遅発性内リンパ水腫の人に向いてる仕事・おすすめ求人3選

遅発性内リンパ水腫は、突発性の難聴に始まり、最終的にはめまいや体のふらつきを引き起こすようになる指定難病です。

難聴とめまい、そして体のふらつきは、どれも仕事や日常生活に大きな影響を与える症状です。今回は、遅発性内リンパ水腫の人に向いてる仕事やおすすめの求人について、具体的に解説します。

遅発性内リンパ水腫とは

まずは遅発性内リンパ水腫について、具体的に解説します。

遅発性内リンパ水腫の概要

遅発性内リンパ水腫は、突発性かつ高度な難聴が発症し、その発症から数年後もしくは数十年後に回転性めまいを繰り返すようになる病気で、指定難病に該当します。

発症原因は特定されていませんが、過去に発症した難聴が長い時間をかけて、内耳に内リンパ水腫を引き起こすことで発症すると考えられています。

また、遺伝性の病気ではないともされています。

出典：難病情報センター

遅発性内リンパ水腫の症状

遅発性内リンパ水腫の症状としては、難聴とめまい、そして体のふらつきが挙げられます。

遅発性内リンパ水腫による難聴では、片耳もしくは両耳に高度感音難聴を引き起こします。 高度感音難聴を発症すると、非常に大きな音でなければ聞きとることができなくなり、日常生活や社会生活に大きな支障をきたします。

もう一つの代表的な症状であるめまいに関しては、体のバランス感覚を担っている器官に内リンパ水腫が発生することで、自分自身や周囲の景色がぐるぐるとまわっているように感じる回転性のめまいが引き起こされます。めまいには、吐き気や嘔吐が伴うことがあります。

めまい発作の後、初期には軽いふらつきにまで回復するものの、めまい発作を繰り返すようになると体のふらつきが持続するようになります。

さらに発作を繰り返して後遺症期になると、高度で持続するふらつきが起こるようにります。ふらつきが発生しているときは、歩行などの動作も難しくなるため、日常生活にも大きな影響が出てしまうようになります。

出典：難病情報センター・Medical Note

遅発性内リンパ水腫の治療法

現状では、遅発性内リンパ水腫を根治する治療法は確立されておらず、治療にはめまい発作を予防するための服薬治療が行われます。

ストレスを抱えている場合や、睡眠不足や不規則な生活を送っている場合にはめまい発作が起こりやすくなるため、ストレス軽減のために、生活環境の改善を同時に実施することが推奨されます。

これらの治療でめまいが改善しない場合は、中耳加圧治療や手術が行われます。

出典：難病情報センター

遅発性内リンパ水腫が仕事に与える影響

難聴の症状がある場合は、口頭でのコミュニケーションがとりづらくなります。そのため、コールセンターなど電話対応が頻発するような職種での就労や、会議や接客などの口頭コミュニケーションを求められる職種は難しくなります。

ふらつきの症状がある場合は、安全性の観点から立ち仕事に従事することは難しくなります。例えば接客業や工場勤務、肉体労働などが挙げられます。

めまいの症状が強い場合は、立ち仕事に影響がでるだけでなく、集中してものを見ることができなくなってしまうため、デスクワークも難しくなる可能性があります。

遅発性内リンパ水腫の人に向いてる仕事

遅発性内リンパ水腫の人に向いてる仕事としては、ふらつきの症状の影響を受けにくいデスクワークが挙げられます。

【職種例】

• 一般事務
• プログラマー・SE
• Webデザイナー
• データ入力
• 動画編集

聴覚に症状がある場合や、めまいの症状が頻発する場合は、電話対応を免除してもらうなどの業務内容の調整や、体調が悪い時に休憩を取ったりするなど、職場側からの配慮が必要になります。そのため、職種だけでなく障害に理解がある企業を選ぶことも重要です。

また、めまいやふらつきの症状がある場合は、毎日の通勤は負担になりやすく危険も伴うため、在宅勤務ができる求人を中心に選ぶのがおすすめです。

遅発性内リンパ水腫の人におすすめの求人3選

NECネッツエスアイ

【求人情報】

• 職種：一般事務（障害者枠）
• 雇用形態：正社員
• 業務内容：データ入力、資料作成、電話対応など
• 給与・年収：3,000,000円～4,000,000円
• 勤務地：東京本社
• 応募資格：パソコンでの文書作成やデータ入力の経験者

こちらは、NECグループのNECネッツエスアイが募集している一般事務の求人です。

業務内容はデータ入力や資料作成など、事務職の実務経験が少ない方でも担当できる内容となっています。電話対応も業務内容に含まれてはいますが、障害者雇用の求人となっているため、電話対応が難しい場合は相談可能になっています。

NECネッツエスアイ株式会社の求人はこちらからご覧ください。

エクスウェア

【求人情報】

• 職種：エンジニア（障害者枠）
• 雇用形態：正社員
• 業務内容：開発、テスト、データベースの設計と最適化
• 給与・年収：4,000,000円～7,000,000円
• 勤務地：東京本社・完全在宅可能
• 応募資格
  ・Javaのフレームワークやツールを活用したJavaでの開発経験が3年以上ある方
  ・MySQL、PostgreSQL、MongoDBなどの設計とクエリ作成の経験のある方

こちらはエクスウェア株式会社が募集しているエンジニアの求人です。

エンジニアとしての経験が一定以上求められる求人ですが、その分キャリアアップが実現できる業務内容となっています。さらに給与も高く設定されており、担当できる業務内容によっては一般雇用と変わらない額の給与を受け取ることもできます。

エクスウェア株式会社の求人はこちらからご覧ください。

LINEヤフー

【求人情報】

• 職種：事務職（障害者枠）
• 雇用形態：正社員
• 業務内容：管理部門での事務業務（障害特性に応じて決定）
• 給与・年収：2,850,000円～4,150,000円
• 勤務地：完全在宅
• 応募資格：基本的なPC操作・事務スキル（Word、Excel、メール、チャットツール等）

こちらはLINEヤフー株式会社が募集している、事務ポジションの求人です。

業務内容は、配属された管理部門での基本的な事務業務となっており、障害内容に応じて担当業務が決定します。

また、完全在宅勤務が可能となっているため、通勤の負担がなくなり、さらに電話対応や口頭でのコミュニケーションを取る必要がありません。聴覚の症状がある方、めまいやふらつきの症状がある方、どちらにもおすすめの求人です。

LINEヤフー株式会社の求人はこちらからご覧ください。

遅発性内リンパ水腫の人は障害者雇用で働ける？

障害者雇用で入社した場合、障害に対する配慮を受けながら働くことができます。配慮の具体的な内容としては、業務内容や勤務時間の調整、通院休暇の付与、体調不良時の休憩などが挙げられます。障害によって受けられる配慮は異なりますが、障害による仕事への影響を最小限にしながら働くことができます。

障害者雇用で働くためには、障害者手帳の取得が必要になります。障害者手帳の取得のためには、遅発性内リンパ水腫によって発症した症状が、障害と認定されることが条件になります。

障害認定の基準は、障害箇所によって異なります。

【例：聴覚障害の認定基準】

• 2級：両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの（両耳全ろう）
• 3級：両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
• 4級：両耳の聴力レベルが80デシベル以上のもの、もしくは両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50パーセント以下のもの
• 6級：両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの、もしくは1側耳の聴力レベルが90デシベル以上、他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの

【例：平衡機能障害の認定基準】

• 3級：平衡機能の極めて著しい障害
• 5級：平衡機能の著しい障害

発現している症状が上記に該当する場合は、障害者手帳の取得対象となります。

障害者手帳の取得は主治医の判断が必要になるため、取得を希望する場合はまず主治医に相談するようにしましょう。

出典：島根県公式サイト

遅発性内リンパ水腫で障害年金を受け取れる？

遅発性内リンパ水腫によって、日常生活や社会生活に影響が出ている場合は、障害年金の受給対象となります。

障害年金は、障害厚生年金と障害基礎年金の二種類に分類されます。そして病状の程度によって1〜3級に分類され、等級が高くなるほど（1級が最上）受給金額も高額になります。

【参考：障害年金における聴覚障害の認定基準】

• 1級：両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
• 2級：両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの。身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
• 3級：両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない状態に減じたもの

【参考：障害年金における平衡機能障害の認定基準】

• 2級：平衡機能に著しい障害を有するもの （※1）
• 3級：神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの（※2）

（※1）…四肢体幹に器質的異常がない場合に、閉眼で起立・立位保持が不能又は開眼で直線を歩行中に 10 メートル以内に転倒あるいは著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ない程度のもの

（※2）…中等度の平衡機能の障害のために労働能力が明らかに半減しているものは、３級と認定判断される。中等度の平衡機能の障害とは、閉眼で起立・立位保持が不安定で、開眼で直線を 10 メートル歩いたとき、多少転倒しそうになったりよろめいたりするがどうにか歩き通す程度のもの

上記の認定基準は、障害者手帳の認定基準と異なるためその点は注意が必要です。また障害年金の受給をするためにも、主治医による診断書が必要になります。

出典：山内社会保険労務士事務所・日本年金機構

遅発性内リンパ水腫の人が向いてる仕事に転職する方法

最後に、遅発性内リンパ水腫の人が向いてる仕事に転職する方法について、2つ解説します。

体調が不安定な人は就労移行支援がおすすめ

一般就労を希望しているものの、体調が不安定ですぐに働くことに不安がある場合は、就労移行支援を利用して就職や転職の準備をすることをおすすめします。

就労移行支援は、事業所が設定したカリキュラムに沿って、一般就労で役立つスキルを身につけながら、就職活動や転職活動に関する支援を受けることができる就労支援施設です。

【就労移行支援で学べる業務スキル】

• プログラミング
• Excel word
• 軽作業
• CAD設計
• グラフィックデザイン（IllustratorやPhotoshop）
• グループワーク
• ビジネスマナー

就労移行支援には支援員が常駐しており、障害や病気に対する理解を受けながらカリキュラムを進めることができます。さらに、最大で2年間通所することができるため、すぐに就職したい人ではなく、時間をかけて準備をしたい人におすすめの就職方法です。

就労移行支援については、こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う？メリットとデメリットも解説！』にて詳しく解説しています。

また、私たち障害者雇用バンクでは、就労移行支援事業所「エラビバ就労支援」を運営しています。関東で就労移行支援事業所をお探しの場合は、ぜひ無料見学にお越しください。

体調が安定している人は転職エージェントがおすすめ

体調が安定しており、すぐにでも就職したい人や、現在働いている職場から転職したい人におすすめの方法です。

転職エージェントでは、就職活動や転職活動に関するサポートを完全無料で受けることができます。

【転職エージェントのサポート内容】

• 求人の提案（非公開求人も含む）
• 面接の練習
• 選考書類の作成サポート
• 就業後の相談対応

転職エージェントでは、面接の練習や選考書類の制作サポートなど、内定を獲得するために必要な支援を受けられます。また、転職エージェントを利用する最大のメリットは、求人の提案を受けられる点です。

転職エージェントでは、求職者の体調や経験、希望条件に合わせた求人を提案してもらえます。また条件に該当する場合のみ、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。

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