対人恐怖症で障害者手帳はもらえる?取得できるケースと難しいケースを解説

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対人恐怖症は「性格の問題」と誤解されることもありますが、医学的には社交不安症(社交不安障害)に分類される精神疾患です。

症状が一定期間継続し、日常生活や社会生活に支障が出ている場合には、精神障害者保健福祉手帳の取得対象となります。ただし、対人恐怖症と診断されていれば必ず取得できるわけではなく、症状や生活への影響の程度によって個別に判断されます。

本記事では、対人恐怖症で精神障害者保健福祉手帳を取得できるケースと取得が難しいケース、取得することで受けられるメリット、申請手順、手帳が取得できなかった場合の選択肢について解説します。

対人恐怖症で精神障害者保健福祉手帳は取得できる

結論として、対人恐怖症は症状や生活への支障の程度によっては精神障害者保健福祉手帳の取得対象になります。

ただし、対人恐怖症と診断されていれば必ず手帳が交付されるわけではなく、症状の継続性や、日常生活・社会生活への支障の程度をもとに個別判断されることになります。そして障害者手帳の申請には、対人恐怖症による初診日から6か月以上経過していることが前提条件となります。

精神障害者保健福祉手帳の等級は1級〜3級まであり、対人恐怖症では、症状や生活への支障の程度に応じて、2級または3級が検討されることが多いです。

出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について

対人恐怖症で障害者手帳が認められるかは何で判断される?

対人恐怖症で精神障害者保健福祉手帳が認められるかどうかは、診断名だけで決まるわけではありません。 審査では、症状の重さだけでなく、日常生活や社会生活にどの程度の支障が出ているかが見られます。

判断のポイントは主に次の4つです。

つまり重要なのは、対人恐怖症という診断があることよりも、その症状で生活や仕事にどれだけ制限が出ているかです。

出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について

対人恐怖症で精神障害者保健福祉手帳を取得できるケース

精神障害者保健福祉手帳の等級の考え方

精神障害者保健福祉手帳の等級は1級〜3級まであり、症状の重さそのものだけでなく、日常生活や社会生活にどの程度支障が出ているかが総合的に判断されます。

厚生労働省が定める認定基準は以下の通りです。

・1級:精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(常に介助が必要で、日常生活を一人で送ることが難しい状態)
・2級:精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(身の回りのことはある程度できるものの、就労や対人関係など社会生活に著しい制限がある状態)
・3級:精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの(一定の配慮があれば、日常生活や就労が可能な状態)

対人恐怖症の場合、人前での過剰な不安や恐怖によって、対人場面・就労・外出にどの程度の制限が継続的に生じているかが、等級判定の重要な判断材料となります。

対人恐怖症のように外来通院で治療を続けるケースでは、日常生活や社会生活への支障の程度に応じて、2級または3級の対象として検討されることが一般的です。

次に、対人恐怖症で精神障害者保健福祉手帳を取得しやすいケースを見ていきましょう。

出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について

対人恐怖症で取得対象となりやすいケース

日常生活や就労に長期的な支障が出ている場合

対人恐怖症の症状によって、外出、対人交流、人前での発表などが長期にわたって困難になり、社会生活全般に支障をきたしている状態は、手帳の取得対象となりやすいです。

また、症状の悪化により休職や退職を繰り返したり、就労そのものが継続できない状態が続いている場合は、生活機能の低下が大きいと判断され、等級判定の重要な材料となります。

出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」・済生会「社交不安障害(SAD)

治療を続けても症状の改善が見られない場合

対人恐怖症の治療は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬による薬物療法と、認知行動療法などの心理療法を組み合わせて行うのが一般的です。

これらの治療を一定期間継続しても症状が安定せず、日常生活や社会生活への支障が長期にわたって続いている場合は、症状の継続性が認められ、手帳の取得対象となる可能性が高いとされています。

出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」・済生会「社交不安障害(SAD)

複数の症状が組み合わさり、業務や生活に明確な制限が生じている場合

対人恐怖症には、視線恐怖、スピーチ恐怖、電話恐怖、会食恐怖、書痙、発汗恐怖など複数のタイプがあり、これらが組み合わさって現れることが少なくありません。

これら複数の症状が併存することにより、回避行動が緊張場面だけでなく通常の場面にまで拡大し、業務や日常生活に明確な制限が生じている場合は、社会生活への支障が大きいと判断され、手帳の取得対象となりやすいです。

出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」・済生会「社交不安障害(SAD)

うつ病など他の精神疾患を併発している場合

対人恐怖症は、症状の長期化により抑うつ気分が強くなり、うつ病やパニック障害など他の精神疾患を併発するケースが少なくありません。

他の精神疾患を併発することで日常生活や社会生活への支障がより大きくなり、手帳の取得対象として認定されやすくなります。

出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」・済生会「社交不安障害(SAD)

対人恐怖症で精神障害者保健福祉手帳の取得が難しいケース

続いて、対人恐怖症と診断されていても障害者手帳の取得が難しいとされているケースについて、それぞれ解説します。

初診日から6か月が経過していない場合

精神障害者保健福祉手帳は、症状が一定期間継続しているかどうかを重視するため、対人恐怖症による初診日から6か月未満の場合は原則として申請できません。

発症している症状が、一時的な症状ではなく6か月以上にわたって症状が継続していることが診断書で示されている必要があります。 出典:川崎市「精神障害者保健福祉手帳

症状が軽度で、日常生活への影響が限定的な場合

人前で緊張する、人見知りやあがり症といったレベルで、業務や日常生活を通常通り送れている場合は対象になりにくいです。

対人場面で不安を感じることはあっても、必要な場面では対応でき、就労や対人関係に大きな支障が出ていない状態は、等級に該当しないと判断されるケースが多いです。

出典: 出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について

治療により症状が安定している場合

通院や服薬、認知行動療法によって症状が安定し、就労や家事、対人交流を自立して行えている場合は、障害としての継続的な支障が認められず、交付が見送られることがあります。

障害者手帳の目的から考えると、一定期間の治療によって回避行動が減り、社会生活への影響が限定的になっている状態は、手帳の取得対象になりにくいとされています。

出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」・こころの情報サイト「障害者手帳・障害年金

診断書の内容が認定基準に満たない場合

手帳交付の可否は、医師が作成する診断書に記載された内容をもとに審査されます。

そのため、症状の継続性や生活への具体的な支障が診断書に十分に反映されていないと、認定基準に該当しないと判断されることがあります。

出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について

対人恐怖症とは

対人恐怖症の概要

対人恐怖症とは、人前に出る場面や人と接する場面で過剰な不安や恐怖を感じ、その場面を避けるようになることで、日常生活や仕事に支障が生じる障害です。

なお、対人恐怖症とは旧称であり、現在の医学的な診断名では社交不安症(社交不安障害・SAD)に分類されています。

10代〜20代の若い世代で発症するケースが多く、性格の問題と誤解されたまま受診に至らないこともありますが、適切な治療によって症状の改善が期待できる疾患です。一方で、症状を放置するとうつ病など他の疾患を併発するリスクもあるため、早期に医療機関に相談することが重要です。

出典:医療法人耕仁会札幌太田病院「社交不安症・社交不安障害 SAD

対人恐怖症の症状

対人恐怖症の症状は、日常生活の中の特定の場面で、他人からの目線に対して強い不安や恐怖を感じるようになることです。

対人恐怖症の症状は、以下のように複数のタイプに分類されます。

症状の出方は人によって異なり、複数のタイプが組み合わさって現れることもあるため、自分にどの症状が強く出るかを把握しておくことが、無理なく働くうえでも重要になります。

出典:医療法人耕仁会札幌太田病院「社交不安症・社交不安障害 SAD

対人恐怖症の原因と治療法

対人恐怖症は、人前で失敗した経験や恥ずかしい思いをした経験がきっかけとなって発症するケースが多いとされています。また、思春期の頃に自分に自信を持てないことから発症するケースもあります。

治療方法は、薬物療法と心理療法を組み合わせて行うのが一般的です。 薬物療法ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が用いられ、不安や恐怖を感じやすい状態を和らげることが目的になります。

心理療法では認知行動療法が用いられ、苦手な場面に段階的に慣れていくことや、極端な考え方の癖を見直すことを通じて、対人場面への対処力を高めていくことが目的になります。

出典:厚生労働省「不安障害」・医療法人耕仁会札幌太田病院「社交不安症・社交不安障害 SAD

対人恐怖症の人が障害者手帳を取得するメリット

障害者雇用枠での就労が可能になる

障害者手帳を取得すると、障害者雇用枠での就労が可能になります。障害者雇用枠で採用されると、障害に対する合理的配慮を受けながら働けるため、就労による心身への負担を軽減できます。

対人恐怖症の場合、以下のような配慮を受けられます。

電話対応や来客対応、人前での発表など、対人接触の多い業務を除外・変更し、無理なく取り組める業務に絞ることができる

在宅勤務や時短勤務、フレックスタイム制など、症状に応じた働き方が認められる

定期的な通院が必要な場合でも、勤務スケジュールを柔軟に調整してもらえる

人通りの少ない座席配置や個別ブースなど、対人ストレスを軽減できる環境が用意される

上司や産業医など、業務上の困りごとを相談できる窓口が設けられる

また、障害者雇用枠は一般枠とは採用枠が異なり、障害者を採用することを前提としています。そのため、障害を持っていることが選考において不利に働くことがなく、一般枠での選考に参加するよりも採用される確率が高くなります。

対人恐怖症の人に向いてる仕事については、こちらの記事「対人恐怖症の人に向いてる仕事・おすすめ求人3選と仕事選びのポイントを解説」にて詳しく解説しています。

税控除を受けられる

障害者手帳を取得すると、所得税や住民税において障害者控除を受けることができるようになります。

等級によって控除額が異なり、1級は「特別障害者」、2級・3級は「一般障害者」として扱われます。

【一般障害者(2級・3級)の控除額】

【特別障害者(1級)の控除額】

なお、ここでいう控除額は「税金がそのまま安くなる金額」ではなく、課税対象となる所得から差し引かれる金額です。実際の減税額は「控除額 × 税率」で決まります。

たとえば、所得税の税率が10%の人の場合、

27万円(控除額)× 10%(所得税の税率) = 2万7,000円

となり、「2万7,000円」が実際に軽減される税額になります。

つまり、「27万円安くなる」のではなく、「27万円分の所得にかかる税金(=税率分)が安くなる」と考えるとイメージしやすいでしょう。

※実際の税率は所得によって異なるため、軽減額は人によって変わります。

また、相続税の障害者控除は一般障害者の場合「85歳までの年数 × 10万円」、特別障害者の場合は「85歳までの年数 × 20万円」で計算されます。

たとえば、一般障害者で40歳の場合は(85−40)× 10万円 = 450万円の控除を受けることができます。

出典:国税庁「障害者と税

自立支援医療制度で医療費を軽減できる

精神障害者保健福祉手帳を取得することで、自立支援医療(精神通院医療)の申請がしやすくなります。

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患により通院による医療を継続的に必要とする人を対象に、通院医療費の自己負担を軽減する制度です。通常3割の自己負担額が原則1割に軽減されるほか、世帯の所得や治療状況に応じて月額の自己負担上限額が設定されるため、継続的な通院や服薬にかかる費用を大きく抑えられます。

対人恐怖症の治療は、抗うつ薬による薬物療法と認知行動療法を中心に長期にわたって行われることが多いため、医療費の軽減は経済的な負担を抑える大きな支援となります。

自立支援医療は精神障害者保健福祉手帳がなくても申請可能ですが、手帳と同時に申請する場合は手帳用の診断書1枚で両方の申請ができるため、申請手続きの負担も軽減できます。

出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)の概要

交通機関・公共施設の割引を受けられる

障害者手帳を提示することで、鉄道・バス・タクシー・飛行機などの公共交通機関の運賃割引や、各種公共施設・民間サービスの割引を受けられるようになります。割引の内容は手帳の等級や事業者によって異なるため、事前に確認するようにしましょう。

※以下の情報は2026年5月時点のものであり、割引内容は変更される場合があります。利用前に各事業者・自治体の最新情報をご確認ください。

【主な割引制度】

2025年4月から精神障害者保健福祉手帳も割引対象となった。片道101km以上の区間で本人の普通乗車券が半額。第1種(1級)の場合は介護者1名も割引対象となり、距離制限なく普通乗車券・回数券・普通急行券・定期券が半額になる

東京メトロや関東・関西の大手私鉄、地下鉄でも精神障害者保健福祉手帳所持者を対象とした割引を実施している。割引内容は事業者によって異なるが、普通運賃5割引が中心

多くの事業者で普通運賃が5割引(例:東急バスでは東京都発行の精神障害者保健福祉手帳所持者が普通運賃5割引)

全国一律の制度はないが、自治体が独自に「福祉タクシー利用券」を交付しているケースがあり、初乗り運賃などの助成を受けられる場合がある。対象者や交付枚数は自治体により異なる(例:横浜市は1級のみ年間84枚)

ANAをはじめ国内の主要航空会社で、精神障害者保健福祉手帳所持者(満12歳以上)と介護者1名を対象とした「障がい者割引運賃」が設定されている

大手携帯電話会社では、障害者手帳所持者を対象とした料金割引サービスを提供している(例:NTTドコモ「ハーティ割引」では基本使用料の割引などを受けられる)

障害者手帳所持者を対象とした割引が設けられている施設がある(例:東京ディズニーリゾートでは障害者手帳所持者と同伴者1名が1デーパスポート(障がいのある方向け)を購入できる)

障害者手帳を持つ方がいる世帯全員が市町村民税非課税の場合は全額免除。世帯主が1級の場合は半額免除

出典:JRおでかけネット「割引制度のご案内」・東京都福祉局「精神障害者に対する旅客鉄道株式会社等の旅客運賃の割引について」・東急バス「障がい者の割引」・横浜市「精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービス」・ANA「障がい者割引運賃」・NTTドコモ「ハーティ割引」・東京ディズニーリゾート「障がいのある方向けのパークチケットについて」・NHK「NHK受信料の免除」

生活や仕事に支障がある場合は障害年金の申請も検討

対人恐怖症の症状によって、日常生活や就労に大きな支障が出ている場合、障害年金を受給できる場合があります。障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金の二つの種類があり、障害者手帳と同様に1級~3級の等級に分類されます。(3級は障害厚生年金のみ)

ただし、障害年金の認定は障害者手帳とは別の基準で行われます。そのため、手帳を取得していても必ず障害年金を受給できるわけではなく、反対に、手帳がなくても障害年金の対象となる場合があります。

症状によって日常生活や就労に大きな支障が出ている場合は、生活を支える制度の一つとして、障害年金の申請を検討してみるとよいでしょう。

【障害年金の認定基準】

なお、令和7年度の障害年金の支給額は以下の通りとなっています。(出典:小川早苗社会保険労務士事務所

月額 年額 前年度の年額
障害基礎年金1級 86,635円 1,039,625円 1,020,000円
障害基礎年金2級 69,308円 831,700円 816,000円
障害厚生年金 3級(最低保障) 51,983円 623,800円 612,000円
子の加算1人目(障害基礎年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
子の加算2人目(障害基礎年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
子の加算3人目(障害基礎年金に加算) 6,650円 79,800円 78,300円
配偶者 加給年金(障害厚生年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
障害年金生活者支援給付金1級 6,813円 81,756円 79,656円
障害年金生活者支援給付金2級 5,450円 65,400円 63,720円

対人恐怖症と自閉症スペクトラムの併発により障害基礎年金2級と認定された事例

自閉スペクトラム症と対人恐怖症を併発し、障害基礎年金2級の対象となった20代女性の事例を紹介します。

こちらの女性は、幼少期からコミュニケーションに困難を抱えており、学校生活でも友達ができず、不登校を繰り返していました。大学生の頃から対人不安・緊張・恐怖の症状が強くなり、医療機関を受診した結果、自閉スペクトラム症と診断されました。

その後、就労支援事業所への通所を試みたものの、対人恐怖の症状により通所を続けることができず、引きこもり状態が続いていました。病状の改善も見られなかったため、心配したご家族からの相談をきっかけに障害年金の申請を決断しました。

申請にあたっては、主治医に対して、強い対人不安・緊張・恐怖の症状によって就労が困難で、日常生活全般において援助が必要な状態であることを診断書に記載してもらうよう依頼。あわせて、出生からの発育の状況や現在の生活の様子を詳細に聞き取り、病歴・就労状況等申立書を作成しました。

その結果、請求から2か月後に障害基礎年金2級に認定され、支給開始から更新月までの間に約200万円を受給することができました。

出典:兵庫・大阪障害年金相談センター「【20代女性(自閉症スペクトラム)2級】対人恐怖症が強い自閉スペクトラム症

精神障害者保健福祉手帳を取得する手順

精神障害者手帳を申請する際には、継続して診療を受けている医師が作成した診断書が必要です。それ以外の申請に関する書類は、基本的に各自治体の福祉窓口で入手できますが、自治体によってはウェブサイトからダウンロード可能な場合もあります。

申請する際は診断書とともに、下記の書類を準備しましょう。

※準備物は区市町村によって異なるケースがあるため事前に市区町村の福祉課に確認するようにしましょう

<障害者手帳の取得手順>

STEP.1:主治医(継続して診療を受けている医師)に相談

対人恐怖症の症状により社会生活に著しい制限が生じている場合、継続して診療を受けている医師に申請用の診断書を作成してもらいます。その際、初診日から6ヶ月以上経過していることが条件となります。

STEP.2:役所に必要書類を提出して申請

診断書・意見書を受け取ったら、役所の福祉課に申請書類とともに提出します。

STEP.3:審査機関による審査

役所が申請書類を受理した後、申請書類をもとに専門機関で精神障害の程度について審査が行われます。

STEP.4:手帳の発行と交付通知

審査が完了すると、役所から交付の通知が届きます。その後、役所で障害者手帳を受け取ります。

医師への相談から実際に手帳が交付されるまでは、通常2〜3ヶ月程度の期間を要します。ただし、診断書作成の状況や審査の混み具合によっては、さらに時間がかかる場合もありますので、余裕をもって手続きを進めましょう。

【対人恐怖症ならではのポイント】主治医への伝え方のコツ

対人恐怖症の人は、診察室で医師を前にすると緊張してしまい、日常生活の支障を過小評価して伝えてしまったり、うまく話せなくなったりする傾向があります。

しかし、診断書の内容は精神障害者保健福祉手帳の審査に直結する症状や生活への支障を正確に伝えることが大切です。

そこで有効なのが、診察前に伝えたい内容を整理しておくことです。

具体的には、「どのような場面で症状が出るか」「日常生活や仕事でどのような困りごとがあるか」を、紙やスマートフォンのメモに書き出しておき、診察時に医師に渡したり、読み上げたりする方法が役立ちます。

口頭で説明することが難しい場合でも、事前に文章化しておくことで、症状の継続性や生活への影響を医師に過不足なく伝えることができ、診断書に実態が反映されやすくなります。

手帳が取得できなかった場合に検討できる選択肢

対人恐怖症で障害者手帳の取得が難しい場合でも、利用できる支援や働き方の選択肢がなくなるわけではありません。

医療費の負担を軽減できる制度や、就労に向けた支援サービスを活用することで、症状に合わせて生活や仕事を整えていくことは可能です。

ここでは、手帳が取得できなかった場合に検討できる主な選択肢を紹介します。

自立支援医療制度を単独で申請する

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患により通院による医療を継続的に必要とする状態の人を対象とした制度で、通院医療費の自己負担を原則1割に軽減できます。

所得に応じて月額自己負担上限額も設定されるため、継続的な通院や服薬にかかる費用負担を抑えることができます。

精神障害者保健福祉手帳を取得していなくても申請可能で、対人恐怖症で継続的に通院している場合に対象となります。

出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)の概要

就労移行支援事業所を利用する

就労移行支援は、障害や難病のある人が一般就労を目指すための知識やスキルを身につけられる障害福祉サービスです。

利用対象は原則18歳以上65歳未満で、精神障害者保健福祉手帳を取得していなくても、医師の意見書などにより自治体から障害福祉サービス受給者証の交付を受けることで利用できる場合があります。

就労移行支援については、こちらの記事「就労移行支援の利用条件・対象者や料金・利用の流れを解説」でも詳しく解説しています。

一般雇用枠で症状に合った働き方を選ぶ

精神障害者保健福祉手帳がない場合は障害者雇用枠での就労はできませんが、一般雇用枠でも対人接触の少ない職種や在宅勤務に対応した求人を選ぶことで、対人恐怖症の症状による負担を抑えながら働くことは可能です。

対人恐怖症の人に向いている職種や働き方については、こちらの記事「対人恐怖症の人に向いてる仕事・おすすめ求人3選と仕事選びのポイントを解説」で詳しく解説しています。

症状の経過を見て再申請する

精神障害者保健福祉手帳は、一度交付が認められなかった場合でも、症状が長期化したり、日常生活や社会生活への支障が大きくなった場合には改めて申請することができます。

等級判定は症状の継続性、生活への影響、診断書の記載内容を踏まえて総合的に判断されるため、現時点で認定基準に満たないと判断された場合でも、症状の経過によって認定対象となる可能性があります。

対人恐怖症の人におすすめの求人例3選

障害者手帳を取得すると、障害者雇用枠での就労が可能になります。対人恐怖症のある方が就職や転職を検討する際は、求人を選ぶ前に、まずどのような配慮が受けられるかを確認することが大切です。

特に、次のようなポイントは事前に確認しておきましょう。

また、すぐに転職や就職を考えていない場合でも、どのような求人や働き方の選択肢があるのかを知っておくことは、将来の準備に役立ちます。

ここでは、対人恐怖症のある方におすすめの求人を紹介します。

ピーアンドアイ

【求人情報】

こちらは、完全在宅勤務が可能となっている社内SEの求人です。

全ての業務を自宅で行うことができるため、自分が仕事をしている姿をみられたくない人や、雑談などのやり取りを避けたい人も、安心して働くことができます。

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【求人情報】

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特例子会社のため、障害特性に応じた配慮を受けながら働ける環境が整っており、応募時の課題提出を通じて自分のライティングスキルを示しやすい点も特徴です。

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【求人情報】

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業務内容は基本的にルーティン化されており、自分のペースで行うことができます。また、お客様やクライアントへの対応をする業務を担当することはない点も、この求人のメリットです。

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対人恐怖症の人の転職/就職には転職エージェントがおすすめ

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まとめ:対人恐怖症でも条件を満たせば障害者手帳は取得できる

対人恐怖症でも、条件を満たせば精神障害者保健福祉手帳の取得対象になります。

ただし、対人恐怖症と診断されていれば必ず取得できるわけではなく、症状の継続性や、日常生活・社会生活への支障の程度をもとに個別に判断されます。

手帳を取得できた場合は、障害者雇用枠での就労、税控除、自立支援医療、交通機関や公共施設の割引など、生活と就労を支える支援を幅広く受けられるようになるため、必要な支援を受ける手段の一つとして、手帳の取得を検討してみるとよいでしょう。

一方で、現時点で取得が難しい場合でも、自立支援医療を単独で申請する、就労移行支援を利用する、一般雇用枠で症状に合った働き方を選ぶといった選択肢があり、症状の経過によっては改めて申請することもできます。

迷っている場合は、まず主治医に相談し、生活や就労にどの程度支障が出ているかを整理することから始めましょう。

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