リウマチはどのくらい症状で障害者手帳がもらえる?取得基準や等級表を紹介

関節リウマチを発症し、その症状によって生活に影響が出ている場合、障害者手帳の取得ができる可能性があります。 本記事では、障害者手帳の取得基準や取得手順について、具体的に解説します。
関節リウマチとは

まずは関節リウマチについて解説します。
関節リウマチの概要
関節リウマチとは、免疫の異常により、関節が炎症し、腫れや痛みを引き起こす病気です。症状が進行すると、関節が変形したり破壊されたりすることで、正常に動かなくなってしまうこともあります。 明確な原因は特定されていませんが、遺伝子や感染症による影響が考えられています。 出典:リウマチ情報センター
関節リウマチの症状
関節リウマチを発症すると、まずは初期症状が発現します。 【初期症状の例】
- 朝起きた時に手が開きにくくなる
- 関節が熱を持ち、痛み出す
- 複数の関節に症状が出る
- 微熱や倦怠感
病状が進行するとより重い症状が発現するようになります。特に関節症状が悪化する・関節の骨や軟骨が破壊されることで関節が変形します。 それによって、関節を動かせる範囲が狭くなってしまいます。これらの症状は、指やひじ、ひざなど、様々な関節に発現します。 また、首の関節に症状が出ると、後頭部の痛みや手の脱力や痺れなどを感じるようになります。 出典:リウマチ情報センター
関節リウマチで障害者手帳は取得できる?

関節リウマチによる障害者手帳の取得について、具体的に解説します。
症状によっては、障害者手帳を取得できる
障害者手帳を取得するためには、病気によって発現している症状が障害であると認定されることが条件になります。 そのため、例えば指定難病を発症したとしても、障害者手帳を取得できるとは限りません。 関節リウマチで障害者手帳を取得できるかどうかは、関節の動かしにくさや機能の低下がどれくらい重いかによって決まります。ただし自分で判断することはできないため、障害者手帳の取得を希望する場合は、主治医に相談する必要があります。 なお、障害者手帳には「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」があり、関節リウマチでは「身体障害者手帳」が対象になります。
どのくらいの症状なら取得対象になる?
関節リウマチで身体障害者手帳を申請したい時は、「手足の動かしにくさ」などをもとに判断する“肢体不自由”の等級表が使われます。 これは、関節リウマチによって関節の可動域が制限されたり、筋力が低下して日常生活に支障が出る状態が、「上肢(腕・手)」または「下肢(足・脚)」の機能障害として評価されるためです。 等級の判定では以下のような点が重視されます。
- 関節の可動域(どのくらい動かせるか)
- 筋力(力が入るかどうか)
- 日常生活への影響(着替えや歩行など
等級は1級(最重度)〜6級(軽度)まであり、医師の診断書に基づいて自治体が判断します。 以下に「肢体不自由」の等級表/認定基準を紹介します。 【肢体不自由:障害程度等級表/認定基準(一部)】
- 1級:不随意運動・失調等により上肢を使用する日常生活動作がほとんど不可能なもの。または歩行がほとんど不能なもの
- 2級:両上肢もしくは両下肢の機能の著しい障害
- 3級:一上肢の機能の著しい障害もしくは、一下肢の機能を全廃したもの。 一上肢のすべての指の機能を全廃したもの
- 4級:一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうち、いずれか一関節の機能を全廃したものもしくは、 一下肢の股関節又は膝関節の機能を全廃したもの
- 5級:一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうち、いずれか一関節の機能の著しい障害もしくは、一下肢の股関節又は膝関節の機能の著しい障害
- 6級:一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうち、いずれか一関節の機能の軽度の障害もしくは、一下肢の機能の軽度の障害
上記以外にも、詳細な認定基準があります。 出典:東京都福祉局・コルディアーレ農園
障害者手帳を取得する手順
障害者手帳の申請には、主治医が作成した診断書が必要です。申請に必要な書類は、役所の福祉課で取得できますが、自治体によってはオンラインでダウンロードできる場合もあります。 申請時には、診断書のほかに以下の書類も必要です。
- 顔写真(縦4cm × 横3cm)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑(認め印)
※準備物は区市町村によって異なるケースがあるため、念の為事前に市区町村の福祉課に確認するようにしましょう <障害者手帳の取得手順> STEP.1:主治医に相談 症状がある程度固定されたと判断されたタイミングで、主治医に申請用の診断書を作成してもらいます。 STEP.2:役所に必要書類を提出して申請 診断書・意見書を受け取ったら、役所の福祉課に申請書類とともに提出します。 STEP.3:審査機関による審査 役所が申請書類を受理した後、申請書類をもとに専門機関で障害の程度について審査が行われます。 STEP.4:手帳の発行と交付通知 審査が完了すると、役所から交付の通知が届きます。その後、役所で障害者手帳を受け取ります。 主治医への相談から手帳が手元に届くまで、一般的には2〜3か月ほどかかります。ただし、診断書作成の期間や審査の混雑状況によっては、3か月以上かかることもあるため、余裕を持って申請作業を進めるようにしましょう。 出典:愛知県・多摩市・日野市
関節リウマチの人が障害者手帳を取得するメリット

続いて、関節リウマチの人が障害者手帳を取得するメリットについて、具体例を挙げながら解説します。
障害者枠での就労が可能になる
障害者手帳を取得する最大のメリットは、障害者枠での就労ができるようになる点です。 障害者枠で採用されると、会社側から合理的配慮を受けながら働くことができ、安心して長く就業できる環境を得ることができます。 【合理的配慮の例】
- 業務内容や業務量の調整
- 勤務時間の柔軟化
- 定期的な面談の実施
- 専用の業務マニュアルの提供
- 在宅勤務の許可など
具体的な配慮の内容は企業のルールや障害の内容によって異なりますが、合理的配慮を受けることで、就労による心身への負担を軽減することができます。長期的に安定して働くためには、一般枠より障害者枠での就労がおすすめです。 また、障害者枠の採用枠は一般枠とは別に設けられているため、採用されやすくなるというメリットもあります。 関節リウマチの人に向いてる仕事については、こちらの記事「リウマチでやってはいけない仕事とは?おすすめ求人も紹介」にて詳しく解説します。
生活の支援が受けられる
障害者手帳を取得することで、日常生活に関する支援を受けられる場合があります。 【生活支援の例】
- 補装具費の支給:義肢や車椅子などの支給、または修理に関する費用の支給
- 訪問看護サービス(1~2級対象)
- 寝具洗濯・乾燥サービス(1~6級対象)
- 緊急通報システム設置(1~2級対象)
- 在宅リハビリ支援
- 在宅重度身体障害者訪問診査(リハビリセンターへの訪問が難しい重度身体障害者)
なお、支援の内容や対象等級は自治体によって異なります。そのため、詳細は市区町村の福祉課で確認するようにしましょう。 出典:川崎市
金銭的な支援が受けられる
障害者手帳を取得することで、助成金や交通機関の割引など、様々な金銭的な支援を受けることができます。 【助成金・税金の控除の例】
- 重度障害者医療費助成:障害等級1~2級が目安。入院・通院などにかかる自己負担額の助成が受けられる
- 特別障害者手当:障害等級1~2級が目安。月額28,840円が支給される。(所得制限あり)
- 税金控除(障害等級3~6級):年間27万円(所得税)年間26万円(住民税)
- 税金控除(障害等級1~2級):年間40万円(所得税)年間30万円(住民税)
出典:川崎市・厚生労働省・国税庁 【対象となる利用料の割引・免除の例】
- 公共交通機関の割引(JR・地下鉄・新幹線・都営バス・飛行機など)
- 娯楽施設の割引(映画館・水族館・遊園地など)
- 公共施設の割引・無料化(動物園・美術館など)
- NHK受信料の免除(条件を満たす場合)
- 携帯電話料金の割引(各通信事業者が提供するプランが適用)
助成制度や税控除の対象等級は自治体ごとに異なるため、申請前に自治体の福祉課で確認するようにしましょう。 また、関節リウマチの症状によって社会生活に大きな影響が出ている場合、障害年金を受給できる可能性があります。障害年金は、障害者手帳とは別の認定基準が設けられています。 【障害年金の認定基準】
- 1級:身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 2級:身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 3級:身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
なお、令和7年度の障害年金の支給額は以下の通りとなっています。
月額 | 年額 | 前年度の年額 | |
障害基礎年金1級 | 86,635円 | 1,039,625円 | 1,020,000円 |
障害基礎年金2級 | 69,308円 | 831,700円 | 816,000円 |
障害厚生年金 3級(最低保障) | 51,983円 | 623,800円 | 612,000円 |
子の加算1人目(障害基礎年金に加算) | 19,941円 | 239,300円 | 234,800円 |
子の加算2人目(障害基礎年金に加算 | 19,941円 | 239,300円 | 234,800円 |
子の加算3人目(障害基礎年金に加算 | 6,650円 | 79,800円 | 78,300円 |
配偶者 加給年金(障害厚生年金に加算) | 19,941円 | 239,300円 | 234,800円 |
障害年金生活者支援給付金1級 | 6,813円 | 81,756円 | 79,656円 |
障害年金生活者支援給付金2級 | 5,450円 | 65,400円 | 63,720円 |
出典:小川早苗社会保険労務士事務所 上記の内容は毎年見直しが実施されているため、最新の情報は日本年金機構の公式サイトを確認しましょう。 出典:三重県・障害年金申請サポート
関節リウマチで障害基礎年金2級を受給できた事例

関節リウマチにより、障害基礎年金2級の受給対象となった50代女性の事例を紹介します。 こちらの女性は多関節痛が生じ、さらに指関節のこわばりや熱を感じる症状も出ていました。投薬治療とリハビリを継続していましたが、症状が回復しないことで病院から足が遠のき、通院を一時的に中断してしまいました。 その間に、症状がさらに悪化し、歩行困難になりました。その間に自分自身ではまったく動けない状態となり、障害年金を申請。その結果、障害基礎年金2級に認定され、年間約136万円を受給することができました。 出典:千葉障害年金相談センター
関節リウマチを発症した人におすすめの求人

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【求人情報】
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- 雇用形態:正社員
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