就労移行支援事業所に通い始めよう!利用登録・契約の方法は?
「就労移行支援」とは、障害を持っている方々が一般企業に就労する前のトレーニングとして、就労移行支援事業所で働くことができるシステムです。 就労移行支援事業所を利用開始するには、事業所との契約だけでなく、お住まいの市町村の窓口で受給者証の申請が必要です。申請には平均で1~2ヶ月以上の期間が必要となり、手続きも複雑。本記事では、就職移行支援事業所の利用を始めるまでに必要な手順について解説を行います。
事業所に通うまでの5つのステップ
就労移行支援事業所を実際に利用開始するまでは、平均1~2ヶ月の期間が必要とされています。自分に合った事業所探しから始まり、各市町村への手続きが必要であり、そのための手順は大きく分けて、以下5つのステップがあります。
- 通いたい就労移行支援事業所を探す
- 事業所への相談・見学
- 障害福祉サービス受給者証の申請手続き
- 受給者証を入手後、事業所と契約
- 就労移行支援事業所を利用開始する
就労移行支援事業所でサポートを受けるためには、必ず④の受給者証が必要です。この受給者証を入手するためには、お住まいの市町村の福祉担当窓口にて申請を行うのですが、手続き方法が少々わかりづらいのが難点。後に詳しく解説するので、この記事を参考に、正しい手順で受給者証を入手しましょう。 それでは①〜⑤の内容について解説していきます。
①通いたい就労移行支援事業所を探す
就労移行支援を利用するためのファーストステップは、事業所を探し始めることです。受給者証は申請から交付完了まで1~2ヶ月を要するので、交付後に事業所を探し始めると時間がかかります。できるだけ受給者証交付の待ち時間を短くするために、受給者証の申請を始める前、あるいは申請と同時に就労移行支援事業所を探し始めることをおすすめします。 就労移行支援事業所を探す際に着目すべきポイントは、自分の家から通える距離にあることと、カリキュラムが自分に適していることです。この条件に適した事業所を探してみましょう。
就労移行支援事業所の探し方
就労移行支援事業所を探すための方法は、大きく分けると3種類あります。
- インターネット
- 市区町村の障害福祉課
- 専門機関への相談
- 自分の障害の種別に、事業所が対応しているか
- 事業所は自宅から通い続けられそうな場所にあるか
- 事業所のスタッフや通所者の雰囲気が自分に合いそうか
- 自分が必要だと感じるカリキュラムがあるか
- 就職サポートをどれくらい行ってくれるか
- 希望する就職先への就職実績や、訓練カリキュラムがあるか
- 印鑑
- 氏名や住所がわかる身分証明書
- 障害や疾患を確認できる診断書・障害者手帳
就労移行支援事業所は、WEBサイトで検索するのが最も簡単です。地域や障害の種類から自分が通える事業所を絞り込んだり、カリキュラムなどの情報を確認できます。
お住まいの市区町村の障害福祉課に相談が可能です。障害福祉課は就労移行支援事業所の情報をまとめた冊子を持っていることがあるので、自力で探すのが難しい場合は相談してみましょう。
障害者就業・生活支援センターや障害者職業センター、障害者相談支援事業所など専門機関に相談することもできます。また、ハローワークでも専門の職員や相談員を配置しており、就労移行支援事業所を案内してくれることがあります。
この中で最も手間がかからない方法は、就労移行支援事業所をとりまとめているホームページから探すことです。障害者雇用バンクなら、18000軒以上の中から、ご希望条件に沿った事業所を探すことが可能です。検索結果一覧画面には事業所の電話番号やホームページのリンクも記載されているため、事業所ごとの詳細な情報も簡単に得ることができます。
②事業所への相談・見学
ほとんどの就労移行支援事業所では、契約を行う前に相談や見学を受け付けています。一度利用を開始すると半年以上の長期に渡る場合が多いので、事前に事業所の雰囲気やサービス内容を知っておいた方がいいです。どのように利用できるかイメージを掴むためにも、ぜひ見学してみましょう。 見学を希望する方は、日程調整を行ってからの訪問となります。カリキュラムや支援内容、疑問に思ったことはこの際に質問することが可能です。事業所の中には、見学時に実際に訓練を体験したり、体験期間を設けているところもあります。こちらは事業所によって内容が異なるため、詳しくは事業所に問い合わせることをおすすめします。 相談・見学を行う際には、以下の確認事項をチェックします。
就労移行支援事業所へ行く目的は、就職のための能力を身につけることです。自分が必要な能力を身につけられるカリキュラムがあるかどうか、就職活動時の支援内容、過去の利用者がどのような企業に就職したかを確認しておきましょう。 スタッフや職業指導員の印象やキャリアも大事です。利用開始後は、「個別支援計画」「適性に合った職場探し」「職場定着支援」と長い期間に渡って伴走してくれる支援者になります。通所者への接し方などに違和感がないか、自分が安心して相談できそうかをチェックしておくことをおすすめします。
③障害福祉サービス受給者証の申請手続き
就労移行支援事業所の通い先に見通しが立ったら、受給者証の申請を行いましょう。 多くの就労移行支援事業所では、申請についての相談や、各地域での申請方法、利用開始までの手続きについて説明してくれます。自分ひとりでも申請は行えますが、事業所のスタッフに相談しながらの方がスムーズに申請できるでしょう。
利用のための申請手続き
就労移行支援事業所の通い先に見通しが立ったら、受給者証の申請を行いましょう。 多くの就労移行支援事業所では、申請についての相談や、各地域での申請方法、利用開始までの手続きについて説明してくれます。自分ひとりでも申請は行えますが、事業所のスタッフに相談しながらの方がスムーズに申請できるでしょう。
窓口で申請書類を受け取り、記入後に提出します。
市区町村の職員からの認定調査
申請完了後、適切なサービス提供のための調査として、職員から生活環境についてや、利用者の意向に関するヒアリングが行われます。基本的にはいくつか聞かれる簡単な質問に答えることができれば、問題ありません。
利用計画案の作成・提出
認定調査終了後、申請を行った市区町村の窓口でサービス等利用計画案の提出を求められます。この計画案とは、就労移行支援制度を利用して、どれくらいの期間で、どういった就職を希望しているかを記入したものです。利用者自身が作成することもできますし、就労移行支援事業所に相談してもよいでしょう。また「指定特定相談支援事業所」に作成代行を依頼することも可能です。
受給者証の暫定支給
自治体によって異なりますが、申請後に受給者証の暫定支給が行われることがあります。就労移行支援制度を最長2ヶ月間体験し、実際に利用する中で支援内容が合うかどうか試し、調整することが目的です。 この受給者証の暫定支給なしで直接受給者証の支給・交付を受けることもあります。詳細は窓口にてお問い合わせください。
個別支援計画の作成
受給者証の本支給を待っている間に、「指定特定相談事業所」に相談して個別支援計画をつくりはじめましょう。実際の支援はこの計画に沿って行われます。 この際、基本的には事業所スタッフが面談、利用計画案、暫定期間での様子から個別に適性を判断し、目標設定やサポート方針を決定します。
④受給者証が交付されるのを待つ
申請が完了し、個別支援計画が受理されれば、利用者が受けるサービスの種類や支給に関する情報が記載された受給者証が郵送されます。 これで複雑な申請手続きはほとんど終わりなので、受給証の交付まで1〜2ヶ月お待ちください。
⑤就労移行支援事業所と契約し、利用開始する
受給者証が交付されましたら、あらかじめ決めていた事業所と利用契約を結びます。就職を目指してトレーニングを開始しましょう。 利用開始後も受給者証を紛失したり、受けるサービス内容が変更になったりする場合もあるので、その際は再交付の手続きを事業所の職員に相談しながら進めると円滑です。
就労移行支援に関しては、サポートしてくれる窓口や専門家、事業者の方が数多くいらっしゃいます。 もしここまでの手続きを進めていて、不明な点があった場合は、就労移行支援事業所や、お住いの地域の障害福祉担当窓口へ気軽に相談してみることをおすすめします。
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