発達障害の人に向いてる仕事・おすすめ求人4選!ADHD・ASDそれぞれ仕事選びのポイントも解説
脳機能の発達が原因となり発現する発達障害。ADHDやASDなど、症状によって複数の種類に分類されます。 本記事では、発達障害の人に向いてる仕事について、具体的に解説します。
発達障害とは
まずは発達障害について、具体的に解説します。
発達障害の概要
発達障害とは、脳機能の発達に関係する障害です。発達障害があると、他人とのコミュニケーションへの影響や言葉や学習の遅れ、不注意・多動など、さまざまな特性が現れます。 発達障害は、大きく分けて注意欠如多動症(ADHD)自閉症スペクトラム障害(ASD)学習障害(LD)に分類され、発現する特性の種類や重さは人によって異なります。 出典:政府広報オンライン・国立障害者リハビリテーションセンター
発達障害の種類
発達障害は、大きく下記の3つに分類されます。
ADHD
ADHDの障害特性としては、不注意と多動性・衝動性に分類されます。 【不注意の症状】
- 時間を守れない
- 忘れ物をする
- ケアレスミスを繰り返す
- 整理整頓ができない
【多動性・衝動性の症状】
- 1つのことに集中できない
- 授業中に席を離れてしまう
- 貧乏ゆすりをしてしまう
- 衝動的な言動
人によって、「不注意が強いケース」「多動性・衝動性が強いケース」「どちらの特性も混在しているケース」など、強く出る特性に違いがあります。 出典:NCNP病院・たわらクリニック
ASD
ASDの特性としては、「コミュニケーションに関連した特性」と「こだわりに関連した特性」があります。 【ASDの症状例】
- 言葉の裏を読み取れない
- 場の空気を読めない
- 物事の手順を変えられない
- 自分が決めたルールに固執する
- 感覚が過敏もしくは鈍い
またASDもADHDと同様に、人によって、「コミュニケーションに関連した特製が強いケース」「こだわりに関連した特製が強いケース」「どちらの特性も混在しているケース」など、強く出る特性に違いがあります。 出典:NCNP病院・BLAIN CLINIC
LD
LDは、知的障害ではないにもかかわらず、読み書きや計算など、特定の領域の学習速度に遅れが出ている状態です。 【LDの症状例】
- 読字障害:文章を読むのが遅い・読み間違いをする
- 書字障害:文章を作れない・書き間違いをする
- 算数障害:簡単な計算ができない・推論が苦手
LDは、小学生になるまで見分けることが難しい障害です。単純に勉強が苦手と判断されてしまうことによって、本人の自信低下にもつながるため注意が必要です。 出典:LITALICOジュニア
ADHDが仕事に与える影響・仕事選びのポイント
<不注意の特性が強い場合> 不注意の特性が強い場合はケアレスミスを頻発することにより作業効率が下がったり、忘れ物や遅刻といった日常的な業務への影響が考えられます。 また、マルチタスクや臨機応変な対応が苦手なため、担当業務の範囲が広い場合、一人での業務が難しい場合があります。 <多動性・衝動性が強い場合> 多動性・衝動性が強い場合は、集中力が持続しなかったり、苦手な業務での作業効率が極端に悪くなってしまう可能性があります。 また、集中力が持続しないことで、周りから仕事サボっているように見られてしまう可能性があり、その場合は社内のコミュニケーショントラブルに繋がる可能性があります。 一方で、得意分野への集中力が高かったり、細部まで責任を持って仕事に取り組むという特性もあるため、単純作業や得意分野での業務は適職となる可能性があります。 そのため、自分の興味のある分野の仕事、もしくは、複雑な作業が不要な職種がおすすめです。 【仕事におけるADHD特性の強みと弱み】
強み | 弱み | ・得意分野に対する集中力が高い ・細部までこだわりを持って仕事に取り組む ・感性が豊か | ・苦手分野の業務に対する集中力が低い ・ケアレスミスが多い ・臨機応変な対応が苦手 ・マルチタスクが苦手 ・不必要なこだわりにより作業が進まない ・抽象的な指示が理解できない |
また、ADHDは苦手なことがはっきりとしている傾向があるため、業務内容を適時コントロールしてもらえる環境を得るために、障害への理解がある職場を選ぶことが重要です。 ADHDの人に向いてる仕事については、こちらの記事「【ADHD】向いてる仕事と実際の求人を紹介」にて詳しく解説しています。
ASDが仕事に与える影響・仕事選びのポイント
ASDの人は、障害特性により曖昧な指示が苦手だったり、臨機応変な対応が苦手とされています。そのため、接客業やコールセンター、営業職など、臨機応変な対応が求められる職種では実力を発揮できない可能性があります。 また、自分のやり方にこだわってしまうこともあるため、会社で決められたルールや業務手順を守れないこともあります。 しかし、ADHDと同様に、得意分野で高い集中力を持てることや、自分が納得できる手順であればそれ通りに遂行できるため、単純作業や得意分野での仕事は適職となる可能性があります。 他にも、ASDには視覚情報の処理が得意な人が多い傾向があるため、デザイン関係の仕事も向いている場合があります。 【仕事におけるASD特性の強みと弱み】
強み | 弱み | ・得意分野に関して高い集中力を発揮する ・細部まで丁寧な作業ができる ・視覚的に情報を処理することが得意 | ・曖昧な指示を理解できない ・コミュニケーションが上手にとれない ・臨機応変な対応が苦手 ・自分のやり方にこだわり、人の指示を無視してしまう ・騒がしい場所での作業が難しい |
ASDの人についてもADHDの人と同様に、障害への理解がある職場での就労が必要になります。 ASDの人に向いてる仕事については、こちらの記事「自閉症スペクトラム障害の人に向いてる仕事・おすすめ求人4選」にて詳しく解説しています。
発達障害の人におすすめの求人4選
SHIFT
【求人情報】
- 職種:Web・アプリテストエンジニア(障害者枠)(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:ソフトウェア・アプリ・Webサイトについてテスト実行・バグの報告、テスト以外の庶務業務(マニュアル作成やデータ登録など)
- 給与・年収:2,160,000円~2,400,000円
- 勤務地:東京本社
- 応募資格:Excel:初級レベル(表計算、四則演算)
こちらは株式会社SHIFTが募集しているWeb・アプリテストエンジニアの求人です。 社内で作成されたソフトウェアやアプリが適切に作動するかどうかのテストを担当します。業務は指定された手順書に従って進める形となるため、臨機応変な対応は不要かつ、高い集中力を活かして働くことができます。 株式会社SHIFTの求人はこちらからご覧ください。
マイナビパートナーズ
【求人情報】
- 職種:軽作業・データ入力(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:郵便物の仕分け、名刺や営業資料の印刷、ファイリング作業、データ入力など
- 給与・年収:2,600,000円~3,200,000円
- 勤務地:東京本社
- 応募資格:パソコンの基本操作ができること
こちらは株式会社マイナビパートナーズが募集している軽作業と一般事務それぞれを担当する求人です。 同社はマイナビグループの特例子会社であるため、通常の障害者雇用以上の手厚い配慮を受けることができます。業務内容も比較的容易なものが多く、適時周りからのサポートを受けることも可能です。 株式会社マイナビパートナーズの求人はこちらからご覧ください。
高松建設
【求人情報】
- 職種:一般事務(障害者枠)
- 雇用形態:契約社員(正社員登用あり)
- 業務内容:東京本店にて、各部門における事務業務を担当
- 給与・年収:3,600,000円~4,500,000円
- 勤務地:東京本社
- 応募資格:一般企業での事務のご経験1年程度
こちらは高松建設が募集している一般事務の求人で、オープンポジションでの募集となります。 そのため、これまでの経験やスキル、そして障害内容を踏まえて配属が決定し、自分に適した業務を担当することが可能です。業務内容としては、データ入力や集計、書類作成や分析など、様々な内容となっています。 高松建設株式会社の求人はこちらからご覧ください。
LAVA International
【求人情報】
- 職種:Webデザイナー(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:メインビジュアル制作(ホットヨガ、オンラインヨガ、キャンペーン、イベント、各種企画など)バナー制作(Webサイト用、Web広告用、アプリ用など)ランディングページデザイン
- 給与・年収:5,040,000円〜6,020,000円
- 勤務地:東京本社
- 応募資格 ・Webデザインの実務経験が3年以上ある方 ・プロダクション、もしくはインハウスでの制作経験がある方 ・Adobe Photoshop、XD、Illustratorなどデザインツールの使用経験
こちらは株式会社LAVA Internationalが募集しているWebデザイナーの求人です。 メインビジュアルやバナーの作成など、Webデザイン業務全般を担当します。Webデザイナーとしての経験が求められますが、その分給与も一般枠と同水準高くWebデザイナーとしてキャリアアップを目指す人におすすめの求人です。 株式会社LAVA Internationalの求人はこちらからご覧ください。
発達障害の人は障害者雇用で働ける?
発達障害の人が働く場合、障害者雇用での就労がおすすめです。 障害者雇用は、障害者手帳を所有している人専用の就労方法で、企業側から合理的配慮を受けながら働くことができます。例えば、業務内容や勤務時間の調整、通院休暇の付与など、具体的な内容は企業によって異なりますが、症状に合わせて無理なく働ける環境を用意してもらうことが可能です。 発達障害の場合は、精神障害者保健福祉手帳の取得対象となります。 【発達障害の障害認定基準】
- 1級:精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 2級:精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 3級:精神障害であって、日常生活もしくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活もしくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの
出典:川崎市公式サイト 上記に該当する場合は、障害者手帳の取得対象となり、障害者雇用で働くことが可能となります。自分が上記の基準を満たしているかどうかを確認したい場合は、主治医に相談しましょう。
発達障害の人が向いてる仕事に就職/転職する方法
最後に発達障害の人が向いてる仕事に就職/転職する方法について、具体的に解説します。
体調が不安定な場合は就労移行支援を利用する
体調が不安定ですぐの就労に不安がある場合や、就労経験が少なかったり未経験業界への転職を希望していたりする場合は、就労移行支援の利用がおすすめです。 就労移行支援は、実務で役立つ実践的な業務スキルを学びながら、無理のないスピードで転職活動の支援を受けることができる就労支援施設です。 就労移行支援で学べるスキルや知識は以下の通りです。
- プログラミング
- Excel word
- 軽作業
- CAD設計
- グラフィックデザイン(IllustratorやPhotoshop)
- グループワーク
- ビジネスマナー
就労移行支援でスキルを身につけることで、未経験の職種での就職が可能になる場合があります。学べるスキルは、事業所によって異なるため、自分の希望するキャリアに合った事業所を選ぶようにしましょう。 就労移行支援については、こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。 また、私たち障害者雇用バンクでは、就労移行支援事業所「エラビバ就労支援」を運営しています。関東で就労移行支援事業所をお探しの場合は、ぜひ無料見学にお越しください。
障害者雇用専門の転職エージェントを利用する
体調が安定しており、すぐにでも就労を開始したい人には障害者雇用専門の転職エージェントがおすすめです。 障害者雇用専門の転職エージェントでは、障害者の就業支援に特化したキャリアアドバイザーから、就職活動や転職活動全般の支援を受けることができます。 【転職エージェントの支援内容】
- 求人の紹介
- 面接の練習
- 選考書類の作成サポート
- 就職や転職後の定着支援
転職エージェントの求人紹介では、希望や障害内容に沿った求人の提案だけでなく、場合によっては高待遇の非公開求人を紹介してもらえることもあります。 また、就職後の定着支援も受けることができるため、就職してから職場で困ったことがあった場合にも相談することができ、必要であれば代わりに企業側と話し合ってもらうこともできます。 障害者専門の就職/転職エージェントである障害者雇用バンクは、キャリアアップ重視のハイクラス求人だけでなく特例子会社などの応募ハードルが低い求人も豊富に保有しているため、ご希望に沿った求人の紹介が可能です。 障害者枠で選考を受ける場合、障害者雇用バンクのサポートを受けることで、
- 発達障害の人の入社実績が豊富な企業を優先して紹介してくれる
- 企業側へどのように伝えると好印象を与えられるかを教えてくれる
- 面接後にキャリアアドバイザーからあなたの良さを企業側にプッシュしてくれる
など、希望するキャリアを実現するための徹底した就業サポートを受けることができます。 障害者雇用バンクの就職サポート・転職サポートは、すべて無料でご利用いただけますので、就職や転職を検討している方はぜひ会員登録をしてみてください。
日本最大級の障害者向け求人サイト
「障害者雇用バンク」
数多くある障害者の転職サイトのなかでも、日本最大級の障害者向け求人情報を提供する「障害者雇用バンク」は業界初「人材紹介の求人情報データベースとハローワークの求人データベースの両方の情報の提供」障害者の転職をトータルで支援します。
より積極的に募集される障害者求人情報と、公的機関であるハローワークの求人情報を一つのサイトでまとめて検索することができるだけでなく、カウンセラーとのWeb面談などのサービスも。在宅のままスマートフォン1台で、自分に合った仕事探しが可能です。
無料登録は3分程度で手軽にできるので、まずは登録するところから始めてみてはいかがでしょうか?