障害者雇用の平均年収は低い? その理由と年収アップの方法を解説!

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障害者手帳を保持している方は、入社の際に「障害者雇用枠」を利用することができます。定期的に通院しなくてはいけない方や、体調が変化しやすい方も安心して働くことができます。

しかし、障害者が働きやすい制度が整えられている一方で、一般的に給与水準は低いといわれています。今回は障害者雇用の平均年収の実情と、年収をアップさせる方法についてまとめました。

障害者雇用の平均年収はなぜ低い? 理由を解説

冒頭でお話したとおり、一般的に障害者雇用枠で働いている方は、一般雇用枠で働いている方よりも給与が低いといわれています。

では、具体的にどれほどの差があるのでしょうか。厚生労働省による「障害者雇用実態調査」のデータをみてみましょう。

平成30年度障害者雇用実態調査」によると、身体障害者は約21万5000円、知的障害者は約11万7000円、精神障害者は約12万5000円、発達障害者は約12万7000円が平均月収となっています。

一方、一般雇用枠の労働者の平均月収は約26万4000円。障害を持つ方の中でも一番給与水準の高い身体障害者でも、年間にして60万円の差があるのです。さらにボーナスや役職手当の差分を含めると、年間所得の差分は100〜150万円といわれています。一体なぜ、障害者雇用における平均年収はこれほどまでに低いのでしょうか。

非正規雇用で働いている人が多い

「平成30年度障害者雇用実態調査」に、障害者数82万1,000人(従業員規模が5人以上の事業所に限定)のうち、正規雇用されている方の割合が出ています。身体障害者は52.5%、知的障害者は19.8%、精神障害者は25.5%、発達障害者は22.7%だそうです。

一方、総務省統計局による「労働力調査」によれば、労働者5660万人(障害者雇用で働いている人も含む)のうち、正規雇用で働いている人の割合は62.8%。障害者雇用の方が一般雇用よりも非正規雇用の割合が高いので、必然的に所得も少なくなっているのです。

さらに厚生労働省職業安定局の「平成29年 障害者雇用の現状等」で障害者雇用における入社後の職場定着率を見てみましょう。一番定着率の高い身体障害者でも、入社1年後には3割の人が退職。一番定着率の低い精神障害者においては、1年後には7割の人が退職をしているそうです。

障害者雇用では、非正規雇用から始め、頃合いを見て正社員登用をする企業も多いので、結果的に非正規雇用で働く人の割合が大きくなっているのでしょう。

障害の特性上できる仕事の範囲に制限がある

障害者雇用枠は「障害の特性上遂行が難しい業務があり、特別な配慮が必要だ」と考えている方のために設けられています。一般労働者の業務内容と比べるとある程度仕事量や仕事内容が少なくなっていたり、時短労働をせざるを得なかったりするのです。

その結果、公平性の観点から給与設定も低くなっています。また、できる仕事の範囲に制限がある結果、昇進や昇格が難しいことも給与が低い原因の一つとして挙げられます。

給与アップを見込みづらい職種に就いている人が多い

そもそも企業側が障害者雇用枠を設けている職種が、簡単な事務や清掃、軽作業であることが多いです。一般雇用者の収入データをみても、一般事務職の平均年収は300万前後、清掃員の平均年収は250万円前後。これらの職種は、障害の有無に関わらず、給与水準が低いことがわかります。(最新版!129の「職種別年収ランキング」

障害者雇用における給与アップの方法

次に、これらのハンディキャップを乗り越え、障害者雇用で働く方が給与をアップさせる方法をご紹介します。障害者雇用を利用しているとはいえ、基本的な考え方は一般雇用枠と同じ。まずは「転職先探しのヒント」からお伝えします。

同一職種内・業界内で転職して年収アップ

中途採用では即戦力となる人材を求めています。自社と同一職種・同一業界で経験を積んできた人材には「その経験を活かして活躍してくれそうだ」と期待したくなりますよね。

ただし、同職種・同業界である分「なぜ前に勤めていた会社をやめたのか」について説得力のある理由を求められます。面接官に「採用してもまた同じ理由でやめてしまうのではないか」と思われないための準備をしておきましょう。

現役エージェントが教える障害者の転職活動を成功させるポイント

また、先ほどお伝えしたとおり、そもそも給与が低い原因として「給与相場が低い職種である」ことも考えられます。その場合は同一職種にこだわらず、あえて給与相場が高い職種を選ぶことも検討してみてはいかがでしょうか。

業界の“軸をずらした”転職で年収アップ

反対に「軸をずらした転職」をするのも一つの手。企業側からすると「今まで会社にいなかった人材が外から入ってくる」ことは、メリットになるからです。

ビジネス書のベストセラー『転職と副業のかけ算』で一躍有名となった、転職の達人・motoさんも、過去のインタビュー記事で以下のように語っています。

たとえば、金融業界に勤めている人が、ファイナンスまわりの知識を求めている急成長ベンチャーに役職をつけて転職する。AIを専門とするエンジニア系企業に、営業の第1号として転職する。メーカーでの営業経験や知識を活かして、平均年収の高い商社に営業として転職するとか…。

自分の持っている知識やコアスキルがありがたがられるような、「今までのキャリアから業界の軸をずらした転職」ができるといいですね。—— 「軸を動かさないとダメ」年収240万→1000万のmotoさんが語る“年収を上げる転職”



特に、現在ご自身が働いている業界の給与相場が低いと感じている場合、軸をずらした転職をすることで給与アップが見込めるかもしれませんね。

転職×副業で「10年で年収を20倍超」にした「次世代型サラリーマン」のモデルケース。


福利厚生や手当てなど給与以外の面に着目して年収アップ

転職に限った話ではありませんが「手取り額がそれほど高くないが、福利厚生や手当てが充実しているから出費が少なくて済んでいる」というのはよくあるパターンです。

たとえば既に家族を持っている方は「家族支援」や「子育て支援」に関連する福利厚生や手当てがある職場を選ぶのもいいでしょう。

障害者雇用における転職成功率をあげるには

資格を取るなど専門的な知識やスキルを身につけて転職に成功

一番確実で効果的な方法は、専門的な知識やスキルを身につけ、あなた自身の希少価値を高めることです。たとえばエンジニアとしての技術や経理に関する知識を持っていれば「あなたにしか頼めない仕事」が増えます。障害の有無に限らず、その人ならではの価値を持つことは大切なのです。資格を取るのも一つの手だと思います。

障害者雇用に特化した転職エージェントを利用する

転職エージェントは転職のプロです。膨大な情報を持っているので、効率の良い情報収集をすることができるでしょう。過去にあなたと似たような条件で転職活動をしていた人を参考に、的確なアドバイスをしてくれるかもしれません。

また転職活動を全面サポートしてくれるエージェントを利用すれば、自分の希望条件とマッチした企業を探し出せる確率も、書類選考や面接を突破できる確率も飛躍的に向上します。

一般雇用枠を利用する

この方法については、過去に「障害者手帳保持者であることを内緒にした転職のメリット・デメリット」で詳しくご紹介しています。

実は、障害者手帳を保持しているからといって、障害者雇用枠を使って入社しなくてはいけないきまりはありません。「特別な配慮はいらない」と感じるのであれば、一般雇用枠で入社しても何も問題ないのです。

ただ、その際に伴うデメリットについては十分に考慮する必要があります。ご自分の身体と相談した結果一般雇用でも無理なく働けると感じるのならば、検討してみることをオススメします。

転職活動では面接を上手に利用して年収アップ

最後に、転職成功率を上げるための「面接での心得」を紹介します。

採用面接をフィードバックの場所にし、自分への客観的な視点を得る

もし、あなたが社会的に評価されるはずの能力や実績を持ちながらも面接で落とされてしまう場合、伝え方に問題があるかもしれません。自分では面接官に伝えている“つもり”でも、あなたの魅力が伝わっていないのです。

この問題を解決する方法は、いたってシンプルです。勇気を出して面接の最後に「面接を通し、私に対してどのよう印象を持ちましたか?」と聞いてみましょう。自分では気づかなかったあなたの長所・短所が見えてくるかもしれません。

面接の段階で給与について交渉する

転職活動中の方の中には「応募者でありながら、給与の交渉をする行為は失礼にあたる」と考えたり「採用してもらうために、本来希望していた条件から妥協してしまう」と悩んだりしている方もいるでしょう。

しかし、実際の採用面接においては、採用者が「応募者が提示してきた金額が想定していたより低かった」と感じているケースすらあるのです。転職活動において給与の交渉をすることは決して悪いことではないので、堂々と交渉して納得のいく金額で契約を結びましょう。

ただし、高い給与を求めるのならば、それに見合う優れたスキルや実績を持つ必要があります。面接までに、自分のスキルや実績を証明するための準備をしておきましょう。

「会社が求めている人物像」に合わせて自分を売り込む

採用面接に落ちてしまう人がやりがちな失敗が、相手のニーズを考えずに「自分の得意なこと」を売り込んでしまうこと。いくら自分の長所をアピールしても、その会社が欲しているスキルとの間にギャップがあれば落とされてしまいます。

能力Aを求めている企業に、50%の能力Aを持っている人と、100%の能力Bを持っている人が同時に応募をした際、前者が採用されるのが採用面接というものです。

そこでオススメの方法が、事前に新卒採用サイトをみておくことです。新卒採用サイトは社会人未経験の学生に向けて、分かりやすく丁寧に書かれています。事前にその企業が求めているスキルや人物像をしっかり掴み、面接官に“刺さる”アピールができるようになります。

以上が、編集部が考える「障害者雇用を利用した転職活動において、年収を上げる方法」です。基本的な考え方は、一般雇用で働く方と同じ。お伝えした情報が、みなさんの年収アップにつながれば幸いです。

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