本態性振戦で障害者手帳は取得できる?取得しやすいケースと難しいケースも紹介

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本態性振戦を発症した場合でも、多くのケースでは身体障害者手帳の等級対象とはなりません。

ただし、本態性振戦による振戦が重度で日常生活動作に著しい支障をきたし、肢体不自由(上肢機能障害)として認められる場合には、肢体不自由(上肢機能障害)として、身体障害者手帳4級~6級に該当する可能性があります。。

この記事では、本態性振戦で障害者手帳が何級に該当するのか、対象となる条件や等級の判断基準、申請手順についてわかりやすく解説します。

本態性振戦とは

本態性振戦の概要

本態性振戦は、原因がはっきりしていない振戦(ふるえ)を主な症状とする病気です。病名に「本態性」とある通り、特定の原因疾患はなく、体質的な要因が関係していると考えられています。

本態性振戦には、次のような特徴があります。

主な症状は、体の一部が規則的に震えることで、特に手に症状が出やすいのが特徴です。人によっては、足・頭部・声などに振戦が現れることもあります。

症状の現れ方には、次のような傾向があります。

また、家族や親族に同様の症状がみられる場合は「家族性振戦」と呼ばれ、遺伝的要因が関与している可能性も指摘されています。

なお、本態性振戦ではMRIやCTなどの画像検査で明らかな異常が認められないことも特徴の一つです。

出典:日本臨床内科医会「本態性振戦」・近畿大学医学部脳神経外科「本態性振戦」・ちくさ病院「パーキンソン病と本態性振戦の違い

本態性振戦の症状

本態性振戦の症状は患者によって違いはありますが、最も多い症状は「両手を伸ばしたときに手が細かく震える」「首が細かく震える」「声が震える」の3つです。

振戦は動作をしているとき(動作時振戦)や、特定の姿勢をとったとき(姿勢時振戦)に出現し、安静にしているときには軽減または消失します。

振戦は比較的左右対称に出てくることが多く、片側だけに症状が出ることは少ないとされています。症状の軽いうちはそれほど問題にはなりませんが、字が書きづらい、コップを持つ手がふるえるなど、日常生活への影響が出るようになる場合もあります。

具体的な日常生活への影響として、以下のような症状が挙げられます。

出典:日本臨床内科医会「本態性振戦」・近畿大学医学部脳神経外科「本態性振戦」・オムロンヘルスケア「パーキンソン病と間違えられやすい本態性振戦

本態性振戦の治療法

本態性振戦の治療は、ふるえの重症度や日常生活への影響の程度によって選択されます。症状が軽く、生活への支障が少ない場合は、内服治療や経過観察が中心となります。

本態性振戦の主な治療法には、次のようなものがあります。

薬物療法
薬物療法は、本態性振戦に対する基本的な治療で、まず検討される方法です。

主に以下の薬が使用されます。

なお、ぜん息や心疾患がある場合は使用できない薬もあるため、既往歴については事前に医師へ伝えることが重要です。

手術療法
薬物療法の効果が十分でない場合や、副作用が強く出る場合には、手術療法が検討されます。書字や食事などの日常生活動作が著しく困難な重症例では、脳の視床と呼ばれる部位に治療を行うことで、ふるえの改善が期待できます。

手術療法には、以下のような方法があります。

生活に大きな支障があり、薬物療法に抵抗性を示す重度の本態性振戦では、これらの外科的治療が選択肢として検討されます。

出典:近畿大学医学部脳神経外科「本態性振戦」・東京女子医科大学脳神経外科「機能神経外科 本態性振戦(経頭蓋超音波)

本態性振戦で障害者手帳は取得できる?

本態性振戦で障害者手帳を取得できるかどうかは、「振戦そのものの有無」ではなく、「上肢の機能障害として、どの程度日常生活に支障が出ているか」が判断のポイントとなります。

前提として、本態性振戦そのものは、原則として身体障害者手帳の等級対象にはなりません。ただし、本態性振戦による振戦が重度で日常生活動作に著しい支障をきたし、肢体不自由(上肢機能障害)として認められる場合には、身体障害者手帳の取得対象となる可能性があります。

取得できる可能性があるケース

以下のような状態が認められる場合、本態性振戦であっても身体障害者手帳の対象となる可能性があります。

本態性振戦単独では認定が難しいケースが多いため、障害者手帳の取得可否については、主治医と十分に相談したうえで判断することが重要です。 なお、本態性振戦単独では障害者手帳の対象になりにくいものの、精神疾患(うつ病・不安障害など)を合併し、身体面と精神面の両方で生活・就労への支障が重なっている場合には、症状の主因に応じて精神障害者保健福祉手帳の対象となるケースもあります。

取得が難しいケース

本態性振戦であっても、症状が軽度で日常生活への支障が小さい場合は、障害者手帳の取得は難しいと考えられます。

特に、以下のようなケースでは、肢体不自由としての認定が困難になることが多いです。

本態性振戦は、振戦そのものが主症状であり、パーキンソン病のような進行性の運動障害を伴わない病気です。そのため、振戦によって日常生活や仕事にどの程度の支障が生じているかが重視され、機能障害が重度と評価されない限り、障害者手帳の対象とはなりにくいとされています。

出典:東京都福祉局「障害種類ごとの基準(3)肢体不自由」・千葉県「千葉県身体障害認定基準

障害者手帳を取得する手順

障害者手帳の申請には、主治医が作成した診断書が必要です。申請に必要な書類は、役所の福祉課で受け取る、もしくはオンラインでダウンロードできる場合もあります。

申請時には、診断書のほかに以下の書類も必要です。

※準備物は区市町村によって異なるケースがあるため事前に市区町村の福祉課に確認するようにしましょう

<障害者手帳の取得手順>

STEP.1:主治医に相談
症状がある程度固定されたと判断されたタイミングで、主治医に申請用の診断書を作成してもらいます。精神障害者手帳の取得をする場合は、初診日から6ヶ月以上経過していることが、診断書作成の条件となります。

STEP.2:役所に必要書類を提出して申請
診断書・意見書を受け取ったら、役所の福祉課に申請書類とともに提出します。

STEP.3:審査機関による審査
役所が申請書類を受理した後、申請書類をもとに専門機関で障害の程度について審査が行われます。

STEP.4:手帳の発行と交付通知
審査が完了すると、役所から交付の通知が届きます。その後、役所で障害者手帳を受け取ります。

主治医への相談から手帳が手元に届くまで、一般的には2〜3ヶ月ほどかかります。ただし、診断書作成の期間や審査の混雑状況によっては、3ヶ月以上かかることもあるため、取得を希望する場合は早めに行動するようにしましょう。

出典:多摩市「障害福祉」・日野市「身体障害者手帳に関する手続き

本態性振戦の人が障害者手帳を取得するメリット

障害者枠での就労が可能になる

身体障害者手帳を取得すると、障害者雇用での就労が可能になります。

障害者雇用枠で採用されると、障害に対する合理的配慮を受けながら働けるため、就労による心身への負担を軽減できます。

【合理的配慮の例】

上記のように、心身の負担を軽減するための様々な配慮を受けることができます。業務内容や就労環境の調整など、症状への影響を極力避けた状態で働くことが可能です。

また、障害者雇用枠は一般枠とは採用枠が異なり、障害者専用の雇用枠となっている点も大きなメリットです。一般枠とは別の枠として選考が行われるため、障害を持っていることが選考において不利に働くことがなく、一般枠で選考を受けるよりも採用される確率が高くなります。

障害者枠の採用のされやすさについては、こちらの記事「障害者枠は採用されやすい!選考に受かりやすい人の特徴と求人3選を紹介」でも詳しく解説しています。

税控除などの金銭的メリットが受けられる

障害者手帳を取得することで税金の控除や医療費助成金など、様々な金銭的な支援を受けることができます。

【医療助成金・税金の控除の例】 /p>

また、日常生活に関する支援を受けられる場合もあります。

【生活支援の例】

なお、支援の内容や対象等級は自治体によって異なるため、詳細は市区町村の福祉課で確認するようにしましょう。

出典:厚生労働省「特別障害者手当について」・国税庁「障害者控除」・川崎市「傷害保険福祉のに関する各種サービス

公共料金・交通機関・レジャー施設等の割引

また、障害者手帳を取得すると、さまざまな割引を受けることができます。

上記のように、映画館や水族館などのレジャー施設の料金が半額程度割引されたり、交通機関の乗車券の金額が割引されるなど、日常生活の中で割引制度を利用できるようになります。

対象等級は自治体ごとに異なるため、詳細は自治体の福祉課で確認するようにしましょう。

出典:川崎市「障害のある方への福祉サービス」・ミライロID「ミライロIDが使える場所

障害年金の申請も選択肢のひとつ

障害の症状により社会生活に著しい制限が生じている場合、障害年金の受給対象となる可能性があります。障害年金には障害基礎年金(1級・2級のみ)と障害厚生年金(1級・2級・3級)があります。

障害年金は障害者手帳とは別の基準で審査が行われるため、障害者手帳を種奥できなかったとしても、障害年金の受給対象となることもあり、その逆もあります。

【障害年金の認定基準】

出典:厚生労働省「障害年金」・日本年金機構「障害年金

なお、令和7年度の障害年金の支給額は以下の通りとなっています。(出典:小川早苗社会保険労務士事務所 )

月額 年額 前年度の年額
障害基礎年金1級 86,635円 1,039,625円 1,020,000円
障害基礎年金2級 69,308円 831,700円 816,000円
障害厚生年金 3級(最低保障) 51,983円 623,800円 612,000円
子の加算1人目(障害基礎年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
子の加算2人目(障害基礎年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
子の加算3人目(障害基礎年金に加算) 6,650円 79,800円 78,300円
配偶者 加給年金(障害厚生年金に加算) 19,941円 239,300円 234,800円
障害年金生活者支援給付金1級 6,813円 81,756円 79,656円
障害年金生活者支援給付金2級 5,450円 65,400円 63,720円

本態性振戦と精神疾患の併発により障害年金の認定につながったケース

本態性振戦と精神疾患を併発し、障害厚生年金2級に認定された事例を紹介します。

この方は、幼少期から「集中が続かない」「人の輪に入りづらい」といった特性がみられました。高校生の頃から、人前で緊張すると手が震える症状が現れるようになり、大学卒業後に就職した職場で、同僚や上司と接する場面が増えたことで手の震えがより強くなりました。

そのため神経内科を受診し、本態性振戦と診断されました。さらに、神経内科の医師から精神的な要因の可能性を指摘され、心療内科を受診したところ、強い不安や緊張が症状に影響していると診断されました。

その後、うつ病や広汎性発達障害といった精神疾患も確認され、日常生活や就労に大きな支障が生じる状態となりました。仕事を続けることが難しくなり、生活面でも周囲のサポートが必要な状況が続いていました。

障害年金の申請にあたっては、これらの症状や生活上の支障について医療記録や申立内容を整理し、審査機関に適切に伝えました。その結果、症状の重さや生活への影響が認められ、障害厚生年金2級に認定されました。

出典:かなみ社会保険労務士事務所「うつ病・広汎性発達障害の初診日は本態性振戦 障害厚生年金2級を受給

本態性振戦が仕事に与える影響

本態性振戦は、手や声の震えが続くことで、職種や業務内容によっては仕事に大きな影響を及ぼすことがあります。

【業務パフォーマンスへの影響】

【職種への影響】

本態性振戦の症状は精神的な緊張で一時的に悪化するため、ストレスの少ない環境での就労が重要になります。定期的な通院への配慮や、体調に応じた勤務時間・業務量の調整が可能な職場であれば、治療を続けながら安定した就労を目指しやすくなります。

障害や病状への理解がある職場環境を選ぶことで、症状による影響を最小限に抑えながら働くことが可能になります。

本態性振戦の方に向いている仕事・実際の求人例

本態性振戦は手の震えが主症状となるため、立ち仕事や精密な手作業が少なく、デスクワーク中心で業務量や働き方の調整がしやすい職種との相性が比較的良いといえます。

以下では、本態性振戦の特性を踏まえ、無理なく働きやすい実際の求人例を紹介します。

NECネクサソリューションズ

【求人情報】

こちらは、NECネクサソリューション株式会社が募集している、営業事務兼庶務の求人です。

こちらのポジションでは、申請業務や帳票作成、申請業務など基本的な事務業務全般を担当することになります。業務内容によっては在宅勤務も可能となっているため、通勤に負担を感じている人や、プレッシャーの少ない環境で働きたい人におすすめの求人です。

また多くの業務を担当できる場合、高水準の給与を受け取ることも可能です。

NECネクサソリューション株式会社の求人は、こちらからご確認ください。

日本ナレッジ

【求人情報】

こちらは日本ナレッジ株式会社が募集しているシステムエンジニアの求人です。

業務内容としては、クライアントの希望に応じたERPパッケージの導入支援、システム構築、カスタマイズなどに関する業務のうち、経験や障害の状況に応じた業務を担当します。業務内容は全てデスクワークのため、震えなどの症状があったとしても、心身への負担を抑えながら就労できます。

応募条件は最低限の実務経験と開発経験のみとなっているため、これからエンジニアとしてのキャリアアップを目指していきたい人には最適な求人です。

日本ナレッジ株式会社の求人は、こちらからご覧ください。

博報堂DYアイ・オー

【求人情報】

こちらは大手広告代理店の博報堂グループの特例子会社の求人です。

特例子会社では、より手厚い配慮を受けながら働くことができるため、ストレスを感じやすい環境を避けながら、自分に合った環境で無理なく働くことが可能になります。

業務内容も比較的簡単なものが多く、働くことに慣れていない人にとってもおすすめの求人です。

株式会社博報堂DYアイ・オーの求人は、こちらからご覧ください。

本態性振戦の人の転職/就職には転職エージェントがおすすめ

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