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障害者の就職のカタチはたくさん!正しい選び方を解説

「障害者だから、障害のある方向けの求人や作業所以外では働けない」――こんな勘違いをしていませんか?
障害者手帳を持っている人しか、障害のある方向けの求人には応募できません。けれど、一般の方向けの求人には障害のある方も応募することができるのです。雇用主に障害があることを伝えるかどうかも自由。きちんと働いて、責任を果たせれば問題ありません。
この記事では、障害のある方の様々な就職のカタチについて解説します。

就職活動でまず決めることは、障害者手帳を持っていることを伝えるかどうか

障害のある方が就職活動をする時、キーポイントになるのが「障害者手帳を持っていることを開示するかどうか」です。

オープン就労

応募先の企業に障害があることを伝える(※障害者のある方向けの求人に応募する)場合は「オープン就労」と呼ばれています。

【メリット】
・企業ごとに差はあるものの、通院や体調不良時などに配慮を受けやすくなること
【デメリット】
求人は非正規雇用のものが主で、賃金はクローズでの就労より低くなりがちです。

クローズ就労

障害があることを伝えない(※一般の方向けの求人に応募する)場合は「クローズ」と呼ばれています。

【メリット】
・正社員求人が多く賃金も高め
【デメリット】
・障害に対する配慮は受けられなくなってしまい
・雇い主に隠し事をしていること自体が大きなリスクのため、ストレスを感じる人も多い

次項では、このメリット/デメリットについて詳しく解説します!

オープン就労のメリット/デメリット

障害者採用のメリットは働きやすさ。体調も安定しやすい?

まずは障害をオープンにして採用を目指す場合について説明します。障害のある方向けの求人に応募するのが基本ですが、一般の方向けの求人に障害を開示して応募することもできます。
前者の場合、雇用形態はパートか契約社員で、雇用期間には限りが設けられている(※更新制である)ことが多いです。パートの場合は月120時間以上の勤務を求められる求人が最も多く、次に月80~90時間勤務の求人が続きます。
合計求人数はあまり多くなく、賃金もクローズの場合より低くなりがちだというデメリットがあります。

一方で、障害内容を雇用主に伝えて入社するために配慮を受けやすく、仕事上での身体的・精神的ストレスが軽減されるというメリットも。求人を出している企業も大企業が多い印象です。
ところで、障害者採用の場合、雇用主の企業に重視されやすいのは勤怠の安定です。これは障害のある方の月々の実働勤務時間が、障害者雇用率の算定に影響を与えるからです。まだ体調の波が大きいなら、就労移行支援事業所などの福祉サービスを利用してみるのもおすすめです。

《参考:オープン就労の給与水準について》
厚生労働省の公表資料によると、
『平成30年5月の平均賃金をみると、身体障害者は21万5千円、知的障害者は11万7千円、精神障害者は12万5千円、発達障害者は12万7千円となっている』
(引用:厚生労働省『平成30年度障害者雇用実態調査の結果を公表します』)

とのことです。ただし、この数値はフルタイムとパートを合わせた平均です。更に、転職エージェント経由の非公開求人(※フルタイム求人が主)にはクローズと同じ給与水準のものも散見されます。
このように大きな幅がある中から算出されたデータなので、一概に給与が上記のようになる訳ではありません。

障害がある方の就職先なら、就労継続支援事業所も◎

就労継続支援事業所は、「作業所」とも呼ばれます。A型事業所とB型事業所がありますが、A型の場合は雇用契約を結んだ上で勤務するため、最低賃金が保証されます。また、一般企業の障害者採用よりも勤務時間の縛りが厳しくないことが多く、福祉サービスによる就労のため、支援を受けながら働けるのも大きなメリットです(※甘やかしてくれるわけではありません)。また、正式契約前に体験期間を設けている事業所が多いため、ミスマッチングも少ないです。
なお、B型事業所は賃金こそ安いものの、リハビリや訓練が主な目的であるため、A型以上に充実した支援を受けることができます。
イメージとしては「一般企業では勤めきれないけれど、雇用契約を結ぶ労働そのものには対応できる」人がA型、「雇用契約を結ぶのは難しいけれど、訓練を通して技術の向上や体調の安定を目指したい」人はB型といったところでしょうか。
いずれも利用には福祉サービス受給の手続きが必要なため、検討したい方はまず市や相談支援事業所に相談をしてみてください。

クローズ就労のメリット/デメリット

障害者手帳を開示せずに就職!注意すべきポイントは?

ここからはクローズでの就職活動についてです。障害のある方でも、一般の方向けの求人への応募は可能となっています。障害のある方向けの求人より正社員での募集が多く、給与も高く設定されている事も多いです。
ただし、これらのメリットは配慮を求めないからこそ得られるものです。残業の時間数や求められる業務レベルは、障害者採用より高くなりがちですし、入社後に障害者手帳を持っていることを雇用主に知られてしまうと、最悪の場合解雇される可能性も。そのため、一般枠で就労している間は所得税の障害者控除や障害者年金の受給を避けたほうが無難でしょう。
とはいえ、一般枠での就労で失敗しても、次から障害のある方向けの求人へ方向転換することも可能です。勤怠が安定しているなら、チャレンジしてみるのも一つの選択肢です。

障害者雇用という概念がない!?フリーランス(業務委託)


「フリーランスと聞くと何だかかっこいい」「ハードルが高そう」……。ある意味では正解で、間違いでもあります。
まず、企業に所属していない誰かが、外部から一つでも業務依頼を受ければその時点でフリーランスと名乗ることができます。意外と参入のハードルは低いのです。 ここで重要なのが、雇用契約書を結ばずに業務に当たるということ。ただ委託されているだけなので、障害者雇用率の算定とは無関係です。つまり、依頼主にとっては相手に障害があろうが無かろうが関係なく、重要なのは一般的なマナーに納期と費用、それに品質の良い完成物を納品できるスキルだけ。
どうしても企業勤めに馴染めなかった方が、フリーランスで上手くいったという体験談もインターネットで散見されます。個人事業主としての責任やスケジュール調整こそ生じますが、身軽な働き方に惹かれる方は検討してみてはいかがでしょうか?

障害ごとに就職活動で気をつけたいポイントまとめ

障害ごとに就職活動で気をつけるべきポイントは異なります。
それぞれの障害ごとに内容をまとめてみました!

身体障害の方が就職活動で気をつけたいポイント

身体障害の方の就職活動で大切なのは、必要な合理的配慮をはっきりさせ、前もって伝えることです。「足が不自由なので、なるべく移動距離を短くしてほしい」「エレベーターの利用を許可してほしい」というように、自身の能力を活かすための方法を無理のない範囲で企業側に伝えるのです。
なお、配慮を「お願い」するのですから、受け入れてもらえれば感謝の気持ちを持つべきです。これは他の障害をお持ちの方にも通じる考え方ですので、ぜひ覚えておいて下さい。

精神障害の方が就職活動で気をつけたいポイント

精神障害がある場合、重要なのはとにかく無理をしないことです。せっかく就職しても、体調が悪化しては元も子もないからです。
フルタイム勤務が難しい場合はパートタイムでの勤務を検討しましょう。また、自身の障害特性を理解し、適切なセルフケア方法を見つけておくのも必須です。就職した後、人間関係などの悩みを周囲に相談できるよう、コミュニケーションスキルを磨ければなお良いでしょう。

発達障害の方が就職活動で気をつけたいポイント

発達障害の方は、まず自分の得意・不得意をしっかり把握しましょう。障害特性上、得意なことでは非常に大きな成果を上げる可能性があるからです。逆に不得意なことで無理をすると体調を崩すことがあるので、職場選びは慎重に行うべきです。
また、発達障害の方も出来る限りコミュニケーションスキルを身に着けておきましょう。ストレスを一人抱え込むのは避けなければなりません。

障害があっても、就職のカタチは自由であるべき

障害を抱えていると、職業選択の自由が狭まるように感じられるかもしれません。一方で、障害者手帳があれば障害のある方向けの求人に応募できますし、フリーランスになれば福祉関連の業務依頼で自身の経験を売り込むことも可能です。決してデメリットばかりではないのです。クローズで就職したとしても法的な罰則はないのですから、ある意味では選択肢は増えてさえいます。
「こうしなければならない」という正解はありません。この記事を通して、一人でも多くの方が自分に合った働き方を見つけてくれたなら幸いです。

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