【2025年最新】障害年金生活者支援給付金とは?受給条件や給付額を解説
 
                    所得の低い障害年金需給者を対象に、障害年金に上乗せする形で給付される障害年金生活者支援給付金。 本記事では、障害年金生活者支援給付金の受給条件や給付額について、具体例を挙げながら解説します。
障害年金生活者支援給付金の概要
 
障害年金生活者支援給付金とは、消費税率の引き上げによる財源を活用し、所得の少ない障害年金受給者の生活を支援するための制度です。 障害年金に「上乗せ」される形で支給され、生活保護に頼らず最低限の生活を維持できるようにすることを目的としています。 なお、同じ仕組みとして、高齢の老齢基礎年金受給者向けの「老齢年金生活者支援給付金」、そして遺族基礎年金受給者向けの「遺族年金生活者支援給付金」もあります。これらを総称して「年金生活者支援給付金」と呼びます。 障害年金生活者支援給付金は、以下すべての条件を満たすことで受給対象となります。 【受給対象の概要】
- 障害基礎年金1級または2級を受給していること
- 前年の所得額が472万1千円以下(扶養親族等に応じて加算あり)
- 日本国内に住所があること
※障害厚生年金3級のみの受給者は対象外 令和7年度(2025年度)の給付額は次の通りです。
| 障害等級 | 月額 | 年額(おおよそ) | 
| 1級 | 6,813円 | 約8.2万円 | 
| 2級 | 5,450円 | 約6.5万円 | 
上記の金額が、障害年金に上乗せして支給されます。 申請には年金生活者支援給付金請求書の提出が必要で、請求月の翌月分から支給されます。障害年金とは別に手続きが必要となるため、支給要件を満たしている場合は早めの手続きがおすすめです。また給付額は毎年度、物価変動に応じて改定されるため注意しましょう。 出典:厚生労働省・NPO法人 障害年金支援ネットワーク
障害年金生活者支援給付金を受け取るためには?
 
続いて、障害年金生活者支援給付金を受け取るための条件について解説します。
障害年金生活者支援給付金の受給条件
前述の通り、障害年金生活者支援給付金を受給するには、下記の条件を全て満たす必要があります。 【受給条件】
- 障害基礎年金1級または2級を受給していること
- 前年の所得額が472万1千円以下であること
- 日本国内に住所があること
障害厚生年金1級・2級を受給している方は、障害基礎年金もあわせて受給しているため給付金の対象となりますが、障害厚生年金3級のみを受給している方は障害基礎年金を受給していないため対象外となります。 前年の所得額については、扶養親族がいる場合は1人につき38万円分、所得額の上限が加算されます。たとえば、扶養親族が1人いる場合は「472万1千円+38万円=510万1千円」が上限所得となり、扶養親族が2人いる場合は「472万1千円+76万円=548万1千円」が上限所得となります。 なお、同一生計配偶者のうち70歳以上の者または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円が加算されます。 出典:厚生労働省・あきる野市・小川早苗社会保険労務士事務所
扶養されている場合も受け取れる?
配偶者の扶養に入っている場合
配偶者の扶養に入っている方でも、障害年金の受給要件を満たしていれば受給可能です。 厚生年金に加入している配偶者の扶養に入る20歳以上60歳未満の方は、「国民年金第3号被保険者」となります。 この場合、自分で保険料を納付していなくても、第3号被保険者期間は保険料納付済期間として扱われるため安心です。
第3号被保険者に該当しないケース
以下のような場合は、第3号被保険者には該当しません。 その場合は「国民年金第1号被保険者」となり、自分で保険料を納付する必要があります。
- 配偶者が厚生年金・共済年金に加入していない
- 配偶者が65歳以上で厚生年金の被保険者でなくなっている
- 親や子など、配偶者以外の人の扶養になっている
障害年金を受け取った後も扶養に入れる?
障害年金を受給した後に扶養に入れるかどうかは、税法上と社会保険上で基準が異なります。 【税法上の基準】 障害年金は非課税所得のため、障害年金だけの収入であれば扶養の範囲内です。 【社会保険上の基準】 障害年金とその他の収入を合わせて年収180万円未満であれば、扶養の範囲内にとどまることができます。 そのため、確認すべき基準は目的によって異なります。 【配偶者の扶養に入れるかどうか(社会保険上)を知りたい場合】 → 障害年金と他の収入を合わせて年収180万円未満であれば扶養に入れます。180万円を超えると、扶養から外れる可能性があります。 【配偶者の税金上の控除対象になれるか(税法上)を知りたい場合】 → 障害年金は非課税所得のため、障害年金だけの収入であれば控除対象(扶養)になります。 したがって、収入が180万円前後の方や、パート・アルバイトなどで給与収入がある方は、勤務先の社会保険担当窓口や年金事務所で「扶養の継続可否」を確認するのがおすすめです。一方、障害年金のみを受給している場合は、基本的に扶養を外れる心配はありません。
扶養から外れた場合の対応
障害年金と他の収入を合わせて180万円を超えると扶養から外れることになります。 その際は、次のような対応が必要です。
- 国民健康保険に加入して保険料を納める
- 国民年金保険料を自分で支払う
ただし、障害年金1級または2級を受給している方は、国民年金保険料が法定免除となります。 申請をすることで保険料の支払いが免除されるため、市区町村の役所や年金事務所の窓口で「国民年金保険料免除申請書」を提出するようにしましょう。 出典:大阪障害年金サポートデスク・さがみ障害年金申請代行・咲くや障害年金相談室・神戸市・明石市障害年金相談・日本年金機構
障害年金生活者支援給付金を受け取れないケース
以下に該当する場合は、障害年金生活者支援給付金の対象外となります。
- 障害厚生年金3級のみを受給している場合(障害基礎年金を併給していない)
- 前年の所得が基準額(472.1万円+扶養加算額)を超える場合
- 海外在住など、日本国内に住所がない場合
- 給付金請求書を期限内に提出していない場合
受給資格を満たしていても、請求手続きを行わない限り自動支給はされません。 毎年の案内ハガキが届いたら、早めに手続きを行いましょう。 出典:厚生労働省「年金生活者支援給付金について」「年金制度の仕組みと考え方」
障害年金生活者支援給付金はいくら受給できる?
 
障害年金生活者支援給付金の金額は、障害等級によって定額で決まっており、令和7年度は障害等級1級で月額6,813円(年額約81,756円)、2級で月額5,450円(年額約65,400円)となっています。この給付金は令和6年度から2.7%引き上げられており、物価変動に応じて毎年度改定されます。 また、給付金額は障害等級のみで決まる定額であり、扶養親族の有無や人数による加算はないため注意しましょう。 給付金は障害年金とは別に支給されるもので、年金と同様に偶数月の15日に前2か月分がまとめて振り込まれます。例えば、障害等級1級の場合、2か月分で13,626円が振り込まれる計算となります。 【令和7年度の給付金額】
| 障害等級 | 月額 | 年額 | 備考 | 
| 1級 | 6,813円 | 81,756円 | 2ヶ月ごとに13,626円支給 | 
| 2級 | 5,450円 | 65,400円 | 2ヶ月ごとに10.900円支給 | 
※支給日は年金と同じく、偶数月の15日に前2か月分が振り込まれる 障害年金生活者支援給付金は、障害年金とは別に手続きが必要となる点に注意が必要です。障害年金の申請時に自動的に支給されるわけではないため、要件を満たしている場合は忘れずに申請手続きをしましょう。 【具体的な受給例】 障害基礎年金1級を受給している方: 年金月額86,635円+給付金月額6,813円=合計月額93,448円 障害基礎年金2級を受給している方: 年金月額69,308円+給付金月額5,450円=合計月額74,758円 障害基礎年金2級+子1人の加算がある方: 年金月額69,308円+子の加算月額19,941円(障害基礎年金の追加分)+給付金月額5,450円=合計月額94,699円 繰り返しになりますが、扶養親族がいても障害年金生活者支援給付金の額に変更はありません。一方で、障害基礎年金本体には子の加算や配偶者加給年金(障害厚生年金の場合)があるため、扶養親族がいる場合は障害年金と給付金を合わせた合計受給額は増えることになります。 出典:厚生労働省・NPO法人障害年金支援ネットワーク・小川早苗社会保険労務士事務所
障害年金生活者支援給付金を受給する手順
 
すでに障害年金を受給している方の場合
毎年9月頃から順次、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書」がはがき型で郵送されます。請求書に氏名などの必要事項を記入し、切手を貼ってポストに投函するだけで手続きが完了します。 請求書には、基礎年金番号またはマイナンバーのいずれかを記入して請求します。 マイナンバーで請求する場合は、窓口でマイナンバーカード(個人番号カード)の提示が必要です。マイナンバーカードを持っていない場合は、個人番号が記載された住民票の写しと、通知カード(氏名・住所などが住民票と一致している場合に限る)の両方を提出する必要があります。 【申請の流れ】
- 1.請求書が日本年金機構から郵送で届く
- 2.必要事項を記入
- 3.切手を貼ってポストに投函
- 4.日本年金機構が審査
- 5.支給決定の場合、振込通知書が送付される
- 6.障害年金と同じ口座に給付金が振り込まれる
【請求書の提出期限に関する注意】 請求書に記載されている指定期日までに提出すれば、支給開始月(10月分)から受給できます。 指定期日を過ぎて提出した場合は、請求月の翌月分からのみ支給となり、支給開始月から請求月までの給付金は受け取れなくなります。 期限を過ぎると数か月分の給付金を受け取れなくなる可能性があるため、請求書が届いたら速やかに提出する必要があります。
これから障害年金を申請する方の場合
障害年金の請求手続きをする際に、「年金請求書」と「年金生活者支援給付金請求書」を同時に提出します。両方の請求書は区役所保険年金課または年金事務所に備えてあるため、窓口で受け取ることができます。 年金の受給権発生から3か月以内に請求すれば、年金と同じ月(受給権発生日の翌月分)から給付金も支給されます。3か月を過ぎた場合は、原則として請求した月の翌月分から支給となります。 【申請の流れ】
- 1.区役所保険年金課または年金事務所で請求書を受け取る
- 2.年金請求書と給付金請求書の両方に必要事項を記入
- 3.窓口に提出(年金請求書と同時)
- 4.日本年金機構が審査
- 5.支給決定の場合、振込通知書が送付される
- 6.障害年金と同じ口座に給付金が振り込まれる
【申請期限に関する注意】 年金の受給権発生から3か月以内に請求すれば、受給権発生日の翌月分から給付金も支給されます。 3か月を過ぎて請求した場合は、請求月の翌月分からのみ支給となり、受給権発生から請求月までの給付金は受け取れなくなります。期日に余裕を持って手続きすることで、初月から給付金を受け取ることができます。 出典:厚生労働省・さいたま市・神戸市・本別町
障害年金生活者支援給付金を受給しながら就職・転職する方法
 
一般就労に不安がある場合には就労継続支援がおすすめ
働いた経験がなかったり、体調が安定していないなどの理由から、一般就労をすることが不安という人には、就労継続支援での就労がおすすめです。 就労継続支援とは、障害者の就労機会を増やすために設立された作業所で、徹底した配慮を受けながらさまざまな業務を経験できます。 就労継続支援には、雇用契約を結ぶA型事業所と結ばないB型事業所の二つがあり、B型の方がより就労のハードルが低く設定されています。 就労継続支援については、こちらの記事「「就労継続支援」とは?A型・B型の違いと手続き方法を解説!」でも詳しく解説しています。
一般就労を目指すなら転職エージェントや就労移行支援の利用がおすすめ
一般就労を目指す場合は、就労移行支援や転職エージェントの利用がおすすめです。どちらも一般就労の支援をしてくれるサービスですが、それぞれで支援内容が異なります。
就労移行支援を利用する
就労移行支援は、就労継続支援とも似ている支援で、就労で役立つさまざまなスキルを学びながら転職/就職活動を行うことができる事業所です。 就労移行支援で学べる業務スキルや知識は以下の通りです。
- プログラミング
- Excel word
- 軽作業
- CAD設計
- グラフィックデザイン(IllustratorやPhotoshop)
- グループワーク
- ビジネスマナー
就労移行支援については、こちらの記事『「就労移行支援」は「就労継続支援」とどう違う?メリットとデメリットも解説!』にて詳しく解説しています。 また、私たち障害者雇用バンクでは、就労移行支援事業所「エラビバ就労支援」を運営しています。関東で就労移行支援事業所をお探しの場合は、ぜひ無料見学にお越しください。
転職エージェントを利用する
一方で転職エージェントは、求人の紹介をはじめとした就職/転職活動全般の支援を受けることができる一般企業が提供するサービスです。 【転職エージェントの支援内容】
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- 求人の紹介
- 面接の練習
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