境界知能の人に向いてる仕事はコレ!おすすめ職種と手帳なしで使える就労支援
境界知能の人でも、業務手順が明確で自分のペースで進められる職種を選べば、無理なく働ける選択肢があります。 境界知能の人に向いてる職種としては、以下のようなものが挙げられます。 ・軽作業(ピッキング・検品・梱包など) ・清掃・バックヤード業務 ・製造業のライン作業 ・事務職(データ入力・書類整理など) ・農業・園芸関連 大切なのは、自分の特性を正しく理解したうえで、特性に合った職種と職場環境を選ぶことです。 この記事では、境界知能の人に向いてる仕事の特徴と具体的な職種、働きやすい職場選びのポイント、利用できる就労支援、おすすめの求人例、転職活動の進め方を詳しく解説します。
境界知能の人に向いてる仕事は?結論から解説
境界知能の人に向いてる仕事は、業務手順が明確で、自分のペースで進められるルーティンワーク中心の仕事です。 軽作業、製造業のライン作業、清掃・バックヤード業務、データ入力などの事務職、農業・園芸関連などが代表例として挙げられます。 反対に、複数の業務を同時に進めるマルチタスクが求められる仕事や、抽象的な判断・複雑なコミュニケーションが業務の中心となる仕事は、境界知能の特性と相性が悪く、長期的な就労が難しくなりやすいでしょう。 自分に合う仕事を見極める際は、業務手順の明確さ、マルチタスクの少なさ、相談しやすい職場環境の3つを判断軸にすることが重要です。
境界知能とは
境界知能の概要
境界知能とは、知能指数(IQ)がおおむね70〜84の範囲にある状態を指します。平均的なIQ(100前後)より低いものの、知的障害の診断基準(IQ70未満)には該当しないため、知的障害と平均的な知能の境界に位置する「グレーゾーン」として扱われます。 境界知能は、医学的な診断名ではなく、個人の知能水準を示す特性として位置づけられています。 知的障害の診断基準を満たさないため、療育手帳などの公的支援の対象外となることが多く、必要な支援を受けにくい層となりやすいとされています。 出典:アイシークリニック池袋院「境界知能とは?大人の特徴と仕事での困りごと、適切な支援について解説」
境界知能の人に見られる特徴
境界知能の特徴は個人差が大きいですが、認知面と対人面の両方で以下のような傾向が見られることが多いです。 【認知面・日常生活での特徴】
- 新しい情報の理解や記憶に時間がかかる
- 複数の情報を同時に処理することや、抽象的な概念の理解が苦手
- 言葉だけでは理解しにくく、具体例や視覚的な情報があると理解しやすい
- 計画を立てたり、優先順位をつけたりすることに苦手意識を持ちやすい
- 複雑な手続きや書類の記入、お金の管理や計算に時間がかかる
【コミュニケーション・対人関係での特徴】
- 会話の文脈や行間を読み取ることが苦手で、言葉を額面通りに受け取りやすい
- 比喩や皮肉、冗談が理解しにくい
- 自分の考えや気持ちを言葉で表現することに困難を感じる
- 人間関係のルールや暗黙の了解を理解することに苦手意識を持つ
- 信頼できる人との関係は良好に保てる一方、新しい環境での人間関係構築に時間がかかる
これらの特徴は「できないこと」ではなく、適切な配慮があれば十分にカバーできる領域として捉えることが重要です。 出典:アイシークリニック池袋院「境界知能とは?大人の特徴と仕事での困りごと、適切な支援について解説」
知的障害・発達障害との違い
境界知能と知的障害、発達障害はそれぞれ異なる概念であり、診断基準や支援の対象範囲も異なります。 【知的障害との違い】 知的障害は、知的機能の発達に遅れがあり、日常生活や社会生活に支障が生じているため、何らかの特別な支援を必要とする状態を指します。 判定では、IQがおおむね70未満であることに加えて、身の回りのこと、対人関係、金銭管理、仕事や学習への適応なども含めて総合的に判断されます。 一方、境界知能はIQがおおむね70〜84の範囲にある状態で、知的障害の基準には該当しにくいため、境界知能のみでは療育手帳の交付対象外となるのが一般的です。 ただし、自治体の判定基準や本人の状態によっては、手帳の対象となる可能性もあるため、必要に応じて自治体の障害福祉窓口などに相談するとよいでしょう。 【発達障害との違い】 発達障害は、発達障害者支援法において自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などの脳機能障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものと定義されています。 発達障害は特定の領域における発達の偏りが特徴であり、知能水準全体を示す境界知能とは異なる概念です。 ただし、境界知能と発達障害は併存することもあり、境界知能と思っていた特性が、実際は発達障害に該当するケースもあります。 出典:アイシークリニック池袋院「境界知能とは?大人の特徴と仕事での困りごと、適切な支援について解説」・独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害特性と配慮事項 知的障害」・国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害とは」
境界知能が仕事に与える影響
境界知能があると、業務理解や対人面で困難を感じやすく、仕事に支障が出ることがあります。 職場で困難が現れる代表的な場面は、以下のとおりです。
- 口頭での指示だけでは理解が難しく、何度も聞き返してしまう
- 複数の業務を同時に進めることや、急な予定変更への対応に苦労する
- 作業のスピードが周囲と比べて遅く、ケアレスミスを繰り返してしまう
- 報告・連絡・相談のタイミングがつかめず、重要な情報を伝え忘れる
- 会議での発言内容を理解することが難しく、自分の意見を的確に伝えられない
- 職場の暗黙のルールや慣習を理解することが難しく、孤立しやすい
- 適性に合った仕事を見つけることが難しく、転職を繰り返してしまう
これらの困難が業務の中心となる仕事に就くと、長期的な就労が難しくなることもあるため、自分の特性と業務内容の相性を見極めることが大切です。 境界知能の人にとって、下記のような仕事は特に負担が大きくなりやすいと考えられます。
- 営業職(顧客への提案や交渉、臨機応変な対応が求められる職種)
- 接客業(不特定多数の顧客対応や、状況に応じた判断が必要となる職種)
- 企画職・コンサルタント職(抽象的な思考や複数の情報整理が業務の中心となる職種)
- マルチタスクが前提となるマネジメント職
これらは複雑な判断や情報処理、複数業務の同時進行が業務の中心となる職種で、境界知能の特性と相性が悪く、長く働き続けることが難しくなりやすい傾向があります。 出典:アイシークリニック池袋院「境界知能とは?大人の特徴と仕事での困りごと、適切な支援について解説」
境界知能の人に向いてる仕事
境界知能の人に向いてる仕事の特徴は、業務手順が明確で、自分のペースで進められるルーティンワーク中心の仕事です。 具体的には、以下のような特徴を持つ仕事が向いています。
- 業務手順がマニュアル化されており、繰り返し作業が中心
- 視覚的に理解しやすく、抽象的な判断を求められる場面が少ない
- マルチタスクや臨機応変な対応が必要になる場面が少ない
- 担当範囲が明確で、自分のペースで進められる
これらの特徴を満たす仕事であれば、境界知能の特性による負担を抑えながら、安定して働き続けやすくなります。 出典:アイシークリニック池袋院「境界知能とは?大人の特徴と仕事での困りごと、適切な支援について解説」
軽作業
倉庫内でのピッキングや梱包、検品、仕分けなどの軽作業は、一人で淡々と進められる作業が中心になります。業務手順がシンプルでマニュアル化されているケースが多く、一度覚えれば安定して取り組むことができます。 業務中に複雑な判断や臨機応変な対応が求められる場面が少なく、抽象的な思考が苦手な境界知能の人でも能力を発揮しやすいです。業務に集中している時間が長く、対人面で困難が生じる機会も少ないため、特性による負担を感じにくい職種です。 【特におすすめの具体的な職種】
- ピッキング
- 梱包
- 検品
- シール貼りなど
同じ軽作業でも、ライン作業など前後の人との連携やペース合わせが常に必要な業務よりも、自分一人の裁量・ペースで進められる独立した作業が向いています。
製造業のライン作業は「工程が明確なもの」を選ぶ
製造業の工場におけるライン作業は、決まった手順で同じ作業を繰り返す業務が中心となる職種です。視覚的に作業内容を理解しやすく、業務手順がマニュアル化されているため、新しい情報の理解に時間がかかる境界知能の人でも、一度覚えれば確実に作業を進められます。抽象的な判断や複数業務の同時進行が求められる場面もほとんどなく、特性と業務内容の相性が良い職種です。 ただし、ライン作業と一口にいっても、職場や工程によって業務の進め方は大きく異なるため、応募前に職場環境を見極めることが重要になります。 境界知能の人に向いているのは、作業手順がはっきりと決まっており、単一の工程を専任で担当できる現場です。求められる作業スピードが過度に速くなく、マニュアルや見本が用意されている職場であれば、業務内容を一度覚えれば自分のペースで安定して取り組めるため、長く働き続けやすくなります。 反対に、前後の工程とのペース合わせが厳しく求められる現場や、生産ノルマのプレッシャーが強い職場は、境界知能の人にとって業務中の負担が大きくなりやすい傾向があります。 また、複数の工程を頻繁に切り替える必要がある現場や、一つのミスが製品全体に大きな影響を与えるような工程も、抽象的な判断や複数業務の同時進行が苦手な特性とは相性が悪く、ストレスを抱えやすくなります。 【特におすすめの具体的な職種】
- 食品工場での加工・検品作業
- 電子部品の組立作業
- 自動車部品の組立作業など
応募前に作業内容や1日のノルマ、担当工程の固定の有無などを確認し、自分のペースで取り組める職場を選ぶのがポイントです。
清掃・バックヤード業務
オフィスや商業施設の清掃、店舗での品出しや在庫管理、倉庫内のバックヤード業務などは、顧客対応がほとんど発生しないため、境界知能の人に向いている職種です。 担当エリアや作業内容が明確に決められており、自分の担当範囲で黙々と作業を進められます。 業務手順が明確で、抽象的な判断や複雑なコミュニケーションが求められる場面が少ないため、特性による負担を感じにくい環境で働けます。 【特におすすめの具体的な職種】
- オフィスビルの清掃業務
- スーパーやドラッグストアの品出し
- 倉庫内の在庫管理など
特に、顧客のいない営業時間外(早朝・夜間)や、関係者以外立ち入らないエリアでの作業であれば、対人面の負担をさらに減らすことができます。
データ入力などの事務職
データ入力や書類整理など、事務職の中でも作業内容がルーティン化された業務も、境界知能の人に向いています。 業務手順がマニュアル化されており、一度覚えれば自分のペースで進めることができます。 同じ作業の繰り返しが中心となるため、新しい情報の理解に時間がかかる境界知能の人でも、確実に成果を出しやすい仕事です。 【特におすすめの具体的な職種】
- データ入力
- 書類のファイリング
- 帳票処理など
一口に事務職と言っても、電話対応や来客対応、複数の業務を並行して進めることが求められる仕事は境界知能の人には不向きなため、上記のような作業内容がルーティン化された事務職を選ぶのがポイントです。
農業・園芸関連
農作物の栽培や園芸関連の業務は、自然のペースに合わせて働ける職種であり、境界知能の人に向いています。 業務手順は季節ごとにある程度決まっており、一度覚えれば繰り返し取り組むことができます。作業の成果が目に見える形で確認できるため、達成感を得やすく、長く働き続けやすい仕事です。 また、対人接触が少なく、自然の中で落ち着いて作業に集中できる環境であることも、境界知能の人にとって働きやすい要素になります。 【特におすすめの具体的な職種】
- 農業法人での栽培・収穫作業
- 園芸店での植物の手入れ
- 造園会社での緑地管理など
一般雇用枠だけでなく、農福連携の取り組みを行っている農業法人では、障害や特性に配慮した働き方ができる求人もあるため、選択肢として検討してみましょう。
境界知能の人が仕事を選ぶときのポイントと長続きのコツ
業務手順が明確でマルチタスクの少ない仕事を選ぶ
境界知能の人が長く働き続けるためには、業務手順が明確で、複数の業務を同時に進める必要が少ない仕事を選ぶことが大切です。 境界知能の人は、抽象的な判断や複雑な情報の同時処理が苦手な傾向があるため、曖昧な指示や臨機応変な対応を求められる仕事ではミスや負担が大きくなりやすいためです。 求人を選ぶ際は、以下のポイントを確認するようにしましょう。
| チェック項目 | 仕事選びで確認したい内容 |
| 業務手順 | マニュアルやチェックリストがあるか |
| 業務量 | 一度に複数業務を任されないか |
| 指示の出方 | 高騰だけでなく文章や図で説明してもらえるか |
| 相談環境 | 困ったときに質問できる担当者がいるか |
| 職場環境 | 急な変更や臨機応変な対応が頻繁にないか |
これらの条件を満たす職場であれば、特性による負担を抑えながら、安定して成果を出しやすくなります。 出典:アイシークリニック池袋院「境界知能とは?大人の特徴と仕事での困りごと、適切な支援について解説」・独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害特性と配慮事項 知的障害」
相談しやすい環境のある職場を選ぶ
境界知能の人が長く働き続けるためには、業務上の困りごとや判断に迷う場面ですぐに相談できる環境が整った職場を選ぶことが重要です。 曖昧な指示の理解が苦手な傾向があるため、わからないことをそのまま進めてしまうとミスにつながりやすいです。 そのため、質問しやすい雰囲気がある職場や、業務上の指示系統が一本化されており担当者が明確になっている職場であれば、安心して業務に取り組むことができます。 面接や職場見学の段階で、相談窓口の有無や上司・同僚との関わり方を確認しておくことで、入社後のミスマッチを防ぎ、長く働き続けやすくなります。 出典:アイシークリニック池袋院「境界知能とは?大人の特徴と仕事での困りごと、適切な支援について解説」・独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害特性と配慮事項 知的障害」
自分の特性を理解して無理をしない
境界知能の人が長く働き続けるためには、自分の特性を正しく理解し、得意なことと苦手なことを把握したうえで、無理のない働き方を選ぶことが大切です。 周囲と同じスピードや成果を求めて無理をすると、心身に負担がかかり、長期的な就労が難しくなることが考えられます。 周りに合わせて無理をするのではなく、自分がどうすれば働きやすくなるかを重視し、自分なりの工夫を取り入れることで、特性とうまく付き合いながら働きやすくなります。 【工夫の参考例】
- メモやチェックリストを活用し、記憶に頼らない仕組みを作る
- スマートフォンのリマインダー機能やアラームで予定・締め切りを管理する
- タスクを小さく分解して、一つずつ確実に終わらせる
- わからないことはすぐに質問し、曖昧なまま進めない
これらの工夫を組み合わせることで、特性の影響を抑えながら働くことができるようになります。 出典:アイシークリニック池袋院「境界知能とは?大人の特徴と仕事での困りごと、適切な支援について解説」
職場で配慮を受けたい場合は障害者手帳の取得可否を確認
境界知能は知的障害の診断基準(IQ70未満)に該当しないため、原則として障害者手帳の交付対象外となります。 ただし、自治体や本人の状態によっては、療育手帳または精神障害者保健福祉手帳が交付されるケースがあります。 自分が境界知能だと思っていても、実際には知的障害や発達障害に該当する可能性もあるため、手帳の取得可能性については医療機関や自治体の窓口に相談することが重要です。 出典:こども家庭庁「療育手帳に係る判定基準統一化の検討進捗報告」・厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」
療育手帳の取得対象となるケース
療育手帳は、児童相談所または知的障害者更生相談所から知的障害と判定された人に交付される手帳です。 療育手帳の判定基準は都道府県・政令指定都市が独自に定めており、判定機関のボーダーラインは自治体によって異なります。 厚生労働科学研究の調査によると、判定機関のボーダーラインはおおむねIQ75が52%、おおむねIQ70が27%となっており、境界知能の範囲(IQ70〜84)であっても、自治体によっては交付対象となる可能性があります。 また、判定機関の中には、以下のような条件で交付しているケースもあります。
- IQ80〜89で発達障害の診断を受けた者
- 概ねIQ71〜79で14歳以上、自閉性障害等の診断があり、判定機関の長が必要と認めた場合
- IQ76〜91で発達障害の診断があり、判定機関の長が必要と認めた場合
取得を検討する場合は、お住まいの自治体の障害福祉課や児童相談所、知的障害者更生相談所に判定基準を確認することが重要です。 出典:こども家庭庁「療育手帳に係る判定基準統一化の検討進捗報告」
精神障害者保健福祉手帳の取得対象となるケース
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定された人に交付される手帳です。 対象となる精神疾患には、統合失調症、気分(感情)障害、てんかん、発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、ADHD、学習障害など)、その他の精神疾患が含まれます。 境界知能そのものは対象疾患に含まれませんが、自分が境界知能だと考えていた特性が、実際には発達障害(自閉スペクトラム症、ADHDなど)に該当するケースもあり、その場合は精神障害者保健福祉手帳の交付対象となる可能性があります。 また、境界知能と発達障害が併存している場合も、発達障害の症状によって日常生活や社会生活に制限が生じていれば、精神障害者保健福祉手帳の交付対象となります。 精神障害者保健福祉手帳の、申請には対象となる精神疾患の初診日から6か月以上経過していることが必要となるため、取得を検討する場合は、まず医療機関で発達障害の検査・診断を受けることから始めましょう。 出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」
境界知能の人が利用できる就労支援
境界知能の人は障害者手帳の交付対象外となることが多いため、障害者雇用枠での就労が難しく、一般雇用枠での就労を選ばなければならないケースも少なくありません。 一方で、障害者手帳がなくても利用できる就労支援サービスもあり、これらを活用することで、特性に合った働き方を見つけやすくなります。
就労移行支援
就労移行支援は、障害や難病のある人が一般就労を目指すための知識やスキルを身につけられる、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスです。 利用対象は原則18歳以上65歳未満で、精神障害者保健福祉手帳や療育手帳を取得していなくても、医師の意見書などにより自治体から障害福祉サービス受給者証の交付を受けることで利用できる場合があります。 そのため、境界知能の人であっても、医療機関で発達障害や適応の困難について診断や意見書を受けられれば、就労移行支援の利用対象となる可能性があります。 就労移行支援事業所では、ビジネスマナーやPCスキル、コミュニケーションスキルなど、就労に必要なスキルを段階的に身につけることができ、就職活動から定着までを一貫してサポートしてもらえます。 就労移行支援については、こちらの記事「就労移行支援とは?対象者・サービス内容・利用までの流れを解説」でも詳しく解説しています。 出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」
就労継続支援A型・B型
就労継続支援は、一般企業での就労が難しい障害者や難病のある人を対象に、就労機会を提供する障害福祉サービスです。 雇用契約を結び最低賃金が保証される「A型事業所」と、雇用契約を結ばずに自分のペースで作業に取り組める「B型事業所」の2種類があります。 就労継続支援も、障害者手帳を取得していなくても、医師の意見書などにより障害福祉サービス受給者証の交付を受けることで利用できる場合があります。 境界知能の人で、すぐに一般企業で働くことに不安がある場合は、就労継続支援で働く経験を積みながら、段階的に一般就労へステップアップしていくこともできます。 就労継続支援A型については、こちらの記事「就労継続支援A型はどんな人が対象?利用条件・仕事内容・申請手順を解説」、B型については、こちらの記事「就労継続支援B型はどんな人に向いてる?対象者・利用条件・申請手順をわかりやすく解説」でも詳しく解説しています。 出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」
ハローワークの専門援助部門
ハローワークには、障害や疾患のある人を対象とした「専門援助部門」が設置されており、障害の特性や希望に応じた職業相談、職業紹介、職場適応指導をきめ細かく受けられます。 求職登録には障害者手帳または主治医の意見書(診断書)が必要となるため、障害者手帳がなくても、主治医の意見書があれば利用できます。 境界知能の人で、一般雇用枠での就職を希望する場合でも、特性を理解した上で適した求人を紹介してもらえるため、活用する価値があります。 また、必要に応じて公共職業訓練のあっせんや、地域障害者職業センターなど他の専門機関との連携によるサポートも受けられます。 出典:厚生労働省「ハローワークにおける障害者の就労支援」・福岡労働局「障害・難病をお持ちの方(ハローワーク福岡南)」
転職エージェント
転職エージェントは、求職者と企業の間に立ち、求人紹介や応募書類の添削、面接対策、内定後の条件交渉まで、転職活動全般を無料でサポートしてくれるサービスです。 専任のキャリアアドバイザーが個別に対応するため、自分一人で求人を探すよりも効率的に転職活動を進められます。 境界知能の人にとっては、自分の特性や働き方の希望を伝えたうえで、適した求人を紹介してもらえる点が大きなメリットとなります。求人票だけではわからない職場の雰囲気や業務内容の詳細についても、キャリアアドバイザーが企業側から情報を収集して教えてくれるため、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。 また、転職エージェントの中には、障害者雇用枠の求人を専門に扱うエージェントもあります。障害者雇用専門エージェントでは、障害特性に応じた合理的配慮を受けられる求人や、特例子会社の求人など、一般のエージェントでは取り扱いの少ない求人を多数紹介してもらえます。 ただし、障害者雇用専門の転職エージェントを利用する場合、原則として障害者手帳の取得が必要となります。境界知能で療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を取得できたケースであれば、障害者雇用専門の転職エージェントを通じて、特性に配慮された求人に応募することが可能です。 障害者雇用バンクは、日本最大級の求人数を誇る、障害者雇用専門の転職エージェントです。ハイクラス求人から特例子会社などの応募ハードルが低い求人まで幅広く取り扱っており、希望に沿った求人の紹介を無料で受けることができます。 障害者手帳を取得した境界知能の人で、配慮を受けながら働ける職場を探したい場合は、こちらより会員登録のうえ、無料相談を活用しながら自分に合う働き方を整理してみるとよいでしょう。
境界知能の人におすすめの求人例
境界知能の人が求人を選ぶ際は、長く働き続けるために以下のポイントを意識することが大切です。
- 業務手順が明確である
- マルチタスクが少ない
- 自分のペースで進めやすい
これらを満たす仕事であれば、特性による負担を抑えながら安定して働き続けやすくなります。求人を見るときは、業務内容のほかにも、勤務形態や職場の支援体制など、自分の特性に合わせた働き方ができる環境かどうかを確認することが重要です。 以下で紹介する求人は障害者雇用枠で、障害者手帳の取得が応募条件となるため、応募前に手帳の要否や必要な配慮について確認しておきましょう。
ヨックモック
【求人情報】
- 職種:一般事務・軽作業(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:在庫管理、在庫数照合、出荷指示内容取りまとめと委託先会社様への指示、その他付帯事務作業
- 給与・年収:2,500,000円~3,800,000円
- 勤務地:東京都港区南青山
- 応募資格:社会人経験があり、誠実に業務に向き合える方
こちらはヨックモックグループの物流部門が募集している、営業事務の正社員求人です。 業務は、在庫管理や出荷指示の取りまとめ、委託先会社への連絡など、物流部門を支える事務作業が中心です。社内外とのやり取りは一部発生しますが、業務内容が整理されており、決まった手順に沿って進めやすい環境であれば、境界知能の人でも取り組みやすい可能性があります。 なお、こちらの求人では「正確性を重視し、時間をかけて丁寧に業務を進められる人」が歓迎されています。応募前には、問い合わせ対応の頻度や担当業務の範囲、サポート体制について確認しておくと、自分に合う職場か判断しやすくなります。 ヨックモックグループの求人はこちらからご覧ください。
りそな銀行
【求人情報】
- 職種:清掃員(障害者枠)
- 雇用形態:嘱託社員
- 業務内容:東京本社及び近隣銀行施設のオフィス内清掃業務
- 給与・年収:2,783,400円
- 勤務地:東京本社および近隣の銀行施設
- 応募資格:特になし
こちらはりそな銀行が募集している、店舗内外の環境整備を担当する嘱託社員の求人です。 業務は配属支店およびその周辺支店の店内清掃と建物周辺の清掃が中心となり、その他に簡単な事務作業を担当することもあります。担当範囲が明確で作業内容もルーティン化されているため、新しい情報の理解に時間がかかる境界知能の人でも、一度業務手順を覚えれば自分のペースで取り組みやすい仕事です。 顧客対応や複雑な判断が必要な業務はなく、対人接触の少ない環境で黙々と作業に集中できる点も特徴です。 株式会社りそな銀行の求人はこちらからご覧ください。
医療法人社団上桜会
【求人情報】
- 職種:総務事務(障害者枠)
- 雇用形態:正社員
- 業務内容:オフィスの事務サポートや共有箇所の衛生維持(清掃・消毒、荷物発送、社内機密文書のシュレッダー、書類のスキャン、名刺作成、各事業部の資料印刷・データ入力・アンケート入力、資料ファイリング・ナンバリング、備品管理、郵便の受け取りなど)
- 給与・年収:3,100,000円
- 勤務地:東京都(御茶ノ水駅徒歩2分)
- 応募資格:特になし
こちらは御茶ノ水駅から徒歩2分の企業が募集している、総務事務の正社員求人です。 業務はオフィスの事務サポートとオフィス内の衛生維持が中心で、定型的な作業を幅広く担当します。一つひとつの業務はシンプルなので、新しい情報の理解に時間がかかる境界知能の人でも、一度覚えれば自分のペースで安定して取り組めます。 未経験から始められる点も魅力的なポイントです。定型的な業務を着実にこなしながら、正社員として長く働き続けたい境界知能の人におすすめの求人です。 御茶ノ水の総務事務求人はこちらからご覧ください。
まとめ:境界知能の人が自分に合った仕事で無理なく働くために
境界知能の人が無理なく働き続けるためには、「仕事内容」と「職場環境」の両方が自分の特性に合っているかを確認することが大切です。 仕事を選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 業務手順が明確で、覚えた作業を繰り返しやすいか
- 複数の業務を同時に任される場面が少ないか
- 自分のペースで進めやすい仕事内容か
- わからないことを相談しやすい職場環境か
具体的には、軽作業、清掃・バックヤード業務、工程が明確な製造業、データ入力などの定型事務、農業・園芸関連などは、これらの条件を満たしやすい仕事として検討しやすいでしょう。 また、境界知能は障害者手帳の対象外となることもありますが、本人の状態によっては療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の取得可能性を確認できる場合があります。手帳がない場合でも、就労移行支援、就労継続支援、ハローワークの専門援助部門などを利用できる可能性があります。 仕事が続かない、求人選びに迷う、自分に合う働き方がわからない場合は、一人で抱え込まず、医療機関や自治体の障害福祉窓口、転職エージェントをはじめとした就労支援機関に相談しながら進めていきましょう。
境界知能と就労に関するよくある質問
境界知能の診断はどこで受けられる?
境界知能は医学的な「診断名」ではなく「特性」として扱われているため、医療機関で「境界知能」という診断が下されることは原則としてありません。 ただし、知能検査を受けることで、自分のIQが境界知能の範囲(おおむね70〜84)に該当するかを確認することはできます。 知能検査は、精神科、心療内科、メンタルクリニック、発達障害を専門とする医療機関などで受けられます。 検査の過程で、知的障害や発達障害の診断が下されるケースもあるため、生活や就労で困りごとを抱えている場合は、早めに専門の医療機関を受診することが大切です。 出典:アイシークリニック池袋院「境界知能とは?大人の特徴と仕事での困りごと、適切な支援について解説」
境界知能で障害年金は受給できる?
境界知能そのものは障害年金の対象となりません。 障害年金の対象となる精神の障害は、統合失調症、気分(感情)障害、症状性を含む器質性精神障害、てんかん、知的障害、発達障害などであり、境界知能はこれらに該当しません。 ただし、境界知能と発達障害が併存している場合や、境界知能の影響でうつ病など他の精神疾患を併発している場合は、その疾患を理由として障害年金の受給対象となる可能性があります。 受給を検討する場合は、まず医療機関で診断を受け、年金事務所や社会保険労務士に相談することが必要です。 出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」
境界知能の人が仕事を続けるためのコツは?
境界知能の人が仕事を長く続けるためには、自分の特性に合った職種を選ぶことに加え、日々の業務での工夫が重要です。 具体的には、以下のようなコツを取り入れることで、特性による負担を軽減しながら安定して働き続けやすくなります。
- メモやチェックリストを活用し、記憶に頼らない仕組みを作る
- スマートフォンのリマインダー機能やアラームで予定・締め切りを管理する
- タスクを小さく分解して、一つずつ確実に終わらせる
- わからないことはすぐに質問し、曖昧なまま進めない
- 上司や産業医、就労支援機関など、業務上の困りごとを相談できる窓口を確保しておく
また、症状や生活への支障が大きい場合は、医療機関や自治体の障害福祉窓口に相談し、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の取得可能性を検討することも選択肢になります。
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