大人の発達障害に向いてる仕事はコレ!特性別の選び方・実際の求人おすすめ3選も紹介

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大人の発達障害がある人でも、自分の特性に合った職種と職場環境を選べば、無理なく働ける選択肢があります。

大人の発達障害がある人に向いてる職種としては、以下のようなものが挙げられます。

・事務職(データ入力・書類整理など)
・IT系職種(プログラマー・テスターなど)
・軽作業(ピッキング・検品・梱包など)
・製造業のライン作業
・清掃・バックヤード業務

大切なのは、自分の特性を正しく理解したうえで、特性に合った職種と職場環境を選ぶことです。

この記事では、大人の発達障害がある人に向いてる仕事の特徴と具体的な職種、特性別の仕事の選び方、仕事を長く続けるためのコツ、利用できる就労支援、おすすめの求人について詳しく解説します。

大人の発達障害がある人に向いてる仕事は?結論から解説

発達障害がある人に向いてる仕事は、業務手順が明確で、自分のペースで進められる仕事です。

具体的には、以下のような職種が挙げられます。

これらはいずれも、対人面や臨機応変な対応の負担が少なく、決まった手順に沿って取り組める点が共通しています。

反対に、臨機応変な判断や複数業務の同時進行、不特定多数とのコミュニケーションが業務の中心となる仕事は、発達障害の特性と相性が悪く、長期的な就労が難しくなりやすい傾向があります。

ただし、発達障害はADHD・ASD・LDなど、特性のあらわれ方が一人ひとり異なります。そのため、自分にどの特性が強く出ているかを理解したうえで仕事を選ぶことが大切です。

仕事を見極める際は、次の3つが判断の基準になります。

これらを満たす仕事であれば、特性による負担を抑えながら、安定して働き続けやすくなります。

大人の発達障害とは

大人の発達障害の概要

発達障害とは、生まれつきの脳機能の特性によって、行動やコミュニケーション、注意、学習などに困難があらわれる障害です。

子どもの頃から特性があっても、周囲のサポートや環境によって目立たず、大人になってから仕事や人間関係のつまずきをきっかけに気づくケースもあります。

発達障害は、本人のやる気や努力不足、育て方によって生じるものではありません。特性のあらわれ方は人によって異なるため、自分にどのような得意・不得意があるのかを理解することが大切です。

出典:国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害とは」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

発達障害の主な種類

発達障害は、大きくADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、LD(学習障害)の3つに分類されます。

【発達障害の種類】

種類 主な特徴 仕事で困りやすい場面
ADHD
(注意欠如・多動症)
不注意・多動性・ 衝動性があらわれやすい ケアレスミス/忘れ物/遅刻/ スケジュール管理/優先順位づけ
ASD
(自閉スペクトラム症)
対人関係やコミュニケーション、こだわり、感覚過敏などの特性がある 曖昧な指示/急な予定変更/ 暗黙のルール/対人調整
LD
(学習障害)
読む・書く・計算するなど、 特定の能力に困難がある 書類作成/長文読解/数値管理/計算業務

発達障害は、どれか一つの特性だけがあらわれるとは限りません。ADHDとASD、ADHDとLDのように、複数の特性が重なってあらわれることもあります。

そのため、仕事を選ぶときは診断名だけで判断するのではなく、「どの業務で困りやすいか」「どのような環境なら働きやすいか」を具体的に整理することが重要です。

大人になってから発達障害に気づくケース

発達障害は生まれつきの脳の特性であり、大人になってから新たに発症するものではありません。

子どもの頃は特性が目立たなかったり、家庭や学校で周囲のフォローを受けられたりして、発達障害と気づかれないまま成長することがあります。

しかし社会に出ると、複雑な人間関係や、相手の意図を読み取る・複数の業務を計画的に進めるといった社会性が求められ、潜在的な特性による困りごとが表面化しやすくなります。

具体的には、以下のような場面で困難を感じ、発達障害に気づくことがあります。

こうした困りごとが続いてストレスが蓄積すると、抑うつ状態やパニックなどの二次的な不調があらわれるおそれがあります。

気になる場合は、早めに専門の医療機関や相談窓口に相談することが大切です。

出典:政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

種類ごとの障害特性

ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDは、注意を持続することの難しさ(不注意)や、年齢・発達に見合わない多動性・衝動性を特徴とする発達障害です。

不注意と多動性・衝動性の両方があらわれる場合と、どちらか一方が強くあらわれる場合があります。

ADHDでは、以下のような場面でつまずきやすい傾向があります。

これらは、業務の正確さや時間管理が求められる場面で表面化しやすいといえます。

一方で、以下のような特性は仕事で活かせる強みとなります。

自分の興味や関心に合った分野であれば、これらの強みを発揮しやすくなります。

出典:国立障害者リハビリテーションセンター「https://www.rehab.go.jp/ddis/understand/definition/」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

ASD(自閉スペクトラム症)

ASDは、対人関係やコミュニケーションの難しさと、特定のものへの強いこだわりや、限定的で反復的な行動を特徴とする発達障害です。

かつて自閉症やアスペルガー症候群などと分けて呼ばれていた症状が、現在は連続している(スペクトラム)ものとして捉えられています。

大人のASDでは、以下のような場面でつまずきやすい傾向があります。

これらは、対人関係や柔軟な対応が求められる場面で表面化しやすいといえます。また、音や匂いなどの感覚の過敏さを持ち合わせている場合もあります。

一方で、以下のような特性は仕事で活かせる強みとなります。

手順が明確で正確さが求められる仕事では、これらの強みを発揮しやすくなります。

出典:国立障害者リハビリテーションセンター「各障害の定義」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

LD(学習障害)

LDは、全般的な知的発達に遅れはないものの、読む・書く・計算するなど特定の能力の習得や使用に著しい困難が生じる発達障害です。

医学的には限局性学習症と呼ばれ、困難があらわれる領域によって、以下の3つに分類されます。

どの領域に困難が出るかは人によって異なり、複数の領域に重なってあらわれることもあります。

知的発達に遅れがないため学習面の困難が見過ごされやすく、本人の努力不足と誤解されてしまうこともあります。

なお、ADHDの約4割にLDが併存するとされており、複数の特性が重なってあらわれることも少なくありません。

出典:国立障害者リハビリテーションセンター「各障害の定義」・一般社団法人小児心身医学会「限局性学習症

大人の発達障害が仕事に与える影響

ADHDが仕事に与える影響

ADHDの不注意の特性により、職場では不注意によるミスが多発する、一つのことに集中して取り組み続けられないといった困難が生じやすくなります。

また、多動性・衝動性の特性によって、仕事を順序立てて進められない、思いついたことを後先考えずに行動してしまうといった困難が生じることもあります。

具体的には、以下のような場面でつまずきやすい傾向があります。

【ADHDの特性でつまずきやすいこと】

これらは、正確さや段取り、時間管理が求められる業務で特に表面化しやすいといえます。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

ASDが仕事に与える影響

ASDの対人コミュニケーションの特性により、上司や同僚への接し方がわからない、質問のタイミングがつかめない、暗黙のルールに混乱するといった困難が生じやすくなります。

また、こだわりの強さや変化への抵抗の特性によって、複数の業務を担当すると優先順位がわからなくなる、予定の変更があると強い不安を感じるといった困難が生じることもあります。

具体的には、以下のような場面でつまずきやすい傾向があります。

【ASDの特性でつまずきやすいこと】

また、音や光、匂いなどへの感覚の過敏さによって、特定の環境で集中しづらくなることもあります。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

LDが仕事に与える影響

LDは全般的な知的発達の遅れがないにもかかわらず、読み・書き・計算など特定の能力に困難が生じるため、その能力を使う業務で困難があらわれやすくなります。

具体的には、以下のような場面でつまずきやすい傾向があります。

【LDの特性でつまずきやすいこと】

知的発達に遅れがないために困難が見過ごされ、努力不足と誤解されやすい点も、本人の負担につながりやすい部分です。

どの能力に困難があるかは人によって異なるため、苦手な作業が業務の中心とならない仕事を選ぶことが、負担の軽減につながります。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

大人の発達障害の特性別に見る仕事の選び方

発達障害がある人に向いてる仕事は、ADHD・ASD・LDなど、どの特性が強く出ているかによって異なります。

ここでは、特性別に仕事を選ぶときの考え方を整理します。

変化があり、短いサイクルで成果が見える仕事が向いています。単調すぎる作業よりも、動きや裁量がある仕事も候補になります。

手順やルールが明確で、一人で集中しやすい仕事が向いています。曖昧な指示や急な変更が少ない職場を選ぶと、働きやすくなります。

読み書きや計算の負担が少なく、ツールや補助を使いやすい仕事が向いています。苦手な作業が業務の中心にならない職場を選ぶことが大切です。

このように、同じ発達障害でも向いてる仕事は人によって異なります。

職種名だけで判断せず、自分の得意なこと・苦手なことに合った仕事内容や職場環境を選びましょう。

大人の発達障害がある人に向いてる仕事

発達障害がある人に向いてる仕事は、業務手順が明確で対人面の負担が少なく、自分のペースで進められる仕事です。

ただし、同じ職種でも職場環境によって働きやすさは変わります。仕事内容だけでなく、自分の特性に合った配慮を受けられる職場かどうかを見極めることが大切です。

働きやすい職場を選ぶポイント

発達障害がある人が長く働き続けるためには、求人選びや面接の段階で、自分の特性に合った配慮を受けられる職場かどうかを見極めることが大切です。

求人や面接の際は、以下のような点を確認しておくとよいでしょう。

仕事選びの観点 確認したい内容 関連しやすい特性
業務手順 マニュアルやチェックリストがあり、作業の流れが明確か 主にASD
指示の出方 口頭だけでなく、文章・チャット・図表などで確認できるか ASD・LD
業務量 一度に複数の業務を任されすぎないか 主にADHD
優先順位 何から取り組むべきか、上司や担当者に確認しやすいか ADHD・ASD
対人対応 接客・電話・社内外の調整が多すぎないか 主にASD
職場環境 音・光・においなど感覚面の負担が大きすぎないか 主にASD
読み書き・計算 書類作成、長文読解、数値管理などの負担が大きすぎないか 主にLD
相談環境 困ったときに質問・相談できる担当者がいるか ADHD・ASD・LD
勤務形態 在宅勤務・時差出勤・短時間勤務などを選べるか ADHD・ASD

これらの配慮が整っている職場であれば、特性による困難を抑えながら、安定して働き続けやすくなります。

あわせて、働く前に自分の特性を整理し、得意なこと・苦手なこと・配慮してほしいことを職場に伝えられるよう準備しておくことも重要です。

厚生労働省は、働くうえでの自分の特徴や希望する配慮を整理し、面接時や就職後に職場へ伝えるための情報共有ツールとして、就労パスポートを提供しています。

こうした準備をしておくことで、面接や入社後に配慮を求めやすくなり、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!」・厚生労働省「就労パスポート 活用の手引き

発達障害の人に向いてる職種

事務職(データ入力・書類整理など)

データ入力や書類整理などの事務作業は、作業手順が定型化されており、一度覚えれば自分のペースで進めやすい仕事です。

担当範囲や手順が明確で、臨機応変な判断や複数業務の同時進行を求められる場面が少ないため、優先順位づけや変化への対応に苦手さがある特性とも相性がよいといえます。

ただし、電話対応や来客対応が中心の事務、複数の依頼を同時に処理する事務は、対人対応やマルチタスクの負担が大きくなりやすいため、定型的な作業が中心の事務を選ぶことがポイントです。

定型化されたルーティンワークは、決められたルールを守ることや、一つの作業にコツコツ取り組むことが得意なASDの人と相性がよい仕事です。

電話対応や来客対応が少ない業務であれば、対人関係や臨機応変な対応による負担を抑えながら働きやすくなるでしょう。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害

IT系職種(プログラマー・テスターなど)

プログラミングや、テスター(動作確認・バグ報告)などのIT系職種は、仕様書や手順書に沿って一人で進める作業が中心で、対人接触が少ない仕事です。

興味のある分野に高い集中力を発揮する特性や、細部まで正確に取り組む特性を活かしやすく、やり取りがチャットやメール中心の職場であれば、対人面の負担も抑えやすくなります。

ただし、チームでの密な連携や、仕様変更への即応が求められる工程は負担が大きくなりやすいため、担当範囲が明確な作業を選ぶとよいでしょう。

プログラミングやテスト業務などのIT系職種は、興味のある分野に集中して取り組みやすいADHDの人と相性がよい仕事です。

また、仕様書や手順書に沿って進める業務であれば、作業内容や判断基準が明確になりやすいため、曖昧な指示が苦手なASDの人も働きやすい傾向があります。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

軽作業

倉庫内のピッキングや梱包、検品、仕分けなどの軽作業は、作業手順がシンプルでマニュアル化されていることが多く、一度覚えれば安定して取り組める仕事です。

業務中に複雑な判断や臨機応変な対応を求められる場面が少なく、一人で黙々と進められるため、対人面や変化への対応に苦手さがある特性とも相性がよいといえます。

ライン作業のように前後の人とのペース合わせが常に必要な作業よりも、自分のペースで進められる独立した作業を選ぶと、負担を抑えやすくなります。

ピッキングや梱包、検品などの軽作業は、作業手順がシンプルで、一人で黙々と進めやすい仕事です。対人対応や臨機応変な判断が少ない職場であれば、ASDの人の負担を抑えやすくなります。

また、複雑な読み書きや計算を伴わない業務であれば、LDの人も取り組みやすい傾向があります。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害

製造業のライン作業

製造業のライン作業は、決まった手順で同じ作業を繰り返す業務が中心で、作業内容が視覚的に理解しやすくマニュアル化されています。

抽象的な判断や複数業務の同時進行を求められる場面が少なく、手順が定型化された仕事を得意とする特性を活かしやすい仕事です。

ただし、前後の工程とのペース合わせや生産ノルマのプレッシャーが強い現場は負担が大きくなりやすいため、単一の工程を担当でき、作業ペースに無理のない職場を選ぶことが大切です。

製造業のライン作業は、決まった手順に沿って同じ作業を繰り返すことが多い仕事です。作業内容やルールが明確な職場であれば、一つの作業に集中して取り組むことが得意なASDの人と相性がよいでしょう。

ただし、作業スピードや周囲とのペース合わせが負担になる場合もあるため、無理のない工程を担当できるか確認することが大切です。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害

清掃・バックヤード業務

オフィスや商業施設の清掃、店舗の品出しや在庫管理、倉庫内のバックヤード業務などは、顧客対応がほとんど発生せず、担当エリアや作業内容が明確に決められています。

自分の担当範囲で黙々と作業を進められ、対人対応や臨機応変な判断を求められる場面が少ないため、対人面に苦手さがある特性とも相性がよいといえます。

特に、関係者以外が立ち入らないエリアや、人の少ない時間帯での作業であれば、対人面の負担をさらに抑えられます。

清掃・バックヤード業務は、担当する範囲や作業内容が明確で、顧客対応が少ない仕事です。人間関係や予想外の対応に負担を感じやすいASDの人でも、自分のペースで作業しやすい傾向があります。

また、適度に体を動かしながら働けるため、長時間のデスクワークが苦手なADHDの人にも向いている可能性があります。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害

大人の発達障害がある人が仕事を長く続けるためのコツ

障害を開示して配慮を受けられる環境を選ぶ

発達障害がある人が長く働き続けるためには、障害を開示し、職場の理解を得ながら配慮を受けられる環境で働くことが有効です。

障害を開示して働く(オープン就労)と、業務量や手順の調整、指示の出し方の工夫、通院への配慮など、特性に応じた配慮を継続的に受けやすくなります。

開示する際は、自分の特性のうち何が苦手で、どのような配慮があれば働きやすいかを具体的に伝えると、職場も対応しやすくなります。

一方で、障害を開示せずに働くと、必要な配慮を受けられないまま無理を重ね、二次的な不調や早期離職につながることもあります。配慮を受けながら働ける環境を選ぶことが、長く働き続けるうえで重要です。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

自分なりの対処法や工夫を取り入れる

職場での困りごとを減らすためには、自分の特性に合わせた対処法や工夫を取り入れることが有効です。

具体的には、以下のような工夫が挙げられます。

これらの工夫を組み合わせることで、特性による負担を抑えながら働きやすくなります。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

治療や通院を継続する

発達障害の特性による困りごとからストレスが蓄積し、うつ病や不安症などの二次障害を併発することがあります。すでに通院や服薬による治療を受けている場合は、就労中も主治医の指示に沿って治療を続けることが大切です。

発達障害がある人が仕事を長く安定して続けるためには、身体的・精神的な健康を維持することが欠かせません。

体調の変化や仕事での困りごとは主治医に共有し、必要に応じて働き方を見直すことが、長く働き続けるうえで重要です。

通院休暇や勤務時間の調整など、通院に配慮のある職場であれば、治療と仕事を両立しやすくなります。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害」・政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

大人の発達障害の人が利用できる就労支援

ハローワークの専門援助部門

ハローワークには、障害のある人を対象とした専門援助部門が設けられており、専門の職員や相談員が、障害の特性や適性、希望職種に応じたきめ細かな職業相談・職業紹介・職場適応指導を行っています。

専門援助部門には、精神障害や発達障害のある求職者を支援する精神・発達障害者雇用サポーターが配置されている場合があり、カウンセリングや就職に向けた準備、職場定着の支援を受けられます。

また、必要に応じて、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターなど、他の専門機関と連携した支援も受けられます。

出典:厚生労働省「ハローワークにおける障害者の就労支援」・発達障害ナビポータル「職業紹介

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害のある人とその家族を対象に、相談支援・発達支援・就労支援・情報提供を総合的に行う専門機関です。

就労を希望する人に対しては、就労に関する相談に応じるとともに、ハローワークや地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなどの関係機関と連携して情報提供を行います。

必要に応じて、スタッフが学校や就労先を訪問し、障害特性や就業適性に関する助言や、作業工程・環境の調整を行うこともあります。

出典:国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害者支援センターの事業内容

就労移行支援

就労移行支援は、一般企業への就労を希望する原則65歳未満の障害者を対象に、就労に必要な知識や能力の向上のための訓練を行う、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスです。

事業所では、ビジネスマナーやPCスキルの習得、職場実習、求職活動の支援、就職後の職場定着に向けた相談など、一般就労に向けた支援を原則2年間受けられます。

障害者手帳がなくても、医師の意見書などにより障害福祉サービス受給者証の交付を受けることで、利用できる場合があります。

就労移行支援については、こちらの記事「就労移行支援の利用条件・対象者や料金・利用の流れを解説」でも詳しく解説しています。

出典:厚生労働省「障害者の就労支援について

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、障害のある人の職業生活における自立を図るため、就業面と生活面の両面から一体的な相談・支援を行う機関です。

就職に向けた準備や職場探しの相談だけでなく、生活習慣や健康管理、お金の管理といった生活面の相談にも対応しています。

就職後も、職場に定着できるよう継続的な支援を受けられるため、仕事と生活の両面に不安がある場合に活用できます。

出典:政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!」・内閣府「令和4年版障害者白書

転職エージェント

転職エージェントは、求職者と企業の間に立ち、求人の紹介や応募書類の添削、面接対策、内定後の条件交渉まで、転職活動全般を無料でサポートするサービスです。

一般枠・障害者雇用枠のどちらの求人探しにも活用でき、求人票だけではわからない職場の雰囲気や配慮の内容を、担当者を通じて確認しやすいという利点があります。

障害者雇用を専門に扱う転職エージェントもあり、特性に配慮された求人を紹介してもらえますが、利用には原則として障害者手帳が必要な場合が多くなっています。

障害者専門のエージェントである障害者雇用バンクでも、一人ひとりの特性や希望する配慮に合わせて求人を紹介しています。転職サポート・就職サポートはすべて無料で利用できるので、障害者手帳を取得したうえで配慮を受けながら働ける職場を探したい場合は、こちらより会員登録のうえ、無料相談を活用しながら自分に合う働き方を整理してみるとよいでしょう。

大人の発達障害がある人におすすめの求人3選

発達障害がある人が求人を選ぶ際は、これまでに挙げた向いてる仕事の特徴をふまえ、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

これらの条件を満たす求人であれば、特性による負担を抑えながら働きやすくなります。

日本生活協同組合連合会

【求人情報】

こちらは日本生活協同組合連合会の事務職の求人で、ADHDの人に特におすすめです。

この求人の魅力は、本人の経験やスキル、適性に応じて担当する業務内容を調整してもらえる点にあります。

ADHDの人は、複数の業務を同時に進めることに苦手さがあり、業務が重なると負担が大きくなりやすい傾向があります。そのため、担当業務を得意なデータ入力に絞ってもらうなど、無理のない形に調整しやすく、安心して働くことができます。

加えて、在宅勤務やフレックスタイム制も利用できるため、満員電車での通勤による心身への負担も軽減できます。

日本生活協同組合連合会の求人はこちらからご覧ください。

マイナビパートナーズ

【求人情報】

こちらは特例子会社である株式会社マイナビパートナーズの一般事務の求人で、ASDの人に特におすすめです。

特例子会社は、障害のある人が働きやすいように、業務内容や職場環境の整備に取り組んでいる会社です。

業務のマニュアル化や指示の明確化が徹底されているケースが多いため、ASDの人にとって働きやすい環境を見つけやすい傾向があります。

マイナビパートナーズの求人はこちらからご覧ください。

丸和運輸機関

【求人情報】

こちらは株式会社丸和運輸機関の軽作業(ピッキング)の求人で、LDやASDの人に特におすすめです。

LDの人は、複雑な書類の読み書きや、数値・計算の処理に困難を感じることがあります。

この求人は、商品を見て仕分けたり、決められた場所に梱包したりといった視覚的・直感的な動作が中心で、読み書きの負担が大きく減るため、苦手な作業を避けながら正確に能力を発揮できます。

また、対人対応や臨機応変な判断を求められる場面が少なく、一人で黙々と進められるため、対人面に苦手さがあるASDの人にも向いてる可能性があります。

丸和運輸機関の求人はこちらからご覧ください。

まとめ:大人の発達障害がある人が自分に合った仕事で無理なく働くために

発達障害がある人が無理なく働き続けるためには、自分の特性を理解し、特性に合った仕事と職場環境を選ぶことが大切です。

仕事を選ぶ際は、業務手順が明確で対人面の負担が少なく、自分のペースで進められるかを意識するとよいでしょう。事務職、IT系職種、軽作業、製造業のライン作業、清掃・バックヤード業務などが、その条件を満たしやすい職種です。

就職や転職にあたっては、障害を開示して配慮を受けられる環境を選び、自分なりの工夫を取り入れながら、必要に応じて治療を継続することが、長く働き続けるうえで重要になります。

一人で進めるのが難しい場合は、ハローワークの専門援助部門や発達障害者支援センター、就労移行支援、障害者就業・生活支援センター、転職エージェントなどの就労支援を活用するとよいでしょう。

大人の発達障害と仕事に関するよくある質問

大人の発達障害の診断はどこで受けられる?

大人の発達障害の検査・診断は、精神科や心療内科で受けられます。

ただし、医療機関によっては発達障害の診断を行っていない場合もあるため、事前に発達障害の診断に対応しているかを問い合わせておくと安心です。

自治体によっては、発達障害の診断を行う医療機関のリストや相談窓口を公開していることもあります。

出典:政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!

発達障害だと障害者手帳は取得できる?

達障害のある人は、症状や生活・就労への支障の程度によって、精神障害者保健福祉手帳の対象となる可能性があります。知的障害を伴う場合は、療育手帳の対象となることもあります。

手帳が交付されるかどうかは、診断名だけでなく、精神疾患の状態と、日常生活や社会生活にどの程度支障があるかを総合的に判断して決まり、等級は1級から3級に分かれます。

申請には、初診日から6か月以上経過していることが必要です。 取得を検討する場合は、主治医や自治体の障害福祉窓口に相談するとよいでしょう。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害」・厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について

発達障害の人が仕事を長く続けるコツは?

自分の特性に合った仕事と職場環境を選んだうえで、障害を開示して配慮を受けながら働くことが、長く続けるための基本となります。

あわせて、メモやチェックリストの活用、リマインダーによる予定管理、仕事を小さく分けて進めるなど、自分なりの工夫を取り入れることも有効です。

二次障害の併発などで治療を受けている場合は、通院や服薬を継続し、体調管理を行うことも大切です。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「5.障害特性と配慮事項 (8)発達障害」・厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について

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