双極性障害で障害者手帳をもらうための条件・申請手順・メリットを解説

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精神障害の一種に分類される双極性障害。

本記事では、双極性障害によって障害者手帳を取得するための条件や、その際の申請手順について、具体例を挙げながら解説します。

双極性障害とは

まずは双極性障害について、具体的に解説します。

双極性障害の概要

双極性障害とは、気分が高まる躁状態と、気分が落ち込むうつ状態を繰り返す気分障害の一種で、躁うつとも呼ばれます。双極性障害には、躁状態の症状が強い双極Ⅰ型と、軽躁状態(より軽度ながら気分が高揚した状態)とうつ状態を繰り返す双極Ⅱ型があります。

遺伝子的な要因や環境的な要因が発症の原因になっていると考えられています。また、ストレスを感じることは再発の誘因にはなるとされているが、発症原因とは断定されていません。

出典:順天堂大学医学部こころシェア

双極性障害の症状

双極性障害の症状は、以下の通りです。

【1】躁状態

【2】軽躁状態

【3】うつ状態

【4】混合状態

躁状態の症状

躁状態では、常にテンションが高くなり、自分はなんでもできると思い込むようになります。また、眠らなくなったり、喋り続けるようになったりと、過剰に活動的になります。

軽躁状態の症状

軽躁状態の場合も、いつもより元気になったり、行動的になったりするため、周りから見ても明らかにハイな精神状態であることがわかるようになりますが、躁状態のように周りに影響を与えることは少ないとされています。

うつ状態の症状

うつ状態では、気分の強い落ち込みや興味、喜びの喪失などが引き起こされます。

混合状態の症状

躁状態からうつ状態へ、もしくはうつ状態から躁状態へ切り替わるタイミングで、それぞれの症状が併発することがあり、これを混合状態と言います。

混合状態では、気分は落ち込んでいるのに活動的になるように、それぞれの症状が同時に発現する可能性があります。

出典:順天堂大学医学部こころシェア

双極性障害の治療方法

双極性障害は、気分の波(躁状態とうつ状態)を繰り返す病気であり、症状のコントロールと再発予防のために継続的な治療が必要です。

治療の基本は、「薬物療法」と「心理社会的支援(心理療法など)」の組み合わせです。

薬物療法

双極性障害の治療では、気分の状態に応じて適切な薬を使い分けます。

✓気分安定薬
気分の波を安定させるために使います。躁状態・うつ状態の両方の予防に効果があります。

✓抗精神病薬
特に躁状態や混合状態が強いときに使われます。不安や興奮を抑える働きがあります。

✓抗うつ薬
うつ状態が続く場合に用いられることもありますが、躁転(うつから躁への切り替わり)を引き起こすことがあるため、慎重に使用されます。

心理療法(心理社会的支援)

薬物治療に加え、心理的・生活面での支援も治療の重要な柱です。

✓心理教育
本人と家族が病気への理解を深めることで、治療のモチベーションが高まり、再発リスクを減らせます。

✓認知行動療法(CBT)
思考の偏りやストレスへの対処法を身につけ、うつ状態や不安の改善に役立ちます。

✓生活リズムの調整サポート
規則正しい生活、睡眠管理、ストレス軽減は再発予防のためにとても重要です。通院による生活支援や地域の精神保健サービスの利用も有効です。

双極性障害は「治す」というより「うまく付き合う」病気です。一時的に症状が安定しても、自己判断で薬を中止しないことが大切です。家族や周囲の理解・協力も、回復を支える大きな力になります。

出典:順天堂大学医学部こころシェア日本うつ病学会ネット心理教育ピササポートこころの情報サイト

双極性障害で障害者手帳はもらえる場合がある

双極性障害によって、障害者手帳が取得できるケースとできないケースについて、それぞれ解説します。

障害者手帳の取得は「症状の程度」と「初診日からの期間」がカギ

双極性障害は、精神障害者保健福祉手帳の対象となる病気です。ただし、誰でもすぐに申請できるわけではなく、いくつかの要件があります。

手帳を申請するには、以下2つの条件を満たしている必要があります。

これは、症状が一時的なものではなく、継続的に生活に影響しているかを判断するためです。

なお、精神障害者保健福祉手帳は、精神障害の程度によって以下の3つの等級に分類されます。

【精神障害者保健福祉手帳の等級表】

出典:厚生労働省

例えば、「通院の頻度が高く、日常生活や就労に定期的な助けが必要な場合」などは障害者手帳を取得できる可能性が高いと言えます。

障害者手帳をもらえないケース

双極性障害と診断されていても、次のようなケースでは手帳を取得できない場合があります。

例えば、「症状が安定していて通院が少なく日常生活に支障がない場合」などは障害者手帳をもらえない可能性が高いと言えます。

ただし、一度不支給となった場合でも、症状の悪化や生活状況の変化があれば、再申請は可能です。生活上の困りごとが続いている場合は、主治医や地域の福祉窓口に相談しましょう。

出典:こころの情報サイト川崎市

障害者手帳を取得する手順

障害者手帳を申請する際には、主治医の診断書が必要です。それ以外の申請に関する書類は、基本的に各自治体の福祉窓口で入手できますが、自治体によってはウェブサイトからダウンロード可能な場合もあります。

申請する際は診断書とともに、下記の書類を準備しましょう。

※準備物は区市町村によって異なるケースがあるため事前に市区町村の福祉課に確認するようにしましょう

<障害者手帳の取得手順>

STEP.1:主治医に相談
症状が日常生活に支障を与えている場合、主治医に申請用の診断書を作成してもらいます。その際、初診日から6ヶ月以上経過していることが条件となります。

STEP.2:役所に必要書類を提出して申請
診断書・意見書を受け取ったら、役所の福祉課に申請書類とともに提出します。

STEP.3:審査機関による審査
役所が申請書類を受理した後、申請書類をもとに専門機関で心臓機能障害の程度について審査が行われます。

STEP.4:手帳の発行と交付通知
審査が完了すると、役所から交付の通知が届きます。その後、役所で障害者手帳を受け取ります。

医師への相談から実際に手帳が交付されるまでは、通常2〜3ヶ月程度の期間を要します。ただし、診断書作成の状況や審査の混み具合によっては、さらに時間がかかる場合もありますので、余裕をもって手続きを進めましょう。

双極性障害の人が障害者手帳を取得するメリット

続いて、双極性障害の人が障害者手帳を取得するメリットについて、具体的に解説します。

障害者枠での就労が可能になる

障害者手帳を取得すると、手帳の種類に関わらず「障害者枠」での就労が可能になります。

障害者枠で採用されると、業務内容や勤務時間の調整など、障害に対する合理的配慮を受けながら働けるようになるため、就労による心身への負担を軽減できます。

また、障害者枠は一般枠とは採用枠が異なり、障害者専用の雇用枠です。そのため、障害を持っていることが選考において不利に働くことがなく、一般枠で選考を受けるよりも採用される確率が高くなります。

生活の支援が受けられる

障害者手帳を取得することで、日常生活に関する支援を受けられる場合があります。

【生活支援の例】

なお、支援の内容や対象等級は自治体によって異なるため、詳細は市区町村の福祉課で確認するようにしましょう。

出典:川崎市

金銭的な支援が受けられる

障害者手帳を取得することで、助成金や交通機関の割引など、様々な金銭的な支援を受けることができます。

【医療助成金・税金の控除の例】

出典:川崎市厚生労働省国税庁

【対象となる利用料の割引・免除の例】

助成制度や税控除の対象等級は自治体ごとに異なるため、申請前に自治体の福祉課で確認するようにしましょう。

また、双極性障害の症状によって就労ができないなど、社会生活に大きな影響が出ている場合、障害年金を受給できる可能性があります。

障害年金の受給は、障害者手帳の認定基準とは異なる「障害年金の認定基準」に基づく審査を受ける必要があります。

【障害年金の認定基準】

なお、令和7年度の障害年金の支給額は以下の通りとなっています。

月額 年額 前年度の年額
障害基礎年金1級 86,635円 1,039,625円 1,020,000円
障害基礎年金2級 69,308円 831,700円 816,000円
障害厚生年金 3級(最低保障) 51,983円 623,800円 612,000円
子の加算1人目(障害基礎年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
子の加算2人目(障害基礎年金に加算 19,941円 239,300円 234,800円
子の加算3人目(障害基礎年金に加算 6,650円 79,800円 78,300円
配偶者 加給年金(障害厚生年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
障害年金生活者支援給付金1級 6,813円 81,756円 79,656円
障害年金生活者支援給付金2級 5,450円 65,400円 63,720円

出典:小川早苗社会保険労務士事務所

上記の内容は毎年見直しが実施されているため、最新の情報は日本年金機構の公式サイトを確認しましょう。

出典:三重県・障害年金申請サポート

双極性障害で障害厚生年金2級を受給できた事例

双極性障害によって、障害厚生年金2級の受給対象となった30代の女性の事例を紹介します。

本事例の女性は、26歳の頃に急に気分が落ち込む症状が発現するようになり、心療内科を受診しました。その後、一時的に症状が安定したため、数年間の間、通院を中断してしまったことで32歳を迎えるタイミングで症状が再び強く出るようになりました。

母親の進言で受診したところ、双極性障害と診断されました。その時点で、うつの症状だけでなく、過度な買い物をして預金を使い果たすなど、躁の症状が強く出るようになっていました。

結果として、双極性障害の症状が社会生活に大きな影響を及ぼしていたことで、障害厚生年金2級に認定され、年額で約110万円、さらに総支給額として約300万円を受給することができました。

出典:横浜戸塚障害年金サポートセンター

双極性障害が仕事に与える影響

双極性障害には、心の状態が強く関わっています。そのため、強いプレッシャーがかかる仕事や、接客業などクレーム対応が必要になるような仕事を行うことは避ける必要があります。

また身体的な負担が強い仕事も、疲労が蓄積しやすく、特に躁状態の時は頑張りすぎてしまい大きな反動が引き起こされることが考えられるため、おすすめできません。

それ以外の職種で働く場合でも、周りの適切なサポートがある環境が必要になります。転職先や就職先を選ぶときは、職種だけでなく企業側のサポート体制も踏まえて決めるようにしましょう。

双極性障害の人に向いてる仕事については、こちらの記事「【双極性障害】躁鬱の人に向いてる仕事とおすすめ求人を紹介」にて詳しく解説しています。

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