パーキンソン病の人に向いてる仕事・実際の求人おすすめ3選
脳の異常により、手足の震えや体の硬直といった身体的な症状を引き起こすパーキンソン病。 今回は、パーキンソン病の概要や、向いてる仕事、おすすめの求人について解説します。
パーキンソン病とは?
まずはパーキンソン病について解説します。
パーキンソン病の概要
パーキンソン病は、脳に異常が起きることで体の硬直や震え、転びやすさなど、運動機能に障害が出る病気で、指定難病に該当します。 一般的には50代以上の人に発症することが多いとされていますが、40代以下でも発症する場合があり、その場合は若年性パーキンソン病と言われます。 パーキンソン病は、症状がゆっくりと進行することが特徴で、以前は10年で寝たきりになるとも言われていました。 しかし、効果的な治療方法が確立されたことで、早い段階から治療を開始したり、リハビリテーションを続けることで症状の進行を遅らせ、発症後も長い間、通常の生活ができるようになってきています。 出典:難病情報センター・日本メジフィジックス株式会社
パーキンソン病の症状
パーキンソン病の代表的な症状は以下の通りです。
- 動作の変化(小さくなる・遅くなる)
- 手足が震える
- 転びやすくなる
- 関節が硬くなる
どれも、体の動きに関わる症状で、進行するほど症状箇所が増えたり、重度になったりします。 【パーキンソン病の症状の経過】
- 1度:片側の手足のみに軽い症状が出る
- 2度:両方の手足に症状が出る
- 3度:歩行や姿勢の維持に影響が出る
- 4度:両側の手足に強い症状が出る。介助が必要な場面が増える
- 5度:立つことができなくなり、車椅子や寝たきりでの生活になる
また、運動機能の症状だけでなく、抑うつや幻覚といった精神的な症状や、睡眠障害、起立性低血圧、立ちくらみといった症状が出ることもあります。 出典:日本メジフィジックス株式会社
パーキンソン病の治療方法
パーキンソン病を完治させるための治療は確立されていないため、薬物療法によって症状の進行を遅らせることが主な治療方法となります。 発症初期は、生活への影響がない場合は、服薬をせずに経過観察をすることもありましたが、パーキンソン病は発症から5年以内が服薬治療の効果がよく出るとされているため、早い段階からの服薬治療が推奨されています。 一定以上重症化すると、服薬治療の効果が出にくくなるため、外科治療やデバイス治療といった選択肢が取られることがあります。 出典:兵庫県難病相談センター
パーキンソン病が仕事に与える影響
パーキンソン病を発症すると、仕事へ影響が出る場合があります。仕事への影響について、実例を用いて解説します。
業務や職種への影響
歩行や手足の震え、動作の変化といった症状が出ることで、接客業などの立ち仕事や肉体労働、運送業といった仕事をすることが難しくなってしまいます。 そのため、基本的にはデスクワークの職種を選ぶ必要がありますが、手の震えが出たり、動作が遅くなったりすると、タイピングや文字を書くことなど、業務スピードに影響が出ることも考えられます。 抑うつや幻覚といった精神的な症状があった場合は、プレッシャーやストレスがかかるような、接客業や管理職といった仕事ができなくなってしまう可能性があります。
通勤への影響
症状が進行すると、歩くときにバランスが取れなくなってしまうため、通勤時に影響が出てしまいます。 駅やホームを歩いてるときに転んでしまったり、電車の揺れによって倒れてしまったりする可能性があります。 また、歩くスピードが遅くなってしまうため、通勤に時間がかかるようにもなります。
パーキンソン病の人に向いてる仕事
パーキンソン病の人に向いてる仕事について、具体的に解説します。
パーキンソン病の人におすすめの職種
パーキンソン病の人は、運動機能に影響が出るため、症状の進行度にもよりますが、基本的にはデスクワークが向いています。 【向いてる職種例】
- 一般事務
- プログラマー・SE
- Webデザイン
- データ入力
- 動画編集
上記のようなデスクワークに該当する職種の中であれば、自由に仕事を選ぶことが可能です。
パーキンソン病の人が働きやすい環境
パーキンソン病の人が快適に働くためには、職場からの理解が必要になります。 デスクワークであれば、業務を行うことはできるものの業務スピードが周りと比べて遅かったり、社内で荷物を運んだりすることができなくなったりすることがありますが、そういったことへの理解がある職場であれば、安心して自分の業務に集中でき、精神的な負担も軽減できます。 パーキンソン病を発症すると、抑うつや睡眠障害など、精神的な症状が出ることも考えられるため、精神的な負担を減らすことも大切です。 また、パーキンソン病の症状は通勤へも影響が出るため、リモートワークができる仕事もおすすめです。 通勤の負担がなくなることで、無駄に体力を使う必要がなくなるため、体調も安定しやすくなります。
パーキンソン病の人におすすめの求人3選
大塚商会
【求人情報】
- 職種:営業事務(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:見積作成業務、メーカー対応、注文書制作など
- 給与・年収:220,000円〜240,900円
- 勤務地:東京本社
- 応募資格:初級レベルのPCスキル
詳細はこちら こちらは大塚商会の営業事務の求人です。 データ調査や資料作成・見積もり作成がメイン業務など、デスクワーク業務を担当することになります。 給与も一般雇用と変わらないレベルで受け取ることができ、事務職としてのキャリアアップが目指せる求人です。 興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。
大正製薬
【求人情報】
- 職種:営業事務(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:薬局等からの受注対応、問い合わせ対応
- 給与・年収:160,000円〜270,000円
- 勤務地:東京本社
- 応募資格:Word、Excel、メールの基本スキルがある方
詳細はこちら こちらは、大正製薬の営業事務の求人です。 こちらの求人も上記で紹介した大塚商会の求人と同様に、営業部内でのデスクワークを担当するポジションになります。 基本的な事務スキルがあれば応募が可能で、月収も自分のスキルや経験に見合った額を受け取れます。 興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。
イトーキ
【求人情報】
- 職種:SE・エンジニア(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:社内SE・インフラ管理業務(経験や希望に合わせて業務内容の詳細を決定)
- 給与・年収:184,000円〜345,700円
- 勤務地:東京本社
- 応募資格 ・エンジニア/プログラミング/エンジニアアシスタント経験 ・パソコン操作(ワード、エクセル)経験
詳細はこちら こちらは、イトーキが募集しているITエンジニア求人です。 業務内容は、既存システムのカスタマイズ・保守、運用や情報セキュリティ対応、サーバ環境構築など、ITエンジニアとして幅広い業務を担当できます。 ITエンジニアとしてのキャリアアップを目指せる求人です。 興味がある方はぜひこちらから応募してみてください。
パーキンソン病の人は障害者雇用で働ける?
パーキンソン病は障害ではなく難病に該当する病気のため、パーキンソン病そのものが障害者手帳の取得対象にはなることはありません。 しかしパーキンソン病により、手足の麻痺や硬直など、身体的な症状により日常生活に影響が出ていると判断される場合、症状の程度によっては身体障害と認定され障害者手帳の取得が可能です。 身体障害に認定されるかどうかについては、主治医の判断に基づくため、障害者手帳の取得や障害者雇用での就労を希望する場合は、主治医に相談しましょう。
パーキンソン病で障害年金を受け取れた事例
パーキンソン病を発症すると、障害年金を受け取れるケースがあります。その事例を紹介します。
事例1. 障害厚生年金2級に認められたケース(40代・女性)
こちらの女性は、薬が効く時間が徐々に短くなってしまっていました。 また、日によって薬が効く時間がバラバラで、薬が切れるとすぐに筋肉が硬直してしまい、1人での外出ができなくなっている状態でした。 それにより障害厚生年金2級と認定され、約130万円を受給することができました。 出典:さいたま・越谷障害年金相談センター
事例2. 障害厚生年金3級に認められたケース(40代・女性)
こちらの女性は、もともと手足の震えがあり、障害者雇用で就労をしていました。 手足の震えが出だした当初は、精神的な理由からくるものと考えていましたが、検査を行ったことでパーキンソン病が原因であると特定されました。 その後、パーキンソン病による日常生活動作の状況や、日常生活における制限を明記して申請したことで、障害厚生年金3級と認定され、年間約85万円を受給することができました。 出典:新宿障害年金相談センター
パーキンソン病の人が向いてる仕事に転職する方法
最後に、パーキンソン病の人が向いてる仕事に転職する方法を解説します。
就労移行支援を利用する
就労移行支援は、難病や障害を持った人を対象とした就労支援サービスで、パーキンソン病の人も利用が可能です。 就労移行支援では、転職活動のサポートを受けながら、企業での就労に役立つ実践的なスキルを学べます。 【就労移行支援で学べるスキルの例】
- プログラミング
- Excel word
- 軽作業
- CAD設計
- グラフィックデザイン(IllustratorやPhotoshop)
- グループワーク
- ビジネスマナー
学べるスキルは事業所ごとに異なり、自分の興味関心に合わせて学ぶスキルを選べます。 就労移行支援については、こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。
転職エージェント・ハローワークを利用する
自分に向いてる仕事に転職するためには、転職エージェントやハローワークの利用もおすすめです。 どちらも無料で転職活動全般のサポートを受けられます。転職エージェントとハローワークの違いとしては、掲載されている求人が挙げられます。 ハローワークは、企業側が無料で求人を掲載できるため、転職エージェントと比較すると非常に多くの求人が掲載されているため、転職先の選択肢が広がります。 ハローワークについては、こちらの記事「ハローワークの障害者求人を紹介!良い求人に出会うコツは?」にて詳しく解説しています。 それに対して、転職エージェントは求人の数は多くはありませんが、エージェント側が精査した求人のみが掲載されているため、質の高い求人が揃っています。
料金 | 運営方法 | サポート体制 | 求人の数 | 求人の質 | 拠点 | |
ハローワーク | 無料 | 税金で運営 | 担当者ごとにばらつきあり | 多い | 玉石混交 | 全国各地 |
転職エージェント | 無料 | 企業から紹介料を得て運営 | 専門の転職コンサルタントが手厚くサポート | 少ない(ハローワークと比較すると) | 選ばれた求人のみ掲載 | エージェントによる ※Web会議や電話で相談できる場合もある |
障害者枠で選考を受ける場合、転職エージェントのサポートを受けることで、
- 企業側へどのように伝えると好印象を与えられるかを教えてくれる
- 面接後にキャリアアドバイザーからあなたの良さを企業側にプッシュしてくれる
- 入社決定後、企業側への障害や病気の説明をしてくれる
ハローワークや転職エージェントは、無料で全てのサービスを利用でき、複雑な手続きも不要なため、おすすめの転職方法です。
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