就労移行支援はアルバイト禁止!バレたらどうなる?生活費を賄う方法も紹介
就労移行支援事業所は、一般就労を目指すための就労支援サービスです。 しかし、就労移行支援は、就労継続支援とは異なり、お金を受け取ることができません。そのため、生活費を稼ぐために、アルバイトをしたいと考える人も多いかと思いますが、基本的にアルバイトは禁止されています。 今回は、就労移行支援利用中のアルバイトについて、詳しく解説します。 また、私たち障害者雇用バンクでは、就労移行支援事業所「エラビバ就労支援」を運営しています。関東で就労移行支援事業所をお探しの場合は、ぜひ無料見学にお越しください。
就労移行支援の利用中にアルバイトはできる?
就労移行支援の利用中のアルバイトについて解説します。
アルバイトは原則禁止
就労移行支援の利用中のアルバイトは、原則として禁止されています。 そもそも就労移行支援は、障害や難病を持った人が一般就労を目指すために利用する支援サービスです。 この「一般就労」には、正社員雇用だけでなく契約社員やアルバイト雇用も含まれます。 そのため、アルバイトができるということは、就労移行支援を利用する理由がないということになります。 就労移行支援は、国からの給付金で運営されているため、一般就労可能な人が利用すると、制度としての公平性が保てなくなります。 実際に厚生労働省が定める利用条件にも「就労を希望する方で、単独で就労することが困難な者」とあり、就労移行支援とアルバイトの両立は原則禁止という解釈になります。 そのため、長期のアルバイトだけでなく、単発バイトであっても禁止の対象となります。
例外的にアルバイトが認められる場合もある
就労移行支援を利用しながらのアルバイトは原則禁止ですが、例外的にアルバイトが認められたケースも少ないものも存在します。 【過去にアルバイトが認められたケース】
- 貯金が全くなく親族に頼ることもできない状態で、生活費が賄えなかった
- 週20時間以内の短時間のアルバイトを希望した
- 内定獲得後、初任給までの生活費を稼ぎたかった
過去には、上記のようにアルバイトが例外的に認められたケースがあります。しかし、これはかなり稀なケースで、同じような状況になったとしてもアルバイトが許可されないことが大半です。 しかし、生活費の面などやむを得ない事情で、どうしてもアルバイトしながら就労移行支援を利用したい場合は、事前に就労移行支援事業所へ相談しましょう。 就労移行支援を利用しながらアルバイトをするには、
- 役所(在住地の市区町村)
- 利用している事業所
それぞれから許可を得る必要があります。そのためまずは事業所のスタッフへ事情を伝えるようにしましょう。 もちろんアルバイトの許可を得られる可能性は低いですが、場合によっては、就労移行支援事業所から役所に対してプッシュしてくれることも稀にあり、その場合は役所からの許可を得やすくなります。
隠れてアルバイトするとどうなる?
就労移行支援を利用しながら、無許可でアルバイトをするとどうなるのでしょうか?
アルバイトをしてることがバレる理由
無許可で就労移行支援の利用中にアルバイトをすると、そのことが事業所や役所にバレてしまう可能性が高いです。 1つ目の理由として、課税情報があります。就労移行支援を利用している場合、基本的に収入がないため、納税の義務は発生しませんが、アルバイトをすることで収入が年間93万円以上(所得38万円以上)の場合は住民税の課税対象となり、その納税情報を見た役所から就労移行支援事業所に報告が入るため確実にバレます。 もう1つの理由として、就労移行支援に安定して通所できなくなる可能性があることが挙げられます。 就労移行支援は、基本的に週4〜5日の通所が求められます。しかし、アルバイトをすると、出勤日と通所日が被ったり、アルバイトの疲労で移行支援を休んでしまったりすることになる可能性があります。 就労移行支援の支援員は、通所者の心身の状況を把握しているため、その状況からアルバイトに気付くことがあります。
アルバイトがバレると利用停止される可能性も
アルバイトをしてることが事業所や役所にバレた場合、必ずアルバイトを辞めるように言われます。 利用者のルール違反を事業所側が黙認すると、国から事業所の運営を停止させられることがあるため、事業所側もルール違反には厳しい対応をせざるを得ないという側面もあり、アルバイトが発覚した時点で退所を命じられるケースもあります。 就労移行支援は税金で運営されており実際に、就労移行支援の利用者一人あたり約16万円/月の税金が使われているため、最も厳しい措置としては、アルバイトをしていた期間中の運営費の返還(例:月16万円×アルバイト月数 等)を求められる可能性もゼロではありません。 このように、事業所に無断でアルバイトをすることは様々なリスクが存在するため、やむを得ない事情でアルバイトの必要がある場合は、必ず事前に事業所へ相談するようにしましょう。 出典:障害者雇用納付金制度に基づく助成金一覧 厚生労働省
アルバイト以外で生活費を確保する方法
就労移行支援中のアルバイトは許可されない可能性が高いため、基本的に通所中の生活費は別の手段で確保する必要があります。 通所前に確保していた貯金や親族からの援助があればそれに越したことはありません。しかし就労移行支援は最大で2年間通所することになるので、貯金だけでは生活費が足りなくなってしまうことが多いです。 そのため、それ以外の手段で生活費を賄うことが必要になります。 【生活費を確保する方法】
- 失業保険
- 傷病手当金
- 障害年金
- 生活保護
- 給付金
上記で紹介した方法は、それぞれによって条件や金額が異なるため、自分にとって最適な選択肢を選ぶことが重要です。 就労移行支援利用中の生活費を賄う方法については、こちらの記事「就労移行支援でお金がなくても生活費を得る!失業保険や給付金を紹介」にて詳しく解説しています。
就労継続支援なら賃金や工賃を受け取れる
就労移行支援と同様の就労福祉サービスである「就労継続支援」なら、体調に合わせて軽負荷の作業を行うことで所得を得ることができます。 【就労移行支援と就労継続支援の趣旨の違い】
- 就労移行支援:一般就労を目指すことが目的のため、賃金は受け取れない
- 就労継続支援:働くこと自体が目的のため、賃金や工賃を受け取ることができる
就労継続支援については、こちらの記事『「就労継続支援」とは?A型・B型の違いと手続き方法を解説!』にて詳しく解説しています。 就労継続支援では就労移行支援のような転職活動の支援を受けることはできませんが、業務を通して所得を得ながら基本的な実務経験を積むことが可能です。 【就労継続支援での業務例】
- 事務作業
- データ入力
- 軽作業
- 農作業
- 清掃
一般就労ができるまでの道のりは就労移行支援より長くなりますが、就労継続支援から一般就労を目指すことも可能です。 就労継続支援から一般就労を目指す方法については、こちらの記事「障害者向けの作業所とは?就労継続支援から一般就労を目指す方法や作業内容を解説」にて詳しく解説しています。
就労移行支援を利用せずに転職する方法
障害を抱えながら転職活動をする方法は、就労移行支援を利用する以外にもあります。 代表的な転職方法が、ハローワークや障害者雇用専門の転職エージェントを利用する方法です。 どちらのサービスも、求人の紹介を中心に、転職活動全般のサポートを受けられます。 ハローワークと転職エージェントの違いとしては、求人の内容が挙げられます。
料金 | 運営方法 | サポート体制 | 求人の数 | 求人の質 | 拠点 | |
ハローワーク | 無料 | 税金で運営 | 担当者ごとにばらつきあり | 多い | 玉石混交 | 全国各地 |
転職エージェント | 無料 | 企業から紹介料を得て運営 | 専門の転職コンサルタントが手厚くサポート | 少ない(ハローワークと比較すると) | 選ばれた求人のみ掲載 | エージェントによる ※Web会議や電話で相談できる場合もある |
ハローワークは、企業側が無料で求人を掲載できるため、求人の質にはばらつきがありますが、非常に多数の求人が掲載されています。 ハローワークについては、こちらの記事「ハローワークの障害者求人を紹介!良い求人に出会うコツは?」にて詳しく解説しています。 それに対して、転職エージェントでは、契約した企業の求人のみが掲載されています。そのため、求人の数はハローワークより少なくなりますが、質の高い求人が揃っています。 障害者枠で選考を受ける場合、転職エージェントのサポートを受けることで、
- 企業側へどのように伝えると好印象を与えられるかを教えてくれる
- 面接後にキャリアアドバイザーからあなたの良さを企業側にプッシュしてくれる
ハローワークや転職エージェントは、無料で全てのサービスを利用でき、また利用中のアルバイトももちろんできます。就労移行支援を利用するには金銭的に不安という場合は、これらの利用も選択肢に入れてみてください。
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