障がい者専用の基準はいらないーー「人が辞めない会社」大陽日酸が生み出す社員の活躍

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障がい者の「はたらく」を取り巻く環境は、理想と現実が乖離しているのが現状です。 なかなか就職先が見つからなかったり、仮に就職することができても、障がいへの理解のなさから生まれる人間関係に悩み、早期退職をしてしまう雇用者がたくさんいます。

本シリーズの第八弾は、大陽日酸株式会社の小島様(仮名)と障がい者雇用をご担当されている藤田様(仮名)にインタビュー。 障がい者、健常者に関わらず、誰もが活躍できる環境の秘密について、詳しくお話を伺いました。

※本インタビューは感染対策を行なった上で実施しています。

障がいを理解することが、理想の職場を見つける第一歩

—— はじめに、小島様がお持ちの障がいについてお聞かせください。
手前:藤田様(仮名)
奥:小島様(仮名)

小島:大学3年生の時に、ADHDと軽度のアスペルガー症候群と診断されました。不注意によるケアレスミスを起こしてしまったり、マルチタスクや突発的に発生した問題に対する対応が苦手といった症状があります。

—— 大学生時点で診断されたとのことですが、新卒時は障がい者雇用で就職されましたか

小島:当時は、まだ発達障がいが今のように注目されていなかったこともあり、一般雇用で入社しました。私自身も自分の障がいについて正しく理解できていなかったので、障がい者雇用で就活をする選択肢が自分の中にありませんでした。

—— そうだったんですね。一般雇用で働いてみて、苦労する場面はありましたか。

小島:正直たくさんありました。新卒では証券会社に営業として入社したんですが、業務スピードが早く、書類の記入漏れや入金ができていなかったりなど、ケアレスミスが学生時代よりも顕著になってきました。その上、周りの方も皆さん忙しく、自分の障がいのことも会社に伝えていなかったので、相談もできずに追い込まれてしまっていましたね。

その会社には3年勤めたんですが、適性がないなと思ったので転職をしました。転職先でも一般雇用で採用いただいたんですが、やはり仕事についていけない部分が出てきてしまい、障がい者雇用で働くことを決めました。ただ障がい者雇用について詳しく知らなかったので、まずは就労移行支援に通って、それから転職をしました。入社した会社は4年ほど勤めたんですが、業績悪化が深刻になってきたこともあり「もっと安心して働ける会社を」と思い入社したのがこの大陽日酸です。

—— 大陽日酸への入社を決断した決め手を、お伺いできますでしょうか。

小島:面接でお話した藤田さんや、役員の方々の雰囲気がとても柔らかかったことが一番の決め手でした。他にも、今の上司にあたる方が入社前に配属予定の事業所を丁寧に案内してくださったりして、こんな暖かい雰囲気の会社なら安心して長く働けるだろうと思い入社を決めました。

—— 働く人や社風に惹かれて入社をご決断されたんですね!
社員が自由に利用できるスペース

藤田:会社として人柄重視の採用を行なっています。面接にも笑顔で臨んでほしいので、話しやすい雰囲気を作るようにしていますね。もちろん経歴なども確認しますが、やはり一緒に働きたいと思えることが一番大切なんじゃないかなと。 もちろんそれは会社側にも言えることで、この会社で働きたいと思ってもらえるよう、圧迫面接なんてことは絶対にしませんし、社内の雰囲気作りにも力を入れています。

1つの基準が、活躍できる環境を作る

—— お二人は現在どのような業務を担当されていらっしゃいますか。
緑に囲まれた開放的なエントランス

藤田:障がい者雇用の担当人事のポジションで、書類選考や面接対応、入社後のフォロー業務などを行なっています。他にも、健康経営にも関わっており、ESGやSDGsといった、障がい者雇用を含む、社会問題に関する業務も担当しています。

小島:私は事業所の庶務総務業務全般と、事業所長の秘書業務も担当しています。元々は庶務総務のポジションでの採用だったんですが、徐々に幅広い業務を任せてもらえるようになり、今では秘書業務が6割を超えていますね。

—— 障がい者雇用で採用された方も、業務の幅が広がる前提での採用なんですね。

藤田:障がい者雇用と一般雇用で、業務内容に差をつけることはありません。もちろん無理をさせないことが大前提ですが、全社員に同等の基準で業務をお願いしております。

そのため、新規の業務についても任せられると判断されれば、障がいをお持ちだったとしても、追加でお願いすることが当然のようにあります。

もちろん業務内容だけでなく、評価基準も一般雇用と障がい者雇用で統一の基準を設けています。

ルールがないことで、配慮が当たり前になる

—— 御社の離職率が非常に低いと伺っておりますが、意識して取り組まれていることはございますか。
お昼休みに賑わう社員食堂

藤田:正直なところ、離職率を下げようと特別意識してることはないですね。ただ、安心して働けるような環境作りは大切にしています。

先ほどの話にもありましたが、健常者と同等の業務を任せるといっても無理をさせることは絶対にしません。仮に残業時間が増えてきた場合や有給休暇取得義務が満たされない場合は、その都度上司に通達が行くようになっていますし、万が一何か問題が発生した場合でも、社内でコンプライアンス委員会が開かれますので、迅速な対応が可能です。

その上で、私も障がい者雇用で採用した方々の相談窓口になっていますので、何か困ったことがあれば、いつでも直接話を聞けるようにしています。

小島:以前藤田さんから、「直近4年の間に障がい者雇用で採用された人は、1人も辞めていない」と伺って、とても驚きました。私が以前働いていた会社では3年間の離職率が30%を超えていたので、本当にそんなに人が辞めないことがあるんだろうかと疑問に思ったこともありましたね。

ただ、実際に私が入社する時点で、直属の上司の方が部署内に私の障がい特性を詳しく説明してくださっていて、一緒に働く方々が私の障がいについてすでに理解してくださっている状態だったんです。

こういったこともあって、本当に安心して働き続けられる会社なんだなと身に染みました。

—— 会社全体で、誰もが働きやすい環境を自然に整える風土が定着していらっしゃるんですね!

藤田:そうですね。明確なルールを社内で立てていないことが、むしろ良い形に働いているのかもしれません。社内面談で相談いただく内容も、前職と現職を比べた上での仕事に関する悩みが大半で、これは一般雇用で入社された方々と同じ内容です。

障がいを持っていても当たり前に活躍できる環境があるからか、障がい者雇用で働いている方々も必要以上に自分の障がいのことを気にせず働けているのかなと。

無意識の工夫が、活躍する鍵になる

—— 小島様が今後目指すキャリアプランについて、お伺いできますでしょうか。

小島:まずは勤怠の安定を第一に考えています。私のように発達障がいを持っていたり、あと精神障がいの方も同様だと思うんですが、体調を崩さず安定して勤務することがなかなか難しいんです。

私も過去の職場では短期間の離職が続いてしまったこともあり、この会社では長期的な就労を目指しています。

その上で新しい資格を取得したり、自社商材への理解を深めるなどして、今まで以上に幅広い業務を担当できるように、経験を重ねていきたいです。

藤田:弊社では、資格取得を推奨しており、頑張る方をバックアップする体制があります。またこれは小島さんに限った話ではありませんが、障がい者の方は生活する上で、自然と工夫をする癖が身についていると私は考えています。

例えば、左足に障害がある方はズボンを履く時に、先に左足を通さないと右足を通す事が難しいかもしれません。普段、自分では当たり前だと思っている行為が、自分の障害に対応するために無意識に行動に表れているのだと思います。

そしてこのような、無意識に工夫をすることが習慣になっているのだと思います。これは、働く上でも非常に大切な能力です。今後もその習慣や能力を活かし、自分の強みとして是非、弊社でご活躍していただきたいですね。

—— 最後に、今後貴社が目指す障がい者雇用に関する目標について、お伺いできますでしょうか。

藤田:弊社の障がい者雇用率は2.5%を超えており、次は3%達成を1つの目標としております。しかし、ただ雇用率をあげることだけが目標ではありません。

実は、以前までは雇用している方の半数以上が身体障がい者という現状がございました。しかし、それでは障がい者雇用に取り組む意味がないと考え、現在では発達障がい者や精神障がい者の方の採用も活発に行なっています。

そして、障がい種別に関わらず、より安心して働ける、そして活躍できるような会社にしていこうと思います。

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