障がい者の特性や強みに応じた配属により、力を最大限発揮できる環境を整える、損保ジャパンの障がい者支援

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障がい者の「はたらく」を取り巻く環境は、理想と現実が乖離しているのが現状です。 なかなか就職先が見つからなかったり、就職することができても、障がいへの理解不足から生まれる人間関係に悩み、早期退職をしてしまうケースは多くあります。


第二弾は、東証一部上場企業・SOMPOホールディングス株式会社の中核子会社である損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)の岩田未来さんと坂本勉さんにインタビューしました。 損保ジャパンは、全社を挙げて障がい者の活躍支援に取り組んでおり、ダイバーシティの推進に力を入れています。

障がい当事者でもあるお二人に、転職の経緯から、取組みの詳細、今後目指す姿について詳しくお話を伺いました。

「Diversity for Growth」がスローガン--私が損保ジャパンに転職した理由

—— お二人は、損保ジャパンで人事部に所属されているとお伺いしました。まずは、お仕事についてお伺いさせてください。

岩田:私の仕事は、障がい者採用と障がい者活躍支援、そしてLGBTをはじめとするダイバーシティの推進です。 坂本も同様に障がい者採用と活躍支援を担当しており、二人で一緒に社内向けの研修を行なっています。

—— 人事業務の中でも、採用業務だけでなく、活躍支援にも携わっているんですね。

坂本:そうですね。当社は「Diversity & Inclusion」に力を入れており、多様な考え方や価値観を認め合い、尊重し合い、それぞれの個性を活かして協働していくことを目指しています。

その一環として「障がい者の活躍支援」に取り組んでおり、障がいの理解促進を目的とした管理職向け研修の開催や、ニュースの発信、 全国各地に配置している「障害者職業生活相談員」の育成・フォローなどを行い、障がい者が活躍できる環境づくりに力を入れています。

—— お二人も障がいをお持ちの当事者だとお伺いしています。どのような障がいをお持ちなのでしょうか。

岩田:大学院在学時に、うつ病を発症しました。 その後療養をしていたのですが、症状がなかなか改善せず、現在は「気分変調症」の診断を受けています。

坂本:大学卒業後、外資系の生命保険会社で働いていて、勤続17年目に統合失調症を患いました。現在も投薬を続けています。

—— そうだったんですね。損保ジャパンへの入社経緯についても、お伺いさせてください。

岩田:過去、満足いくような仕事ができなかったことをきっかけに、損保ジャパンへ転職しました。 これまで働いていた会社にはフルタイムの嘱託社員として入社しましたが、活躍の機会を得ることが難しい環境だと感じていました。

「法定雇用率を達成できればいいから、ただ座っていてくれればいい」といった方針の会社は少なくないと感じていますが、 そのような環境では、責任ややりがいのある仕事に携わり成長していくことは困難です。

そのようななかで、私は「やりがいを感じられる仕事に就きたい」と強く思ったため、転職を決意しました。 そのときに巡り合ったのが損保ジャパンです。

学生時代にセクシュアルマイノリティについて研究していたことがあり、将来はダイバーシティに関連する仕事に就きたいと思っていました。 損保ジャパンの人事部の取組みはまさに、自分のやりたかったことにぴったり当てはまったのです。

坂本:統合失調症を発症したことで1社目を退職し、その後はスーパーで勤務していました。 ただ、スーパーはずっと立ち仕事だったために膝を悪くしてしまい、「この仕事はこの先長く続けられない」と感じたことで転職することにしました。

転職先の候補はコンサルや銀行、マスコミなど。障がいがあっても働きやすい事務系の仕事を探していましたが、損保ジャパンに人事部ポジションの募集があり、強く興味を持ちました。 話を聞いてみたところ、自分の経験が活かせそうであり、なおかつ重要な仕事を任せてもらえることから、入社を決めました。

障がい者のリアルを伝えることで、正しい理解促進を図る

—— 転職における苦労についても、お話を聞かせてください。

坂本:障がいを発症したとき、すぐに転職エージェントに登録しました。しかし音沙汰がなく、結局転職活動すらできなかったんです。 当時は今ほど精神障がいに理解がなく、精神障がいがある時点で求職者の対象として見られていませんでした。

地域の就労支援センターに登録し、やっとのことでスーパーで働くことができましたが、その間に行っていた有償ボランティアは最低賃金未満でした。 「障がい者として働く」ことが、どれだけ難しいのかを突き付けられました。

岩田:3年前に転職活動をした際は、2ヶ月間で80社から“お祈りメール”をいただきました。 精神障がいは身体障がいより就労の前例が少ないため、雇用する企業側の視点からすれば、受け入れるハードルが高い。 さらに、給与も非常に安いことが大半でした。

仕方のないことだとは理解しつつ、「やりたいことを仕事にするのは、よっぽどのことがない限り無理なんだ」と感じましたね。

—— しかし現在は、お二人ともやりがいを持ちながらお仕事に従事されています。その背景には、障がい者の活躍に力を入れている、損保ジャパン独自の取り組みが影響しているのでしょうか?

岩田:とても大きいと思います。入社後に知ったことですが、損保ジャパンには、障がいがあっても長く勤務し、ステップアップするための人事制度があります。

また、入社後配属先の職場には先輩社員のサポーターがつき、日ごろのフォローのほか所属長を含めた定期的な面談を行っています。 業務に関する相談や精神面の状態を含めた体調などを共有し、相互理解を深め、働きやすさ向上や成長促進のために役立てています。 当社は、障がいの有無にかかわらず、誰もが活躍できる環境づくりに力を入れているため、自分らしく働くことが可能だと感じています。

坂本:書類選考の段階で、どのような業務であれば活躍できるかを入念に検討している点も大きいと思います。 人事部と各職場でマッチするポジションを検討し、面接で具体的な業務内容を伝えているため、ミスマッチも起きにくく活躍しやすい土壌ができていると感じます。

—— 入社以前から、いかに活躍してもらうかを考えているんですね。お二人は現在、人事として「活躍を提供する側」になられていますが、当事者だからこそ伝えられることもあるのではないでしょうか。

岩田:そうですね。冒頭でも少しお話ししましたが、私たちは全国各地の支店に対し、障がい者の受け入れにあたっての研修を行っています。 その際は、自身の経験を話すことはもちろん、大学院在学中に研究していた専門的な話もするようにしています。

坂本:障がいに対してステレオタイプの考え方をもつ人もいます。「統合失調症の患者である」と聞くと、そもそも働くことが困難だと感じる人もいるでしょう。なので私は、自分自身のことを赤裸々に語るようにしています。 当事者が話すことで、正しい理解がなされると思うからです。

実際のところ、研修が終わった後は、電話やメールで質問をいただくことがあります。 すると「自分の言葉で伝えた甲斐があった」と感じますし、社内で正しい理解が進んでいくことを実感できますね。

障がい者と健常者、双方が歩み寄って初めて、分断を超えられる

—— 採用の指針についてもお伺いさせてください。損保ジャパンでは、どのような方と働きたいと考えているのでしょうか。

岩田:当社は、障がいの有無にかかわらず、募集職種の期待役割を発揮できる方を採用しています。 そのため、自身の限界を決めずにチャレンジし、自らスキルを磨く主体性や向上心を持っていてほしいと思います。

健常者と障がい者が共に働くうえでは双方の歩み寄りが必要であり、障がい者側も「フォローをしてくれて当たり前」ということではなく、 未経験の業務に積極的にチャレンジしたり、できることを一生懸命にやりきることだったり、自分の市場価値を上げる努力をすべきだと、当事者として感じています。

坂本:障がいの程度によってできることは変わってきますが、少なからず努力をする必要はある。「障がいのせいで働けない」と下を向くだけでは何も変わらないので、働くことを目指すなら、それに見合う行動をすべきです。 その意識だけでも、障がいに対する世間の偏見や分断を超えていく一助になると思います。

—— 世間の偏見や分断をなくしていくために、今後社会にはどのような動きが求められていくと思いますか?

岩田:私も坂本も中途障がい者です。 発病する以前は、身内に障がい者がいるにもかかわらず、自分が障がい者になるとは思っていませんでした。そういった意味で、誰であっても障がいを持つ可能性があることを認識してほしいです。 それだけでも、当事者意識を持つことができ、お互いにとって良いコミュニケーションが取れるようになると思います。

坂本:私は幸い、こうして働くことができていますが、重い障がいを持っているがゆえに、そもそも働くことが困難な障がい者もいます。 そうした人たちが活躍できる場をどうつくっていくかは、もっと議論する必要があると思いますね。

—— 最後になりますが、お二人が目指す、障がい者の働く環境整備についてお伺いさせてください。

岩田:一人でも多くの人が自分らしく働ける社会をつくっていきたいので、社内での障がい者採用と活躍支援について、当事者の自分だからこそできることに力を入れていきます。 人事部に所属してから日が浅いので、まだまだできることがあるはず。

また私自身「働く障がい者」なので、私が働くことを通じて、障がいへのステレオタイプをなくしていきたいなと思っています。

坂本:私一人では社会を動かす大きなうねりをつくれないかもしれませんが、その一助になる活動を続けていきます。 社内への働きかけはもちろん、社外に向けた啓蒙活動にも参加し、誰もが自分らしく働ける環境づくりに貢献していきたいです。

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