現役採用コンサルタントが教える障害者にとって「本当に働きやすい会社」の見分け方

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はじめまして、採用コンサルタントの鷲尾です。私は現在フリーランスの採用コンサルタントとして複数社の採用のお手伝いをしており、独立する前は大手人材企業やベンチャー企業などで採用や人事制度設計を担当してきました。

突然ですが、みなさんは働く上で悩みを抱えたことはありませんか?「本当に働きやすい会社って、どんな会社だろう」「働きたいけど、ちゃんと働けるか不安で踏み出せない」——そんな悩みを抱えている方は少なくないと思います。

今回は、障害者にとっての「働きやすい会社」を見分けるための方法をお伝えしたいと思います。障害を持った方々を採用する側だった私の目線から、「本当に働きやすい会社」を見分けるための、いくつかのチェックポイントをご紹介します。企業選択の参考にしていただければ幸いです。

長く働くためには「賃金・労働条件」と「職場の雰囲気・人間関係」が重要

働きやすい会社の見分け方をお話する前に、まずは障害者の離職理由を見てみましょう。

身体障害者/h3>

精神障害者

厚生労働省職業安定局 雇用開発部 障害者雇用対策課 地域就労支援室 「平成25年度障害者雇用実態調査結果」より

上記のグラフが示すように、身体障害者、精神障害者ともに「賃金、労働条件」「職場の雰囲気・人間関係」が離職理由として最も多く挙げられ、「仕事内容」や「疲れやすく体力、意欲が湧かなかった」がそれらに続きます。

次に示すのは、健常者の離職理由のランキングです。

リクナビNEXT「転職理由と退職理由の本音ランキングBest10」より、抜粋

職場の雰囲気や人間関係に関する、「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」と「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」を合わせると36%。賃金や労働条件に関する「給与が低かった」と「労働時間・環境が不満だった」を足すと28%になります。

これらのグラフを比較してみると、障害の有無にかかわらず「賃金、労働条件」「職場の雰囲気・人間関係」が離職を引き起こす大きな原因になっていることが分かります。

つまり快適に働き続けるためには、賃金、労働条件における「理想と現実のギャップ」がなく、自分に合った雰囲気の職場で、良好な人間関係を築くことが重要だと言えます。

働く目的を明確にすることが「働きやすい」への第一歩

まず、賃金、労働条件における理想と現実のギャップを生じさせないための方法を考えていきましょう。

何よりも大切なのは「自分が何を求めているのか」を明確にすることです。人事を務める中で、賃金や労働条件に不満を持って早期退職してしまう人の多くは、「自分の希望を明確にしないまま入社してしまった人」だと気が付きました。

「どれくらいの給料がほしいのか」「労働時間はどれくらいが理想なのか」「どれくらいのペースで昇給を希望するのか」など、賃金や労働条件について、まずは自分の理想を明確にすることが大切です。

特に、「会社内でのステップアップを目指すのか」「とにかく長く働きたいのか」を明らかにしておくことは、障害者の就職においてとても重要な観点だと思います。なぜならば、企業によって障害者に求めることが異なるからです。

法定雇用率を達成するために、長く働いてもらうことのみを期待する企業が存在する一方で、法定雇用率の達成だけでなく、障害者に活躍を期待する企業も存在します。これが、理想と現実のギャップを生む一因になります。

とにかく長く働きたいと考えている方が、活躍を期待する企業に入社すれば、成長を前提としたマネジメントに戸惑うことになるでしょう。また、ステップアップを目指す方が安定的な雇用のみを目的としたマネジメントや評価を受ければ、フラストレーションが溜まる原因になります。

自らの志向と会社の期待が一致していることが、「働きやすさ」を生み出すのです。

面接の「逆質問」を活用することで、職場の環境を知ろう

自らの希望と会社の期待が一致しているかどうかを確かめるには、面接など企業と直接コミュニケーションを取る場を活用し、直接質問してみましょう。

長く安定的に働くことを目的にする方が確認しておくべき事項

障害者の雇用実績

豊富な雇用実績がある企業は、障害者が働くための制度が整っている可能性が高いでしょう。また、これまでの採用人数や平均勤続年数を聞くことで「長く働けそうか」を確認することも大切です。厚生労働省が発表している、障害ごとの平均平均勤続年数を参考にしてみてください。

労働時間の柔軟性

急な体調不良や通院の必要性が生じる可能性がある障害者にとって、就業時間を柔軟に変更できることは「働きやすさ」に直結します。制度が存在しているだけではなく、実際に運用されているかを確認しましょう。

ステップアップを目指す方が確認しておくべき事項

評価制度

その企業がどのような評価制度を導入しているのかを確かめましょう。また、一般雇用と障害者雇用で、異なる評価方法を採っていないかどうかも確認したいポイントです。

ジョブローテーションや昇格の可能性

新たな業務やマネジメント職にチャレンジできる可能性も重要です。その際、どのような判断基準で配置転換、登用が決定されるのかも確かめておきましょう。

自らの志向を明確にした上で、面接において以上のような質問をすることで、自分にとって「働きやすい」かどうかを知る手掛かりが得られます。

その職場に、障害者への「配慮」はありそうですか?

ここまでは「賃金、労働条件」のギャップを生じさせないための企業選びについてお話してきました。次に考えたいのは、「職場の雰囲気・人間関係」についてです。障害者にとって働きやすい雰囲気があり、良好な人間関係を構築できる職場とはどのような職場なのでしょうか。

まず、アデコ株式会社が就業中の身体障害者と精神障害者を対象に実施したアンケート調査の「現在の勤務先に、改善してほしいと思うことはありますか」という質問に対する回答を見てみましょう。

アデコ株式会社 「精神・身体障害者338名と、企業人事担当者400名を対象にした調査」より

このアンケートによれば、約20%の就業中の障害者が「相談できる場を設けること」と「障害者への配慮」を求めていることが分かります。

困ったときに相談ができる窓口を設けるのは、障害者に対する一つの配慮の形だと言えるでしょう。もちろん、窓口があるからといって、必ずしも障害者が働きやすい雰囲気だとはは限りませんが、一つの判断軸として参考にしても良いのではないかと思います。

具体的には、職場適応支援者(ジョブコーチ)や精神障害をお持ちの方は、精神保険福祉士の在籍状況や連携状況をヒアリングすることをおすすめします。専門的な資格を持った担当者の存在は、職場の雰囲気に大きな影響を与えます。また、悩みが生じたときに相談できる専門家がいることは、快適な労働環境を支える大きな要素の一つです。

先述の「障害者の雇用実績」も重要です。障害者と共に働いた経験が豊富なメンバーには障害者への理解が期待できますし、過去に長期的に障害者を雇用していた実績は、障害者に配慮した制度づくり・職場づくりが進んでいることの証左です。

私は「頼れる専門家がいるかどうか」と「障害者雇用の実績」を聞くことで、職場の雰囲気や人間関係の悩みから離職してしまうことを防げるのではないかと考えています。

現役採用コンサルタントである私が考える、障害者を持った方々が「本当に働きやすい会社」を見分ける方法をお伝えしてきました。すべての人にとって「働きやすい会社」は存在しません。これまで述べてきたように、まずは自らが「働く」に対して何を求めるのかを明確にすることから始めましょう。

そして、志向が明確になったら一歩踏み出し、面接に臨みましょう。実際に企業の担当者と直接会話することで感じられる雰囲気も、「働きやすい環境か」を知るためにはとても重要な要素です。気になる企業の空気を感じながら、これまで紹介してきた項目をヒアリングすることで、あなたにとっての「働きやすい会社」が見つかることを願っています。

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