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「信頼感」が、チームをつくる—— JA三井リースに学ぶ、一緒につくる障がい者雇用

障がい者の「はたらく」を取り巻く環境は、理想と現実が乖離しているのが現状です。なかなか就職先が見つからなかったり、仮に就職することができても、障害への理解のなさから生まれる人間関係に悩み、早期退職をしてしまう雇用者がたくさんいます。

そうしたなかでも、障害者が障害にとらわれずイキイキと活躍できる環境づくりに力を入れている企業も少なくありません。今回編集部が注目したのは、JA三井リース株式会社。

本シリーズ第七弾は、JA三井リース株式会社 人事総務部の小原香利さんと加藤絵美さんにインタビューしました。

心から尊敬し合い、息ピッタリの二人。お二人の話から、障がいの有無に関係なく職場全体が快適に働ける環境づくりのヒントを探っていきます。

JA三井リースへの入社は、自分の力で人生を切り開く意思表示

—— はじめに、小原さんがお持ちの障がいについてお聞かせください。
JA三井リース
人事総務部 人材開発室 小原香利さん

小原:専門学校在籍時に脳梗塞を発症し、後遺症として左半身不随となりました。リハビリによって下肢は動くようになったものの、左手は思うように動かすことができません。

もともと栄養士を目指していたのですが、障がいをおったことで、その夢を諦めざるを得なくなりました。入学して早々に進路を考え直さなければいけなくなり、さながら“出鼻をくじかれた”感覚でしたね。

今では障がいについて笑いながら話せますが、やはり当時は塞ぎ込みました。障がいと無縁の人生を生きてきましたから、「これからどうしよう」と悩みましたね。

—— 突然の出来事だったかと思います。思い悩んでいた時期から、どのようにして立ち直られたのでしょうか。

小原:入院とリハビリで、一年ほど自分と向き合う時間がありました。元の自分に戻れないことに落ち込んでいたのですが、リハビリの先生から「泣いている場合じゃないよ」と叱責されました。「泣いていたって、誰も助けてくれない。自分の頭で考えて行動しないと、生きていけない」と、私のことを思って発言してくれました。

先生の言葉を受け、少しずつ考え方がポジティブになりました。それも簡単なことではありませんでしたが、「自分にできることを探していくしかない」と気持ちを切り替え、片手でもできる事務職に就くことを決めています。

—— 先生の厳しくも優しい言葉が、前を向くきっかけになったのですね。数ある選択肢の中から、JA三井リースで働くことを決めた理由もお聞かせください。

小原:コーポレートサイトに掲げられていた「Real Challenge, Real Change.」という経営理念に心を動かされました。

私自身、左半身が不自由になって人生が大きく変わったことで、「自分の力で人生を切り開いていかなければならない」と強く思うようになりました。その気持ちはまさに、“Real Challenge, Real Change.”という言葉に置き換えられます。

JA三井リースは中途で入社しているのですが、以前の会社では「何か私にできることはありますか?」と尋ねても、仕事をもらえずにただ座っているだけの日々を過ごしたことがあります。

そうした会社では働きたくなかったですし、前のめりになれていない自分を変えたかった。「JA三井リースなら、自分の力で人生を切り開いていけるかもしれない」——入社した当時は、そのような気持ちを持っていました。

チームに必要なのは、お互いへの信頼感

—— 小原さんは現在、JA三井リースでどのようなお仕事をされているのでしょうか。
三井リース 人事総務部 人材開発室 加藤絵美さん(写真右)

小原:採用チームの総合職をサポートする役割として、一般職の加藤さんに教えてもらいながら電話やメールの対応、あとは請求書の処理などを行っています。

—— 加藤さんから見て、小原さんの働きぶりはいかがですか。

加藤:一言で表現するなら、とても信頼できるパートナーです。自立していて、高い向上心がある。日に日にできることが増えていて、いつも頼りにさせてもらっています。

小原さんは、できることを追求する姿勢が強いです。たとえば、左手が不自由なことでキーボードのショートカットキーが押せないとき。彼女はペンを用いて、それを克服します。こうした創意工夫の積み重ねで、いつもいつも最善を尽くしてくれます。

4年前に入社した頃から、二人で少しずつ働き方を模索してきましたが、今では阿吽の呼吸になっています。

小原:とても嬉しいです。リハビリ生活で身につけた「できないからって、簡単に諦めない」という姿勢が、仕事にも活かされているのだと思います。

—— 小原さんにとって、加藤さんはどのような存在なのでしょうか。

小原:本人を目の前にして言うのは照れくさいですが、「加藤さんのようになりたい」と思いながら働いています。

もちろん優しいだけでなく、豊富な知識をお持ちで、いちビジネスパーソンとしても尊敬しています。分からないことを気軽に質問できる雰囲気をつくってくれますし、加藤さんが一緒だったからこそ、今の私があると思っています。

—— 小原さんと働く上で、何か特別な配慮をされているのでしょうか。

加藤:障がいがある分、不自由することがあることは承知しています。ですから、業務をお願いする際に工夫はしていますね。

とはいえ、「これはお願いできるだろうか」と私自身も悩むこともあります。その際は私だけで考えて依頼するのではなく小原さんと話し合い、意見を聞いて、必要に応じてやり方を変えながら作業していただいています。それが結果的に今までよりも良い結果を生み出すこともあります。たとえば小さなことですが資料の置き方一つにしても、ただ積み重ねるのではなく、立てかけて掴みやすいようにした方が、小原さんだけでなく私にもチームの皆さんにとっても便利ですよね。

ソフトとハードの両面から、障がいの有無に関係なく誰にとっても働きやすい環境をつくる。これが弊社の考え方です。 常日頃からコミュニケーションをとって、チームの達成したい目標やスケジュール、総合職の考え、そしてサポートする私と小原さんの役割の確認を丁寧に行います。小原さんもそれを理解して自ら提案をしてくれるので、お互いに気持ちよく仕事ができているのだと思います。

「障がいがあっても活躍できる」ことを証明したい

—— 小原さんは今後、どのようなキャリアを歩もうと考えているのでしょうか。

小原:契約社員として入社をしているので、まずは正社員を目指したいと思います。制度としての正社員登用はあるのですが、障がい者雇用枠を利用して入社した中途社員のうち、正社員になった人はまだいません。

JA三井リースは、これまでの経験を踏まえた上で、障がいがある人にとって本当に働きやすい環境だと思っています。これからもずっと働いていくつもりなので、私が正社員登用第一号になって、これから入社する方の背中を押せる存在になりたいと思います。

加藤:小原さんと一緒に働く同僚として、彼女の夢を応援してあげたいです。私と小原さんの関係性には、上下関係はありません。役割や担当業務が違うだけだと考えています。

任せられる仕事はできる範囲でたくさんお願いしていますし、それによっていつも助けてもらっています。「障がいがあっても、こんなに仕事ができるのだ!」という実績を一緒に増やしていきたいと思っています。

小原:ありがとうございます。今後は人事としてのキャリアを深めていきたいと考えています。 精神障がいを持つ方の採用をお手伝いさせていただく機会も増えてきたので、これからはメンタルケアの資格を取得しようと勉強もしています。まだまだ、自分にできることを広げていきたいです。

やりたいことの実現に向け、会社をあげたサポートを

—— お二人は人事をされているとのことですが、どのような人物と一緒に働きたいと考えているのでしょうか。

加藤:障がいの有無に関わらず、主体的に業務に取り組む姿勢を持ってほしいです。総合職、一般職、契約社員…どの職掌でも自ら考え、意見を伝えることが出来ることが必要だと考えます。チームでコミュニケーションを取りながら業務を行う機会が多いので、面接でも「周囲に働きかけながら協力しあえる人か」を重視しています。企業理念に共感し、体現できる人物であれば、障がいがあってもなくても、採用基準は変わりません。

小原:私が新卒世代だった頃は、障がい者雇用の多くは中途扱いとされていました。しかし最近は、大半の企業が新卒でも障がい者雇用を行っています。弊社も新卒で障がいをお持ちの方を採用しましたし、今後も新卒総合職、一般職を採用するために積極的にオンラインイベント等を行っていく予定です。

—— 最後に、今後御社への入社を考えている方々にメッセージをお願いします。

小原:まず、障がいに関する不安はきちんと対処してくれる環境があるので、安心して扉を叩いてほしいです。ただ、入社後にミスマッチを起こさないためにも「自分にできること」を明確にしておく作業は必要だと思います。

加藤:就職活動中の学生とお話をすると、障がいを持ちながら働くことに不安を抱えていたり、「どこまで障がいをオープンにするべきか」について悩んだりしている方が多い印象があります。

しかし、弊社で働く場合は、障がいを決してマイナスととらえず、一人一人個性があるように、是非ご自身の障がいについて一つの個性として包み隠さずお話しいただけたらと思っています。障がいについて理解をした上で、一人ひとりに合わせたサポートをし、「できること」や「得意なこと」や「やりたいこと」を一緒に体現することが私たちの働き方だと考えています。

自分で限界を決めたり諦めたりすることはしないでください。小原さんがそうであるように、“前向きに働く”ことが出来るようお互い働きやすい環境や職場づくりを一緒に目指していきましょう。

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