障害者雇用の不安は、職業訓練で取り除こう
就職活動に自信を持てない障害者の方には職業訓練がおすすめです。
職業訓練では、就職の武器になる様々なスキルを身に付けることができます。
また、職業訓練には障害者専用の講座もあるので安心して受講できます。
就職活動の幅を広げるために、職業訓練も選択肢の1つとして考えてみましょう。
職業訓練について理解しよう
職業訓練とは、求職者を対象とした働く上で必要なスキルを学ぶことができる講座を受講可能なシステムです。
受講できる科目は簿記や医療事務、プログラミングなど多岐に渡ります。
職業訓練は厚生労働省主導で実施されており、都道府県が運営する公共職業訓練と、業務委託を受けた民間機関が運営する求職者支援訓練に分類されます。
また、障害者を対象とした職業訓練は、都道府県、民間機関の双方でも開催されています。
職業訓練は、ただ単にスキルを学ぶことができるだけではありません。
職業訓練の最終目標は、内定を獲得することです。
そのため、カリキュラムにビジネスマナーやスピーチの練習などが組み込まれている場合もあります。
また、職業訓練校には就職支援担当者が常駐していることもあります。
履歴書の書き方や面接での受け答えなどを知る機会になるので、積極的に相談してみてください。
職業訓練の講座をすべて履修し終えると、それぞれのスキルや経歴に合った就職先を、ハローワークの方から紹介してもらえます。
病気などの特別な事情がない場合は途中退校しないように気をつけてください。
職業訓練では、どんな理由があっても、出席率が8割を下回った時点で強制退校が決まります。
職業訓練を途中退校した場合、その後1年間は別の職業訓練を受講できなくなるため注意が必要です。
職業訓練は無料で受講できる?
職業訓練の大きな特徴として、基本的に受講料が必要ないという点が挙げられます。
講座で使用するテキストは実費で購入する必要がありますが、入学金や受講料は必要ないため、求職中で金銭的に余裕がないという方でも安心して受講できます。
また、以下の条件を満たすことで月額10万円の手当を受け取ることができます。
※ただし、その他条件もございますのでハローワークへご相談ください
- ハローワークに求職の申し込みをしていること
- 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者ではないこと
- 労働の意思と能力があること
- 職業訓練などの支援が必要と認められた場合
参考サイト:厚生労働省
自分が対象者か確認したい場合は、ハローワークの窓口にてお問い合わせください。
また交通費は、職業訓練を受講している全員を対象に支給されます。
職業訓練は障害者にも必要?
職業訓練は障害者の方にもおすすめです。
中途採用の場合、仕事に活かせるスキルを持っていると就職の幅が広がります。
特に、就業経験がない方や前職と異なる職種への転職を希望されている方はの場合、職業訓練がおすすめです。
また精神障害や発達障害をお持ちの方の中には、人と接するのが苦手な方や集団生活に慣れていない方もいるでしょう。
職業訓練では、集団の中で講座を受けたり、レクリエーションを通じて他人と交流を持つ機会が多々あります。
実際に企業で働く前に、集団生活の練習ができるのも職業訓練の大切なメリットです。
職業訓練の種類
それぞれの職業訓練で受講できる講座内容は大きな違いはありせんが、受講可能条件が異なるため注意が必要です。
公共職業訓練公共職業訓練では、離職者向け、学卒者向け、在職者向けの3つのコースに分かれています。
離職者向けのコースは、ハローワークに求職申し込みをしていることが受講条件となっています。
期間は3ヶ月から1年となっており、テキスト代以外の受講料は無料。
また、雇用保険受給対象者の場合、給付金がすぐに受け取れることに加え、給付期間が受講終了まで延長されます。
学卒者向けコースの受講期間は1〜2年間、在職者向けコースは2日〜6ヶ月間となっています。
しかし、こちらの2つのコースは受講料が有料となっているため、受講を希望する際は修了までに要する金額を事前に確認しておくようにしましょう。
求職者支援訓練は、雇用保険を受給できない求職者を対象にした職業訓練のこと。
先ほど記載した4つの条件を満たすことで、毎月10万円の手当を受けながら職業訓練を受講可能です。
また、受講料が無料なため金銭的な負担無くスキルを身に付けることができます。
障害者向け職業訓練は、障害を持った方を対象とした職業訓練です。
障害の種類によって受講可能な講座が異なる場合もありますが、基本的に健常者の方と同様に自分に必要なスキルを身に付けることが可能です。
また、知的障害者の方や重度の視覚障害者の方を対象とした専用のコースもあります。
障害者向けの職業訓練の場合、受講料に加えテキストも無料で配布されるため、金銭的な負担は全くありません。
もちろん、条件を満たしていれば10万円の手当を受け取ることも可能なのでハローワークの窓口でご相談ください。
職業訓練を受講するまでの流れ
職業訓練は、それぞれの講座の開講時期や定員が決まっています。 そのため、希望したら誰でもすぐに受講できるわけではありません。
ハローワークに相談する
障害者向け職業訓練を受講する場合、まずはハローワークの窓口に「職業訓練を受講したい旨」を伝えましょう。
この際に、自分が希望している職種や業界についての相談をすると、おすすめの講座などについても教えてもらえます。
また、他にも不安な点や気になる点がある場合はその場ですぐに相談しましょう。
受講したいコースが決まったら、説明会に参加しましょう。
説明会に参加することで、実際にどういったカリキュラムが組まれているのかや講座の進め方について、自分の目で確かめることができます。
職業訓練は1つの講座を受講した場合、自分に合わないからといってやめて他の講座を受講する、ということは簡単にはできません。
そのため、事前に「本当にその講座を受けるべきなのか」をしっかりと考えるようにしましょう。
説明会に参加して問題ないと判断したら必要書類を用意して申し込みましょう。
申し込みに必要な書類は以下の通りです。
- 受講申込書
- 証明写真(4×3cm)
- 雇用保険受給資格者証(必要な方)
受講申込書は、ハローワークで配布される職業訓練のパンフレットに付属している場合と、ハローワークで受け取る場合があります。
また雇用保険受給資格者証は、公共職業訓練を受講される場合に必要になる書類です。
先ほども書いた通り、職業訓練は希望すれば誰でも受講できるものではなく、選考を通過する必要があります。
選考の内容は受講するコースによって異なり、書類選考のみの場合や面接、筆記試験まで行う場合もあります。
特に面接を受ける場合は、どうしてその講座を受講したいのかなどといった点についてスムーズに応えられるように準備をしておきましょう。
選考を通過した場合は速やかにハローワークに手続きに行きましょう。
期限を過ぎてしまうと合格取り消しになる場合もあるので注意が必要です。
受講できる講座を紹介
最後に、職業訓練で受講することができる講座を紹介します。
まず健常者向けの講座には以下のようなものがあります。
- パソコン(Ward・excel)
- プログラミング
- 医療事務
- 宅建
- WEB制作
- 介護
次に障害者向けの講座を紹介します。
- 経理事務
- OA事務
- 建築設計
- DTP・WEB技術
- 機械製図
- 職業実務(知的障害者向け)
ここで紹介している講座以外にも多数の講座が開講されていますので、自分が希望する職種に活かすことができる講座を探してみてください。
満足いく就職のために
職業訓練は、就職に必ずしも必要なものではありません。
自分の選択肢を広げる1つの手段として考えてみてください。
もちろん、ただ通うことが目的ではありません。
そこで身につけたスキルを武器に、希望する企業に内定をもらうことが職業訓練の最終目標です。
明確な目標を持って講座を受けるようにしましょう。
また、職業訓練中に就職することも可能です。
その場合は途中退校になりますが、就職という正式な理由があるので心配はいりません。
求人情報は常に更新されていますので、職業訓練中も確認を忘れないようにしましょう。
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