につけるための時間を取るか選びましょう。

支援機関やサービスを利用する

転職活動は、自分1人で行うより、適切なサポートを受けた方がスムーズに進みます。

転職エージェント

転職エージェントは、転職活動全般のサポートをしてくれるサービスです。

【サポート内容】

サポート内容は、ハローワークと近しいですが、転職エージェントの場合は、ハローワークやインターネット上に公開されていない非公開求人を紹介してくれることもあります。

転職先の選択肢を増やすためにも積極的に利用しましょう。

ロービジョンケア

ロービジョンケアとは、視覚障害により生活に支障が出ている人を対象としたサポートです。

仕事に関わることだけでなく、生活全般や精神的、福祉的などさまざまなサポートを受けられます。

ロービジョンケアを行っている施設はこちらから検索できます。またロービジョンケアを利用する前に、主治医にその旨を伝えるようにしましょう。

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