「思いやり」とは「特別扱い」することではない——日鉄テックスエンジには、“助けてほしいとき”に掴める手がある

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障がい者の「はたらく」を取り巻く環境は、理想と現実が乖離しているのが現状です。 なかなか就職先が見つからなかったり、仮に就職することができても、障害への理解のなさから生まれる人間関係に悩み、早期退職をしてしまう雇用者がたくさんいます。

本シリーズの第六弾は、日鉄テックスエンジ (以下、テックスエンジ)の高橋光さんと、高橋さんの上司にあたる菊岡秀彦さんにインタビュー。 良い意味で「障がい者と健常者を区別しない」テックスエンジの文化と、そこから生まれている、現役社員のお二人が実際に働くなかで感じている「働きやすさ」について、詳しくお話を伺いました。

「働きやすさ」とは、手を差し伸べてくれる誰かがいること

—— はじめに、高橋さんがお持ちの障がいについて教えてください。

高橋:5歳の頃に緑内障を発症し、現在は視覚障害の2級を持っています。 視界の中心部分がうまく見えず、メガネなどで矯正することもできません。 日常生活では、街中の看板に書いてある文字が分からなかったり、ショーウィンドウの光が反射してよく見えなかったり……いくつか不便することがあります。

—— テックスエンジには、新卒で入社されたんですよね。どのような点に魅力を感じて入社を決めたのでしょうか。

高橋:当時の面接担当者が、ざっくばらんで話しやすい雰囲気で、働きやすさがイメージできたからです。職場見学の際にも、そうした社風を感じることができました。

—— そうなんですね。入社後はどのような仕事に携わってきたのでしょうか。

高橋:入社してまもなくは人事課に所属し、障がい者雇用の仕事に関わっていましたが、現在は給与グループに所属し、所得税や住民税、年末調整に関する仕事を担当しています。 基本的には数字を扱う仕事がメインです。

—— 数字を扱う仕事となると、日常的に細かい文字を処理しなければいけないですよね。業務を進める上で、不便を感じたことはありますか?

高橋:書類に書かれた小さな文字は見えづらいですね。視野が欠けている影響で、手書きの文字には特に苦戦しました。

—— どのようにして、働きにくさを改善されたのでしょうか。

高橋:当時の上司と相談し、手書きの文面をワードやエクセルで見られるようにしていただきました。 困ったときに、周囲の配慮があったおかげで、大きな不便を感じたことはありません。

—— 制度やルールはもちろん、周囲の「人」が働きやすい環境をつくっているんですね。菊岡さんは高橋さんの上司になった際、具体的なサポートの仕方は考えましたか?

菊岡:もちろん適切なサポートは考慮してきましたが、振り返ってみると、これといって具体的な施策を実施したわけでないんです。 というのも、私が高橋の上司になった当時、すでに彼は他の従業員と同じように働いていました。

その雰囲気を壊すことはしたくないので、障がいの有無にかかわらず、現在のメンバーで仕事をしている空間やバランス感を大切にしようと考えたんです。

高橋:私にとっては、そのスタンスが有り難かったです。 普段はみなさんと全く同じように仕事を進めながらも、たとえばある文字が読めなかったら、すぐに「これなんて書いてあるんですか?」と聞ける雰囲気がある。 普段から過剰な気遣いをされると気が引けてしまいますが、菊岡を含め、私の職場の仲間は、本当に困ったときに助け舟を出してくれる温かさがありました。

「障がいを持っているから」の先入観を捨てる

—— 良い意味で、障がいを「特別扱い」していないんですね。

高橋:少なくとも私の所属している部署と、私から見た本社の雰囲気は、誰に対してもフラットな印象です。

—— マネジメントをする側から見ても、同じように感じますか?

菊岡:あまり「障がい者への配慮」を意識したことはありませんね。 実は、私は本社に来る前に、障がい者採用の担当をしてたんです。 そこで、仕事で成果を出せるかどうかは、障がいの有無ではなく、本人の心持ち次第だと気づきました。

障がいを持っている人の中には「自分はこういう障がいを持っているのに、どうしてサポートしてくれないの?」と受動的であることが原因で、すぐにやめたり、やる気をなくしたりしてしまう人がいるんです。

でも、高橋は可能な限り自分の力で仕事を進めようとするので、周囲の人たちも彼の障害を過剰に意識せずに接します。 それが働きやすさにつながり、結果的にその働きやすさが「成果を出しやすい環境」につながっているのではないでしょうか。

—— 障がいの有無に関わらず、裁量権を持って働くことができる環境なんですね。

菊岡:もちろん、お互いが気持ちよく働くために「できる範囲内で」お仕事をお願いしています。 特に、建設業や鉄鋼業を中心としている弊社は、体に負荷がかかる作業を要することもある。

だからこそ、雇用者の安全のためにも「できること」と「できないこと」を明確にするようにしています。 事前に仕事内容と雇用者の持っている障がいを精査して、雇用者と相談をした上で「無理がない範囲」と判断したら、あとは本人に任せています。

「視覚障害だから見えない」「聴覚障害だから聞こえない」わけじゃない

—— ここまで、テックスエンジ社員として感じる「働きやすい環境」についてお話ししていただきました。 以上を踏まえ、今後、世の中全体が「障がいの有無に関わらず活躍できる社会」により近づくために、どのような改善が必要だと思いますか?

高橋:障がいの内容は人によって異なるのに、「障がいを持っているから」と決めつけて接してしまう人が多い気がします。 「視覚障害だから見えない」、「聴覚障害だから聞こえない」わけではないんです。

たとえば同じ視覚障害の中でも、具体的にモノがどのように見えているかは人によって異なりますし、白杖をついているからといって、必ずしも道案内を必要としているわけではありません。

人によって障がいの内容も、その障がいに対する考え方も違います。 個人的な意見ですが、その人たちがヘルプサインを出したときに手助けをするくらいが、障がい者にとってもありがたいと思います。 障がいの有無に関わらず、誰でも「この人はこうだ」と決めつけられたり、過剰な気遣いをされたりしたら居心地が悪く感じてしまいますよね。

—— 「人」と「人」が関わる上で大切なことが、障がいを持つ人が働きやすい社会にとって大切だということですね。 最後に、同じく障がいを持つ人に、テックスエンジをおすすめしますか?

高橋:自信を持って、おすすめできます。私はテックスエンジで働いてきたなかで自分の障がいを気にしたことがないので「障がいに負けず、活躍したい」と考えている人にはピッタリな会社だと思います。

菊岡:前向きに仕事を頑張れる人は、障がいの有無に関わらず、会社にとって必要な人材です。 弊社は、自分が「できること」に率先して挑戦できる人にとって、活躍できる環境だと思います。

日鉄テックスエンジ株式会社
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