うつ病で仕事ができないときにもらえるお金は?手当・国からの支援制度を解説
うつ病で働けなくなった場合、収入の補填や支出を抑えるための公的な支援制度が複数用意されています。 ・休職中の人向け:傷病手当金 ・退職後に回復を待ちながら再就職を目指す人向け:失業保険 ・症状が長期化して生活や就労が難しい人向け:障害年金 ・治療を続けている人向け:自立支援医療制度 上記の支援制度はひとつに限らず、状況によっては複数を併用できる場合もあります。 この記事では、うつ病で仕事ができないときにもらえるお金(手当・年金など)や国の支援制度について解説します。
うつ病で仕事ができないときに利用できる支援制度一覧
うつ病で仕事ができなくなると、収入が減ったり途絶えたりして、生活面での不安が大きくなりがちです。 こうした状況を支えるために、国や公的機関では、状況に応じて利用できる複数の支援制度を用意しています。 うつ病で働けなくなった場合に利用できる制度は、「休職中か」「退職後か」「症状がどのくらい続いているか」など、現在の状況によって異なります。
- 休職中で会社に在籍している → 傷病手当金
- 退職後で回復を待っている → 失業保険
- 働けない状態が長く続いている → 障害年金
- 通院が長期化している → 自立支援医療制度
これらは、一般に「国からの補助金」と呼ばれることもありますが、実際には年金や保険給付、医療費助成といった公的制度として支給・軽減されます。 その他に利用できる支援制度としては以下のものがあり、記事の後半で詳しく解説します。
- 生活保護
- 住居確保給付金
- 生活福祉資金帯付制度
- 国民年金保険料の免除・猶予
- 国民健康保険料の減免
- 労災保険(うつ病の原因が仕事の場合)
出典:厚生労働省
傷病手当金(休職中で会社に在籍している人向け)
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった期間の生活を支える制度です。 うつ病により休職している場合、条件を満たせば受給できる可能性があります。 <利用できる人> 次のような状況にある場合、利用を検討できます。
- うつ病の治療のため、会社を休職している
- 医師から「就労が困難」と判断されている
- 会社の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に加入している
※在籍中であれば、正社員に限らず契約社員・パートでも対象になる場合があります。 <受給のポイント>
- 支給の前提は 「労務不能(働けない状態)」であること
- 給与が支払われていない、または給与が傷病手当金より少ない場合に支給対象
- 受給中は、一時的な出勤や軽作業でも支給停止になる可能性がある
なお、国民健康保険には、原則として傷病手当金の制度がないため、自営業者やフリーランスは対象外となる点には注意が必要です。 出典:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
傷病手当金の受給条件
傷病手当金を受給するには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。
- 業務外の病気やケガで療養中であること
- 療養のために働くことができない状態であること
- 連続して3日間休み(待期期間)、4日目以降も仕事に就けないこと
- 休業中に給与の支払いがないこと
待期期間の3日間には有給休暇や土日・祝日などの公休日も含まれます。また、連続して3日間休んでいれば、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。 また、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額より少ない場合は差額が支給されます。 出典:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
傷病手当金の支給額と支給期間
傷病手当金の1日あたりの支給額は、以下の計算式で算出されます。 支給開始日以前12ヶ月間の各標準報酬月額の平均額 ÷ 30日 ×(2/3) 目安として、直近1年間の月収が30万円の場合、1日あたり約6,667円が支給される。おおよそ給与の3分の2の支給が目安となります。 支給開始日以前の加入期間が12ヶ月に満たない場合は、加入期間中の標準報酬月額の平均か、全被保険者の標準報酬月額の平均(令和7年4月1日以降は32万円)のいずれか低い額をもとに計算されます。 同一の傷病に対する支給期間は、通算で最長1年6ヶ月です。復職した場合、その就労期間は通算期間に含まれないため、たとえば6ヶ月間受給した後に復職し、再び同じ傷病で休職した場合でも、残り1年分を受け取ることができます。 ただし、復職しても支給期間はリセットされないため、通算1年6ヶ月を超えて受給することはできません。 出典:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
傷病手当金の申請方法
傷病手当金は、加入している健康保険に申請することで受給できます。 申請の流れは次の通りです。
① 勤務先または健康保険から申請書を入手する
まず、勤務先の担当部署や加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)から「傷病手当金支給申請書」を入手します。
② 申請書に必要事項を記入する
申請書は、以下の3者がそれぞれ記入します。
- 本人:症状や休業期間など
- 医師:病状や労務不能であることの証明
- 勤務先:休業期間中の給与支払い状況
うつ病の場合も、医師による「労務不能」の記載が重要なポイントとなります。
③ 保険者へ申請書を提出する
記入が完了した申請書を、加入している健康保険へ提出します。 勤務先経由で提出するケースが一般的ですが、直接提出できる場合もあります。
④ 審査後、支給が開始される
申請内容が審査され、問題がなければ指定口座へ傷病手当金が振り込まれます(協会けんぽの場合は、書類に不備がなければ原則10営業日以内に支給)。 支給は原則として、1か月ごとの申請・支給となります。 出典:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」・「よくある質問について」
退職後も傷病手当金を受け取れる条件
退職後も傷病手当金を継続して受給するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があること
- 退職日の前日までに連続して3日以上出勤していないこと
- 退職日に傷病手当金を受給しているか、受給できる状態であること
- 退職日に出勤していないこと
そのため、退職日に挨拶などで出勤し、その日に給与が支払われると、 「労務不能ではない」と判断され、退職後の傷病手当金が支給されなくなる可能性があります。 また、退職後に一度でも「働ける状態」と判断される行動をとった場合、 その後に体調が悪化して働けなくなっても、傷病手当金は支給されません。 例えば、以下のようなケースが該当します。
- 退職後に短期間でもアルバイトやパートを行った場合
- 知人の手伝いなどで報酬の有無にかかわらず就労とみなされる行為をした場合
- 「働ける」と医師の診断書や意見書に記載された場合
これらは「労務不能の状態が一度回復した」と判断される可能性があるため、 その後に再び働けなくなっても、傷病手当金の支給対象外となる点に注意が必要です。 出典:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
失業保険(退職後すぐに働けない人向け)
失業保険(基本手当)は、退職後に再就職を目指す人の生活を支える制度です。 うつ病が理由で退職した場合でも、条件を満たせば受給できる可能性があります。 <利用できる人> 次のような状況にある場合、利用を検討できます。
- うつ病が理由で退職した
- 医師の意見などから、すぐの就職は難しいが回復を目指している
- ハローワークで求職の申込みを行っている
※症状の程度によっては、受給開始時期の調整や、他制度の案内を受けることがあります。 <受給のポイント>
- 原則として「働く意思と能力がある」ことが前提
- 病状が回復途中の場合でも、医師の診断内容により受給が認められるケースがあります
- うつ病による退職は、自己都合でも給付制限が短縮・免除される可能性があります
なお、療養中で働けない状態の場合は、受給期間の延長手続きをしておくことで、回復後に受給することが可能になります。 出典:厚生労働省「基本手当について」
うつ病の人が失業保険を受け取る条件
失業保険の受給者は、離職理由などにより以下の区分に分けられます。
- 一般の離職者(自己都合退職者)
- 特定受給資格者
- 特定理由離職者
- 就職困難者
うつ病が原因で退職した場合は、「特定理由離職者」または「就職困難者」に該当する可能性があります。
被保険者期間の要件
- 一般の離職者:離職日以前2年間に、被保険者期間が通算12ヶ月以上
- 特定理由離職者:離職日以前1年間に、被保険者期間が通算6ヶ月以上
就職困難者に該当するケース
精神障害者保健福祉手帳を取得している場合は、「就職困難者」として扱われることがあり、受給要件が緩和されるほか、給付日数が長くなる点が特徴です。 ※地域によっては医師の診断書の提出を求められる場合があります。
給付制限について
自己都合退職の場合、通常は7日間の待機期間に加えて、原則1〜3ヶ月の給付制限があります。 ただし、うつ病など正当な理由による退職と認められた場合は、給付制限が免除される場合があります。 出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」・厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
失業保険の受給額と受給期間
失業保険の1日あたりの支給額(基本手当日額)は、以下の計算式で算出されます。 離職前6ヶ月間の賃金合計 ÷ 180 × 給付率(50〜80%) 給付率は年齢や賃金日額によって異なり、賃金が低かった人ほど高い給付率(80%に近い率)が適用されます。目安として、離職前の賃金の50〜80%程度が支給されます。 受給期間は離職理由・年齢・被保険者期間によって異なります。
- 一般の離職者:90〜150日
- 特定受給資格者・特定理由離職者:90〜330日
- 就職困難者:150〜360日
就職困難者の場合、被保険者期間が1年未満でも150日、1年以上あれば45歳未満で300日、45歳以上65歳未満で360日の受給が可能になります。 出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和7年8月1日から~」・ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
失業保険の申請方法
失業保険を受給するには、ハローワークでの手続きが必要です。 基本的な流れは以下のとおりです。
① ハローワークで求職の申込みを行う
住所地を管轄するハローワークで、求職申込みを行います。 この時点で「失業状態」としての認定が開始されます。
② 必要書類を提出する
主に以下の書類を提出します。
- 離職票(退職時に会社から発行される)
- マイナンバーカード(または通知カード+身分証明書)
- 証明写真2枚
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 精神障害者保健福祉手帳(取得している場合)
※うつ病が理由で退職した場合、医師の診断書の提出を求められることがあります。
③ 受給説明会に参加する
ハローワークが指定する日時に、受給説明会へ参加します。 ここで受給の流れや注意点について説明を受けます。
④ 失業認定を受ける
原則4週間に1回、ハローワークで失業認定を受けます。 認定日に「就職できていないこと」が確認されると、給付金が支給されます。
うつ病の場合の注意点
うつ病の療養中で求職活動ができない場合は、「受給期間延長」の手続きをしておくことで、最長4年間まで受給期間を延長できます。 この手続きをすると、回復して働ける状態になってから改めて受給手続きを行うことが可能になるため、必ず申請手続きをしておきましょう。 出典:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」・ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
障害年金とは?
障害年金とは、病気や障害によって、長期間にわたり仕事や日常生活に支障が出ている人が利用できる公的な年金制度です。 うつ病などの精神疾患も対象となっており、症状が慢性化して就労が難しい場合には、生活を支える収入源のひとつとなります。 傷病手当金や失業保険とは認定基準が異なるため、これらの制度と併用できるケースや、障害年金のみを利用するケースもあります。
うつ病で障害年金を受け取る条件
うつ病によって、日常生活や就労に大きな支障が出ている場合、障害年金を受給できる場合があります。障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金の二つの種類があり、障害者手帳と同様に1級~3級の等級に分類されます(3級は障害厚生年金のみ)。 【障害年金の認定基準】
- 1級:身体・精神の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 2級:身体・精神の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 3級:身体・精神の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
障害年金の認定基準は、障害者手帳とは異なる点には注意が必要です。そのため、障害者手帳を取得しているものの受給ができないケースや、その反対のケースもあります。
障害年金の支給額(令和7年度)
障害年金の支給額は、認定された等級や子供の有無などの条件によって決定します。 令和7年度の障害年金の支給額は以下の通りとなっています。
| 月額 | 年額 | 前年度の年額 | |
| 障害基礎年金1級 | 86,635円 | 1,039,625円 | 1,020,000円 |
| 障害基礎年金2級 | 69,308円 | 831,700円 | 816,000円 |
| 障害厚生年金 3級(最低保障) | 51,983円 | 623,800円 | 612,000円 |
| 子の加算1人目(障害基礎年金に加算) | 19,941円 | 239,300円 | 234,800円 |
| 子の加算2人目(障害基礎年金に加算) | 19,941円 | 239,300円 | 234,800円 |
| 子の加算3人目(障害基礎年金に加算) | 6,650円 | 79,800円 | 78,300円 |
| 配偶者 加給年金(障害厚生年金に加算) | 19,941円 | 239,300円 | 234,800円 |
| 障害年金生活者支援給付金1級 | 6,813円 | 81,756円 | 79,656円 |
| 障害年金生活者支援給付金2級 | 5,450円 | 65,400円 | 63,720円 |
上記の内容は令和7年度(2025年4月~2026年3月)の支給額ですが、この額は毎年見直しが実施されているため、最新の情報は日本年金機構の公式サイトを確認しましょう。 (出典:小川早苗社会保険労務士事務所)
うつ病で障害厚生年金2級を受給できた事例
うつ病によって障害厚生年金2級の受給対象となった女性の事例を紹介します。 この事例では、「就労していても、実際の働き方や配慮の内容を正確に伝えることで、障害年金が認定された」という点が大きなポイントとなりました。 こちらの女性は、職場での人間関係から不眠や過食、希死念慮などの症状があらわれ、精神科を受診しました。当初は双極性障害と診断されましたが、転院後にうつ病へ診断が変わり、現在も服薬治療を続けています。 日常生活では家事や身の回りのことに家族のサポートが欠かせず、自傷衝動や過食嘔吐といった症状もありました。しかし、週40時間のフルタイムパートとして就労していたこともあり、主治医からは「フルタイムで働いていると受給はむずかしい」と言われていました。 申請では、在宅勤務であること、業務が単純作業に限られていること、指示がすべてメールで行われていることなど、職場から受けている配慮を診断書や申立書に詳しく記載しました。 結果、障害厚生年金2級に認定。年額約144万円に加え、さかのぼり分として約97万円を受給することができました。 出典:全国障害年金サポートセンター「【事例862】うつ病|障害厚生年金2級(週40時間フルタイムで就労している事例)」
自立支援医療制度(通院治療が続いている人向け)
自立支援医療制度とは、精神疾患の通院治療にかかる医療費の自己負担を軽減するための公費負担医療制度です。通常の医療保険では自己負担が3割のところ、この制度を利用すると1割に軽減されます。 例えば、ひと月の医療費が7,000円で通常の自己負担が2,100円の場合、自立支援医療を利用すれば700円に軽減が可能です。さらに世帯の所得に応じて1ヶ月あたりの自己負担上限額が設定されているため、それ以上の負担は発生することはありません。 うつ病の治療は長期にわたることが多いため、医療費の負担を減らして治療に専念できるという点で非常に有用な制度です。外来診療や外来での投薬、デイケア、訪問看護なども対象となる点もポイントです。 出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」
自立支援医療制度の対象者
精神疾患により通院による治療を続ける必要がある人が対象となります。うつ病や躁うつ病などの気分障害のほか、統合失調症、PTSD、パニック障害、てんかん、発達障害、認知症なども対象に含まれます。 症状がほとんど消失している場合でも、軽快状態を維持し再発を予防するために通院治療を続ける必要がある場合は対象となります。 しかし、入院医療の費用や公的医療保険が対象とならない治療(病院以外でのカウンセリングなど)、精神疾患と関係のない病気の医療費は対象外となる点には注意しましょう。 制度を利用できるのは、各都道府県または指定都市が指定した「指定自立支援医療機関」での医療に限られます。現在通院している医療機関が指定を受けているかどうかは、医療機関や精神保健福祉センターに確認が必要です。 出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)の概要」
自立支援医療制度で軽減される医療費
自立支援医療の自己負担は原則1割で、さらに世帯の所得に応じて1ヶ月あたりの負担上限額が設定されています。この「世帯」とは住民票上の世帯ではなく、同じ健康保険に加入している人を指します。 所得区分ごとの自己負担上限額は、以下のとおりです。
- 生活保護世帯:0円(自己負担なし)
- 低所得1(市町村民税非課税世帯で本人の収入が年80万9千円以下):月額2,500円
- 低所得2(市町村民税非課税世帯で本人の収入が年80万9千円超):月額5,000円
- 中間所得層(市町村民税課税世帯で所得割が年23万5千円未満):医療保険の自己負担限度額
- 一定所得以上(市町村民税課税世帯で所得割が年23万5千円以上):原則として公費負担の対象外
うつ病は「重度かつ継続」(高額な治療を長期間続ける必要がある人)に該当するため、中間所得層でも自己負担上限額が設定されます。 具体的には、
- 中間所得1(所得割3万3千円未満):月額5,000円
- 中間所得2(所得割3万3千円以上23万5千円未満):月額10,000円
- 一定所得以上の場合:月額20,000円が上限
となります。 この「重度かつ継続」の経過措置は令和9年3月31日まで延長されています。 出典:厚生労働省「自立支援医療制度の概要」・東京都福祉局「自立支援医療」
自立支援医療制度の申請方法
自立支援医療制度は、お住まいの市区町村の窓口で申請します。 申請の流れは以下の通りです。
① 主治医に意見書を作成してもらう
まず、精神科・心療内科などの主治医に「自立支援医療用の意見書」を作成してもらいます。 うつ病で継続的な通院・服薬が必要であることが記載されます。
② 市区町村の窓口で申請する
意見書を受け取ったら、市区町村の障害福祉担当窓口で申請を行います。併せて、以下の書類を提出するのが一般的です。
- 自立支援医療支給認定申請書(市区町村の窓口で入手可能)
- 医師の診断書(通院している精神科で作成してもらう)
- 健康保険証の写し
- 世帯の所得状況が確認できる書類(市町村民税の課税証明書など)
- マイナンバーの確認書類
※自治体によって必要書類が異なる場合があります。
③ 審査後、受給者証が交付される
申請内容が審査され、問題がなければ「自立支援医療受給者証」が交付されます。 申請から受給者証の交付までには、自治体によって1〜3か月程度かかることがあります。
④ 医療機関・薬局で自己負担が軽減される
受給者証を指定医療機関・薬局で提示すると、医療費の自己負担が原則1割に軽減されます。 自立支援医療制度は、就職中・休職中・求職中を問わず利用可能です。 原則1年ごとの更新が必要なため、更新手続きは忘れず行いましょう。 出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」・白井市「自立支援医療費(よくある質問)」
その他の利用できる支援制度一覧
うつ病で仕事ができない状態が長引くと、傷病手当金や失業保険だけでは生活費が足りなくなることも考えられます。このようなときに利用を検討したいのが、生活保護や住居確保給付金、生活福祉資金貸付制度などの支援制度です。 これらの制度は申請が必要なため、自分から動かなければ支援を受けることができません。経済的に厳しい状況にある場合は、早めに市区町村の窓口に相談することが大切です。 出典:厚生労働省「生活支援特設ホームページ」
生活保護
生活保護は、収入や資産が厚生労働大臣の定める最低生活費に満たない場合に、不足分を国が支給する制度です。うつ病で働けず収入がない状態でも、生活保護を受給することで生活を維持が可能になります。 生活保護を受給するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 世帯の収入が最低生活費を下回っていること
- 預貯金や不動産などの資産を活用しても生活できないこと
- 働くことができない、または働いても収入が不十分であること
- 親族からの援助が受けられないこと
- 他の公的制度(年金や手当など)を利用しても生活が成り立たないこと
申請は住所地の福祉事務所で行います。申請後、原則14日以内(最長30日)に受給の可否が決定されます。また必要な書類がすべて揃っていなくても、申請は可能です。 生活保護では、生活扶助(食費・光熱費など)、住宅扶助(家賃)、医療扶助(医療費)などが支給されることになりますが、支給額は地域や世帯構成によって異なる点には注意が必要です。 出典:厚生労働省「生活保護制度」
住居確保給付金
住居確保給付金とは、離職や廃業、または収入が大幅に減少したことで住居を失う恐れがある人に対して、家賃相当額を支給する制度です。 支給額は市区町村ごとに定める上限額(生活保護の住宅扶助額と同等)の範囲内で、実際の家賃額が支給されます。支給期間は原則3ヶ月間で、就職活動を継続していれば最長9ヶ月まで延長できます。 支給を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。
- 離職・廃業後2年以内、または個人の責任によらず収入が大幅に減少していること
- 世帯収入が一定額以下であること
- 世帯の預貯金が一定額以下であること
- ハローワーク等で求職活動を行うこと(自営業者は事業再生のための活動でも可)
申請は住所地の自立相談支援機関で行う。支給された給付金は自治体から直接家主に支払われます。 出典:厚生労働省「住居確保給付金」
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度とは、低所得者世帯や障害者世帯、高齢者世帯を対象に、生活費や一時的に必要な資金を低金利で貸し付ける制度です。 失業などで生活に困窮している人が利用できる「総合支援資金」には、以下の種類があります。
- 生活支援費:生活を再建するまでの間に必要な生活費として、月20万円以内(単身世帯は月15万円以内)を原則3ヶ月間(最長12ヶ月)貸付
- 住宅入居費:敷金・礼金など住宅の賃貸契約に必要な費用として40万円以内を貸付
- 一時生活再建費:就職活動費用や滞納している公共料金の立て替え、債務整理費用などとして60万円以内を貸付
連帯保証人がいれば無利子、いなくても年1.5%の低金利で借りることができます。返済は据置期間(最長1年)の後、10年以内に行うことになります。 申請は住所地の社会福祉協議会で行います。貸付を受けるには、自立相談支援機関やハローワークなどから継続的な支援を受けることに同意する必要があります。 出典:政府広報オンライン「生活にお困りで一時的に資金が必要なかたへ「生活福祉資金貸付制度」があります。」
国民年金保険料の免除・猶予
うつ病で収入が減少し、国民年金保険料を納めることが困難な場合は、保険料の免除または猶予を申請できます。 免除には全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4種類があり、50歳未満の人は、本人と配偶者の所得のみで審査される「納付猶予」制度も利用できます。 免除・猶予が承認された期間は、将来の老齢年金を受け取るための資格期間に算入されます。全額免除の場合でも、保険料を全額納付した場合の2分の1が年金額に反映されます。 申請は住所地の市区町村役場の国民年金窓口または年金事務所で行います。マイナポータルを利用した電子申請も可能で、免除された保険料は10年以内であれば後から納めること(追納)もできます。 出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
国民健康保険料の減免
国民健康保険に加入している人で、失業や収入の大幅な減少により保険料を納めることが困難な場合は、保険料の減額や免除を受けられることがあります。 倒産・解雇などによる離職(特定受給資格者)や、雇い止めなどによる離職(特定理由離職者)の場合は、前年の給与所得を30%として保険料を算定する軽減措置が適用されます。軽減期間は離職日の翌日から翌年度末までとなります。 減免の基準や申請方法は自治体によって異なるため、住所地の市区町村役場の国民健康保険担当窓口に相談が必要です。 出典:厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
労災保険(労働者災害補償保険)
うつ病が、仕事上の強いストレス(パワハラ、長時間労働、業務上のトラブルなど)が原因で発症した場合、労災保険の対象となる可能性があります。 うつ病の発症が労災として認定されると、治療費の全額や休業中の給与の約8割が補償されます。認定を受けるには、発病前おおむね6ヶ月間に業務による強い心理的負荷があったことなどが要件となります。 申請は勤務先を管轄する労働基準監督署で行います。まずは会社の人事部門や産業医、または労働基準監督署に相談しましょう。 出典:厚生労働省「精神障害の労災補償について」
うつ病の人におすすめの求人・働き方4選
うつ病を抱えながら働く場合、仕事内容そのものよりも「働き方」や「職場環境」が重要になります。 無理のない勤務時間や業務量、周囲の理解がある環境を選ぶことで、体調を崩さずに仕事を続けやすくなります。 特に、障害者雇用枠では、体調への配慮や柔軟な働き方を前提とした職場が多く、無理のない環境を選びやすいのが特徴です。 ここでは、うつ病の特性を踏まえ、比較的取り組みやすい求人・働き方の例を紹介します。
博報堂DYアイ・オー
【求人情報】
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障害者向けサテライトオフィスで就労する
障害者向けサテライトオフィスは、一般企業に雇用された障害者が、専門の支援員が常駐するサポート体制の整ったオフィスで働ける仕組みです。雇用契約は所属企業と結びつつ、安心して働ける環境が整えられています。 業務内容自体は、基本的に所属する企業の業務を担当し、給与形態や福利厚生も同様に、所属企業のルールが適用されます。 障害者向けサテライトオフィスには、専門知識を持った支援員が常駐しているため、業務に関することや体調に関することなど、働く上で困ったことが起きた場合にすぐ相談できる環境があります。 そのため、特例子会社と同様に、徹底した配慮の中で一般就労ができるというメリットがあります。 障害者向けサテライトオフィスについては、こちらの記事「障害者向けサテライトオフィスとは?働き方やメリット・デメリットを解説!」でも詳しく解説しています。
一般就労が不安な場合は「就労継続支援」がおすすめ
就労経験が少なかったり、体調が安定していないなどの理由から、今すぐに一般就労をするのが不安という人には、就労継続支援事業所での就労がおすすめです。 就労継続支援とは、障害者の就労機会を増やすために設立された作業所で、徹底した配慮を受けながらさまざまな業務を経験できます。 就労継続支援には、雇用契約を結ぶA型事業所(時給制)と結ばないB型事業所(工賃制)の二つがあり、B型の方がより就労のハードルが低く設定されています。 就労継続支援には、利用期限が設定されていないため長期的に就労することも可能ですし、就労継続支援で働くことに慣れてから一般就労に転職するという選択もできます。 就労継続支援については、こちらの記事「「就労継続支援」とは?A型・B型の違いと手続き方法を解説!」でも詳しく解説しています。
うつ病の人の転職/就職活動には、転職エージェントがおすすめ
うつ病によって精神障害者手帳を取得した人が転職や就職を希望する場合は、障害者雇用専門の転職エージェントの活用がおすすめです。 転職エージェントでは、症状に応じて就業可能な求人の紹介を受けることができ、転職/就職活動全般のサポートを無料で受けることができます。そのため、一人で転職活動や就職活動をするよりも、効率的に内定獲得を目指すことができます。 【転職エージェントの支援内容】
- 就職や転職におけるキャリアカウンセリング
- 求人の紹介
- 面接の練習
- 選考書類の作成サポート
- 就職や転職後の定着支援
障害者専門のエージェントである障害者雇用バンクは、キャリアアップ重視のハイクラス求人と、例子会社などの応募ハードルが低い求人、どちらのタイプの求人も多数保有しているため、希望に沿った求人の紹介を受けることができます。 障害者枠で選考を受ける場合、障害者雇用バンクのサポートを受けることで、
- 障害を持った人の入社実績が豊富な企業を優先して紹介してくれる
- 企業側へどのように伝えると好印象を与えられるかを教えてくれる
- 面接後にキャリアアドバイザーからあなたの良さを企業側にプッシュしてくれる
など、希望するキャリアを実現するための徹底した就業サポートを受けることができます。 障害者雇用バンクの就職サポート・転職サポートは、すべて無料でご利用いただけますので、就職や転職を検討している方は、ぜひこちらより会員登録をしてみてください。
日本最大級の障害者向け求人サイト
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