障害者手帳の等級の違いを表で説明!取得方法やメリットも解説

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電車やバスの優先座席、駐車場の優先スペースのように、社会には障害者の方が利用できるサービスが数多く設けられています。障害による不便・不利益を少しでも解消するためのもので、これらのサービスの利用は障害者の方に限られ、健常者には遠慮してもらうのが一般的です。

障害者向けサービスを利用する際の多くに、障害者手帳の提示が求められます。障害者手帳とは何か、等級やメリット、取得方法、そして就職との関係について、お伝えします。

障害者手帳の種類と等級

障害者手帳は障害者の方に交付される手帳です。顔写真入りで、氏名・住所・障害名・障害等級などが記載されています。

障害者手帳の種類

障害者手帳には、

の3種類があります。

身体障害者手帳の対象と等級

身体障害者手帳は身体の機能に障害がある方に交付される障害者手帳です。次の機能の障害に対して、程度に応じて1~6級の障害等級で交付されます。また等級の数字が小さいほど、重度の障害として扱われます。

身体障害者手帳の対象

同じ等級の障害を重複して持つ場合は1級重い等級、違う等級の障害を重複して持つ場合は程度に応じて重い等級が付与されます。

視覚障害等級表

1級両目の視力の和が0.01以下
2級両目の視力の和が0.02以上0.04以下など
3級両目の視力の和が0.05以上0.08以下など
4級両目の視力の和が0.09以上0.12以下など
5級両目の視力の和が0.13以上0.2以下など
6級片目ずつの視力がそれぞれ0.02以下、0.6以下で両目の視力の和が0.2超

聴覚・平衡機能障害等級表

聴覚障害平衡機能の障害
1級--
2級両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上-
3級両耳の聴力レベルが90デシベル以上極めて著しい障害
4級両耳の聴力レベルが80デシベル以上など-
5級-著しい障害
6級両耳の聴力レベルが70デシベル以上など-

音声機能・言語機能・そしゃく機能障害等級表

1級-
2級-
3級機能喪失
4級極めて著しい障害

肢体不自由障害等級表

上肢(じょうし)

1級両上肢の機能全廃
両上肢を手関節以上で欠く
2級両上肢の機能に著しい障害
両上肢のすべての指を欠く
片方の上肢を上腕の1/2以上で欠く
片方の上肢の機能全廃
3級両上肢の親指と人差し指を欠くか機能全廃
片方の上肢の機能の著しい障害、すべての指を欠くか機能全廃
4級両上肢の親指を欠くか機能全廃
片方の上肢の肩関節・肘関節・手関節のうちどれかの機能全廃など
5級両上肢の親指の機能に著しい障害
片方の上肢の肩関節・肘関節・手関節のうちどれかの機能に著しい障害など
6級片方の上肢の親指の機能に著しい障害など
7級片方の上肢の機能に軽い障害など

下肢(かし)

1級両下肢の機能全廃
両下肢を大腿の1/2以上で欠く
2級両下肢の機能に著しい障害
両下肢を下腿の1/2以上で欠く
3級両下肢をショパール関節以上で欠く
片方の下肢を大腿の1/2以上で欠くか機能全廃
4級両下肢のすべての指を欠くか機能全廃
片方の下肢を下腿の1/2以上で欠く
片方の下肢の機能に著しい障害など
5級片方の下肢の股関節または膝関節に著しい障害
片方の下肢の足関節の機能全廃など
6級片方の下肢をリスフラン関節以上で欠くなど
7級両下肢のすべての指の機能に著しい障害など

体幹

1級座っていることができない
2級座位または起立位の保持が困難
立ち上がりが困難
3級歩行が困難
4級-
5級著しい障害

肢体不自由の障害で7級の障害が2つ以上重複してある場合は6級になります。

心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸・機能障害等級表

1級自己の身辺の日常生活に極度な制限
2級-
3級家庭内での日常生活に著しい制限
4級社会での日常生活活動に著しい制限

ヒト免疫不全ウイルスによる免疫・肝臓の機能障害等級表

1級日常生活がほとんど不可能
2級日常生活に極度な制限
3級日常生活に著しい制限
4級社会での日常生活活動に著しい制限

療育手帳の対象と等級

療育手帳は児童相談所または知的障害者更生相談所において、知的障害と判定された障害者の方に交付される障害者手帳です。AとBの障害等級があり、Aの方が重度の障害として扱われます。以下の基準で判定されます。

知的障害等級表

1. 知能指数がおおむね35以下であって
■食事、着脱衣、排便及び洗面等日常生活の介助を必要とする
■異食、興奮などの問題行動を有する
のどちらかに該当する場合 2. 知能指数がおおむね50以下であって、盲、ろうあ、肢体不自由などがある
A以外

自治体によっては独自に、A・Bを細分化している場合もあります。

精神障害者保健福祉手帳の対象と等級

精神障害者保健福祉手帳は精神障害者と発達障害の方に交付される障害者手帳です。1~3級の障害等級があり、精神疾患(機能障害)の状態と生活能力障害の状態の両面から以下の基準で判定されます。

精神障害等級表

1級日常生活が行えない
2級日常生活が著しい制限を受ける
3級日常生活や社会生活に制限を受ける

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障害者手帳のメリット

障害者手帳を取得すると、以下のようなメリットがあります。

障害者雇用で働ける

企業には、一定人数の障害者を雇用する義務が課せられており、障害者手帳を取得するとこの障害者雇用制度の対象となります。

障害者雇用は、障害に対して配慮する前提での雇用となるため、障害を持っていても安心して働けます。

障害者雇用については、記事後半で詳しく解説します。

税負担が軽減される

障害者手帳を取得していると、各種税負担が軽減されます。

特別障害者その他の障害者
所得税40万円27万円
相続税1年につき20万円1年につき10万円

まず所得税は、特別障害者(身体障害者手帳1・2級 精神障害者保健福祉手帳1級所有者 重度の知的障害と判断された方)の場合、年間40万円、その他の障害者の場合、年間27万円の控除を受けられます。

相続税については、特別障害者の場合20万円、その他の障害者の場合10万円の控除を、85歳を迎えるまでの1年ごとに受けられます。

そのほかにも、自動車税や贈与税、個人事業税についての減免が受けられる場合があります。

交通機関の割引を受けられる

障害者手帳を取得すると、交通機関を利用する際に割引を受けられる場合があります。

JR線

JR線のの割引対象と割引率については下記の通りです。

対象者割引対象乗車券類割引率
第1種身体・知的障害者とその介護者普通乗車券
回数乗車券
普通急行券
50%
第1種身体・知的障害者とその介護者又は12歳未満の障害者とその介護者定期乗車券 (小児定期乗車券を除く。) 50%
第1種、第2種身体・知的障害者が単独でご利用になる場合普通乗車券50%

このように該当者は乗車券が半額で購入できます。第一種、第二種の分類については、障害者手帳に記載がされておりますのでご確認ください。

また上記の割引率は新幹線にも適用されています。

例えば、第1種身体障害者と介助者1名が東京から大阪まで新幹線で移動する場合、下記の様になります。

8,910円(乗車券)×0.5(割引)×2(人数)+4,960円(特急料金)×2(人数)=18,830円

通常料金は27,740円となるため、10,000円近くの割引が適用されます。

タクシー

タクシーも障害者手帳を提示することで割引を受けられます。

詳細は下記の通りです。

手帳種別対象地域割引率
身体障害・療育手帳全国1割
精神障害保健福祉手帳東京都など1割

身体障害者手帳と療育手帳を所有している場合、日本全国で1割引きの対象になります。精神障害保健福祉手帳を所有している場合、割引に対応している地域としていない地域があるため、利用する場合は事前にご確認ください。

また、特定の障害者手帳を所有している方に対して、タクシー券を発行している地域もあります。

例えば新宿区の場合、下記の条件に当てはまる方に月額3,500円分のタクシー券を発行しています。

タクシー券の発行については、お住まい地域の役所へご確認ください。

バス

バスについても、電車やタクシーと同様に割引制度があります。

今回は東急バスを例に解説します。

手帳種別普通運賃定期券介助人の割引適用
身体障害者手帳5割引き3割引き1名まで
療育手帳5割引き3割引き1名まで
精神障害保健福祉手帳5割引き××

普通運賃については、全ての手帳で割引が適用されます。

またこちらの制度を利用し定期券を発行する場合は記名が必要になります。

交通機関以外の割引制度も

公共施設や民間施設でも、障害者手帳所有者を対象とした割引制度を取り入れている場合があります。

【割引例】

公共施設の場合は全額割引、民間施設の場合は5割前後の割引を行っている施設が多い傾向にあります。

障害者手帳取得者を対象とした福祉支援

障害者手帳を取得すると、公的な福祉支援も受けられるようになります。支援の内容は、住んでいる地域ごとに決められており、細かな違いがある場合があります。

本記事では世田谷区を例に紹介させていただきますので、自分が住む地域の福祉支援について詳細を知りたい場合は、役所にお問合せください。

心身障害者福祉手当

条件に該当する場合、手当金が支給されます。支給対象者と支給額は下記の表をご参考ください。

身体障害者手帳1〜2級
愛の手帳1〜3度
身体障害者手帳3級
愛の手帳4度
精神障害者保健福祉手帳1級
支給額月額16,500月額7,500円月額5,000円

このように障害者手帳の種類や等級によって支給額が異なります。また一定以上の所得(がある場合は、上記条件に該当していても支給対象外となるため、注意が必要です。

特別障害者手当

身体的、もしくは精神的に重度の障害があったり、それと同等の失病を患っている方を対象とした手当金です。

下記条件に該当する場合は、月額27,350円の手当金が支給されます。

上記に目安とあるように、身体障害者手帳1級を所得していても、障害内容によっては対象外となることもあるため、ご自身が該当するかどうかについては、役所へご確認ください。

補装具費の支給

身体障害者手帳を取得すると、私生活や就労の際に必要となる補装具の購入や修理の費用が支給されます。

対象となる補装具は下記になります。

障害種別種目
視覚障害白状 義眼 眼鏡 コンタクトレンズ
聴覚障害補聴器
肢体不自由義手義足 車椅子 歩行器など
肢体不自由(18歳未満)座位保持椅子 起立保持具など

またこちらについても、収入に応じて支給額が調整されるため、詳細は役所にご確認ください。

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障害者手帳の取得方法

障害者手帳を取得するためには、交付の申請が必要です。障害者手帳に貼付する顔写真と、必要書類を準備して、それぞれの窓口で手続きを行います。各障害者手帳の交付申請受付窓口と必要書類は以下の通りです。

1. 身体障害者手帳

窓口:福祉事務所・市役所
書類:都道府県知事・指定都市市長・中核市市長の指定する医師の診断書・意見書

2. 療育手帳

窓口:児童相談所・知的障害者更生相談所
書類:医師の診断書など自治体の定めるもの

3. 精神障害者保健福祉手帳

窓口:市役所
書類:精神保健指定医その他精神障害の診断または治療に従事する医師の診断書、または精神障害による公的年金給付を受けていることを証明する書類

いずれの障害者手帳も、取得の相談は市役所の障害福祉を担当する窓口で受け付けています。

就職における障害者手帳のメリット

障害者手帳を取得すると、障害者雇用で働くことができます。

障害者雇用には、

といった特徴があります。

先ほども少し触れましたが、障害者雇用は障害に対する配慮を受けながら働くことができます。

障害に対する配慮の例としては、

といったことが挙げられます。

こういった配慮を受けながら働くことで、心身に無理な負担をかけることなく、仕事に集中することが可能です。

また一般雇用と障害者雇用で採用枠が分かれていることが大半なため、同じ求人に応募する人も相対的に少なくなります。そのため、大手企業に入社するチャンスも、一般雇用よりも多くあります。

もちろん障害者手帳を持っていても、一般雇用で働くことはできますが、業務内容や採用枠が健常者と同様になるため、どうしても負担が大きくなり、障害が悪化する危険もあります。

障害をお持ちの場合、極力障害者雇用で働くことをおすすめします。

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