障害者手帳5級のメリット一覧!知らないと損する支援・手当を徹底解説

日本最大級の障害者雇用求人情報を提供する「障害者雇用バンク」は、求人提案から入社後のサポートまで、一人ひとりに合わせたサービスであなたの就職・転職活動を支援いたします!

ご登録はこちら

障害者手帳5級は、身体障害者手帳の等級区分のひとつで、上肢や下肢、体幹などの機能に一定の制限がある方が対象となります。

等級が5級であっても、障害者雇用枠での就労や税控除、交通機関の割引など、取得によるメリットは多くあります。

本記事では、障害者手帳5級の認定基準や取得することで受けられる支援について、具体例を挙げながら解説します。

障害者手帳5級を取得するメリット

障害者手帳5級は、身体障害者手帳の中では比較的軽い等級とされることが多く、「取得してもメリットは少ないのでは?」と思われることもあります。

しかし、実際には次のような支援や制度を利用できるメリットがあります。

【障害者手帳5級のメリット一覧】

具体的な内容は自治体や事業者によって異なりますが、手帳を取得することで生活や就労面での支援を受けやすくなる点が大きなメリットです。

なお、障害者手帳の等級は種類によって区分が異なり、身体障害者手帳は1級〜6級まで、精神障害者保健福祉手帳は1級〜3級までとなっています。

そのため、「5級」という区分は身体障害者手帳のみに存在します。

ここでは、障害者手帳5級を取得することで利用できる主な制度や支援について、それぞれ具体的に解説します。

障害者雇用枠での就労ができる

障害者手帳を取得すると、障害者雇用枠での就労が可能になります。障害者雇用枠で採用されると、障害に対する合理的配慮を受けながら働けるため、就労による心身への負担を軽減できます。

5級の場合、日常生活は自立して送れるケースが多いものの、特定の動作や環境によっては業務に支障が出ることがあります。障害者雇用枠であれば、こうした制約に対して職場側の配慮を受けることができます。

【障害者雇用枠で受けられる配慮の例】

手指や関節に負担のかかる作業、長時間の立ち仕事など、障害特性に支障をきたす業務を除外・変更し、無理なく取り組める業務に絞ることができる

術後の経過観察やリハビリ通院が必要な場合でも、勤務スケジュールを柔軟に調整してもらえるため、休暇や中抜けが取りやすくなる

長時間同じ姿勢を続けることによる負担を軽減するため、一定時間ごとに休憩を挟んだり、軽いストレッチを行える時間を確保してもらえる

視覚障害がある場合は拡大読書器や画面拡大ソフト、肢体不自由がある場合は補助具など、業務に必要な支援機器の使用が認められる

また、障害者雇用枠は一般枠とは採用枠が異なり、障害者を採用することを前提としています。そのため、障害を持っていることが選考において不利に働くことがなく、一般枠での選考に参加するよりも採用される確率が高くなるというメリットもあります。

税控除を受けられる

障害者手帳を取得すると、所得税や住民税において障害者控除を受けることができるようになります。

身体障害者手帳5級は税制上「一般障害者」に区分され、控除額は以下の通りです。

なお、ここでいう控除額は「税金がそのまま安くなる金額」ではなく、課税対象となる所得から差し引かれる金額です。

実際の減税額は、「控除額 × 税率」で決まります。

たとえば、所得税の税率が10%の人の場合、

27万円(控除額)× 10%(所得税の税率) = 2万7,000円

となり、「2万7,000円」が実際に軽減される税額になります。

つまり、「27万円安くなる」のではなく、「27万円分の所得にかかる税金(=税率分)が安くなる」と考えるとイメージしやすいでしょう。

※実際の税率は所得によって異なるため、軽減額は人によって変わります。

また、相続税の障害者控除は一般障害者の場合「85歳までの年数 × 10万円」で計算されます。たとえば40歳の場合は(85−40)× 10万円 = 450万円の控除を受けることができます。

出典:国税庁「障害者と税

自立支援医療制度で医療費を軽減できる

自立支援医療制度(更生医療)は、身体の障害を除去・軽減するための手術などの医療費について、自己負担を原則1割に軽減する制度です。

通常3割負担の医療費が1割に下がるだけでなく、 

世帯の所得に応じて「月に支払う上限額(例:月額5,000円、1万円など)」が設定されるため、高額な手術費用の負担を大きく抑えることができます。

身体障害者手帳の交付を受けた18歳以上の方であれば、等級が5級であっても対象になります。

交通機関・公共施設の割引を受けられる

障害者手帳を提示することで、鉄道・バス・タクシー・飛行機などの公共交通機関の運賃割引を受けられるようになります。割引の内容は手帳の種類や等級、事業者によって異なります。

【公共交通機関の割引の例】

身体障害者手帳の所持者が対象。片道100kmを超える区間で本人の運賃が半額になる。第1種障害者の場合は、介護者1名も割引対象となる

各事業者が独自に割引を設定しており、手帳の種類・等級・自治体によって内容が異なる

身体障害者手帳の所持者が対象。自治体によってはタクシー券の配布もある

身体障害者手帳の所持者が対象。本人運転または重度障害者の介護者運転の場合に適用される

入場料が割引または無料になるケースがある(施設・等級により異なる)

障害者手帳を持つ方がいる世帯全員が市民税非課税の場合、全額免除となる



出典:JR東日本「障害者割引制度のご案内」・国土交通省「一般乗用旅客自動車運送事業の運賃料金(国自旅第100号)」・NEXCO東日本「有料道路における障害者割引」・NHK「NHK受信料の免除

自動車税の減免を受けられる(条件あり)

身体障害者手帳5級を取得すると、自動車を所有・購入する際にかかる「自動車税・軽自動車税(種別割)」や「環境性能割(車を取得する際の税金)」の減免を受けられる場合があります。

毎年春に支払う自動車税が全額、もしくは一部免除されるため、日常的に車を利用する方にとっては非常に大きな経済的メリットです。

【減免額のイメージ】

多くの自治体では、自動車税の減免上限額を「45,000円(排気量2.5リットル以下の自動車税に相当)」に設定しています。

軽自動車の場合:

毎年かかる軽自動車税(約10,800円)が全額免除(0円)になります。

一般的な普通自動車(排気量2.5L以下)の場合:

たとえば排気量1.5Lのコンパクトカーに乗っている場合、本来かかる自動車税(約30,500円)が全額免除(0円)になります。

排気量が大きい車(2.5L超)の場合:

たとえば排気量3.0Lの車で自動車税が50,000円かかる場合、上限の45,000円が差し引かれ、差額の5,000円のみの支払いで済みます。

5級の場合、手帳を持っていれば無条件で減免されるわけではありません。

おもに「障害の部位」と「誰が運転するか」によって対象になるかが決まります。

下肢機能障害(5級)または体幹機能障害(5級)の方で、本人が自ら運転する場合。

・視覚・聴覚・内部障害などの5級である場合。
・本人は運転せず、ご家族などが運転(家族運転・介護運転)する場合。(※家族運転で減免が認められるのは、原則1〜3級などの重度の方が中心となります)

※注意点 減免の対象となる障害の範囲や上限金額は、お住まいの都道府県(軽自動車の場合は各市区町村)によって異なる場合があります。ご自身が対象になるかどうかは、必ずお住まいの地域の県税事務所や、市区町村の税務窓口のホームページで確認してみましょう。

出典:埼玉県「障害者のための自動車税(環境性能割・種別割)・軽自動車税(環境性能割)の減免について」・港区「自動車税などの減免」・長野県「障がい者手帳をお持ちの方ヘ~自動車税(環境性能割・種別割)の減免制度~」・秋田県「自動車税種別割Q&A」・由利本荘市「軽自動車税(種別割)の減免

自治体独自の障害者手当を受給できる場合がある

国の制度による手当(特別障害者手当など)は重度障害者を対象としているため、5級の方は対象とならないケースが多いのが実情です。しかし、限定的ではありますが、自治体によっては独自の障害者手当や福祉金を設けており、障害者手帳5級の方も手当の対象としている場合があります。

【愛知県東浦町の例】

東浦町では、身体障害者手帳1級〜6級の所持者を対象に「東浦町障害者手当」を支給しています。5級・6級の方には月額1,600円が支給されます(所得制限なし)。

【神奈川県清川村の例】

清川村では、身体障害者手帳の所持者を対象に福祉手当を支給しており、5級の方には年額7,000円、6級の方には年額5,000円が支給されます(所得制限なし)。

【東京都の例】

東京都の各区では、「心身障害者福祉手当」を独自に支給しています。

多くの区では1〜2級などの重度に限定されており、対象が拡大されている場合でも3級や4級までとなるのが一般的です。身体障害者手帳5級・6級については、原則として対象外となっています。

(例)
江戸川区…身体障害者手帳3級の方に月額7,750円支給(所得制限あり)
多摩市…身体障害者手帳3~4級の方に月額8,000円支給(所得制限あり)

上記のように、5級で障害者手当を受け取れる自治体はかなり限定的となっています。居住地の障害者手当の詳細については、役所の公式サイトもしくは福祉窓口にてご確認ください。

出典:江戸川区「心身障害者福祉手当」・多摩市「障がいのある方を対象とした手当・助成制度」・東浦町「障害者手当」・清川村「障がいのある方の手当・年金について

生活の支援が受けられる

障害者手帳を取得することで、日常生活に関する支援を受けられる場合があります。

【5級でも利用できる支援の例】

障害の部位に応じた義肢・装具・車椅子などの購入・修理にかかる費用が支給される。身体障害者手帳の所持者が対象で、等級による制限は原則なし

自治体によっては、障害の種類に応じた生活用具(歩行補助杖など)が給付される場合がある。対象品目や等級要件は自治体ごとに異なる

【重度障害者向けの支援(5級は対象外が多い)】

支援の内容や対象等級は自治体によって異なるため、詳細は市区町村の福祉課で確認するようにしましょう。

出典:厚生労働省「補装具費支給制度の概要」・川崎市「障害のある人の各種支援

障害者手帳5級でも十分なメリットがある

このように、障害者手帳5級であっても、就労・税制・生活面でさまざまな支援を受けることができます。

特に「障害者雇用枠で働ける」「税控除を受けられる」という2点は、生活の安定に直結する大きなメリットです。

「5級はメリットが少ないのでは」と感じている方でも、実際には活用できる制度が多くあるため、内容を正しく理解しておくことが重要です。

障害者手帳5級では対象外になることが多い制度

障害者手帳5級でも利用できる制度は多くありますが、すべての制度が対象になるわけではありません。

特に、重度障害者を対象とした制度や手当は1級・2級が中心となるため、事前に確認しておくことが大切です。

ここでは、障害者手帳5級について誤解されやすい制度や注意点を解説します。

特別障害者手当(国の手当)は原則対象外

特別障害者手当は、日常生活において常時特別な介護が必要な重度障害者を対象とした国の制度です。

2025年度(令和8年3月分まで)の支給額は月額29,590円、 

2026年度(令和8年4月分から)の支給額は月額30,450円となっています。

対象となるのは主に

などの重度障害者であるため、身体障害者手帳5級のみでは対象になるケースはほとんどありません。

出典:水戸市「障害がある方への手当てについて

税控除額は「特別障害者」より少ない

障害者手帳5級でも税制上の障害者控除を受けることはできますが、1級・2級の「特別障害者」と比べると控除額は小さくなります。

税制上の区分は次の通りです。

【一般障害者(3~6級)】

【特別障害者(1~2級)】

このように、5級でも税控除は受けられるものの、重度障害者より控除額は少ない点に注意が必要です。

出典:国税庁「障害者と税

医療費助成は対象外とする自治体が多い

重度心身障害者医療費助成制度は、各都道府県・自治体が独自に実施する医療費助成制度です。ただし、対象となるのは身体障害者手帳1級・2級の方が中心であり、5級は対象外となる自治体が大半です。

たとえば、大阪市の障がい者医療費助成制度では、身体障害者手帳1級・2級の方が対象となっており、5級単独では対象になりません。

出典:厚生労働省「自立支援医療制度の概要」・大阪市「重度障がい者医療費の助成

障害者手帳の等級と障害年金の等級は別制度

障害者手帳と障害年金は、同じ「障害」という言葉が使われていますが、制度の目的や認定基準が異なる別の制度です。

そのため、

があります。

障害年金は、障害によって仕事や日常生活にどの程度の支障があるかを基準に審査され、次のような等級が設定されています。

【障害年金の等級区分】

特に重要なのは、「手帳の等級が軽い=障害年金の対象外」ではないという点です。
実際には、身体障害者手帳5級であっても、

といった状態であれば、障害厚生年金3級に該当するケースもあります。

【身体障害者手帳5級相当の障害で障害厚生年金3級を受給できた事例】

人工関節を挿入した場合、術後の関節可動域や筋力の状態によっては身体障害者手帳5級に認定されます。以下の事例は、変形性股関節症により人工関節置換手術を受け、術後も就労に支障が残る状態で障害厚生年金3級に認定された50代女性のケースです。

こちらの女性は、手術を受ける10年ほど前の時点から股関節に痛みを感じるようになりました。整体などに通ってはいましたが、症状の改善が見られませんでした。

当時は立ち仕事をしていましたが、症状の悪化により仕事をこなすことができない状況になってしまい、医療機関を受診しました。その結果変形性股関節症と診断され、さらにその後も症状が悪化したことで人工関節手術を受けることになりました。

その結果、障害厚生年金3級に認定され、年間約59万円を受給することができました。

出典:あすか中央社会保険労務士法人「人工関節で障害厚生年金3級を受給できたケース

なお、令和7年度の障害年金の支給額は以下の通りとなっています。(出典:小川早苗社会保険労務士事務所

月額 年額 前年度の年額
障害基礎年金1級 86,635円 1,039,625円 1,020,000円
障害基礎年金2級 69,308円 831,700円 816,000円
障害厚生年金 3級(最低保障) 51,983円 623,800円 612,000円
子の加算1人目(障害基礎年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
子の加算2人目(障害基礎年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
子の加算3人目(障害基礎年金に加算) 6,650円 79,800円 78,300円
配偶者 加給年金(障害厚生年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
障害年金生活者支援給付金1級 6,813円 81,756円 79,656円
障害年金生活者支援給付金2級 5,450円 65,400円 63,720円

身体障害者手帳とは

身体障害者手帳とは、身体に障害のある方に対して都道府県や政令指定都市・中核市などの自治体が交付する公的な証明書です。視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、心臓や腎臓などの内部障害を持つ方が対象になります。

等級は障害の程度に応じて1級(最重度)から6級(最軽度)まで区分されており、数字が小さいほど障害の程度が重いことを示します。なお、7級も存在しますが、7級単独では手帳の交付対象にはなりません。7級の障害が2つ以上ある場合や、6級以上の障害と重複する場合に合算認定されます。

5級は、肢体不自由(上肢・下肢)、体幹機能障害、平衡機能障害、視覚障害が対象となる等級です。日常生活はおおむね自立して送れるものの、関節の可動域や筋力、バランス機能、視力・視野などに一定の制限があり、仕事や生活の場面で支障が出ることがあります。

身体障害者手帳を取得することで、障害者雇用枠での就労や税控除、交通機関の割引など、さまざまな支援を受けられるようになります。

出典:厚生労働省「身体障害者手帳

障害者手帳5級の認定基準

身体障害者手帳5級は、身体機能に一定の障害があり、日常生活や社会生活に制限が生じる場合に認定されます。

対象となる障害は主に次のとおりです。

具体的な認定基準は厚生労働省の「身体障害者障害程度等級表」に定められており、医師の診断書をもとに自治体が判定します。

ここでは、障害の種類ごとに、身体障害者手帳5級の具体的な認定基準について解説します。

肢体不自由(上肢)の認定基準

肢体不自由(上肢)の5級は、片方の腕や手指の関節・機能に著しい制限がある場合に認定される。以下のいずれかに該当する場合が対象になります。

「機能の著しい障害」とは、関節の可動域が著しく制限されている状態や、筋力が著しく低下している状態を指します。また、「指を欠くもの」とは、おや指については指骨間関節、その他の指については第一指骨間関節以上を失っている状態です。

障害の判定は、義手や装具などの補装具を装着しない状態で行われます。

出典:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

肢体不自由(下肢)の認定基準

肢体不自由(下肢)の5級は、片方の脚の関節機能に著しい制限がある場合や、脚の長さに一定以上の差がある場合に認定されます。以下のいずれかに該当する場合が対象になります。

「機能の著しい障害」とは、関節の可動域が著しく制限されている状態や、徒手筋力テストで3相当(重力下でかろうじて動かせる状態)と評価される状態を指します。「足関節の機能を全廃したもの」とは、足首の関節がほぼ動かない状態を指し、人工関節を挿入した場合でも、術後の関節機能の状態によっては5級に認定されることがあります。

下肢の長さは、前腸骨棘から内くるぶし下端までを計測した値で判定されます。

出典:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

体幹機能障害の認定基準

体幹機能障害の5級は、「体幹の機能の著しい障害」に該当する場合に認定されます。 具体的には、体幹の機能障害のために2km以上の歩行ができない状態が目安になります。

体幹機能障害の等級には1級・2級・3級・5級のみが設定されており、4級と6級は存在しません。そのため、3級と5級の中間にあたると思われる症状がある場合でも4級とは認定されず、5級にとどまる点に注意が必要です。

出典:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表」・長野県「身体障害者障害程度等級表の解説

平衡機能障害の認定基準

平衡機能障害の5級は、「平衡機能の著しい障害」に該当する場合に認定されます。 具体的には、閉眼で直線を歩行中に10m以内で転倒する、又は著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ない状態が目安になります。

平衡機能障害の等級には3級と5級のみが設定されています。3級は「平衡機能の極めて著しい障害」で、四つ這いでなければ移動できないような状態が該当します。

検査は、原則として補装具を使用しない状態で行われます。

出典:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

視覚障害の認定基準

視覚障害の5級は、以下のいずれかに該当する場合に認定されます。

視力の測定は万国式試視力表を使用し、屈折異常がある場合は矯正眼鏡(コンタクトレンズ・眼内レンズを含む)を装着した状態での矯正視力により判定されます。

視野障害については、両眼の視野がそれぞれ半分以上失われている状態が該当します。片方の目だけでなく、両眼ともに視野の欠損があることが条件になります。

出典:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

障害者手帳を取得する手順

障害者手帳の申請には、主治医が作成した診断書が必要です。申請に必要な書類は、役所の福祉課で受け取ることができるほか、自治体によってはオンラインでダウンロードできる場合もあります。

申請時には、診断書のほかに以下の書類も必要です。

※準備物は区市町村によって異なるケースがあるため事前に市区町村の福祉課に確認するようにしましょう

<障害者手帳の取得手順>

STEP.1:主治医に相談

症状がある程度固定されたと判断されたタイミングで、主治医に申請用の診断書を作成してもらいます。

STEP.2:役所に必要書類を提出して申請

診断書・意見書を受け取ったら、役所の福祉課に申請書類とともに提出します。

STEP.3:審査機関による審査

役所が申請書類を受理した後、申請書類をもとに専門機関で障害の程度について審査が行われます。

STEP.4:手帳の発行と交付通知

審査が完了すると、役所から交付の通知が届きます。その後、役所で障害者手帳を受け取ります。

主治医への相談から手帳が手元に届くまで、一般的には2〜3か月ほどかかります。ただし、診断書作成の期間や審査の混雑状況によっては、3か月以上かかることもあるため、取得を希望する場合は早めに行動するようにしましょう。

出典:多摩市「障害者手帳の申請について」・日野市「身体障害者手帳について

障害者手帳5級を取得する際の注意点

更新・再認定で等級が変更されることがある

身体障害者手帳は原則として有効期限がなく、更新手続きは不要です。

ただし、障害の状態が軽減される可能性があると判断された場合は、手帳の交付から一定期間を置いたうえで再認定が実施されることがあります。再認定の結果、障害程度に変化が認められた場合は等級が変更されます。

たとえば、人工関節の置換術を受けた後に関節機能が改善した場合や、リハビリによって可動域が回復した場合などは、5級から7級相当に変更され、手帳の対象外となる可能性もあります。

反対に、障害が重くなった場合には、現在の等級を見直すための再認定を自ら申請することもできます。

更新や再認定の結果に不安がある場合は、担当の主治医や市区町村の障害福祉窓口に事前に相談しておくようにしましょう。

出典:厚生労働省「障害者手帳について

所得制限がある制度もある

障害者手帳を取得していても、一部の手当や助成制度には所得制限が設けられている。本人の所得や、配偶者・扶養義務者の所得が一定額を超えている場合、対象であっても受給できないことがあります。

所得制限がある主な制度としては、特別障害者手当・自立支援医療・重度心身障害者医療費助成・自治体独自の福祉手当などが挙げられます。

所得制限の具体的な金額は制度・自治体によって異なるため、申請前にお住まいの市区町村の障害福祉窓口で確認が必要です。

出典:厚生労働省「特別障害者手当について

障害者手帳5級が仕事に与える影響

肢体不自由(上肢・下肢)が仕事に与える影響

上肢に障害がある場合、片手での作業や細かい指先の操作が求められる業務に支障が出やすいです。たとえば、キーボードの操作、書類の作成、工具や機械の取り扱いなど、両手を使う作業では作業効率が低下することがあります。

特におや指やひとさし指に障害がある場合は、物をつかんだり、つまんだりする動作が困難になるため、梱包作業や検品作業など手先の正確さが求められる業務には、制約が生じやすいでしょう。

それに対し、下肢に障害がある場合は、長時間の立ち仕事や移動の多い業務に支障が出ることがあります。営業職で外回りが多いケースや、製造業・小売業・飲食業などの現場作業のような職種には、大きな影響が出ると考えられます。

また、脚の長さに左右差がある場合は歩行時のバランスが不安定になりやすく、階段の上り下りや段差のある環境での作業にも注意が必要になります。

一方で、デスクワーク中心の事務職やITエンジニアなど、座った状態で行える業務であれば大きな支障なく働けるケースも多いです。職場環境を工夫したり、障害者雇用枠で合理的配慮を受けることで、安定して働き続けることができます。

体幹機能障害・平衡機能障害が仕事に与える影響

体幹機能に障害がある場合、長時間同じ姿勢を保つことが難しく、デスクワークであっても座り続けること自体が負担になることがあります。また、重い荷物を持ち上げる動作や中腰での作業など、体幹に負荷がかかる業務は困難になりやすいです。

平衡機能に障害がある場合は、歩行時にふらつきやよろめきが生じるため、移動の多い業務や高所での作業にはリスクがあります。混雑した場所での移動や、不安定な足場での作業も難しくなることがあります。

いずれの障害においても、通勤そのものが身体的な負担になるケースがあるため、在宅勤務や時差出勤が可能な職場を選ぶことも、選択肢のひとつになります。

視覚障害が仕事に与える影響

5級の視覚障害は、両眼の視力の和が0.13〜0.2、または視野の2分の1以上が欠けている状態が該当します。日常生活では自立して過ごせる場合が多いものの、仕事の内容によっては支障が出ることがあります。

たとえば、細かい文字や数字を扱う事務作業、PC画面上の小さな表示を確認する業務、車の運転が必要な業務などでは、視力や視野の制限が作業効率に影響しやすいです。

視野が欠けている場合は、周囲の状況を把握しにくくなるため、人や物が多い環境での移動や、複数のモニターを同時に確認するような業務にも注意が必要になります。

一方で、拡大読書器や画面拡大ソフトなどの支援機器を活用することで、デスクワークを問題なくこなせるケースも少なくありません。特に、障害者雇用枠であれば、こうした支援機器の導入や業務内容の調整といった合理的配慮を受けながら働くことが可能です。

障害者手帳5級を取得した人におすすめの働き方と求人3選

障害者手帳5級を取得した人が就労する場合、障害の部位や程度に合った求人や働き方を選ぶことが大切です。

5級は、ある程度日常生活を自立して送れる等級なので、就労の選択肢は比較的幅広くあります。しかし、関節の可動域や筋力、視力・視野、バランス機能などに制限があることで、特定の業務では負担が生じることもあります。

障害者雇用枠で就労する場合は、以下のような条件が揃っている求人を選ぶことをおすすめします。

以下では、身体障害者手帳を取得した人が無理なく働きやすい障害者雇用の求人の一例を紹介します。

求人内容や条件は企業ごとに異なりますが、「どのような働き方ができるのか」をイメージする参考としてご覧ください。

NECネクサソリューションズ

【求人情報】

こちらは、NECネクサソリューション株式会社が募集している、営業事務兼庶務の求人です。

こちらのポジションでは、申請業務や帳票作成、申請業務など基本的な事務業務全般を担当します。業務内容によっては在宅勤務も可能となっているため、下肢や体幹などに障害があり、通勤に負担を感じている人にもおすすめの求人です。

また多くの業務を担当できる場合、高水準の給与を受け取ることも可能です。

NECネクサソリューション株式会社の求人は、こちらからご確認ください。

大正製薬

【求人情報】

こちらは大正製薬が募集しているオープンポジションの求人です。配属は、これまでの経験や保有スキルによって決定され、業務内容も配属ポジションによって異なります。そのため、担当業務をデスクワーク中心にすることもできます。

応募条件は、希望ポジションの実務経験があることとされており、実務経験が少ない人でも応募可能な点もメリットの1つです。

大正製薬株式会社の求人は、こちらからご覧ください。

クエスト

【求人情報】

こちらはアプリケーション開発に関する業務を担当する、エンジニアの求人です。

経験や障害内容によって業務内容は調整されますが、障害に対する配慮を受けながら、エンジニアとしてのスキルアップ、キャリアアップを目指すことができます。

応募資格は、5年以上の該当職種の実務経験と設定されていて、ハードルが高くなっていますが、その分給与水準も一般枠の求人と比較しても、大きな差がない額に設定されています。

株式会社クエストの求人は、こちらからご覧ください。

障害者向けサテライトオフィスでの就労も選択肢の1つ

障害者向けサテライトオフィスとは、一般企業に雇用された障害者が、専門の支援員が常駐する拠点で業務を行う勤務形態のことです。雇用契約は所属企業と結び、給与や福利厚生も所属企業のルールが適用されます。

サテライトオフィスには障害者の就労に関する専門知識を持った支援員が常駐しているため、業務上の困りごとや体調面の不安があればすぐに相談できる環境が整っています。

5級の場合、日常的な業務は問題なくこなせるものの、特定の動作や環境で負担が生じることがあります。サテライトオフィスであれば、こうした日々の小さな困りごとにも支援員が対応してくれるため、安心して業務に集中することができます。

障害者向けサテライトオフィスについては、こちらの記事「障害者向けサテライトオフィスとは?働き方やメリット・デメリットを解説!」でも詳しく解説しています。

身体障害者手帳5級の人の転職には、転職エージェントの利用がおすすめ

障害に対する適切な配慮を受けながら活躍できる企業への転職や就職を希望する場合は、障害者雇用専門の転職エージェントの活用がおすすめです。

転職エージェントでは、症状に応じて就業可能な求人の紹介を受けることができ、転職/就職活動全般のサポートを無料で受けることができます。そのため、一人で転職活動や就職活動をするよりも、効率的に内定獲得を目指すことができます。

【転職エージェントの支援内容】

障害者専門のエージェントである障害者雇用バンクは、キャリアアップ重視のハイクラス求人と、例子会社などの応募ハードルが低い求人、どちらのタイプの求人も多数保有しているため、希望に沿った求人の紹介を受けることができます。

障害者枠で選考を受ける場合、障害者雇用バンクのサポートを受けることで、

など、希望するキャリアを実現するための徹底した就業サポートを受けることができます。

障害者雇用バンクの転職サポート・就職サポートは、すべて無料でご利用いただけますので、転職や就職を検討している方は、ぜひこちらより会員登録をしてみてください。

日本最大級の障害者向け求人サイト
「障害者雇用バンク」

ご登録はこちら

数多くある障害者の転職サイトのなかでも、日本最大級の障害者向け求人情報を提供する「障害者雇用バンク」は業界初「人材紹介の求人情報データベースとハローワークの求人データベースの両方の情報の提供」障害者の転職をトータルで支援します。

より積極的に募集される障害者求人情報と、公的機関であるハローワークの求人情報を一つのサイトでまとめて検索することができるだけでなく、カウンセラーとのWeb面談などのサービスも。在宅のままスマートフォン1台で、自分に合った仕事探しが可能です。

無料登録は3分程度で手軽にできるので、まずは登録するところから始めてみてはいかがでしょうか?