ベーチェット病の人に向いてる仕事・おすすめ求人3選
ベーチェット病は、皮膚や粘膜を中心に急性炎症をしてしまう全身性疾患で、指定難病のひとつです。 本記事では、ベーチェット病の人に向いてる仕事について、具体的な求人例を挙げながら解説します。
ベーチェット病とは
ベーチェット病について、詳しく解説します。
ベーチェット病の概要
ベーチェット病は、皮膚や粘膜を中心に急性炎症をしてしまう全身性疾患で、指定難病のひとつです。 人によって様々な症状が現れることが特長で、発症原因は不明とされています。主症状としては、口腔潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状が挙げられ、他にもいくつかの副症状が出る場合もあります。 主症状が全て現れる場合を完全型ベーチェット病、いくつかの主症状と副症状が現れる不完全型ベーチェット病があります。 またベーチェット病の特徴としては、症状が現れている状態とおさまっている状態を長期間(場合によっては10年以上に渡って繰り返すことが挙げられます。 出典:ベーチェットパートナーズ・大阪大学大学院医学系研究科
ベーチェット病の症状
ベーチェット病の症状としては、上記でも触れたように複数の主症状と副症状が挙げられます。 【主症状】
- 口腔潰瘍
- 外陰部潰瘍
- 皮膚症状
- 眼症状
【副症状】
- 関節炎
- 血管病変
- 消化器病変
- 中枢神経病変など
それぞれについて解説します。 出典:ベーチェットパートナーズ
口腔潰瘍
口腔潰瘍では、口唇、頬粘膜、舌、歯肉、口蓋粘膜などに円形の潰瘍が発生します。口内炎のようなものですが、強い痛みを伴うことがあります。 この症状は、ベーチェット病を発病した人のほとんどが発症する症状です。初期症状として現れる頻度が高いこともこの症状の特徴です。症状は数週間で治りますが、何度も繰り返し症状が現れる場合があります。
外陰部潰瘍
外陰部潰瘍では、性器の周囲に痛みがある潰瘍が発生し、場合によっては痕が残ってしまう可能性があります。 こちらも口腔潰瘍と同様に、強い痛みや何度も繰り返し現れることが特徴です。
皮膚症状
皮膚症状では、結節性紅斑、毛嚢炎(毛包炎)様皮疹、血栓性静脈炎といった症状が発生します。こちらも何度も繰り返し症状が現れます。 また、皮膚が過敏になってしまうため、虫刺されや注射、髭剃りといった刺激でも皮膚が赤く腫れてしまうこともあります。
眼症状
眼症状では、眼痛、充血、羞明、霧視といった症状が発現します。 眼部病変として、網膜 絡膜炎を起こすと視力低下をきたします。発作が収まれば視機能はある程度改善しますが、繰り返す発作による障害が蓄積されるとついには失明に至ることがあります。
関節炎
関節炎では、ひじやひざ、足首など大きな関節に痛みや腫れ熱を感じるといった症状が現れます。 関節リウマチと似た症状ですが、関節の変形が見られないことや、指先などの細かい場所には症状が現れない点などに違いがあります。
血管病変
血管病変では、太い血管に炎症が起きることで、血管が閉塞してしまったり、血栓や動脈瘤が発生します。この症状が現れるのは、ベーチェット病を罹患した方の1割程度とされています。 血管病変によって血流が滞ると、臓器に対して様々な症状が現れたり、場合によっては命に関わる可能性があるため、注意が必要な症状です。
消化器病変
消化器病変では、消化管に潰瘍ができることで、腹痛や下痢、血便といった消化管に関する症状が現れます。 潰瘍が深くなり消化管に穴が空いてしまうと、大量出血をおこす危険があります。
中枢神経病変
中枢神経病変では、小脳や脳幹といった中枢神経系に炎症が起きることで、様々な症状が現れます。 中枢神経病変には、急性型と慢性進行型の二つの型があります。 急性型の場合は、発熱や頭痛、意識障害といった症状が現れ、慢性進行型の場合は、認知機能や運動機能に障害が見られるようになります。 出典:ベーチェットパートナーズ・大阪大学大学院医学系研究科
ベーチェット病の治療法
症状が悪化することで後遺症が残ったり、命に関わる事態まで発展してしまう可能性があるため、症状の悪化を防ぐことが重要になります。 ベーチェット病は前述の通り、症状の種類が多く発症するものも人によって違います。そのため、治療方針も個人の病状に合わせて選択されます。 代表的な治療法としては、ステロイドや免疫抑制薬を活用した薬物治療が挙げられます。 出典:ベーチェットパートナーズ・大阪大学大学院医学系研究科
ベーチェット病が仕事に与える影響
ベーチェット病は症状の幅が広いため、症状によって仕事への影響が出る場面は異なります。 例えば、眼症状によって視力が低下している場合は、パソコンの画面が見えづらくなってしまうことによって作業効率が下がる可能性があります。 関節炎の症状がある場合は、関節の痛みがあることで、立ち仕事や力仕事ができなくなることが考えられます。 また、中枢神経病変によって認知機能に障害が生まれている場合は、業務中にケアレスミスを起こしてしまったり、業務を覚えることに必要以上に時間がかかってしまうことが考えられます。 共通する影響としては、症状が現れる時期と落ち着いている時期が繰り返されるため、症状が出た際に安定した勤務ができなくなってしまう点です。 疲労やストレスは免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくなり、感染症にかかると症状の悪化に繋がるため、力仕事や強いストレスがかかるような仕事は避けるようにしましょう。 出典:ベーチェットパートナーズ
ベーチェット病の人に向いてる仕事
ベーチェット病の発病時には、2週間程度をかけて検査や治療を実施するケースが多いですが、その後は多くの場合、通院しながら就労することが可能です。 症状が強く出ていたり、発作頻度が多い場合を除き、ストレスや疲労をできる限り避けながらであれば、デスクワークの仕事は安心して就業することができるでしょう。 【職種例】
- 一般事務
- プログラマー・SE
- Webデザイナー
- 軽作業
- データ入力
一方で、就業後に体調が安定しなくなることも考えられるため、病気への配慮が得られる職場を選ぶことが重要です。 就職活動や転職活動をするときは、職種だけでなく職場環境も条件に入れた上で求人を選ぶことを念頭に置きましょう。
ベーチェット病の人におすすめの求人3選
JCB
【求人情報】
- 職種:オープンポジション(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:配属ポジションによって決定
- 給与・年収:3,200,000円~8,500,000円
- 勤務地:東京本社もしくは、各支社(札幌・仙台・大宮・名古屋・大阪・広島・福岡)
- 応募資格:基本的なパソコンスキル(Excel、Word)をお持ちの方
こちらは株式会社JCBが募集しているオープンポジションの求人です。 オープンポジションでの募集となるため、自分の経験や希望、そして障害内容を踏まえた上で配属が決定されます。 そのため、障害内容に合わせて無理なく働きながら、さらに自分の目指すキャリアの実現を目指せる求人です。 株式会社JCBの求人はこちらからご覧ください。
エクスウェア
【求人情報】
- 職種:エンジニア(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:開発、テスト、データベースの設計と最適化
- 給与・年収4,000,000円~7,000,000円:
- 勤務地:東京本社
- 応募資格 ・Javaのフレームワークやツールを活用したJavaでの開発経験が3年以上ある方 ・MySQL、PostgreSQL、MongoDBなどの設計とクエリ作成の経験のある方
こちらはエクスウェア株式会社が募集しているエンジニアの求人です。 同社ではAI技術を活用したDX案件をはじめとした様々な案件を抱えているため、エンジニアとして幅広い経験を積むことができる募集となっています。 完全在宅が可能なため、出勤に負担を感じている人にもおすすめの求人となっています。 エクスウェア株式会社の求人はこちらからご覧ください。
クオレガ
【求人情報】
- 職種:一般事務(障害者枠)
- 雇用形態:契約社員
- 業務内容:求人作成、履歴書・職務経歴書などのレジュメ作成、データ入力
- 給与・年収:2,340,000円~3,000,000円
- 勤務地:東京本社・完全在宅可能
- 応募資格 ・社会人経験もしくは就労移行支援事業所等への通所経験をお持ちの方 ・PCの基本操作が可能な方(メール、Excel、Word)
こちらは株式会社クオレガが募集しているデータ入力の求人です。 業務内容は、求人データの制作やデータ入力など比較的簡単なものになっており、さらに就労移行支援の通所経験があれば社会人経験がなくても応募できるため、実務経験に自信がない人にもおすすめの求人です。 株式会社クオレガの求人はこちらからご覧ください。
ベーチェット病の人は障害者雇用で働ける?
障害者雇用での就労は、障害に対する合理的配慮を受けながら働くことができるため、体調に不安を抱えている人や配慮を受けながらの就労を希望している人におすすめの働き方です。 障害者雇用で働くためには障害者手帳の取得が必要になりますが、難病によって障害者手帳を取得するためには、難病によって生じている症状が障害であると認定される必要があります。 例えば、運動機能や関節の異常により歩行や手足の動きが正常ではない場合や、視力が著しく低下している場合は身体障害の認定対象となるため、障害者手帳を取得できる可能性があります。 【例:視覚障害の身体障害者手帳の等級表】
等級 | 障害の程度 |
1級 |
|
2級 |
|
3級 |
|
4級 |
|
5級 |
|
6級 |
|
出典:仙台市公式サイト また、認知機能に異常が生じていたり、内臓に障害が発生している場合なども障害として認定される可能性があります。 障害者手帳の取得には主治医の診断書が必要になるため、障害者雇用での就労を希望する場合は主治医に相談することから始めましょう。
ベーチェット病で障害年金を受け取れた事例
ベーチェット病を発症したことで、日常生活や社会生活に影響が出ている場合、障害年金を受給できる可能性があります。 障害年金は、障害厚生年金と障害基礎年金の二種類に分類され、病状の程度によって1~3級に分類されます。障害等級と障害年金の等級は異なる基準で判断されます。 【参考:障害年金における運動障害の認定基準】
- 1級:身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 2級:身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 3級:身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
障害年金を受給するためには、障害者手帳の取得と同様に主治医の診断書が必要になるため、障害年金の取得を希望する場合は主治医に相談するようにしましょう。 出典:社労士事務所ウィル
事例1. 障害厚生年金1級に認定されたケース(30代男性)
こちらのケースでは、突発的に発熱や便秘、複視といった症状が発症するようになり、病状が徐々に悪化してきたため、医療機関で診察を受けるも、3日後には足がもつれて歩けない状態になってしまいました。 すぐに大学病院へ緊急入院したものの、原因は不明のまま。入院中に更に症状は悪化し、最終的には寝たきりの状態になりました。 いくつかの病院を点々とした後、4つ目の病院でベーチェット病であることが判明しました。 ベーチェット病が日常生活に多大な影響を及ぼしていたことで、障害厚生年金1級と認定され、障害年金の受給が決定しました。 出典:京都障害年金相談センター
事例2. 障害厚生年金2級に認定されたケース
こちらのケースでは、多数の口内炎ができるようになり、さらに喉の奥に痛みが出現したことにより耳鼻科を受診したところ、ベーチェット病の可能性があると診断され、大学病院に通院するようになりました。 2年間におよぶ通院の中で、口腔以外にも皮膚や外陰部の症状が強く出るようになり、さらにひどい関節痛があり一人での外出も困難な状態になりました。 皮膚症状や倦怠感が日常生活に大きな影響を及ぼしていたことで、障害厚生年金2級と認定され、障害年金の受給が決定しました。 出典:京都障害年金相談センター
ベーチェット病の人が向いてる仕事に転職する方法
最後に、ベーチェット病の人が向いてる仕事に就職・転職する方法について、2つのパターンに分けて解説します。
体調が不安定な人は就労移行支援がおすすめ
仕事はしたいと思いながらも、体調への不安からすぐに就労することが難しい場合は、就労移行支援を利用して就職・転職の準備を進めるという方法がおすすめです。 就労移行支援では、一般就労に役立つスキルを学びながら、内定を獲得するためのサポートを最大2年間の長期スパンで受けることができます。 就労移行支援を利用する最大のメリットは、PCスキルやプログラミングなど、一般就労で役立つ業務スキルが学べることです。 【就労移行支援で学べる業務スキル】
- プログラミング
- Excel word
- 軽作業
- CAD設計
- グラフィックデザイン(IllustratorやPhotoshop)
- グループワーク
- ビジネスマナー
自分の体調の状況に合わせながら、無理のないペースで就職・転職活動を行いたい方におすすめの方法です。 就労移行支援については、こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。 また、私たち障害者雇用バンクでは、就労移行支援事業所「エラビバ就労支援」を運営しています。関東で就労移行支援事業所をお探しの場合は、ぜひ無料見学にお越しください。
体調が安定している人は転職エージェントがおすすめ
体調が安定しており、すぐにでも仕事を始めたいという場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。 転職エージェントでは、就職活動や転職活動に関する包括的なサポートを受けられます。 【転職エージェントのサポート内容】
- 求人の提案(非公開求人も含む)
- 面接の練習
- 選考書類の作成サポート
- 就職後の相談対応
転職エージェントを利用する最大のメリットは、求人の提案を受けられることです。転職エージェントでは、個人の障害内容や過去の職歴、所有しているスキルなどを踏まえた上で適した求人を紹介してもらえます。 また、条件が該当する場合は、一般には公開されていない非公開求人を提案してもらえる可能性もあります。 転職エージェントと近いサービスにハローワークがあります。転職エージェントとハローワークの違いは以下の通りです。
料金 | 運営方法 | サポート体制 | 求人の数 | 求人の質 | 拠点 | |
ハローワーク | 無料 | 税金で運営 | 担当者ごとにばらつきあり | 多い | 玉石混交 | 全国各地 |
転職エージェント | 無料 | 企業から紹介料を得て運営 | 専門の転職コンサルタントが手厚くサポート | 少ない(ハローワークと比較すると) | 選ばれた求人のみ掲載 | エージェントによる ※Web会議や電話で相談できる場合もある |
転職エージェントを利用すると、最短で1ヶ月以内で内定を獲得できることもあります。できるだけ迅速に就職や転職を目指す場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。
日本最大級の障害者向け求人サイト
「障害者雇用バンク」
数多くある障害者の転職サイトのなかでも、日本最大級の障害者向け求人情報を提供する「障害者雇用バンク」は業界初「人材紹介の求人情報データベースとハローワークの求人データベースの両方の情報の提供」障害者の転職をトータルで支援します。
より積極的に募集される障害者求人情報と、公的機関であるハローワークの求人情報を一つのサイトでまとめて検索することができるだけでなく、カウンセラーとのWeb面談などのサービスも。在宅のままスマートフォン1台で、自分に合った仕事探しが可能です。
無料登録は3分程度で手軽にできるので、まずは登録するところから始めてみてはいかがでしょうか?