就労移行支援事業所ではどんなサポートが受けられるの?1つずつ解説!
「就労移行支援」とは、障害を持っている方々が実践的なカリキュラムを通してトレーニングを行いながら、就職するための準備ができる制度です。 就労移行支援事業所では、就労後に企業で活躍するために、さまざまなプログラムが用意されています。どのようなサポートが受けられるのか、この機会に理解を深めてください。
一般型の就労移行支援事業所はどんなことをしている場所?
就労移行支援とは、障害者総合支援法によって定められている障害福祉サービスです。原則2年間、利用することができます。 就労移行支援事業所では、企業等で働く意欲のある障害者に対して、働く上で必要な知識と能力をトレーニングしてくれます。就労移行支援事業所では、大別すると以下4つのプログラムが提供されています。
就労移行支援とは、障害者総合支援法によって定められている障害福祉サービスです。原則2年間、利用することができます。 就労移行支援事業所では、企業等で働く意欲のある障害者に対して、働く上で必要な知識と能力をトレーニングしてくれます。就労移行支援事業所では、大別すると以下4つのプログラムが提供されています。
- 個別支援計画:それぞれの悩みや障害の特性に合わせて、就職までの計画を練る
- 職業訓練:実習を通し、働くために必要な知識やスキルを身につける
- 就職活動支援:企業探しや面接練習など、就職活動で内定をもらうまでをサポート
- 職場定着支援:就職後も継続して就労するためのアフターケア
①個別支援計画:障害の特性に合わせた計画づくり
就労移行支援事業所を訪れる方たちは、ひとりひとり異なる困難を抱えています。働くためのスキルアップも大切ですが、まずは障害の特性に合わせて、職業適性を見極め、自身の課題を克服する必要があります。 そのため、就労移行支援事業所では、最初に障害者就労に詳しい職員と個別面談を行います。それぞれの利用者に合わせて目標設定を行い、希望する就職先に最適な職業訓練プランを立ててくれるのです。その結果、安定した社会生活を送るための基礎を築くことができ、就職活動の際のアピールポイントにもなるでしょう。
②就労を目指すトレーニング:資格習得でスキルアップ!
目標達成のために全面的なサポートをしてくれる就労移行支援事業所は、資格取得にうってつけの場所です。実際に事業所を利用して資格習得に成功した方には、このような事例があります。
- ①精神障害で離職中だった25歳男性、Aさんの場合
精神障害が原因で、昨年12月まで休職し、その後はアルバイトをしていました。しかし、コロナに対する不安感もあり、先を見据えて資格やスキルを身につけようと決意。今年の5月から就労移行支援事業所に通い始め、複数の資格を取得することができました。
- ②精神障害で転職活動中の34歳女性、Bさんの場合
しばらく体調を崩していたが、少し回復してきたので「まずはできることから始めよう」と通所を決意。事業所に通ったことで、また新たな資格を取得することができました。
障害が原因で体調を崩した場合、一定期間経歴書に空白の期間が生まれることに不安を覚える方も少なくないでしょう。だからこそ、社会復帰する際に新しく資格を取得していることは、大きなアピール材料になります。また、資格を取得できたこと自体が自分の自信につながるはずです。
③就労を目指すトレーニング:社会人としての基礎能力を身につけよう
就労移行支援事業所の優れたポイントは、企業で働くまでのサポートをしてくれるだけでなく、企業に入った後に活躍するための基礎能力を身につけられるところにあります。
自己管理能力の向上
就労移行支援事業所で最も大切にしていることは、自己管理能力です。 まず、障害への理解を深めましょう。自分が抱えている障害がどのようなもので、何が出来ないかを理解し、他人に伝えられる必要があります。自分の状態がコントロールできなければ、社会生活の中で働き続けることに困難を感じてしまうからです。 また、健康状態の管理も必要です。企業で働く以上、毎日決められた時間までに出社し、定時刻までは集中し続けなければいけないことがほとんど。勤怠を乱さないよう、毎日規則正しい生活を送る自己管理能力が求められます。 就労移行支援事業所では、基本的な食生活や睡眠はもちろんのこと、服薬のタイミングや副作用との付き合い方なども教えてくれます。事業所によっては、ストレッチやヨガといった体調を整えるプログラムまで用意しています。
職業訓練
就労に必要な自己管理能力トレーニングと並行して、仕事上の能力トレーニングを行います。障害を抱えている方の必要性に応じて多様なカリキュラムが用意されており、事業所によっては漢字等の読み書きや、計算能力の向上、一般常識から教えてくれるカリキュラムが用意されています。 また、これまで社会経験を送ったことのない方には、ビジネスマナーやビジネスコミュニケーションを学ぶためのカリキュラムもあります。 ビジネスマナーでは、挨拶や身だしなみ、電話応対といった、働く上で不可欠な人間関係を築く方法。ビジネスコミュニケーションでは、相手に正しく自分の状況を伝える「報連相」のやり方から、メモ取りの方法、対人関係での感情コントロールといったコミュニケーションスキルを学びます。 もう一つ、パソコンの使い方も学べるのが特徴です。パソコンが使えることは、今や多くの企業で必要とされる基礎能力。文章の作成、データ入力や集計ができることは、ビジネスパーソンとしての評価につながるでしょう。「コンピュータサービス技能評価試験」といった資格取得のための試験対策をしてもらえるのも、嬉しいポイントの1つです。
職場研修(模擬就労)
就労移行支援事業所では、職場研修を想定して、実業務を模倣したロールプレイングを行います。個人の課題やレベルに合わせて、事務作業、商品管理業務、パソコンでのデータ入力といった企業内で働く基本動作を学びます。 ここで一定以上の働きができるようになった方は、実際の企業でインターンのように働く「職場研修」へとステップアップが可能です。これは、利用者にとって以下のメリットがあります。
- 職業理解を深めることができる
- 実際の仕事を行うことで、企業側が合否の参考にする
- 入社してからの業務や社内環境に自分が適しているかを確認する
- やりたい仕事・できる仕事を理解する
- どのような仕事に向いているかの判断材料を集める
実際に企業で働きはじめることは、大きな緊張を伴います。職場に慣れる訓練は、入社後にかかるストレスを軽減し、社会生活の円滑なスタートを切ることに役立ちます。
④就職活動の支援:利用者が内定をもらえるまでサポート
応募企業を探す
就労移行支援事業所では、求職者の適性に合った職場探しをサポートしてくれます。キャリアカウンセリングを行い、各個人が得意な業種や職種、働きやすい職場環境から求人を探すのです。 ハローワーク、障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターと求人情報を共有しており、本人が無理なく働ける職場を提案してくれます。
応募書類・面接対策
就職を希望する企業が決まった後は、応募書類の作成です。履歴書や応募書類の確認を行い、何度も添削を行ってくれます。 書類を提出した後は、面接対策。ロールプレイングを通し、実際の面接に即したアドバイスや確認を本番直前まで繰り返し行ってくれます。面接後にフィードバックをもらえるので、面接を重ねるごとにレベルアップすることが可能です。 また、就労移行支援事業所によっては、本人の要望に応じて、面接本番に職員が同行してくれるケースもあります。「職員が一緒にいる安心感によって、本番でも練習通りの力を出せた」という声が多いようです。障害の特性でうまく伝えられない部分を補足してもらうこともできるので、面接に苦手意識がある人にとっては嬉しいシステムですね。
⑤就職後の定着支援:入社後に困ったら相談に乗ってくれる
就労移行支援では、入社までの動きをサポートするだけでなく、入社後も安定して勤続できるよう、入社後6ヶ月間のフォローもします。仕事上の悩みや、職場の人間関係に不安を抱えている場合は、就労移行支援事業所の職員が定期面談を実施します。 働く上でのアドバイスが受けられるだけでなく、必要であれば企業の環境を調整するよう交渉を行うことも。せっかく就職した利用者が職場に馴染めず離職することを防ぐため、支援を継続します。
就労移行支援には、視覚障害者向けの「養成施設型」サービスもある
ここまでは、「一般型」の就労移行支援事業所で受けられるサポート内容について解説してきました。最後は「養成施設型」で受けられるサポート内容についてご説明します。 養成施設型では、主に視覚に障害を抱える方に向けてサービスを提供しています。目指せる職業は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師で、これらの仕事をするためには国家試験に合格しなければいけません。そのため、就労移行支援として、専門学校や養成施設で専門資格、免許を取得できるカリキュラムを用意しています。 期間は一般型よりも長く、3年、または5年となっています。そのぶん、体の構造や仕組みを学ぶ座学や、治療を中心とした実践的な演習をしっかり受けることができます。
利用すべきか迷ったら、実際に話してみよう
ここまでで解説してきたように、就労移行支援事業所ではさまざまな支援が用意されています。 就労移行支援事業所を利用するには費用がかかることがあり、期間も1年以上にわたることがあるため、なかなか最初の一歩を踏み出せない方も多いかもしれません。 しかし、各事業所には独自にカリキュラムをつくる裁量が与えられています。障害者就労に詳しい職員が、何百人もの障害者を支援した経験をもとに、快適な社会人生活を送るために本当に必要なことを考えてカリキュラムを組み立てているのです。 利用を迷っている方は、実際に事業所の方と話してみることで、現場で教える職員の熱意や、どんなことを考えているかが伝わるはずです。検討材料として、試しに一度お問い合わせしてみることをオススメします。
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