半身不随の障害等級は何級?2〜4級が多い理由と認定基準を解説

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結論から言うと、半身不随(片麻痺)の場合、 身体障害者手帳では「2級〜4級」に認定されるケースが比較的多く、症状が軽い場合は5級〜6級に該当することもあります。

片側の上肢と下肢の両方に機能障害が残るケースでは、 それぞれの等級を合算して2級や3級に認定される可能性があります。ただし、最終的な等級は医師の診断書と症状固定の状況に基づき、自治体の審査で個別に判断されます。

この記事では、半身不随で認定される障害等級の分類や障害者手帳の取得手順、障害年金の受給条件について解説します。

半身不随(片麻痺)とは

まずは半身不随について、具体的に解説します。

半身不随の概要

半身不随とは、身体の左右どちらか一方の上肢(手・腕)と下肢(足)に麻痺が生じ、自分の意思で動かすことが困難になる状態のことを指します。

医学的には「片麻痺(へんまひ)」と呼ばれ、麻痺の程度は軽度(筋力低下にとどまる)から重度(完全に動かせない)まで、幅が広いものになっています。

脳は左右に分かれており、それぞれが反対側の身体の運動を制御しています。そのため、右脳が損傷すると左半身に、左脳が損傷すると右半身に麻痺が現れます。

また、半身不随は運動機能の障害だけでなく、感覚障害(しびれ・触覚の鈍さ)や高次脳機能障害(失語症・注意障害など)を伴うこともあり、日常生活や社会生活に影響が出る場合があります。

厚生労働省の人口動態統計(2024年)によれば、半身不随の最大の原因である脳卒中(脳血管疾患)は日本人の死因の第4位であり、寝たきりの原因としては第1位となっています。

出典:厚生労働省「令和6年人口動態計月報年計(概数)の概況」・厚生労働省「e-ヘルスネット(脳血管障害・脳卒中)」・国立循環器病研究センター「脳卒中

半身不随になる主な原因

半身不随の原因の多くは、脳の血管が詰まったり破れたりする脳卒中(脳血管障害)です。

この脳卒中は、大きく「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3つに分けられ、どれも脳の神経細胞が損傷を受けることで片麻痺をはじめとする後遺症を引き起こします。

また脳卒中以外にも、頭部外傷や脳腫瘍などが原因となることがあります。 どの原因でも、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病が発症リスクを高める大きな要因とされているため注意が必要です。

脳梗塞

脳梗塞は、脳の血管が詰まったり狭くなったりして血流が途絶え、脳の組織がダメージを受ける疾患です。

脳卒中のなかで最も患者数が多く、脳卒中全体の約7割を占めます。

脳梗塞は、主に3つのタイプに分けられます。

高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満などの生活習慣病がリスク要因になります。

出典:慶應義塾大学病院 KOMPAS「脳梗塞、脳出血(脳卒中)」・国立循環器病研究センター「脳卒中

脳出血

脳出血は、脳の内部にある血管が破れて出血し、血液の塊が脳の組織を圧迫・損傷する疾患です。

その最大の原因は高血圧で、高血圧が長期間続くことで脳の細い血管がもろくなり、破裂しやすくなります。

脳出血で入院する患者のうち、約7割がなんらかの後遺症を抱えたまま退院しているとされ、半身麻痺はその代表的な後遺症のひとつです。

高血圧以外にも、脳血管の奇形や加齢によるアミロイド・アンギオパチー(脳の細い血管に異常なタンパク質が沈着してもろくなる状態)などが原因となることがあります。

出典:慶應義塾大学病院 KOMPAS「脳梗塞、脳出血(脳卒中)」・日本心臓財団「その症状、もしかして脳卒中?

くも膜下出血

くも膜下出血は、脳の表面の血管にできた動脈瘤が破裂し、脳を覆うくも膜と脳の間に出血が広がる疾患です。

突然の激しい頭痛と意識障害が特徴で、脳梗塞や脳出血とは症状の現れ方が異なります。

くも膜下出血そのもので片麻痺が直接生じることは少ないものの、出血に伴って脳血管がけいれんを起こし(脳血管攣縮)、二次的に脳梗塞を発症した場合に片麻痺が残ることがあります。

出典:国立循環器病研究センター「脳卒中」・日本心臓財団「その症状、もしかして脳卒中?

頭部外傷・その他

交通事故や転倒などによる頭部外傷で脳が損傷した場合にも、半身不随が生じることがあります。

頭部に外傷を受けた後、脳を包む膜と脳の表面の間にじわじわと血がたまる慢性硬膜下血腫も片麻痺の原因のひとつであり、頭部を打ってから数週間〜数か月後に症状が現れることがあります。

そのほか、脳腫瘍が脳の運動機能を司る領域やその周辺を圧迫することで、緩やかに片麻痺が進行するケースもあります。

出典:鳥取県医師会「半身不随 ─原因の多くは神経内科疾患─

半身不随では身体障害者手帳を取得できる

半身不随の後遺症がある場合、身体障害者手帳の肢体不自由で手帳を取得できる可能性があります。

身体障害者手帳は、障害の程度に応じて1級(最重度)から6級(最軽度)に区分されます。

半身不随では、麻痺の範囲や程度に応じて上肢(手・腕)と下肢(足)の障害がそれぞれ認定されます。そのため、片側の上肢と下肢の両方に障害がある場合は、複数の障害として総合的に判定されるため、単独の場合よりも重い等級になることがあります。

たとえば、上肢・下肢それぞれが7級相当と判断された場合でも、両方の障害をあわせて評価することで6級に認定され、身体障害者手帳の交付対象になるケースがあります。

また、半身不随とあわせて高次脳機能障害(記憶障害・注意障害など)が残っている場合は、精神障害者保健福祉手帳の対象になることもあります。

出典:厚生労働省「身体障害者手帳」・国立障害者リハビリテーションセンター「福祉サービスについて知りたい

肢体不自由の等級分類

肢体不自由の障害等級は、障害部位と機能障害の程度によって1級から7級まで定められています。

半身不随に関連する上肢・下肢の主な等級分類は以下の通りです。

上肢(手・腕)の障害

1級:両上肢の機能を全廃したもの
→ 両腕を自分の意思でほとんど動かせず、食事や着替えなど日常生活の多くに全面的な介助が必要な状態

2級:両上肢の機能の著しい障害/一上肢の機能を全廃したもの
→ 両腕が著しく動かしづらい、または片腕をほぼ使えない状態

3級:一上肢の機能の著しい障害
→ 片腕の動きが大きく制限され、物を持つ・支える・細かな作業をすることが難しい状態

4級:一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうち、いずれか一関節の機能を全廃したもの
→ 肩・肘・手首のどれかがほとんど動かず、その関節を使う動作ができない状態

5級:一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうち、いずれか一関節の機能の著しい障害
→ 関節は動くものの可動域が大きく制限され、腕を上げる・曲げるといった動作が十分に行えない状態

6級:一上肢のおや指の機能の著しい障害/ひとさし指を含めて一上肢の二指を欠くもの/ひとさし指を含めて一上肢の二指の機能を全廃したもの
→ 指の動きが大きく制限され、つまむ・握るといった動作が困難で、細かい作業に支障がある状態

7級:一上肢の機能の軽度の障害/一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうち、いずれか一関節の機能の軽度の障害/一上肢の手指の機能の軽度の障害
→ 日常生活はおおむね可能なものの、力が入りにくい、長時間の作業が難しいなどの制限がある状態

下肢(足)の障害

1級:両下肢の機能を全廃したもの
→ 両脚をほとんど動かせず、自力での立位や歩行ができない状態

2級:両下肢の機能の著しい障害
→ 両脚の動きが大きく制限され、歩行には常に介助や装具が必要となる状態

3級:一下肢の機能を全廃したもの
→ 片脚をほぼ動かせず、自力での歩行が著しく困難な状態

4級:一下肢の機能の著しい障害/一下肢の股関節又は膝関節の機能を全廃したもの
→ 片脚の関節がほとんど動かず、杖や装具がなければ歩行が難しい状態

5級:一下肢の股関節又は膝関節の機能の著しい障害/一下肢の足関節の機能を全廃したもの
→ 歩行は可能でも、長距離歩行や階段の昇降が困難な状態

6級:一下肢をリスフラン関節以上で欠くもの/一下肢の足関節の機能の著しい障害
→ 足首の可動域が大きく制限される、または足の一部を欠損している状態

7級:一下肢の機能の軽度の障害/一下肢の股関節、膝関節又は足関節のうち、いずれか一関節の機能の軽度の障害
→ 歩行は可能なものの、疲れやすい、走れないなど一定の制限がある状態

半身不随の場合、片側の上肢と下肢の両方に障害が生じるため、前述の通り、それぞれの等級の指数を合算して総合等級が判定されます。片側の上肢が3級相当、片側の下肢が4級相当と認定された場合、合算により2級と判定される可能性があります。

また、座位や立位の保持が困難な場合は、体幹機能障害として認定されることもあります。

【体幹機能障害の認定等級基準】

出典:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表」・東京都福祉局「身体障害者と身体障害認定基準について

半身不随でよくある認定パターン例

半身不随(片麻痺)の特徴として、原則として「片側の上肢」と「片側の下肢」に機能障害が残ります。

また、両側麻痺(四肢麻痺)ではないため1級になるケースは限定的です。

一方で、上肢+下肢の複数障害の合算が行われるため7級単独で終わるケースも少ないとされています。

状態 等級の考え方
上肢3級+下肢4級 合算により2級に該当するケースが多い
上肢4級+下肢5級 合算により3級〜4級に該当するケースが多い
下肢のみ機能障害(歩行困難) 4〜5級に該当するケースが多い
軽度の麻痺(筋力低下中心) 6級に該当するケースが多い
両側全廃 原則として1級に該当する(※半身不随では稀)

【合算して3級と認定される例】

脳梗塞の後遺症で右半身に麻痺が残り、右手の親指と人差し指が動かせずペンや箸を持つことができない状態(上肢4級相当)に加えて、右脚の筋力も大幅に低下しており、杖なしでは歩行ができない状態(下肢4級相当)になるケースがあります。

上肢と下肢それぞれ単独では4級ですが、両方の障害をあわせて総合的に判定した結果、3級相当と判断されることがあります。

【下肢のみ機能障害(歩行困難)4級の例】

脳出血の後遺症で左脚に麻痺が残り、左膝の屈伸がほとんどできず、短距離の歩行でも装具や杖が必要な状態になるケースがあります。

上肢に軽度のしびれがあっても日常生活動作に大きな支障がない場合は、下肢の機能障害のみが評価対象となり、4級相当と判断されることがあります。

※複数の障害がある場合は、等級を単純に足し算するのではなく、厚生労働省の基準に基づき総合的に判定されます。上記はあくまで代表的な認定例になります。

出典:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表」・長野県「身体障害者障害程度等級表の解説」・厚生労働省「身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)について

半身不随で障害者手帳が取得できないケース

一方で、以下のようなケースでは手帳の交付対象にならない場合があります。

症状が固定していない場合

身体障害者手帳は「永続する」障害に対して交付されるものであり、症状が定まっていない発症直後の段階では申請ができません。

脳卒中の場合、発症後はリハビリによって機能が回復する可能性があるため、一般的に3〜6か月程度の経過を見たうえで、主治医が「これ以上の大きな回復は見込めない」と判断した時点で申請が可能になります。

症状固定の時期は一律ではなく、障害の原因や状態によって異なるため、申請の時期については主治医と相談することが重要です。

麻痺の程度が等級表の基準に該当しない場合

半身不随の後遺症があっても、麻痺の程度が軽度にとどまる場合は、等級表の基準を満たさず手帳の交付対象にならないことがあります。

たとえば、軽いしびれや筋力低下はあるものの、日常生活動作に大きな支障がなく、関節可動域や筋力テストの結果が7級相当にも満たないケースがこれに該当します。

なお、等級の判定は、指定医が作成した診断書の内容をもとに自治体が総合的に判断します。そのため、自身の症状が等級基準に該当するかどうかについては、まず主治医や身体障害者福祉法の指定医に相談することが大切です。

リハビリにより機能が回復した場合

発症後のリハビリによって機能が大きく回復し、等級表の基準を下回る水準まで改善した場合は、手帳の交付対象になりません。

また、すでに手帳を取得している場合でも、その後の回復により障害の程度が手帳の等級に該当しなくなった場合は、再認定によって等級が変更される、または手帳の返還を求められることがあります。

一方で、回復後に症状が悪化した場合は、あらためて申請を行うことで手帳を取得できる可能性もあります。

出典:厚生労働省「身体障害者手帳」・愛知県「身体障害認定における障害固定の時期の目安について

半身不随の人が障害者手帳を取得する手順

障害者手帳の申請には、主治医が作成した診断書が必要です。申請に必要な書類は、役所の福祉課で受け取る、もしくはオンラインでダウンロードできる場合もあります。

申請時には、診断書のほかに以下の書類も必要です。

※準備物は区市町村によって異なるケースがあるため事前に市区町村の福祉課に確認するようにしましょう

<障害者手帳の取得手順>

STEP.1:主治医に相談
症状がある程度固定されたと判断されたタイミングで、主治医に申請用の診断書を作成してもらいます。精神障害者手帳の取得をする場合は、初診日から6ヶ月以上経過していることが、診断書作成の条件となります。

STEP.2:役所に必要書類を提出して申請
診断書・意見書を受け取ったら、役所の福祉課に申請書類とともに提出します。

STEP.3:審査機関による審査
役所が申請書類を受理した後、申請書類をもとに専門機関で障害の程度について審査が行われます。

STEP.4:手帳の発行と交付通知
審査が完了すると、役所から交付の通知が届きます。その後、役所で障害者手帳を受け取ります。

主治医への相談から手帳が手元に届くまで、一般的には2〜3ヶ月ほどかかります。ただし、診断書作成の期間や審査の混雑状況によっては、3ヶ月以上かかることもあるため、取得を希望する場合は早めに行動するようにしましょう。

出典:多摩市「障害福祉」・日野市「身体障害者手帳に関する手続き

半身不随の人が身体障害者手帳を取得するメリット

障害者枠での就労が可能になる

身体障害者手帳を取得すると、障害者雇用での就労が可能になります。

障害者雇用枠で採用されると、障害に対する合理的配慮を受けながら働けるため、就労による心身への負担を軽減できます。

【合理的配慮の例】

上記のように、心身の負担を軽減するための様々な配慮を受けることができます。業務内容や就労環境の調整など、症状への影響を極力避けた状態で働くことが可能です。

また、障害者雇用枠は一般枠とは採用枠が異なり、障害者専用の雇用枠となっている点も大きなメリットです。一般枠とは別の枠として選考が行われるため、障害を持っていることが選考において不利に働くことがなく、一般枠で選考を受けるよりも採用される確率が高くなる傾向があります。

障害者枠での採用の難易度について、こちらの記事「障害者枠は採用されやすい!選考に受かりやすい人の特徴と求人3選を紹介」にて詳しく解説しています。

就労支援サービスを利用できる

障害者手帳を取得することで、さまざまな就労支援サービスを利用できるようになります。

【就労支援サービスの例】

就労移行支援事業所は、実務経験に役立つさまざまな実践的なスキルを学びながら、就職先を探すことができる支援サービスです。それに対し就労継続支援事業所は、その事業所で就労をすることで、給与や工賃を受け取りながら、就労経験を積むことができる事業所です。

ハローワークの障害者雇用窓口や、障害者雇用専門の転職エージェントでは、それぞれで障害者枠での転職/就職活動全般の支援を受けることができます。

税控除などの金銭的メリットがある

障害者手帳を取得することで税金の控除や医療費助成金など、様々な金銭的な支援を受けることができます。

【医療助成金・税金の控除の例】

また、日常生活に関する支援を受けられる場合もあります。

【生活支援の例】

なお、支援の内容や対象等級は自治体によって異なるため、詳細は市区町村の福祉課で確認するようにしましょう。

出典:厚生労働省「特別障害者手当について」・国税庁「障害者控除」・川崎市「傷害保険福祉のに関する各種サービス

公共交通機関・公共料金・レジャー施設等の割引が受けられる

また、障害者手帳を取得すると、さまざまな割引を受けることができます。

上記のように、映画館や水族館などのレジャー施設の料金が半額程度割引されたり、交通機関の乗車券の金額が割引されるなど、日常生活の中で割引制度を利用できるようになります。

対象等級は自治体ごとに異なるため、詳細は自治体の福祉課で確認するようにしましょう。

出典:川崎市「障害のある方への福祉サービス」・ミライロID「ミライロIDが使える場所

生活や仕事に支障がある場合は「障害年金」の申請も検討

障害の症状により社会生活に著しい制限が生じている場合、障害年金の受給対象となる可能性があります。障害年金には障害基礎年金(1級・2級のみ)と障害厚生年金(1級・2級・3級)があります。

障害年金は障害者手帳とは別の基準で審査が行われるため、障害者手帳を取得できなかったとしても、障害年金の受給対象となることもあり、その逆もあります。

【障害年金の認定基準】

出典:厚生労働省「障害年金」・日本年金機構「障害年金

なお、令和7年度の障害年金の支給額は以下の通りとなっています。(出典:小川早苗社会保険労務士事務所

月額 年額 前年度の年額
障害基礎年金1級 86,635円 1,039,625円 1,020,000円
障害基礎年金2級 69,308円 831,700円 816,000円
障害厚生年金 3級(最低保障) 51,983円 623,800円 612,000円
子の加算1人目(障害基礎年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
子の加算2人目(障害基礎年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
子の加算3人目(障害基礎年金に加算) 6,650円 79,800円 78,300円
配偶者 加給年金(障害厚生年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
障害年金生活者支援給付金1級 6,813円 81,756円 79,656円
障害年金生活者支援給付金2級 5,450円 65,400円 63,720円

上記の内容は毎年見直しが実施されているため、最新の情報は日本年金機構の公式サイトを確認しましょう。

脳梗塞による左半身麻痺で障害厚生年金2級を受給できた事例

脳梗塞による左半身麻痺で障害厚生年金2級の受給対象となった50代男性の事例を紹介します。

こちらの男性は勤務中に突然左半身が動かなくなり、救急搬送ののち脳梗塞と診断されました。治療とリハビリを続けましたが、左半身に麻痺が残り、現在は左足に補装具を装着して歩行しています。

仕事には復帰できたものの、歩行中に段差でバランスを崩すことがあり、通勤には配偶者の付き添いが必要な状態でした。また、日常生活でも多くの場面で援助を要していました。

症状固定後も麻痺の改善が見られず、日常生活や労働能力への制限が大きいと判断されたことから、障害厚生年金2級に認定されました。

その結果、配偶者加給を含めて年間約215万円の年金を受給することができました。

出典:埼玉障害年金相談センター「脳梗塞による左半身麻痺で障害厚生年金2級を受給できた例

脳出血による右半身麻痺で障害基礎年金2級を受給できた事例

脳出血による右半身麻痺で障害基礎年金2級の受給が認められた70代男性の事例を紹介します。

こちらの男性は約10年前に脳出血で倒れ、右半身に麻痺が残りました。当時、自身で障害年金を申請し、障害基礎年金2級の認定を受けていました。

しかし、その後は当初通院していた病院から離れた福祉施設に入居。障害年金の更新の時期になったものの、近隣で診断書を作成できる医療機関が見つからず、手続きを行えないまま受給が停止(※)してしまいました。

転機となったのは、配偶者が年金事務所を訪れたことでした。現在受給している老齢年金よりも、障害基礎年金を受給したほうが年金額が多くなる可能性があると説明を受け、改めて手続きを進めることになりました。

当時の症状は、右腕はほぼ動かせず、右足も歩行が著しく困難な状態で、日常生活にも大きな支障がありました。改めて診断書を整え、「支給停止事由解除」の申請を行った結果、障害基礎年金2級が再び認められ、年間約78万円を受給することができました。

(※)…障害年金は更新時に必要な診断書を提出できないと支給が停止されることがあります。ただし、症状が認定基準に該当していれば、「支給停止事由解除」の手続きを行うことで再び受給できる可能性があります。

出典:大阪障害年金サポートセンター「脳出血による右半身麻痺で障害基礎年金2級を受給できたケース(停止事由解除申請)

半身不随が仕事に与える影響

半身不随では片側の手足に麻痺が残るため、身体を使う作業に大きな制約が生じます。

上肢(手・腕)の麻痺がある場合、キーボード操作や書類の作成、工具・機械の操作など、両手を使う作業が困難になることがあります。とくに利き手側に麻痺がある場合は、デスクワークであっても作業効率が大きく低下しやすくなります。

下肢(足)の麻痺がある場合は、長時間の立ち仕事や移動の多い業務に支障が出ます。製造業や小売・飲食業などの現場作業、営業職で外回りが多いケースなどは、就労が難しくなります。

また、麻痺側の手足の感覚障害(しびれ・温度が感じにくい等)により、火傷や怪我に気づきにくくなるため、調理や工場作業など安全管理が求められる現場では注意が必要になります。

高次脳機能障害による影響

半身不随の原因である脳卒中や頭部外傷では高次脳機能障害が後遺症として生じることがあり、外見からは分かりにくいものの、仕事への影響が大きくなる場合があります。

記憶障害がある場合、口頭での指示を覚えにくい、業務手順を忘れやすいといった問題が生じることがあり、事務職や接客業などで業務ミスにつながる可能性があります。

注意障害がある場合は、複数の業務を同時に進めることが難しくなり、電話を受けながらメモを取る、来客対応をしながら別の業務を並行するといったマルチタスクに困難を感じやすくなります。

また、左半身に麻痺がある場合(右脳損傷)には、半側空間無視がみられることがあり、視野の左側にある情報を見落としやすくなるため、車の運転が必要な業務や、画面上のデータを広く確認する業務に支障が出る可能性があります。

それに対し、右半身に麻痺がある場合(左脳損傷)は失語症を伴うことがあり、言葉がうまく出てこない、相手の話を理解しにくいといった症状が出るため、電話対応や会議での発言、接客など、コミュニケーションが中心となる業務に大きな影響が出ることが考えられます。

疲労・体力面の変化による影響

脳卒中の後遺症として、以前と比べて疲れやすくなる「易疲労性(いひろうせい)」がみられることがあります。脳が損傷を受けたことで、身体的・認知的な活動にこれまで以上の負担がかかることが一因と考えられています。

その結果、フルタイム勤務を続けることが体力的に難しくなるケースや、午後になると集中力が低下する、週の後半に体調を崩しやすくなるといった傾向がみられることがあります。

また、天候や気温の変化によって体調が左右されやすいと感じる人もおり、勤怠が安定しにくくなる場合もあります。

そのため、時短勤務から段階的に復職することや、こまめに休憩を取れる環境の整備、通院に配慮した柔軟な勤務体制など、職場側の理解と配慮が重要になります。

そのため、時短勤務からの段階的な復帰や、休憩を取りやすい環境の整備、通院のための柔軟な勤務体制など、職場側の配慮が重要になります。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「脳卒中」・国立循環器病研究センター「脳卒中」・国分寺市「高次脳機能障害とは

半身不随で障害者手帳を取得した人におすすめの求人例

半身不随の人が安定して長期的に就労する場合、障害者雇用での就労が最適です。特に以下のような条件が整った職場を選ぶことで、無理のない働き方がしやすくなります。

以下では参考情報として、半身不随で身体障害者手帳を取得した後に、無理なく働きやすい実際の障害者雇用の求人例を紹介します。

NECネクサソリューションズ

【求人情報】

こちらは、NECネクサソリューション株式会社が募集している、営業事務兼庶務の求人です。

当ポジションでは、帳票作成や申請業務など基本的な事務業務全般を担当します。基本的に全ての業務がデスクワークとなっているため、麻痺の症状による業務への影響を抑えることができます。

業務内容によっては在宅勤務も可能となっているため、通勤に負担を感じている人にもおすすめの求人です。

また、複数の業務を担当できる場合、高水準の給与を受け取ることも可能です。

NECネクサソリューション株式会社の求人は、こちらからご確認ください。

日本ナレッジ

【求人情報】

こちらは日本ナレッジ株式会社が募集しているシステムエンジニアの求人です。

業務内容としては、クライアントの希望に応じたERPパッケージの導入支援、システム構築、カスタマイズなどに関する業務のうち、経験や障害の状況に応じた業務を担当します。

こちらも全ての業務がデスクワークとなっているため、負担や影響を抑えながら働くことができます。

また、応募条件は最低限の実務経験と開発経験のみとなっているため、これからエンジニアとしてのキャリアアップを目指していきたい人には最適な求人です。

日本ナレッジ株式会社の求人は、こちらからご覧ください。

博報堂DYアイ・オー

【求人情報】

こちらは大手広告代理店の博報堂グループの特例子会社の求人です。

特例子会社では、より手厚い配慮を受けながら働くことができるため、麻痺の症状が重い人や、高次脳機能障害などの併発している症状がある人であっても、適切な配慮を受けながら働くことができます。

業務内容も比較的簡単なものが多く、働くことに慣れていない人にとってもおすすめの求人です。

株式会社博報堂DYアイ・オーの求人は、こちらからご覧ください。

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