就労移行支援の利用料金はいくら?対象者や利用期間など、利用条件を解説!
「就労移行支援」とは、障害を持っている方々が一般企業に就労する前のトレーニングとして、就労移行支援事業所で働くことができるシステムです。 今回は、利用料金や期間など、就労移行支援の詳細な利用条件について説明します。
就労移行支援の利用対象者:障害、もしくは難病をお持ちの方
就労移行支援はとても便利なサービスですが、誰でも利用できるわけではありません。以下の3つ全てを満たしている方が、利用対象者となります。
- 精神障害、知的障害、身体障害、発達障害、高次脳機能障害、対象難病のいずれかをお持ちの方
- 一般企業などで就労を希望しており、就労可能であると見込まれる方
- 原則18歳以上、65歳以下の方
就労移行支援の利用対象となる「障害」は、必ずしも障害者手帳によって定義づけられるものではありません。医師や自治体に「今すぐ就職することが困難」と判断された方は、障害者手帳を持っていなくてもサービスを利用することが可能です。 事業所は行政の認可の下、全国に3000ヶ所以上展開しており、障害ごとに異なるカリキュラムを提供しています。 たとえば発達障害の特性を活かしたIT・WEB専門職者を養成する事業所のように、特定の障害に特化した事業所もあります。就労移行支援の価値を最大化するために、まずは自分に合った事業所を見つけるところから始めましょう。 「対象難病」は、障害者総合支援法によって厚生労働省に指定された病気が該当します。詳しくはこちらにてご確認ください。
就労移行支援事業所の利用料金:前年度の所得金額に応じて変動
次に、気になる就労移行支援事業所の料金についてです。実際に就労移行支援事業所を利用している方の9割は無料で利用していますが、前年度の所得額に応じて一部を負担しなくてはいけない場合もあります。 料金は利用期間によって異なりますが、合計料金に関わらず、一月あたりの負担上限額は決まっています。下の表の通り、所得額によって4つの区分に分かれており、年収300万円以上の方は、それぞれ最大9,300円、37,200円を払わなくてはいけません。
なお、所得の判断基準は以下に基づきます。
- 18歳以上の障害者(施設に入所する18歳、19歳を除く):利用者本人の所得。配偶者がいる場合は、利用者と配偶者の合計所得。
- 障害児(施設に入所する18歳、19歳を含む):保護者の属する基本住民台帳での世帯
配偶者がいる場合は、本人と配偶者の合計所得が基準になる点にご留意ください。
就労移行支援の利用期間:原則2年だが、1年の延長が可能な場合も
次に、就労移行支援の利用期間について説明します。 就労移行支援を利用できる最長期間は、原則2年です。ただし、2年間のうちに就職できなかった方は、市町村の審査会にて許可が降りた場合のみ、1年間延長することができます。この場合、「延長をすれば就労が見込めるかどうか」がポイントであり、延長しても就労が見込めない場合、就労継続支援の利用を推奨されることもあります。 また、「過去に就労移行支援を利用して一旦就職したものの、離職をしたので再度就労移行支援を利用したい」という方もいるでしょう。この場合、初回利用と合計して2年以内であれば基本的には再利用も可能ですが、お住まいの市町村によって判断が異なります。 就労移行支援事業所の変更を希望する場合も同様で、変更回数の制限はありませんが、各事業所での利用期間の合計が2年以内に収まることが原則です。
事業所に通うペースは週2日〜週5日
事業所に通うペースには特に規定があるわけではないものの、基本的に週5日を目指す方が多いです。就労移行支援は、「一般企業等での就労」をゴールにおいたサービスなので、どのみち就職後は週5日出社しなくてはいけない場合がほとんど。長い時間をかけて、就職後の生活習慣を身につけるのです。 とはいえ外出が苦手な方もいると思うので、まずは週2日や週3日から初めてもOKです。詳細に関しては、最初に就職までのスケジュールを立てる際、事業所のスタッフと相談をしてください。
就労移行支援のアフターケア:半年間の就労定着支援も!
就労移行支援事業所ではどんなサポートが受けられるの?1つずつ解説!で解説しているように、就労移行支援には、就職後半年間の「就労定着支援」が含まれています。就労移行支援を通して就職した利用者が新たな職場に馴染むまでの、アフターケアサービスです。 各事業所の担当者と月に一回以上のペースで面談をし、現在の職場環境や人間環境に関するお悩みを相談することができます。 さらに2018年の4月には、就労移行支援の中に含まれているものとは別の独立したサービスとして、「就労定着支援」が成立しました。この独立した就労定着支援では、半年間のサポートとは別に、3年間を上限に就労におけるサポートを受けることができます。 サービスを受ける先の施設は、それまで就労移行支援を受けていた事業所でも、別の事業所でもかまいません。ただし、比較的新しい制度なので、まだサービスを取り入れていない事業所も多いです。詳細に関しては、各事業所のサイトや、自治体に問い合わせてください。
「就労定着支援」の料金体系
「就労定着支援」は就労移行支援と同様に、就労移行支援と同様に前年度の所得額によって、1割の自己負担が発生する場合があります。こちらもお住まいの市町村によって異なるので、詳しくは自治体にお聞きください。 以上が、就労移行支援の利用条件です。就労移行支援はサービスの対象者も幅広く、低料金で利用できるため、どなたでも利用しやすいのが特徴です。
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